どんぴんからりん

昔話・絵本いろいろ。語るのを目的としたものでしたが・・。それにしてもまるで森に迷い込んだ感じです。(2012.9から)

パンやのろくちゃん

2015年03月31日 | 絵本(日本)
パンやのろくちゃんパンやのろくちゃん作・絵:長谷川 義史出版社:小学館絵本ナビ

 商店街を舞台にした絵本ですが、長谷川さんの描く商店街は、人情味のあふれる商店街。
 どこもシャッター通りの商店街が多くなっている今、個人商店の良さが見直されてもよさそうな気がするのですが・・・。

 4コマ漫画が4つと、オムニバス風の話が4つと大サービス。

 <おつかいにいくのまき>
 カレーにつかう牛肉の買い物を頼まれたパンやのろくちゃん。急いで走って、すべってこけた途端に、「なんのにくだったけ にくにくにく」といっていると、八百屋おやの大将が「にんにく ひとつ まいどありー」。ろくちゃんにんにくを買うことに。「にんにくじゃ ないとおもけど まあ しょうがない」というと、しょうがをかうはめに。にんにくでもしょうがでもないと、ろくちゃんなみだがでてきて「はっくしょん」すると、こんでは、八百屋の大将が白菜もほしいのかと、白菜も買う。残ったお金で挽肉200gを買って家に帰ります。
 でも、この買い物、大好きなぎょうざにばけます。

 <しょうてんがいでおこられるのまき>
 商店街の真ん中で、ボールをもって遊んでいると、けったボールが、魚屋の大将に、大当たりして、魚も飛び散り、大目玉。
 泣きながら歩いていると、お菓子屋のおばちゃんは、あられを一袋、肉屋ではチーズ、花屋のおねえさんはみかんを、カレー屋のおじさんはリンゴを一つ、おまけに魚屋のの大将は、自転車でろくちゃんをおくってくれます。

 <おみせばばんをするのまき>
 ろくちゃん、はじめてお店番をすることに。
 お客がこないので、パンの袋を頭にかぶり、店の前で踊り始めると、つぎつぎにお客さんが。
 パンが売れすぎて、おやつで食べようと思ったクリームパンまでなくなって、ろくちゃんは泣き出しますが・・・・

 <いぬをかいたいようのまき>
 幼稚園の友達のゆきちゃんは犬をかっています。
 ろくちゃんも犬をかいたいとお願いしますが、パン屋だから犬がお店でうんこしたりしてはいけないからいきものはかえないんだよと、おとうさん。
 この話をきいていたおばあちゃんが、ふふふふと笑い出します。・・・・・

 泣いていると心配したお店の人が、手をさしのべてくれる人情味のある商店。
 ふだん行きつけのお店だと、客の状況も知っているお店の人が、いろいろ声をかけてくれます。なくしたくない風景ですが、いつまでもつものか。

 八百屋さんには、「やさいをたべてべんぴをなおそう」という貼り紙がさりげなくあり、肉屋さんには「にくくっているか」の貼り紙。カレー屋は「インドのおっさん」という名前。4コマ漫画のおちも楽しい。


                  パンやのろくちゃん/作・絵:長谷川 義史/小学館/2006年初版
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嫁の草取り

2015年03月30日 | 昔話(日本)
 嫁、姑の微妙な関係。嫁姑が同居というのも都市部では少なくなっているのは、住居の状況にもよりそうだ。  

 婿に不満たらたらの嫁さん、家を追い出してもらおうと、あの手この手。

 しかし姑もさるもの、嫁さんが、辛い味噌汁を出すと、辛い味噌汁を食べたら、あとなんぼ稼いで汗だしても大丈夫だなあ、薄い味噌汁を出すと、年よりむきだ、焦がした飯出せば、焦がした飯もなかなかうめえなといいます。

 ならばと嫁さん、田の草取りの時、うんと引っ掻き回せば、稲が倒れて、追い出してもらえるかもと草取り。しかし秋になるといっぱい米がとれます。

 柿の皮、厚めにむくと、漬物にちょうどいいとほめられ、芋の皮厚くむけば、うさぎやにわとりの食わせるのにいいと褒めれ、姑から褒められどうしの嫁さん、そのままずっとその家で暮らします。

