どんぴんからりん

昔話・絵本いろいろ。語るのを目的としたものでしたが・・。それにしてもまるで森に迷い込んだ感じです。(2012.9から)

ベルナルさんのぼうし

2014年12月30日 | 絵本(日本)
ベルナルさんのぼうしベルナルさんのぼうし作:いまい あやの出版社:BL出版絵本ナビ

 家族も友達もなく、「だれにもうるさくかまわれることのない暮らしは、気楽でいい」といっていた、くまのベルナルさんの帽子に、きつつきが住み着いてしまいます。
 はじめは、「出て行ってくれよ!」というベルナルさんがいいますが、ほかの鳥も新しく巣をつくってしまいます。どんどん増える鳥。帽子もそれに合わせて、どんどん高くなっていきます。

 いつのまにか鳥たちと仲良くなりますが、ある日、帽子がからっぽになります。
 冬をむかえて、暖かいところへ旅立った鳥たち。
 しかしそんなこととは知らないベルナルは、「ぜんぜん、心配なんかしいていないぞ」と、強がっていますが、目は、いつも窓の外へ。
 くまは冬眠して、冬を過ごします。
 やがてトントン!とだれかが、ドアをノックした音で目が覚めます。
 外に出たベルナルさんが、みたものは?

 つよがりをいっていても、どこか寂しいというのは、よーくわかるところです。また、友達になった小鳥たちを、心配しないといいながらいつも気にかけているのも、素直につたわってきます。
 ベルナルさんのまわりが鳥たちの歌声であふれているのを見た町の人々が、これはいいと高ーい高ーい帽子を帽子をかぶりますが、他の人の帽子には、小鳥は巣をつくりません。

 ベルナルという名前は、どこからきているのか、気になりました。

 見返しに小鳥の家がいっぱい。しかしそのほとんどは窓のドアが閉じられています。しかし、裏表紙の見返しでは、半分くらいに小鳥が顔を出しています。

 3月ごろ読むと季節感がピッタリきそうです。


            ベルナルさんのぼうし/いまい あやの/BL出版/2014年初版
コメント

ぼくブルートレインにのったんだ

2014年12月28日 | 絵本(日本)
ぼくブルートレインにのったんだぼくブルートレインにのったんだ作:わたなべ しげお / 絵:おおとも やすお出版社:あかね書房絵本ナビ

 先日、近くの公園に保育園児が遊びに来ていました。ちょうどそのとき電車が通ると、子どもたちは大喜びで手をふっていました。
子どもたちは本当に電車や車など動くものが好きですから、楽しめる絵本でしょう。

 この絵本は、くまの”くまたくん”を主人公にしたシリーズものの一冊。
 お母さんの誕生日にお父さんがプレゼントしたのは、ブルートレインに乗った旅行でした。
 くまたくんは初めて乗るブルートレインに興味津々です。
 ねむれないくまたくんは、お母さんのひざにだかれて、真夜中のプラットホームをみつめます。
 一晩走り続けると、東のそらが、しらみます。
 くまたくんは、お父さんと一緒に、一番後ろの車両で、とおりすぎる光景をみつめます。
 そして、列車は終点の熊森駅に到着します。

 特にドラマがあるわけではありませんが、列車の車内が丁寧に描かれています。
 車内で、ブタがトランプをし、ウサギがコーヒーを、カバが本を読み、キツネがお酒を飲み、ネコがあくびをしている光景がほほえましい。

 大分昔のことになりますが、目的地だけ決めて、あとは夜行列車を利用してよく旅行にでかけていました。宿泊費を節約することと、遠くまでいけるというのが理由ですが、今はこうしたこともできなくなったようです。10時間以上かけて、郷里へ帰省したことが思い出されます(古いか?)。 


          ぼくブルートレインにのったんだ/わたなべ しげお・さく おおとも やすお・え/あかね書房/1988年初版
コメント

旅館で昔話?

