昨日は地元の商工祭り。
地元の店の屋台があり、子ども向けのイベントも。
子どもは、木材を切って、テーブルをつくっていましたが、のこぎりをつかう機会もほとんどないようで、悪戦苦闘していました。
滑り台は風船式。これは持ち運びには便利そうでした。
屋外舞台での催も。
住宅地で子どもの姿はほとんどみられませんが、こんなイベントがあると、おおぜいの子どがいて、一安心!
昨日は地元の商工祭り。
地元の店の屋台があり、子ども向けのイベントも。
子どもは、木材を切って、テーブルをつくっていましたが、のこぎりをつかう機会もほとんどないようで、悪戦苦闘していました。
滑り台は風船式。これは持ち運びには便利そうでした。
屋外舞台での催も。
住宅地で子どもの姿はほとんどみられませんが、こんなイベントがあると、おおぜいの子どがいて、一安心!
おかお あらうの みーせてもりと/いずみ・作 きくちちき・絵/講談社/2024年
かえるさん、あらいぐまさん、ねずみさん、ぞうさんに、「おかお あらうの みーせて」というと、みんな ぱっしゃー。
女の子も ぱしゃー
できたー!
幼児のころ、洗顔するというのは、習慣になかった。いつのまにか習慣になってしまった。
さっぱりすると 気持ちいいという 笑顔が いい。
水彩画のさっぱり感も いい。
<おまけ> 水道の蛇口の上と アヒルさんのまえに 黄色いチョウ
兵庫のむかし話/兵庫県小学校国語教育連盟編/日本標準/1978年
一夜の宿を頼み込んだ女の巡礼が、そのままおじいさんのところに居ついてしまった。
女は、毎日よく働いていたが、そのうち、おじいさんは、米がびっくりするほど どんどん減っていくことに気がついた。おじいさんは、ある日町へ行ってくると家を出るふりをし、そっと家の裏側に回り、かくれるようにして窓から中をのぞくと、やさしい顔をした女の顔が、それはおそろしい顔にかわって、それだけでなく、おひつにいっぱいはいっていた飯をあっというまに平らげてしまった。
おじいさんのふるえはとまらない。あてもなく歩き回って、「町のほうへ移り住むことになったから、あんさんもどこかにいってもらわん・・」というと、にっこりわらった女は、「大きな袋を一つ作ってほしい」という。おじいさんはやれやれ助かったと思ったが、袋が出来上がると、女は袋に入れという。みょうなことをいうと思ったが、またいすわられるとこまると思うて、おじいさんは袋の中に入った。すると女は袋の口をしめ、「こら、じじいめ!わしの正体を見抜きよったな。山へ帰って、お前の生き血をすうたる!」と言って、袋を担いで走り出した。こりゃ、しもうたと思ったが、もうおそい。ところが道の途中で袋を下ろして小便をしよった。今だと思ったじいさんは、もういちどもがくと、うまいこと口がとけて、抜け出すことができた。おじいさんがぬけだすと、きがついた魔物も、いっしょうけんめい追ってきた。
ふもとの茶店までにげのびると、ちょうど茶店のあるじが、みそマメをたいて味をみていた。おじいさんもあるじに頼んで、知らん顔をして、あるじとふたりでしゃべりながら、みそマメを食べていた。まもなく魔物がやってきたが、そのひとりがおじいさんと気づかず、「いない!いない!」と叫んで、別の方向へかけだした。おかげでおじいさんは、あぶないところを助かった。
このあたりで、みそマメをたべる風習が残っているのは、こんな話があったからという。
「食わず女房」では、菖蒲が魔よけになりますが、なぜ「みそマメ」を食べるのが魔よけになるのか もうすこし説得力がほしいところ。
川越でひらかれている「むかし語りの会」。継続的に聞かせていただいています。
2024.11.1
夕方からは大雨の予報。さいわい午前中は晴れでした。
1 サルの生き肝(語りたいこんな民話 みやぎの民話の会叢書第14集)
2 三人の糸つむぎ女(子どもに語るグリムの昔話 こぐま社)
3 白いぞう(子どもに語るアジアの昔話2 こぐま社)