 人間、褒められればうれしいもの。この姑さん、嫁さんの気持ちを察していたんですね。

 大人が楽しめそうな話である。                   


               嫁の草取り/かたれやまんば 藤田浩子の語り 第五集/藤田浩子の語りを聞く会/2003年初版
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鬼の面

2015年03月29日 | 昔話(日本)
 貧しい母と娘の二人暮らし。
 母が無理をしたので稼げなくなり、娘は町の大尽のところに、子守奉公いくことに。
 母は娘におたふくの面をもたせる。
 娘は奉公先で一日の仕事が終わると、行李に入ったおたふくの面に向かって、語りかける。
 この様子をみた奉公人の仲間が、娘をからかってやろうと行李のお面を鬼の面にかえてしまう。
 鬼の面をみた娘が、母親に何かがあったのではないかと、奉公先のおかみさんにお願いして、様子をみるために家にかえることに。

 気がせいていた娘は、その晩に奉公先から家に向かう。
 途中、博打うちに見つかって火のばんをすることに。
 生木が多くてなかなか火がもえないし、煙だけでて、煙くてしかたないので、鬼の面をかぶってぷーぷー吹き始める。
 博打うちたちが、ひと博打うって、娘の方をみると、鬼がじいーとみているので、驚いて逃げ出す。
 博打うちは大判小判もそこらにおいて逃げ出す。

 娘が面をとってみると、博打うちはいない。
 翌日までまっても、博打うちがもどってこないので、娘は大判小判を集めて、母のところに帰る。
 そのお金で、娘は奉公先にはもどらず、母と二人で仲よくくらすことに。

 子守奉公とか博打うちは、うまく子どもにつたわるか心配になるが、藤田さんの語りは、そんな心配をこえて、昔話の世界に引き込んでくれそうである。
 すこし、じんとくるのが、娘がおたふくのお面にかたりかけるところ。
 「おっか様ぁ 今日も一日 みててっくちゃがン あぁ おっか様は にこにこしてっから 達者でいらんだべなン」。
娘と母親の絆がでていて、他の昔話には見られないところ。

 自分の言葉で、自分の思いで語ってくださいという藤田さんのメッセージがあるので、何とか語ってみたい話。


                      鬼の面/かたれやまんば 藤田浩子の語り 第四集/藤田浩子の語りを聞く会/2000年初版
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春休みおはなし会  2015.3

2015年03月27日 | お話し会
 今日は、図書館主催の春休みおはなし会。

 対象を幼児、小学校1~3年生、小学校4~6年生、大人とわけて実施。

 幼児のグループにはいりましたが、こども2人、おとな2人と少ないなかで、こどもの反応がよくわかるので、逆によかったかも。

 手遊びをすると、それをまねて熱心に手を動かしていました。

 今回も、藤田さんのお話の小道具を使用し、「おばあさんとぶた」「コートのはなし」の二つ。

 大人向けでは、グリムのラプンツエルを矢川澄子訳で話しました。

あまり矢川訳で話される人がいないようなので、いつもと違った感じでうけとめてもらえたようです。

 大人向けで、アーサー王と円卓の騎士のなかから「ガウエインと世にも醜い貴婦人」をはじめて聞きましたが、話し手の語りが舞台劇をおもわせるようで、場面を想像しながら聞いていました。

 話し言葉ではないのですが、よくもこんなふうに話されると感心しました。

 
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鶴の恩返し・・隠岐版

2015年03月26日 | 昔話(日本)
 「鶴の恩返し」はあちこちにあるが、隠岐版で面白いのは後半部分。

 前半部、命を助けられた鶴が、反物を織るところと、織っているところはけっしてのぞいてはいけないというのは他の話と同じ。

 隠岐版では、鶴が自分から鶴であることを話し、羽なし鳥の姿で山へ帰っていく。

 鶴が山へ帰るとき、反物を売ったお金で、世のなかのいらないものを全部買い集めるように男にいう。
 男は、海辺の町に行って、漁師から漁のじゃまになる藻を買い取る。

 ところが、藻がなくなって魚が少なくなり、困った漁師たちは、男から高いお金で藻を買い取ることに。

 海で生きている人々と、山で生きている人の違いが、昔話に反映しているようだ。              


               鶴の恩返し/語りつぎたい日本の昔話7/監修:小澤俊夫 再話:小澤昔ばなし大学再話研究会/小峰書店/2011年初版
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わらじのすりきれた話