2014年12月26日 | いろいろ
 まちおこしの一環で、昔話に力を入れている遠野のようなところは別として、昔話が聞けるホテルもあるようです。

 毎晩8時から、餅つきと語りがきけるという群馬の豆腐懐石猿ヶ京ホテル。

 レパートリが500話で、大女将も話しているとあって興味をそそられました。

 昔話を聞きたいというリピーターがいたら、ホテルの経営方針はユニーク。

 別にホテルの宣伝をかってでたわけではありませんが、こんなホテルもあるということです。しかし、大女将さんどんな人でしょうか。
コメント

どうぶつさいばん ライオンのしごと

2014年12月25日 | 絵本(日本)
どうぶつさいばん ライオンのしごとどうぶつさいばん ライオンのしごと作:竹田津 実 / 絵:あべ 弘士出版社:偕成社絵本ナビ

 舞台はタンザニアの草原。
 動物たちをみているイチジクの木は、千年以上にわたって、この草原のできごとをながめています。

 おかあさんを殺されたヌーの子が、ライオンのお母さんを訴え、裁判が始まります。
 しまうまも「わたしのかわいい子どももよ」といいます。
 裁判長はハイラックス。ハイラックスとは聞きなれない動物ですが、うさぎのようなイワダヌキ。
 原告の証人は、バッファロー、インパラ、ヌー
 弁護人のオオカミギツネは、牛、ハゲワシ、牛、羊飼いの老人

 ハゲワシは「ライオンはうごきのおかしいものか、よわったものしか殺せません」
 ライオンの標的になるインパラは、「わたしたちの数が増えないのはライオンやハイエナのせいですが、増えないから、みんなが食べていけます」
 年とったヌーは「病気になると体がうまく動かず、群れからも離れます。それがライオンたちにはころしてくれといっているようにみえるのでしょう。しかたのないことかもしれません」

 強いものが残り、弱いものは消えていく弱肉強食の自然界。
 しかし、この裁判であきらかになることは、強いものが手当たり次第に弱いものを殺していないという事なのですが・・・。

 病気になった動物の菌が、森にばらまかれて全滅するかも知れず、早く病気の動物を見つけ出して、だれかがころしてやらないといけない、ライオンが狩りをするのは、草原の動物をまもる役割をはたしているというのに、うまくいえないなのですが、すこしひっかかりました。
 

                どうぶつさいばん ライオンのしごと/竹田津 実・作 あべ弘士・絵/偕成社/2004年初版

コメント

牙の生えた王様の話・・・マレーシア

2014年12月23日 | 昔話(外国)
 ある日、王さまが食べた料理があまりにもおいしかったのは、料理人があやまって指を切り、その血が料理にはいってしまったからというもの。それからは、王さまは、囚人の血を入れた料理を食べるようになります。それとともに、王さまの犬歯は、日に日に大きく長くなります。やがて血を採られていた囚人がいなくなって、普通の人々からも血を採る方法しかなくなって、大臣たちが相談し、王さまを追放しようとします。
 やがて、王さまと大臣たちの戦がはじまりますが、民衆は残酷な王さまを見捨てます。

 すこしびっくりするような話で、読むだけにしたい話です。 


    牙の生えた王様の話/レダン山のお姫様/アジアの現代文芸 マレーシア/藤村裕子訳/大同生命国際文化基金/2003年初版
コメント

昔話の文化的背景

2014年12月23日 | 昔話の背景
 イスラムというと中近東を思い浮かべるが、インドネシアがイスラム教徒が一番多い国で、東南アジアにもイスラム教徒が多いというのはあまり意識されていないようだ。

 イスラムというと酒、豚肉はダメというのが知られているが、どうしてもなじみにくいのが妻を複数もつことが許されているということ。
 「アリババと四十人の盗賊」では、アリババが、兄が亡くなったあと、その妻と財産を受け継ぐのが原典に忠実であるが、子ども向けの話としてだされているものでは、このへんが微妙に表現されているのは、われわれの感覚にそったもののようだ。

 ところで、イスラムの昔話を読むうえで参考になる指摘がされていた。

 イスラムでは、死者が生きている人たちに及ぼす力を認めていないということ。生きている人たちが死者に対して直接的に語りかけるという概念がないため、日本でみられるようにお墓の前で使者に語りかけるというのが、イスラムでは全くありえないという。