4 分別才兵衛(日本昔話百選 三省堂)
5 クロカゲの話(あいたくて ききたくて 旅にでる パンプクエイクス)
6 スヌークスさん一家(おはなしのろうそく2 東京子ども図書館)
7 ネコの家に行った女の子(子どもに語るイタリアの昔話 こぐま社)
8 泥坊(豊島与志雄童話集 海鳥社)
”泥坊”は泥棒修行の話、「スヌークスさん一家」と笑えました。クロカゲの話は、ジーンとくる内容でした。
「サルの生き肝」は、外国の翻案ものかなと思ったら、竜宮が出てきたり、由来話につながったりでした。
2024.6.7
雷雨があるかもというので、傘を持参しましたが、カラッとした一日でした。
1 タールぼうずの話(ウサギどんとキツネどん 岩波少年文庫)
2 オモタイの地蔵さま(県別ふるさとの民話(北海道)偕成社)
3 世に出たい金(牛方と山姥 「海老名ちゃう昔話集」再話)
4 いたちの子守唄(読んであげたいお話し/松谷みよ子の民話上/筑摩書房)
5 すずめのおくりもの(ねこじゃらしの野原/安房直子作/菊池恭子絵 講談社)
6 なぞなぞのすきな王さまとのみ(四人兄弟/世界の昔話④スペイン 学校図書)
7 小さな絵本「ピカドン」(パーソナルストーリー)
3の再話は語り手の方の再話でした。「なぞなぞのすきな・・」は、ノミを仔牛ほどに育て? その皮で作ったタンバリンが何に出できているかあてるなぞなぞ。オチにも納得でした。
小さな絵本「ピカドン」の話は、出版時GHQから回収を命じられ、昨年復刻されたという話。衝撃でした。
2023.11.2
11月なのに夏日。44回目のお話し会でした。
1 田の久(子どもに語る日本昔話 こぐま社)
2 茂吉のねこ(絵本 松谷みよこ ポプラ社)
3 小さなこげた顔(おはなしのろうそく33 東京子ども図書館)
4 豆じかカンチルが穴に落ちた話
5 ひとつぶのサッチポロ(萱野茂 「アイヌの昔話」平凡社)
6 星のこおる夜(ねこじゃらしの野原(安房直子) 講談社)
7 三つのねがい(子どもに語る日本昔話3 こぐま社)
「茂吉のねこ」は、覚えてみようと何度か繰り返し読んでいましたが、読むのと語るのでは印象が違いました。
「三つのねがい」は、外国の翻案でしょうか。日本の昔話といっても、ルーツをたどると外国にあるものも。
2023.6.2
あいにくの雨。ひさしぶりのお話し会でした。
1 こねこのチョコレート(おはなしのろうそく20 東京子ども図書館)
2 江差のとっくり岩(北海道の民話 偕成社)
3 きつねの桜かんざし(「女むかし」君川みち子再話集 ほうずきの会)
4 アリ・ムハメッドのお母さん(新編世界むかし話集7 インド・中東編 文元社)
5 パーソナルストーリ
6 死人の恩返し(子どもに語るイタリアの昔話 こぐま社)
7 ラプンツェル(おはなしのろうそく5 東京子ども図書館)
「アリ・ムハメッドのお母さん」は、類似の多い笑い話。
2019.10.6
秋晴れの一日。観光地で有名な川越ですが、台風19号の被害で有名になったのは残念でした。
1 牛方とやまんば(おはなしのろうそく8 東京子ども図書館)
2 三人の糸つむぎ女(子どもに語るグリムの昔話3 こぐま社)
3 とめ吉のとまらぬしゃっくり(くしゃみくしゃみ天のめぐみ 松岡享子・作 福音館書店)
4 つる女房(子どもに語る日本の昔話1 こぐま社)
5 手回しオルガン(ムギと王さま 本の小べや1 ファージョン・作 岩波少年文庫)
6 ヘビのうらみ(おはなしのろうそく32 東京こども図書館)
7 ラプンツェル(グリムの昔話1 福音館書店)
「とめ吉のとまらぬしゃっくり」が楽しめました。「牛方とやまんば」、「つる女房」、グリムは、テキストも多く、選ぶのがなやましい話です。
2019.6.5
今回で40回目とありました。一年2回で20年。こうしてみると一桁の年数では、まだ小学生の段階でしょうか。
1 重箱ぼたもち(かたれやまんば1 藤田浩子の語りを聞く会)