2015年03月24日 | 昔話(日本)
 「馬方とやまんば」では、やまんばに「その馬の脚一本よこせ」と言われると、馬方は馬の脚を一本切って後ろに投げ、三本脚の馬に乗って逃げていき、「もう一本」と言われると、もう一本切って投げ与え、二本脚の馬に乗って逃げていく場面がでてきます。

 馬の脚をどうやって切ったか、馬はあばれたのか、血は流れたのかなど、現実の中であれば起きるであろうようなことは、ひとことも語られていません。

 「わらじのすりきれた話」では、ある男が、わらじを三足もって旅に出かけ、歩いて歩いてわらじをすりきらせ、三足めのわらじもはきつぶし、そのまま歩いて行くと、足がなくなり、歩き続けるとひざのあたりまでなくなり、胸のあたりまでなくなってしまう。
 これは大変と、男は首をふろしきにつつむとまたずんがずんが歩いていくという話。 

 まさしくファンタジーの世界。ここには、出来事を決して写実的には語らないという昔話の性質がよく表れているという。 


           わらじのすりきれた話/かたれやまんば 藤田浩子の語り 第四集/藤田浩子の語りを聞く会/2000年初版
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ノースウッズの森で

2015年03月22日 | 絵本(自然)
ノースウッズの森でノースウッズの森で文・写真:大竹 英洋出版社:福音館書店絵本ナビ

 北アメリカの、冬になると気温はマイナス50度まで下がるノースウッズと呼ばれる森と湖にひかれた作者が、ここでふれた自然。
 「きらびやかな貴婦人のスリッパ」という蘭は、7月の7日間ぐらいのあいだだけ人知れず咲くという。

 ライチョウの親子とのであい、フリーズした小鹿、夜明けのムース、南に渡るカナダガン。

 オーロラが湖にうつる幻想的な風景。

 そして一面の雪の上に、オオカミの足あとだけが点々と続いています。
 
 見る側は、あっという間ですが、この一枚一枚の写真を撮るだけに、どれほどの時間が必要だったのでしょうか。

 想像力を広げてくれる絵本です。


                 ノースウッズの森で/文・写真:大竹 英洋/福音館書店/2005年初版
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山の巨人をからかったむすめ・・スエーデン、三本のカーネーション・・イタリア

2015年03月20日 | 昔話(外国)
 「見えるわ見えるわ」というフレーズが印象に残る話。同じ逃走するのでも知恵というのが親しみやすい。
 
▼山の巨人をからかったむすめ・・スエーデン(子どもに贈る昔ばなし13 桃もぎ兄弟/小澤昔ばなし研究所/20127年初版)
                      
 めんどりがどこかにいってたまごをうんでいるので、三人姉妹の長女が、めんどりの足に糸を結んであとをおっていくと、山の巨人につかまってしまいます。次女も同じようにつかまります。

 末っ子もつかまってしまうが、山の巨人は末っ子が気に入って結婚することに。
 
 結婚式のため、かたづけや掃除をするが、そこででたがらくたやぼろも、まずしい家では必要だとして、末っ子は山の巨人に、これを袋にいれて、家の石段の上においてくるよう話す。
 山の巨人がかついだ袋のなかには、長女が隠れていて、袋をみようとすると「袋の中を見ちゃだめよ」という声。

 次女も同じように袋にかくれて家の石段のうえに。

 最後に、末っ子が自分の人形をつくり、椅子に座らせ、自分は袋のなかに。
 巨人が袋の中をのぞこうとすると「袋の中を見ちゃだめよ」という声。
 巨人が家に帰って、人形ときづき、むすめになぐりかかるが、おこりすぎて体がはれつし、こなごなになってしまう。
   

▼三本のカーネーション(子どもに語るイタリアの昔話/剣持弘子 訳・再話 平田美恵子・再話協力/こぐま社/2003年初版)

 父親が早くに亡くなって、母がせんたく屋を営みながら育てている三人姉妹のところに、見知らぬ男がやってきて長女を嫁にほしいという。
 はじめは断わりますが、娘が幸せになるならと嫁にやることに。
 男は娘の胸にカーネーションをさしてやります。そしてこの部屋だけは絶対開けてはいけないと言い残し、でかけます。
 開けてはいけないといわれて、部屋を開けると、そこは炎の海で、大勢の娘たちが泣き叫んでいます。
 炎でカーネーションがもやされ、男は長女が部屋をあけたことにきづき、長女を炎の部屋に放りこんでしまいます。
 次女も同じ運命に。
 男は末娘にも結婚を申し込み、家につれて帰ります。男は末娘にもカーネーションをつけ、あの部屋だけはあけてはいけないと言い残しでかけます。
 末娘はカーネーションを胸からはずし、あの部屋を開けてみます。するとそこには、大勢の娘と姉たちも苦しんでいます。