亡くなった人に、語りかけように感謝する行動は、イスラムの教えにはあってはならないという。

 いま、イスラム国で、少女を奴隷にしたり、イスラムを名乗って学校を襲撃した事件が報道されているが、これはイスラム教の教えであるわけがない。

 文化的な違いにあまりにこだわると、外国の昔話を語ることが難しくなりそうだが、こうしたことも踏まえていきたい。


    レダン山のお姫様/アジアの現代文芸 マレーシア/藤村裕子・訳/大同生命国際文化基金/2003年初版の訳者あとがき
 
コメント

ベンチが一つ

2014年12月20日 | 絵本(日本)
新装版 ベンチが ひとつ新装版 ベンチが ひとつ作:竹下 文子 / 絵:鈴木 まもる出版社:講談社絵本ナビ

 公園の木の下に白いベンチがあります。

 夜明け前から夜のとばりがおち、星空のもとで、公園の街灯がともる1日です。
 何の変哲もない日常の風景がとおりすぎます。

 絵のなかから、いろいろなものを探す楽しみもあります。

 朝早く散歩に訪れるおじいさん、小さな赤ちゃんを連れたお母さんのおしゃべり、絵を描いている人、体操をしている人、バレーボールをしているグループ。
 そして、子どもたちが遊んでいて、その声が聞こえてきます。

 公園でゆったりする人も少なくなってきたような気がしますが、大事にしたい場所です。


                  ベンチが一つ/竹下文子・作 鈴木まもる・絵/講談社/2011年新装初版
コメント

雪じいさん・・ロシア

2014年12月20日 | 昔話(外国)
         雪じいさん/世界むかし話6 ロシア 空飛ぶ船/田中泰子・訳/ほるぷ出版/1979年初版


 「12の月のおくりもの」をおもわせるお話。

 継母から、真冬の森にシバを取りに行かせられたむすめが、雪じいさんから、糸を紡ぎ、布を織ってシャツをつくってくれといわれ、シャツを縫い上げると、雪じいさんから宝ものをもらうという話。

 「仕事がよければ、ほうびもよい」という雪じいさん。継母の娘が、仕事もしないで、宝物をほしいというのに「自分の仕事につりあったほうびをもらうことじゃろうよ」というあたりは、働くことの大事さが、すんなりとつたわってくる。

 バーバー・ヤガほどではないが、この雪じいさんも存在感がある。なんとなく白髪を想像します。この雪じいさん、モミ林やシラカバ林を、ザワザワ、バシバシと音をたてながら、木から木へと飛び移って現れますから、あまり大男ではなさそう。
コメント

食べ物や金貨がでてくる話・・・2

2014年12月19日 | 昔話(外国)
・ふたりの兄弟(ふたりの兄弟/世界むかし話6 ロシア 空飛ぶ船/田中泰子・訳/ほるぷ出版/1979年初版)

 主人公が食べ物をだしてくれるテーブルや、金貨をだしてくれるロバを手にいれ、どれも途中ですり替えられてしまうが、最後にはこん棒などで取り戻すという話は、これまで読んでいるなかでは、もっとも多い話型である。
 さまざまな国にあるが、このロシアの昔話「ふたりの兄弟」はやや趣がことなる。

 テーブルやロバをすり替えるのは、多くが宿屋というのが多いが、この話では兄である。

 そして、宝物をくれるのも、テーブルかけは風、金貨をだしてくれるヤギは太陽、こん棒にかわる二人組をくれるのは雪じいさんと別々。雪じいさんというのがロシアらしいところ。

 兄が金持ちイワン、弟はびんぼうイワンといい、ぺーチカがでてきたり、テーブルかけからでてくるものが、肉入りパイ、まるパン、肉入りシチュー、ブタのもも肉、カラスムギのゼリーなどと、おもわず食欲をそそりそうなものが具体的にでてくる。

 そして、ヤギにドングリを食べさせると金貨がでてくるというのも楽しい。
 

・がみがみおやじ(ラング世界童話全集9 みずいろの童話集/編訳・川端康成・野上彰/偕成社/1978年初版)