2 鼻長ネズミが語った話(カムイ・ユーカラ 平凡社)
3 しゃれこうべ(おはなしのろうそく32 東京子ども図書館)
4 つがいの鴨(野辺喜江子のほっこり昔ばなし 語りの会あやとり)
5 ちいさいお嬢さまのバラ(ファージョン作品集5 岩波書店)
6 すずめのおくりもの(安房直子 講談社)
7 バオバブの木の上で(同名絵本 福音館書店)
8 ここだけの話(パーソンルストーリー)
安房直子さんの作品はなかなか聞く機会がなかったので、じっくり楽しめました。
出典もいろいろです。
2018.11.9
朝は雨、一日中曇りと雨模様の一日。ひさしぶりのおはなし会でした。
1 びんぼうがみ(日本民話選 岩波少年文庫)
2 アディ・ニファスの英雄(山の上の火 岩波書店)
3 きつねのあん餅屋(語りたいこんな民話 みやぎ民話の会)
4 十二のつきのおくりもの(おはなしのろうそく2 東京子ども図書館)
5 ちくりんぼう(雪の夜に語りつぐ 福音館書店)
6 霧のおよめさん(カナダのむかし話 偕成社)
7 チモとかしこいおひめさま(おはなしのろうそく14 東京子ども図書館)
8 手袋を買いに(新美南吉童話傑作選 小峰書店)
「きつねのあん餅屋」山形弁というのですが、とっても味のある感じ。共通語ではなかなかでません。
「ちくりんぼう」 「三枚のお札」の冬木バージョン。鬼婆の頭のムカデ、ヘビをとる場面は、なかなかこわい。最後鬼婆が樽の中に落ちるのも、ほかの三枚のお札と違っています。
「霧のおよめさん」動物が人間に変身する話は多いのですが、霧の変身というのも珍しい。
「チモとかしこいおひめさま」はじめて聞きましたが、ほっこりする物語。
「手袋を買いに」黒井健・絵(偕成社)の白を基調としたかわいい子狐の絵本をイメージして聞きました。
2018・6.4
1 地獄に落ちた欲ばりばあさま(読んであげたいおはなし 松谷みよ子の民話(上)筑摩書房)
2 ついでにペロリ(おはなそのろうそく6 東京子ども図書館)
3 ヘドレイのベココ(イギリスとアイルランドの昔話 福音館書店)
4 おしらさま(遠野の阿部ヤエさんの語りより)
5 話上手(サキ短編集 新潮文庫脚色)
6 りこうなおきさき(ルーマニアのたのしいお話 岩波書店)
7 小鳥の子(ふしぎなオルガン リヒャルト・ルアンダー作 岩波少年文庫)
8 弥三郎ばさ(松谷みよ子の本8 昔話)
5の「サキ」というのははじめてきく名前でした。本名はヘクター・ヒュー・マンロー(1870年 - 1916年)。イギリスの小説家でオー・ヘンリーとならぶ短編の名手であり、ブラックユーモアの強い、意外な結末をもつ作品を得意としたとありました。片鱗がうかがえる語りでした。
日本の昔話(松谷みよ子さんのものをふくめ)の方言がうまく語られていることに、あらためて感心しました。
「ついでにペロリ」は、いろいろな方の語りを聞く機会があります。これに類した絵本も多いのですが、絵本版で語るのを聞いたことはありません。
「ヘドレイのベココ」は、瀬田貞二訳の絵本(いたずらおばけ)で語ってみたことがあり、すんなりはいっていけました。でも瀬田さんのものがポジティブなおばあさんの感じがよくでています。
2017.11.9
1 へっぷりよめさま(松谷みよ子のむかしむかし 講談社)
2 ソーディサルレイタス(英語と日本語でで語るフランと浩子のおはなしの本 一声社)
3 人間忘恩(立石憲利の語り 日本民話の会編)
4 いっしょにくらせなかったシカとヒョウ(ブラジルのむかしばなし1 東京子ども図書館)
5 ふしぎなオルガン(岩波少年文庫)
6 ねこの大王(さてさて、きょうのおはなしは・・ 福音館書店)
7 ガチョウ番のむすめ(愛蔵版おはなしのろうそく2 東京子ども図書館)
毎回いろんな刺激がある、「いろりばなしの会」のおはなし会。
おはなし会で英語がでてきてビックリ。本当は英語がでてきもおかしくはないのですが。