 末娘は男に、たくさんのせんたく物を母親のところにもっていってくれるよう頼みます。
 末娘は、大きな箱を用意し、せんたく物でつつむように、長女をなかにいれ、とちゅう男が箱を下におこうとしたら「見てるわ見てるわ」というように話す。次の日、男が箱をかついで出かけますが、あまり重いので箱を地面におこうとしますが「見てるわ見てるわ」という声が聞こえてきます。
 男が母のもとへ箱をとどけると、中からは長女が。
 次女も同じように助かります。
 末娘も身代わりの人形をつくり、自分は箱の中へ。
 男は人形の末娘にきがつき、壁に頭をぶっつけてくやしがり、あまりのくるしさに、火の中に飛び込んでしまう。

 ここででてくる男、途中で急に悪魔にいいかえられる。
 炎の部屋にいたおおぜいの娘たちのいくえについては何もふれられていないが、あえてふれることがないということか?

    
 
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心臓がどこか別のところにある話

2015年03月20日 | 昔話(外国)
 魔法昔話として最も古い話で、心臓または命がどこかに隠されているので、相手はこの者を殺すことができないという話。
 なとなんと紀元前13世紀のバータ昔話に同じモチーフがでてくるというから古い。

 身体の一部が、分離されているという発想は、日本の昔話には見られない特徴のようだ。
 

・からだに心臓のない巨人(世界むかし話15 北欧 ソリア・モリア城/瀬田 貞二 訳/ほるぷ出版/1979年初版)

 北欧の話で、トロルかと思ったら、訳は“巨人”とシンプル。
 長い話の中には、途中経過がなかなかわかりにくいものもあるが、この話は比較的わかりやすい。

 上6人の兄たちが、自分の嫁を探すにいって、それぞれ相手を見つけてかえってるくる途中、巨人に石に変えられてしまう。
 ここで、末の王子が、兄たち探すに行く展開。
 途中、大ガラス、サケ、オオカミを助け、後半には、この助けをかりて、無事に上の王子たちを救い出す。
 王子たちを助け出すのは、遠くにある湖の島の教会の井戸に泳いでいるというアヒルのたまごにある、巨人の心臓をこなごなにする必要があって、これを聞きだすのに、なぜか巨人のところにいるお姫さまの力をかりることに。
 
 このお姫さまがなぜ、そこにいるかにはふれられていないのが、昔話らしいところか。

    
・心臓のない男(世界むかし話7ドイツ メドヴィの居酒屋/矢川 澄子 訳/ほるぷ出版/1977年初版)

 「からだに心臓のない巨人」と同じ話型で、七人の兄弟、末の弟が石になった兄たちを救う。
 助けを借りるのは、赤いお牛、イノシシ、グライフ鳥。
 心臓は教会のなかをとびまわっている小鳥の心臓となっています。


・漁師の息子(子どもに贈る昔ばなし13 桃もぎ兄弟/小澤昔ばなし研究所/20127年初版)

 デンマークの話。魔法使いにとらわれた乙女と貧しい漁師。
 この魔法使いの心臓は、鳩のたまごの中にあり、その鳩はきつねのはらの中に、きつねは熊のはらの中と、三重にまもられています。
 ここで漁師の助けになるのは、熊、鷲、犬に変わることができる変幻自在の術。

 魔法使いの心臓を額に投げつけないと、魔法使いは亡くならないが、漁師が手に入れた心臓をもって、魔法使いの部屋に向かうところで、「おれの心臓がやってくる。おれの心臓がやってくる。何打か気分が悪くなってきた」という魔法使いの言葉が真に迫ってくる。
 前段の入り方も昔話らしくて楽しい。


・氷の心(ラング世界童話集3 みどりいろの童話集/西村醇子 監修/東京創元社/2008年初版)