 フランスの話をラングが再話した「がみがみおやじ」。
 
 食べ物をだしてくれる小さなかご。
 金貨をだしてくれるおんどり。
 
 お上人?から二つのものをもらうが、宿屋でとりかえられたがみがみおやじ。
 他の話のように、最後は、なぐりつける小枝がでてきて、宿屋のおやじをなぐりつけ、ふたつのものをとりもどすことになる。

 しかし、この話、お上人が宝ものをもちかえるというオチ。
 
 この「がみがみおやじ」は、他の話の倍以上長い。お上人は、泉のそばのほら穴にすんでいるという存在。考えられた訳のよう。

 それにしてもこの手の話が多い。


               
コメント

ふしぎな文房具屋

2014年12月18日 | 安房直子
 であいは突然という感じでしたが、読めば読むほどメルヒンの世界をあじわさせてくれるのが、安房さんの作品です。

 小学校の教科書にも採用され、小学校時代に安房作品を読まれたかたも多いようですが、私は残念ながら安房さんの作品に触れることはありませんでした。

 これまで4年弱、いろいろな人のお話を聞いていますが、諸先輩が安房作品を語っていないのが不思議なくらいです。語るには長すぎることもありそうですが、覚えたいと思うと、すんなりはいってくるのも特徴のような気がしています・・・。

 朗読されている作品も多いようですが、あるブログの「大人のためのお話し会」のプログラムに「花豆の煮えるまで」をみて、聞いてみたいと思いました。
 でもこの話も長いですね・・・。

 安房作品に惹かれて、勉強会で「ひぐれのお客」を話したことがあります。比較的短いものですが、それでも20分はこえました。それにしても季節感が重要で、この話も11月か12月初めの頃がふさわしく語る時期に制約があるのが残念です。
 

 「ふしぎな文房具屋」も、不思議な世界へいざなってくれます。

 客が三人も入ればいっぱいになりそうな店には、なんとも不思議な文房具がおいてあります。
 ほんものの花のにおいがする鉛筆、虹から色をもらった絵具、小鳥の声が聞こえる筆箱、なんでも消える消しゴム等々。
 冒頭に、これだけのものがそろっていると、すぐに安房さんの世界へ。
 
 一人の女の子が店にやってきますが、やってきたのは冬のひぐれどき。女の子はみぞれにぬれ、寒そうで、とても悲しそうです。春や夏ではなく、冬がぴったりです。女の子はなんでも消える消しゴムをくださいといいます。大事な猫を亡くし、心の悲しみを消そうとしたのです。
 おじいさんが画用紙に猫をえがくと、それは女の子がかっていた大事な猫とそっくりです。しかし、その猫が病気で死ぬ前の猫だったので、女の子はすぐに消してとさけびます。おじいさんが黄色いけしゴムで絵のうえをこすると、画用紙には、一面の水仙の花柄がひろがります。女の子が水仙をみつめていると、画用紙から猫の声が聞こえてきます。
 女の子が、花畑に入りたいというと、いつの間にか花畑へ。そこには健康な猫がいます。しばしの楽しみ。しかし、猫は女の子をふりきって空にのぼってしまいます。

 文房具屋さんのおじさんが、これはおまけといってわたしたのが、涙も吸い取ってくれる特性の吸い取り紙。

 こんな吸い取り紙がほしいですね。

 ここにでてくるおじいさん、丸いメガネをかけ、なんでも見通している仙人みたいなおじいさんで、アニメにしたらどんなイメージになるか想像してみました。


            ふしぎな文房具屋/安房直子コレクション2 見知らぬ町 ふしぎな村/安房直子/偕成社/2004年初版 1982年初出
 
コメント

石の王子・・クルジャ

2014年12月16日 | 昔話(外国)
 ロシアの昔話にのっているが、クルジャは、どうも中国、新疆ウイグル自治区にある都市。
 
 グリム「三本の金の毛のある悪魔」と同じ話型で、他の国にも同じようなものがあり、冒頭に予言があるのが普通ですが、このお話には予言がでてきません。しかし後半は同じパターン。

 ようやくのことで、子どもを授かった王さまが、王子に何か悪いことがおきるのではと心配し、高い塔にすまわせます。外に出してもらえない王子に、太陽がほほえみかけて慰めようとしますが、王子はそれに気がつかず、太陽のほうをちっともみようとしません。おこった太陽は、王子を石にかえてしまいます。

