どんぴんからりん

昔話・絵本いろいろ。語るのを目的としたものでしたが・・。それにしてもまるで森に迷い込んだ感じです。(2012.9から)

「いたいっ!」が うんだ 大発明

2019年02月23日 | 絵本(外国)

          「いたいっ!」が うんだ 大発明/バリー・ウィッテンシュタイン・文 クリス・スー・絵 こだま ともこ・訳/光村教育図書/2018年


 アメリカの絵本には、実在の人物のエピソードを絵本にしているものも多く、この絵本も「バンドエイド」を考えたアール・デイクスンが主人公です。

 一ページ目にいきなりアールさんがジョセフィーヌさんと結婚し、しあわせにくらしました。「おしまい」とおどろかします。

 このあとも「おしまい」が途中にも何回かでてきて、おしまいにならないストーリーが展開していきます。

 バンドエイドは、ジョセフィーヌさんが、ぶきっちょで、たまねぎをきるとき指先を切ったり、チーズのかわりに手をおろしたり、鍋でやけどしたりするとタオルを手にあてるのですが、なんとかならないかと必死に考えたものでした。

 さいしょのバンドエイドは、長さ50センチ、はな10センチ。おおきすぎてとても売れそうにない大きさ。何年かたっていまの大きさに。

 それから飛ぶように売れたかというと、なかなか売れず、みんなにしってもらうよう子どもたちにプレゼント。それからは広く受け入れられるように。1920年代後半です。

 バンドエイドはちょっとした傷口に便利ですが、新婚のおくさんのぶきっちょさがなければ、バンドエイドはうまれなかったというのも微笑ましい。

 バンドエイドは飛行士が宇宙にももっていったようですが、宇宙空間で傷をつけるというのはあるでしょうか。
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このあかいえほんをひらいたら

2019年02月22日 | 絵本(外国)

          このあかいえほんをひらいたら/ジェシー・クラウスマイヤー・文 スージー・リー・絵 石津 ちひろ・訳/講談社/2013年


 あかい絵本を開くと、みどりの絵本、その次はだいだいろの絵本と絵本の表紙が次々にかわります。

 それだけでなく、絵本がだんだん小さくなっていく仕掛け。

 「あかいえほん」では、てんとうむしがちっちゃなてで ひらこうとしているのが「みどりのえほん」
 「みどりのえほん」をひらこうとしているのは「だいだいいろのえほん」とつづきます。

 絵本が小さくなるにしたがってでてくる動物が大きくなって、指がえほんをひらけなくなると、こんどは絵本がだんだん大きくなります。

 森の図書館?ではキリンやクマ、ヤギ、ウサギ、そしてヘビなど読書の真っ最中です。
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おおかみのおなかのなかで

2019年02月20日 | 絵本(外国)

          おおかみのおなかのなかで/マック・バーネット、文 ジョン・クラッセン・絵 なかがわ ちひろ・訳/徳間書店/2018年


 こんな着想がどこからでてくるでしょうか。

 ある朝、ねずみが、おおかみにぱくっと食べられてしまいました。ねずみが まっくらなおおかみのおなかのなかで、「いっかんの おわりだ」と、ないていると、「しずかにしてくれよ!」と、どなり声。ろうそくのあかりに うかびあがったのは、ベッドで寝ているあひる。

 テーブルとイスがあり、食卓にはパンもジャムもならんでいます。ほしいものは、チーズでもワインでも、まるごとおおかみに、飲み込ませます。おおかみは、自分のおなかの声をしんじていました。

 おおかみのおなかのなかには、料理器具もそろっていて、食事も作ります。

 「でも やっぱり そとのせかいに もどりたい」というねずみに、あひるは、「いや、ぜーんぜん!そとにいたときは、いつ、おおかみに ぱっくと食べられるかって びくびくしていたけれど、ここなら しんぱいいらない。」といいます。

 なるほどと、ねずみも納得し、ねずみとあひるの奇妙なくらしがはじまります。

 ところが、狩人がやってきて、おおかみはあわや絶体絶命のピンチにおちいります・・。

 ナンセンスと言ってしまえばそれまでですが、おおかみのおなかのなか、なかなか暮らしやすそうですよ。ただ、窓がないので、時間の管理はどうしていたのか心配になりました。

 なかなか味わい深い絵で、ねずみとあひるが、すみかを守ろうと鍋をかぶって狩人に立ち向かう格好も楽めました。
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ウルスリのすず

2019年02月19日 | 絵本(外国)

          ウルスリのすず/作:ゼリーナ・ヘンツ・文 アロイス・カリジェ・絵 大塚 勇三・訳/岩波書店/2018年


 自分の物語を絵にしてほしいと頼まれた作者が、数年かけて村に通い絵本が誕生したと作者紹介にありました。
 絵本の誕生もさまざまです。

 舞台はスイスの小さな貧しい村。

 村には鈴行列というお祭りがあります。冬をおいだし、春をむかえるため、子どもたちが鈴をもって、はれやかな裏声をひびかせて、村中の井戸や牛小屋をまわります。
 みんなは、そのおかえしに木の実や肉や、おかしなどを鈴いっぱいにいれてくれるのです。