 姫の心をどこかにかくしてしまった妖精。

 この心は氷の山にある氷の宮殿の玉座の上の雪のクッションにおかれたダイヤモンドのなかに。
 この”心”を取り戻すマニキン(ちび助)、実は王子の冒険が展開されます。 
 
 話すとしたら1時間はかかりそうなラング集におさめられた話。

 主人公を助けてくれるものに注目したい話。
 


 


     
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美女の形容詞・・日本

2015年03月19日 | 昔話あれこれ
 昔話にでてくる女性は、たいてい美女という相場であるが、日本では形容詞はおさえめ。

 めずらしくこんなのがあった。

 「立つに栴檀、なびくに栴檀、三千楚腰の」。
 栴檀は香りのよい樹木、楚腰は細く美しい腰

 しかし、素話で語ったら、聞き手はキョトンとすることになりそう。


           カエルのワタン袋/子どもに贈る昔ばなし13 桃もぎ兄弟/小澤昔ばなし研究所/2012年初版
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マーロンおばさんのむすこたち

2015年03月18日 | 絵本(日本)
マーロンおばさんのむすこたちマーロンおばさんのむすこたち作:穂高 順也 / 絵:西村 敏雄出版社:偕成社絵本ナビ

 マーロンおばさんが三人の息子たちの誕生日に帽子とセーターとズボンをおくり、パーテイを開くことに。
 これってもしかすると三つ子かも。
 しかしやってきたのは四人?
 ひとりは帽子を忘れ
 ひとりはセーターを忘れ
 もう一人はズボンを忘れ
 息子たちの忘れ物でできあがった4番目の息子は、透明人間。
 おばさんは、言いつけをまもってやってきた四人目の息子にごちそうをふるまいます。
 なにもごちそうがたべられない三人の息子はおもしろくありません。

 結局は三人の息子もごちそうが食べられ、楽しい誕生日パーテイになるのですが・・・・・。

 髭の息子、三番目の息子のハートマークのパンツ姿。
 読み聞かせでどんな感想がでてくるか楽しみな絵本です。


             マーロンおばさんのむすこたち/作:穂高 順也 絵:西村 敏雄/偕成社/2008年初版
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昔話の子どもたち・・はなたれ小僧さま

2015年03月17日 | 昔話(日本)
 今、はなをたらし、涎れを垂らしている子どもはほとんど見ることができないが、少し前までは、普通に見られる光景だったように思う。
 子どもが多く、親が仕事におわれて、子どもに手をかけられずにいたころの風景で、そのうち、昔話にしかみられなくなるのかも。

 三省堂の日本昔話百選から、子どもが何をしているか見てみると、栗をひろい(三枚の札コ)、機をおる(瓜姫コ)、ますをとる(魚女房)、手習い(黄金の爪)、栗や柿、梨狩り(風の神と子ども)などがでてくるが、子どもの生活や遊びが意外に少ないようだ。

 「はなたれ小僧さま」は、竜宮の乙姫さまにもらった子どもに、米や味噌、お金、さらには家をだしてもらったじさまが、身上がよくなり、つきあう人もお金持ちが多くなって、はなを垂らし、涎れをたらす小僧が我慢できなくなって、どこかへいってしまえと言うと、それまでのものが全てなくなり、貧乏になってしまうという物語。

 三省堂版では、乙姫さまからとくに条件はだされていないが、こぐま社版(子どもに語る日本の昔話3/稲田和子・筒井悦子/1996年)では、毎日、えびなますを作って小僧に食べさすことが条件になる。

 多分、読むことに重点がある三省堂版と、子どもに語るという視点のこぐま社版のリライトでは微妙に変わっている。
    
 新潟の「竜宮童子」は、花売りの男が、花が売れ残ると川に流して乙姫様に差し上げていると、ある日、亀が竜宮城につれて行く。乙姫さまは、大事にすればなんでも望みかなうという男の子をさずけてくれるが、この子も鼻を垂れ、涎をたらした子。

 同じ「鼻垂れ小僧様」でも、「かたれやまんば」では、小僧がもうすこしリアルで、「手も足も垢だらけ、鼻はずるずる垂らしているわ よだれはだらだら垂らしてるわ しまりのねえ 口開けて にたらにたら笑っている」。
 そして、臍のあたりをくじっていると、一日一枚の小判がでてくる。この小判で必要なものをそろえなさいという展開。