 これを助けようと王子の息子が、太陽の母をたずねていきます(つまり、太陽が二つ)。
 旅の途中で、三つのお願いをされます。

 一つ目は、一台の鋤を九頭のお牛にひかせるが、お牛がほとんど前にすすむことができないわけ
 二つ目は、羊の大群がほとんど前にすすめないわけ
 三つ目は、トナカイに大きな角がはえて、身動きできないのをどうすればいいか

 王子の息子は、太陽の母と太陽の話を聞いて、石の王子をいきかえらせ、また旅の途中で、お願いされた答えをだしますが、なるほどと思うのは、その答えで、日常の生活と結びついています。

 <お牛が動かないのは、馬具が鉄で重すぎるので、皮製のものにかえなさい>
 <羊が動けないのは、毛がのびすぎているからで、毛をかりとりなさい>
 <トナカイが雪解け水でからだを洗えば、頭から角が落ちますよ>

 馬具が皮製でできていること、羊毛で毛糸をつくるようになったわけが、話のなかで説明されています。

 王子は塔に閉じ込められますが、塔は邪悪?なものから防いでくれるという存在でしょうか。

 この話型は、日本の昔話にはほとんどないということと、塔というのが、日本では、お寺をのぞけばでてこないのも面白いところです。


            石の王子/世界むかし話6ロシア 空飛ぶ船/田中 泰子・訳/ほるぷ出版/1979年初版

コメント

サンタさんからきたてがみ

2014年12月16日 | 絵本(日本)
サンタさんからきたてがみサンタさんからきたてがみ作:たんのゆきこ / 絵:垂石 眞子出版社:福音館書店絵本ナビ

 ねずみの郵便屋さんが、今日も、森のみんなに配達していますが、どうも元気がありません。
 心配になったきつね、ふくろう、くま、うさぎ、からす、うさぎさんが集まって、郵便屋さんにたずねると
 配達の途中で雪にころんで、手紙がちらばり、あて先がみえなくなった手紙が一通のこってしまったといいます。

 その手紙には、ところどころみえるところがあって、その手紙のことで、みんなは、けんけんがくがく。
 どうも、ねずみさんにきたみたいと、開けてみると、それはサンタさんからの手紙。
 プレゼントを配るため、森のみんなをよく知っている、ねずみさんへ、道案内をしてほしいという手紙でした。

 森のみんなは、サンタさんのそりに乗って、プレゼントが無事にとどけられるのを、見守ります。

 森のみんながけんけんがくがく推理する場面で、はじめはみんなが自分のものじゃないかといいますが、ケンカにならないのがやさしい感じです。、
 そして、サンタさんが、たくさんの光がかざられていりモミの木の前で、みんなをまっている場面が、今の時期にぴったりです。

 文が長い感じもしますが、一度読んであげたら、小さい子でもかわいい絵をみながら楽しめそうです。


                 サンタさんからきたてがみ/たんのゆきこ・さく 垂石眞子・え/福音館書店/1989年初版
コメント

雲のてんらん会

2014年12月15日 | 絵本(日本)
新装版 雲のてんらん会新装版 雲のてんらん会作・絵:伊勢英子出版社:講談社絵本ナビ

 やっぱり地球というのは不思議。次からつぎへと形をかえる雲。どうしてこんな世界がうまれるのでしょうか。
 二度と見られない一瞬の雲の展覧会です。

 広大な空を眺めていると、ちっぽけな悩みは吹き飛んでしまいますが、写真とは異なる画集と詩が魅了します。

「あの子はかけていった。雲のしっぽにつかまって」
「もこもこと空の牧場を歩いていくひつじたち。あの子もどこかにかくれているよ。」
「雨があがった。黄金色の麦畑から、光のはしごが静かにおりてくる。あの子が歌を歌っている。」
とあります。