「ガチョウ番のむすめ」には、王女様のお供をするの腰元がでてきますが、腰元というのはいかにも日本的。かといって召使というのではピッタリきません。語られる方は、どう表現されているのでしょうか。
2017.6.2
むかし語りの会では、毎回なにかしらの刺激があります。語りで選ばれるテキストは大いに参考になります。聞いてから読むと情景が浮かんできて、より深まります。
1 姑の毒殺(かたれやまんば 番外編Ⅱ 藤田浩子の語りを聞く会)
2 あらしのよるに(きむらゆういち・作 講談社)
3 スヌークスさん一家(おはなしのろうそく2 東京子ども図書館)
4 涙を流したワニ
5 猫の踊り(日本の昔話①はなさかじい 福音館書店)
6 絵に描いた嫁さま(読んであげたいおはなし 松谷みよ子の民話上 筑摩書房)
7 おかあさんのいす(たかどのほうこ・作 福音館書店)
8 魔法のオレンジの木(岩波書店)
「あらしのよるに」は、嵐の真っ暗闇の中で、ヤギとキツネがお互いの正体がわからないまま、奇妙な友情がうまれ、再会を約束する話。再会を約束するまででおわります。
コクのある短編のようで、余韻が残る話でした。多分子どもにはむずかしそうです。気になって調べてみたら、絵本になっていて評判になっていました。子どもには難しいと思っていたら、子どもも、引き込まれているようでした。
「おかあさんのいす」は、古道具屋で買った奇妙な椅子の話。この椅子に座ると話すことが実現します。おかあさんは美しくなると宣言するのですが・・・・。効果は100年で、ちょうど期限切れの日におこった楽しい話です。
2016.11.9
たかをくくってでかけたら、寒さにびっくりの一日でした。
1 まぬけなトッケビ(おはなしのろうそく30 東京子ども図書館)
2 つるかめ(かたれやまんば 第一集 藤田浩子の語りを聞く会)
3 ゆきおんな(絵本 ゆきおんな 松谷みよ子 ポプラ社)
4 かん太さまのいびき(くしゃみくしゃみ天のめぐみ 松岡享子 福音館書店)
5 風の神とオキクルミ(絵本 風の神とオキクルミ アイヌ民話 小峰書店)
6 ワタの花と妖精(子どもに聞かせる世界の民話第4集 実業之日本社)
7 エミリーの赤い手袋(民話と伝説 呪いの巻物4 世界のこわい話 偕成社)
8 天の庭(松谷みよ子のむかしむかし1 講談社)
いつも何かしらの発見があるおはなし会ですが、アイヌ、沖縄の話があり、楽しい話があり、よくプログラムが工夫されていると思いました。
「風の神とオキクルミ」は、布芝居でしたが、絵は誰が描かれているのでしょう。大変な力作でした。
自分のまわりでは、なぜか藤田浩子さんのものを語る人がほとんどいません。「つるかめ」は、藤田さんの味のある雰囲気がよくでていて、楽しめました。
2016.6.8
読んだことも聞いたことのない話もあって、あらためていろいろなものがあるというのが実感でした。
1 馬の田楽(かたれやまんば第4集/藤田浩子の語りを聞く会)
2 こがねのつぼ(日本のふしぎ話/川崎大治・童心社)
3 くわずにょうぼう(絵本・くわずにょうぼう/稲田和子再話・福音館書店)
4 踊る坊さん(パーソネルストーリ)
5 ねこ檀家(かたれやまんば第3集/藤田浩子の語りを聞く会)
6 心と手(オー・ヘンリー・ショートストーリーセレクション 20年後)
7 フクロウ(魔法のオレンジの木ーハイチの民話/岩波書店)
8 オフェリアと影の一座(魔法の学校ミシェル・エンデ/岩波書店)
オー・ヘンリーの「心と手」が印象にのこりました。列車に乗っていたお嬢さんの前の席に、二人の男が座ります。一人は若く、もう一人は陰気感じの男。一人はお嬢さんの昔なじみ。
お嬢さんから声をかけられた若い男は、左手で彼女の手を握ります。
彼の右手には手錠がかけられていました。若い男は保安官をしているという。もう一人は贋金つくりで、7年の刑で監獄に行くというところ。
陰気な顔つきの男が、たばこを一服したいというと、二人は喫煙車へ。