 爺様が一枚ではなく、いっぺんに何枚もだそうと、小僧の臍をいじると、小僧が死んでしまうというあたりが、笑わせる。

外国では、このタイプの話がないのも面白い。

          
    はなたれ小僧さま/日本昔話百選/稲田浩二・稲田和子 編著/三省堂/2003年改訂新版
    竜宮童子/子どもに贈る昔ばなし8 つぶむかし/小澤俊夫監修/小澤昔ばなし研究所/2008年初版
    鼻垂れ小僧様/かたれやまんばー藤田浩子の語りー第三集/藤田浩子の語りを聞く会/1998年初版
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みさき

2015年03月16日 | 絵本(日本)
みさきみさき作:内田 麟太郎 / 絵:沢田としき出版社:佼成出版社絵本ナビ

 真っ黒に日焼けしたシャツ姿の少年が、船をみるために岬にむかいます。
 走っているとき、道端に怪獣のぬいぐるみが落ちているのを見ますが、間に合いそうもないのでそのまま走り抜けますが、急な夕立。
 もう一度引き返してぬいぐるみをひろいあげ、バス停で雨宿り。
 やがて、雨がやむと、少年はまた野原を走り始めます。しかし・・・。
 岬の上からぬいぐるみと眺める海は、どこまでも広がっています。

 じっと海を眺めて、少年は何を考えていたのでしょうか。

 夏の緑、空と海の青色が強烈です。

                                みさき/作:内田 麟太郎 絵:沢田としき/佼成出版社/2009年初版
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ペコロスの母に会いに行く

2015年03月15日 | いろいろ
 無料映画会の上演作品で、まっさらの状態で足を運びました。
 長崎を舞台に、認知症の母と団塊世代の息子の絆を描いていました。

 山の段々の上まで家が広がる光景。長崎はやっぱり坂の町。

 息子は、こどもと母親の三人暮らし。なぜ離婚したのかはでてきません。
 母の認知症がひどくなってグループホームにはいることに。

 認知症がすすんで、息子もわからなくなりますが、ハゲ頭が息子を思い出させてくれます。
 行きつけの喫茶店のマスターもハゲで、もう一人でてくるグループホームに入っている母親の息子も、実はハゲなのだが、いつもはかつらをかぶっていて、母親からは誰といわれる始末。映画の後半でかつらをとると母親が息子とわかる。

 この息子、サラリーマンでミュージシャンで漫画もかいているが、母の介護がはじまってから、会社を首になっても、深刻にならず、いつも母親をあたたかく見つめているのだが、多分自分だったら落ち込むことになりそうだ。
 孫も離れず近すぎない人物で、できすぎかなー。

 認知症の母の過去との対話は、戦争中のできごとからえがかれていて、原爆の投下、原爆の後遺症で親しかった幼馴染の死、飲んだくれでもらった給料を全部飲んでしまう父とのエピソードが。
 あまり楽しい過去がでてこないのがつらいところ。

 いろいろエピソードがでてきますが、息子が、車いすの母親と公園を散歩しているときに、乳母車にのった赤ちゃんと交差する最後のシーンが印象に残りました。
 
 さいわいというか、身近な人で認知症になった人がいないので、大変さは分からないが、実は、いつ認知症になってもおかしくない年齢だけに、笑いながらもどこか怖さがある映画でした。

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なけない ちっちゃい かえる

2015年03月14日 | 絵本(外国)
なけない ちっちゃい かえるなけない ちっちゃい かえる作:エクトル・シエラ / 絵:やまうちかずあき出版社:鈴木出版絵本ナビ

 なにか、足をふみだせない自分の背中を押してくれるような絵本。

 みんなと同じようになけない、ちっちゃい かえる。
 一生懸命、なく練習をしますが、なかなかうまくなけません。
 あひるさん、おんどりさん、うしさん、ひつじ、ぶたのなき声が みんなちがうことに気がつきます。
 ぼくのなきごえは「ケケケ」でいいんだと、仲間のところで「ケケケ」となくと、みんなはかわいい!かわいい!じょうじ!じょうじ!とほめてくれたので、自信がでてきて・・・。

 あひるもおんどりもうしもひつじもぶたも、すごい!すごい!と拍手です。
 
 一歩を踏み出してみると、なにか拓けてくるのかも。

      
         なけない ちっちゃい かえる/作:エクトル・シエラ 絵:やまうちかずあき/鈴木出版/2004年初版
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