 ”あの子”は、作者の身内か、心象風景なのか、気になります。

 いせさんの「チェロの木」をみたとき、木のかおりと音がきこえてきましたが、この絵本も不思議な錯覚におそわれました。


                      雲のてんらん会/いせ ひでこ/講談社/2004年新装版
コメント

バーバーヤガー・・・ロシア

2014年12月13日 | 昔話(外国)
    <子どもに語るロシアの昔話/伊東一郎 訳・再話 茨木啓子 再話/こぐま社/2007年初版>
    <世界むかし話 ロシア/田中泰子 訳/ほるぷ出版/1979年初版>

 北欧の昔話にでてくるトロルのようなキャラクターは、ロシアの昔話でいえばバーバ・ヤガーでしょうか。

「バーバ・ヤガー」ではバーバ・ヤガーは骨の一本足という表現です。どんな格好をしているか想像してもなかなかイメージできません。
 
 おなじロシアの昔話にでてくる「美しい王女マリア・モレーヴナ」の中にでてくるバーバ・ヤガは素晴らしい馬をたくさんもち、住んでいる小屋は人間の頭の骨がのっている杭に囲まれています。そして移動は鉄の臼にのり杵で漕ぎます。

 人間を食べてしまうという恐ろしい一面がありますが、話のなかでは、そうしたシーンが表れてこないだけに、安心してその姿を想像できます。
 こうしたキャクターがでてくることで、話の緊張感がたかまり、劇的な効果をもたらしてくれるようです。
 
 「バーバ・ヤガー」では、娘がバーバ・ヤガーからのがれるときにに、タオルを投げて広い川をつくり、さらに櫛を投げて深い森をつくり無事に家に帰りつくというのは、日本の「3枚の札」のシチュエーションに類似しています。

 同じロシアのものでも、再話でどのへんがかわっているかうかがわせる。

 継母が、娘を家から追い出そうとして、針と糸をかりておいでと、姉のところにつかいにやるという出だし。
 こぐま社版では、姉であるが、ほるぷ出版版では妹。追い出したいというのと殺してしまいたいという違いもある。

 また姉(妹)は、実はバーバー・ヤガーだが、骨の一本足のバーバー・ヤガーと表現しているのがこぐま社版。

 娘がバーバー・ヤガーから逃げ出す時、あらわれるのが森と広い川。こぐま社版では、川がさきにあらわれ、森があと。この森の木をかじって通り抜けようとするが、どうしても深い森をかじりとおすことができず、もどっていくというもの。

 ほるぷ社版では、森をとおりぬけ、川の水を、牛とともに飲もうとするが、川の水はすこしも減らず、バーバー・ヤガーは、お腹が破裂してしまいます。死とか殺すという表現をさけているのですが・・。

 「深い深い森」というのと、「木の根が地下6メートルものび、木のてっぺんは雲によりかかるくらい高い森」という表現の違いもあります。

コメント

古井戸に落ちたロバ

2014年12月11日 | 絵本(外国)
古井戸に落ちたロバ インディアンのティーチングストーリー古井戸に落ちたロバ インディアンのティーチングストーリー 作:北山 耕平 / 絵:oba出版社:じゃこめてい出版絵本ナビ


 不思議な余韻がある絵本です。

 深い古井戸に落ちてしまった年老いたロバ。

 子どもたちが落ちてはいけないと飼い主は、ロバを助けることをあきらめ、ロバごと穴を埋める決断をします。
 穴の上からは、土が降ってきます。
 しかし、ロバは、土が降りかかるたびに、それを払い落しては、足元を固めていき、どんどん上に上がっていき、井戸から外へ出て、どこかへ立ち去っていきます。

 困難があっても、何かあるはずだと考えるか、あきらめてしまうかは紙一重でしょうか。

 古井戸のまわりに囲いをつけて、子どもが落ちないようにする選択もあったのではないかという感想もあったといいますが、やはりメッセージとしては、降りかかった土のなかから立ち上がる方が強いものとなりそうです。
 
 しかし、このロバの思いはどうだったのでしょうか。

 飼い主のことを恨んだか、それとも年老いて役にたたなくなったので仕方ないと考えたか、どちらでしょうか。

 それともどこかえ立ち去っていくという最後ですから、違った道をえらんだということでしょうか。

 最後に、ロバの立ち去る場面がでてきますが、遅すぎた?自由を手に入れたことでしょう。




コメント