若い男はお嬢さんと握手をして別れます。
大分長いのですが、若い男が左手で握手するというところから、結末は予想できるのですが・・。
陰気な男のほうがじつは保安官で、若い男が囚人なのですが、幼馴染の前で、恥をかかせないようにわざと囚人のマネをする保安官のいきな計らい。
短編小説の醍醐味をあじわえる話でした。あとでオー・ヘンリーの短編を読んでみたら、これ以外はやや長め。
この短編はA5で挿絵を除くと8ページでした。
「オフェリアと影の一座」はプロンプターをながくやっていたおばあさんの話。
行き場のなくなった影が次々におばあさんのところにやってきます。おばあさんはこの影たちに、世界の名作を上演させます。影をたたんでハンドバックにしまいこむという斬新な着想に、おもわずひきこまれました。刺激を受けて 話したことがありました。
2015.11.5
「いろりばなしの会」にはじめておじゃましました。
60名はこえていたでしょうか。お話しグループの方が多かったようで、ストーリーテリングの幅の広さを実感しました。年に2回で、今回が33回目というのは16年間継続されているのに、頭がさがります。
1 天狗のかくれみの(日本のむかし話 松谷みよ子 青い鳥文庫)
2 古屋のむる(日本昔話百選 稲田浩二・和子編著 三省堂)
3 ネコ(きまぐれロボット星新一 角川文庫)
4 空とぶじゅうたん(絵本 マーシャ・ブラウン再話 アリス館)
5 かちかちやま(布芝居)(絵本 松谷みよ子 瀬川康男 ポプラ社)
6 山の神と乙姫さん(松谷みよ子の本8 講談社)
7 年越しの若水(新しい日本の語り9 渡部豊子の語り)
8 バラの花とバイオリンひき(太陽の木の枝 フィツオフスキ再話 福音館書店)
星新一のショートのオチはしゃれているので、語ってみても面白いとおもっていたのですが、同じように考える方もいらっしゃったので親近感がわきました。ショートといっても少し長めの話でした。
「年越しの若水」、実は正月版をコピーしていたのですが、年越し版もあるのを知りました。手元にもっているのは、短めのものですが、こんな愉快なものもあったのを知ることができたのもうれしかったです。
「空とぶじゅーたん」、おなじみのアラビアンナイトですが、一度語ってみたこともあったのですが、再話版とは少しちがっています。
代表者の方が、お話をおぼえるより、何を選ぶかが大変といわれていましたが、まったく同感です。
おやゆびこぞう/スペンサー・オットー・絵/矢川澄子・訳/評論社/1981年
おやゆびこぞうが、馬の耳にはいって、「馬をたくみに誘導する」、「見世物小屋に売って人儲けをたくらむ男から、お金を巻き上げる」、「ふたりの泥棒を手玉にとる」、「牛に飲み込まれる」、さらに「おおかみにのみこまれる」と、ちょっとやりすぎじゃないかという冒険の連続。
おやゆびこぞうからみれば、まわりは巨人の連続。靴や帽子、牛などとおやゆびこぞうなどの対比がうまく描かれ、まさに絵本の世界。
「まったく、世の中の中には苦労のたねがつきない」・・まさにそのとおり。
グリムでは、こどもいない夫婦におやゆびこぞうがうまれるところからはじまりますが、ペロー版では、七人兄弟の末っ子として登場し、貧乏な夫婦から捨てられようとするところからはじまっています。
世界名作おはなし玉手箱/齋藤チヨ/すずき出版/2000年
木が満月の真夜中、川へ水を飲みに行くという昔話ならではの展開。
この木の下には、たくさんの宝物がありふだんは木が宝物の番をしていて、見つかったら殺されてしまいます。
宝物を手にいれようと森へ出かけたのは魔法使いのマコラ、そして親がなくなってマコラに預けられたムワンギ。
マコラは、ムワンギを杖でびっしと打っていそがせます。とちゅうサルがおなかをすかせ食べるものをくれるよう頼みますが、マコラは、「腹がへったら、飢え死にしたらいいじゃないか」と、サルを蹴り上げました。しかし、ムワンギは立ち止まり、「おれの夕ご飯だけど、でもお前のほうが、もっとおなかがすいているだろう!」と、さげていた袋の中から、ゆでたとうもろこしを二本取り出してサルにあげました。
目的地につくと、マコラは満月の夜までまつようにいいました。マコラは、「満月の真夜中、木たちはみんな根っこを引き抜いて、川へ水を飲みに行く、根っこを引き抜いたあとには、大きな穴ができる。その穴の中には、たくさんの宝物がしまってあるからそれをちょうだいするんだ。」といいました。
木が川へいくと、マコラは、穴の中へおり、宝物を籠にいれ、ムワンギは、それを引っ張り上げます。なんども籠が吊り上げられては降ろされ、夜が明けようにとする前に、木たちが歩く音が、ズシン・・ズシン・・と聞こえてきました。
穴にいたマコラが、ムワンギにつるをさげるようにいいましたが、つるが見つかりません。音がだんだん近づき「ぼくはきっと、死んでしまうんだ」と思ったとき、ムワンギの体は、何かにぐっと引っ張られて、うしろの大きな岩の下に転がりました。それは、森の道で出会った、おなかをすかせていたサルでした。サルは、穴のつるはとってしまったと、ささやきました。
大きな木たちが、マコラの入っている穴に根を下ろしたとき、ムワンギはマコラの最後の悲鳴を聞きました。
太陽が昇ると、ムワンギは、岩のそばにあった宝石や金を袋にいれ、森を出て、いままでに行ったことのないところへ旅に出ました。
兵庫のむかし話/兵庫県小学校国語教育連盟編/日本標準/1978年
タイトルからすると”親捨て”の話を連想しましたが、同じシチュエーションがでてきますが、組み立てがことなります。
息子が畑で働いていると、通りかかった殿さまが、「朝からなん鍬打った?」と、むちゃぶり。息子が、「殿さまの馬はここまでくるのに何足あるきましたか?」と、返事。なんで怒ったかのか殿さまは、「三日の間に、灰で縄をなってまいれ」と命令し、できなかったら命はないという。
父親は病気でねており、息子は、なんとかあやまって、家に帰ったが飯もろくろくのどを通らんようになった。どこか体でも悪いと聞かれても、息子は首を振るばかり。「なにか心配事があったら、わしにはなしてみんかえ」といわれ、殿さまから言われたことを話すと、父親は、「かたくかたく藁をなって、塩水につけじゅうのうにのせかまどで焼け」という。そのとおりにする、みごとな灰の縄ができあがった。
すると、こんどは、「たたかい(たたかなくても)でも鳴る太鼓を作ってこい」という。
また父親の出番で、いらんようになったふるいに、丈夫な障子紙を貼り、カボチャの花にきているゴンゴロバチをあつめ、ふるいの穴へいれると、ゴンゴロバチがさわいで、ドンドンと、大きな音がでてきた。
感心した殿さまが、「これはおまえの知恵ではあるまい。正直に申せ」というので、家で寝ている父親に聞いたことを話すと、息子はぎょうさんのほうびをもらって、帰ったという。
カイマンのクロ/マリア・エウヘニア・マンリケ・文 ラモン・パリス・絵 とどろきしずか・訳/福音館書店/2022年
ワニと人間がともに暮らせる? ベネズエラで実際にあった話といいます。
ワニの仲間、カイマンの赤ちゃんを引き取った宝石店の若旦那ファオロ。
ワニの赤ちゃんは、ワニの皮を目的にやってきた人の手から うんよく免れたでした。
ファラオは、かただのいろがくろっぽかったカイマンのあかちゃんにクロとなずけました。はじめは掌の上にのるほどの大きさ。
ファラオが、カイマンをつれてきたというわさがまたたくまに広がり、クロに触りたいという人々が、近くの村や町からも やってくるようになり、クロはいつもファラオのあとをついてまわるようになりました。
カイマンは、庭にプールをつくりました。プールを掃除していると、ファラオはたまごに気はつきました。クロはメスでした。
クロが2メートルほどになったころ、ファラオは、クロをうけいれてくれたアンヘラと結婚。クロは子どもたちの遊び相手になって、おだやかな しあわせな暮らしがつづいていきました。
ところが、ある日、ファラオが病気で倒れると、クロはファラオのそばをはなれようとしませんでした。アンヘラの歌声も聞こえなくなりました。そしてファラオがなくなると、クロはがらくた部屋の奥に姿を消し、何か月ものあいだ、部屋からでてきません。
しかし、クロは、その後もアンヘラと子どもたちに囲まれ、20年間も生き続けました。
あとがきによると、ファラオもクロも心筋梗塞でなくなりました。うーん 奇妙な一致で、同じ原因なんですね。
育ての親といいますが、ワニも同じです。
ワニ=獰猛とイメージがありますが、再認識させられました。ただそれが幸せなことかは知る由もありません。
べネズエラらの絵本ですが、まだまだ知らない外国の絵本も多そうです。
みち/三浦太郎/あすなろ書房/2022年
ほとんど白地の背景の真ん中にオレンジ色の一本の線。二人の子があるいていきます。
坂道、下り道、長い長い道、曲がりくねった道。
寒い日もあれば暑い日も。
子どもにはちょっとものたりないのかもしれません。
ただ、道は人生そのもの。
でこぼこもあれば、寄り道も、迷うことも。
ハロウィーン風格好の子どもがいて何かと思ったら、「百鬼夜行」なるイベント。いくつかの場所をまわってスタンプを集めているようでした。昨年につづいて実施とあったのですが、昨年は気がつきませんでした。
ふだんとちがった格好。子どもも楽しそう。土曜日というので子どもも参加しやすかったようです。
死体を次々に他人に押しつける昔話。
・背中にコブのある男(こぐま社/子どもに語るアラビアンナイト/2011年初版)
アラビアンナイトの一つで、悪役が登場しません。
人を殺したと思い込んだ仕立て屋が、死んだと思った男を医者の家に、医者は料理人へ、料理人は商人とたらいまわししていきます。
人を殺した罪で商人が死刑になりそうになりますが、かかわった者が正直に自分が殺したと次々に名乗り出ます。
実は死んでいなかったという落ち。
途中まではどうなるかと思わせながらはらはらどきどき。最後の落ちでほっとします。
ところでこぐま社版では、「背中に・・・」で講談社版(青い鳥文庫 新編アラビアンナイト(下)/2002年初版)では「アランダス」とあります。
講談社版では、背中がまがっていると表現されています どちらでも物語の進行上は特別に影響する事柄ではありません。コブがあるということに別の意味があるのか知りたいところ。
・酔っ払いペドロ(スペイン民話集/三原幸久:編訳/岩波文庫/1989年)
酔っぱらって帰ってきたペドロが、妻に一ペセタをくれというが、くれなかったので妻を殺してしまいます。(たいしたお金ではないようですが・・)
ペドロは妻の死体を股木の上に寄り掛からせ、他人のキャベツを盗んでいるようにみせかけておきます。
怒った畑の主人が、声をかけても返事がないので、死体を殴りつけます。ようすをうかがっていたペドロは、女房を殺したと大騒ぎし、大金をせしめます。
次に、ペドロは妻の死体を、司祭の馬に乗せて走らせます。悪魔が司祭の馬にのって、やってきたと大騒ぎになり、司祭が悪魔祓いをするから教会に集まるよう知らせをだします。
司祭は自分の馬がないので、村人から雌馬をかりて、教会にむかいます。ところが死体をのせた司祭の馬は雄馬で、教会の入り口に来ると雌馬に挑みかかり、そのまま教会の中へなだれ込んだので、集まった人々は、みんな逃げ出してしまいます。
昔話では、もう少し繰り返しがつづくのが普通ですが、このスペインの話は、二回の繰り返しです。
フィリピンの昔ばなし/カラオの洞窟/荒木博之:編・訳/小峰書店/1989年
日本の昔話には、馬が出てきても空を飛ぶという発想はなさそうです。
この話では、白、黒、赤い馬が空を飛びます。
この馬が、お城の庭の木の葉を食べると、きまって王さまが病気になっていました。
誰のせいかようすを見に行ったのは、三人の王子。
上の二人は12時を過ぎると、眠気がおそってきて、誰が、木の葉が食いちぎったのかわかりません。
末の王子ファンはナイフとレモンをもっていき、眠気におそわれると、ナイフで指を切り、その上にレモンをたらし、一晩中起きていることができたのです。
13時には白馬、14時には黒馬、15時には赤馬がやってきて、木の葉を食いちぎろうとしますが、ファン王子は、そのたびに馬をみごとに乗りこなします。馬はへたばって、「ご用のあるときは、いつでもお呼びください。すぐにとんでまいります」といって、天空のかなたにとんでいきます。
そして、王さまの病気は、すっかりとよくなります。
それから何年かたち、「良い嫁をみつけて、わしを安心させてくれ」という王さまの言葉で、三人の王子は妃を探すたびにでます。
上の二人が馬小屋の立派な馬で駆け出し、馬小屋に残されたのはやせた老馬だけ。それでも白馬、赤馬、黒馬のおかげで、ファン王子は兄たちにおいつきます。
ある一軒家で宿を頼むと、おばあさんから、「婿を探しているという美しいお姫さまが、城の塔を馬で飛び越えた者のおよめになる」ということを聞きますが、これまで誰も成功したものはいないというのです。
上の二人の王子が挑戦しますが無駄でした。ファン王子は、白、黒、赤の馬のおかげで城の塔を一気に飛び越えたのはいうまでもありません。
三人の王子が出てくると、上の二人に残酷ともいえる結末がおおいのですが、どこか遠くの国にかくれてすんでいるうわさがきこえてきたというおわりかたです。
男の子でもできること/国際NGOプラン・インターナショナル・文 金原瑞人・訳/西村書店/2020年
最初に赤ちゃんの写真とともにどこの国の子か説明があり、そのあとは十歳前後の子の写真が。そして 子どもが、いまおかれている状況がでてきます。
「男の子は、生まれたときからいろんな夢が もてる、いろんなことを させてもらえる。その反面、戦って 勇敢になれといわれることも。」
女の子は・・・。
いきいきした子どもの顔をみると、こちらもうれしくなります。だが、この先を見ると 理不尽なことがいつなくなるかという思いも。
タイトルの”でも”に ひっかりました。
「ぼくは いいたいことが いえる」・・でしょうか?
「いつか ぼくに 女の子が 生まれたら、その子も いいたいことが いえるといいな」・・”いいな”でいいのか?
「ぼくは 男の子だけど、みんなの世界を つくりたい」・・”男の子だけど”は、よぶん?。
男の子はめぐまれているのだからというトーンが強すぎて どうもすっきりしませんでした。
ぼくのたからもの/鈴木 まもる/アリス館/2015年
小学1年生のジュンくんが、ある日、2階の窓の近くにメジロが巣を作っているのを見つけました。
メジロが、みどりのコケを 白い糸みたいなもので、ひっかけています。お父さんがクモの巣からとってきた糸だとおしえてくれました。
ジュンくんが観察していると、一日一個の空色の卵を産んで、四つになったら卵をあたためだしました。
お母さんが出産したころに、ヒナもうまれます。
お母さんの子育てと、メジロの子育てが並行していきます。
やがて、ヒナたちも、羽をバタバタさせて巣立ちの練習です。そしてある朝、巣がからっほになって、巣立ちです。
赤ちゃんとメジロによせるジュンくんの思いやりとやさしさがつたわってきます。子どもたちが小鳥の成長をじっくり観察できる機会があったらいいですね。
お父さんもクモの糸が、巣の材料になる、ヒナが飛べるようになるともう巣はつかわないと、教えてくれる頼もしいお父さんです。
ヒナが巣だってつかわなくなった巣は、まちがいなくジュンくんの宝物でしょう。
鈴木まもるさんは、画家・絵本作家で鳥の巣研究家でもあると紹介されています。
ところでメジロが、我が家の柿の実をついばんでいるのを見ました。でも体の大きなヒヨドリやムクドリがやってきて、追い払われてしまいました。