 行列は鈴の大きい順。ところが行列の後方では、小さな鈴をもった子たちが、冷たい雪のなかで、がたがたふるえ、それからなんにももらえずに、家にかえらなければないませんでした。

 ウルスリがかんがえたのは、夏の山小屋にあった大きな鈴。

 踏み外したら谷底におっこちそうなせまい橋をわたり、くつが雪の中にうまりながらも、一足一足すすんでいきます。

 ウルスリは、とりにえさをやり、牛には水をやり、朝早く牛小屋のそうじをする働き者。
 おかあさんはヒツジの毛からウルスリの服や帽子をつくってくれます。
 おとうさんは、くつに鋲をうってくれるし、しょちゅういろんなものをつくってくれます。
 一晩家にかえってこないウルスリをまちながら、木ぼりの牛もつくる存在です。

 一晩山小屋にとまったウルスリを心配した両親でしたが、かえってくると、おこることなく、ぐっとだきしめます。

 春をまつよろこび、家族のあたたかい関係が、ストーリーをふくらませてくれています。

 村の風景や人物が、とても素朴な感じで、アルプスの雰囲気がつたわってきます。
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王さまライオンのケーキ はんぶんのはんぶん ばいのばいの おはなし

2019年02月16日 | 絵本(外国)

           王さまライオンのケーキ はんぶんのはんぶん ばいのばいの おはなし/マシュー・マケリゴット:作・絵 野口絵美・絵/徳間書店/2010年


ライオンの食事会に招待されたのは、はじめてのアリのほかコガネムシ、カエル、インコ、イボイノシシ、カメ、ゴリラ、カバ、ゾウ。時間ぴったりについたのはアリだけ。そのほかは遅刻です。

 なにしろ、このメンバー、アリをのぞけば、行儀の悪いこと、悪いこと。

 食事のあとは、デザートのケーキ。ライオンが自分のものをとって、となりにまわしなさい!というと、くいしんぼうとおもわれるとのがイヤな面々は、まわってきたケーキ半分にして次から次へとまわします。
 アリのところでは、はじめの128分の一。アリも半分にしようとしますが、ケーキはかけらになって、こなごな。

 動物たちは、アリがじぶんのことしか考えていないと批難ごうごう。みんな自分のことは見えていません。同じ半分といっても、まったく意味がちがいます。

 アリは王さまのケーキがなくなったので、あしたイチゴケーキをやいてきますと約束します。

 するとコガネムシは「アリだけに、いいかっこさせて おくものか」と思い、キャラメルケーキを二個焼いてきますといいます。カエルは四個、インコは八個。倍々でゾウは256個。

 最後はアリの作ったケーキを、アリと王さまが半分づつにしていただきます。

 楽しみながら分数や倍数がでてくるので、数に興味がもてそうです。

 256という数字は微妙な数字で、これ以上の数を展開できれば驚きがでてきますが、すこし難しくなります。

 ライオンの王さま、寡黙な王さまで、動物たちをじっとみているだけです。次の年も食事会をしたのでしょうか。
 そしてゾウさんが、約束の256個のケーキを作れたのかも不明です。
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たいこたたきの少年

2019年02月14日 | 絵本(外国)

        たいこたたきの少年/バーナデット・ワッツ:文と絵 松永 美穂・訳/西村書店/2018年


 出版社の紹介には、イエスの生誕にまつわるクリスマスソング〈リトル・ドラマー・ボーイ〉が愛らしい絵本になりましたとありました。

 天涯孤独で家もない、ひとりぼっちのベンジャミンは、たいこをたたいて、いつもみんなを楽しませていました。

 ある日、うまれたばかりの王さまのたんじょうをいっしょにおいわいしようとさそわれます。
 けれど、貧しいベンジャミンは、みすぼらしい服を着ていて、さしあげるものもないとしり込みします。

 それでも、王さまはどんな服をきているかるかなんて気にしない。心のなかだけをごらんになるのよという、なかよしのレイチェルに誘われて、ベンジャミンも王さまのところにいくことになりました。

 もっているものといえばたいこだけのベンジャミンが、たいこをたたくと赤ちゃんがうれしそうに顔をかがやかせます。
 なにも持っていなくても、だれかを幸せにすることができるというメッセージでしょうか。

 昨年12月のはじめに出版されていて、クリスマス時期にぴったりの絵本です。であうのがちょっと遅すぎました。

 三角屋根がたちならぶ町、小鳥、ねずみ、犬、アヒル、ネコなどの小動物も存在感がある素敵な絵です。
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おっとあぶない

2019年01月24日 | 絵本(外国)

               おっとあぶない/マンロー・リーフ:作・絵 訳:わたなべ しげお・訳/フェリシモ出版/2003年


 2018年11月に復刊ドットコムからも出版されています。子どもころ読んだ方も多いようです。

 ちいさい子のまわりには危険がいっぱい。それをどう理解させたらいいか。

 叱る、やさしく話す、それとも驚かす。これってどちらかというと説教かな。でもなかなか効き目がありません。そのときは、この絵本の出番かも。

 信号がない道路横断での車への注意。

 「ひかれなきゃ いいんだよと とびだして、くるまのまえを よこぎるまぬけ
  こっちの くるまは よけたけど、はんたいがわから トラックが きているのもしらない まぬけ」

 「でんきのこぎりや のみで 手足が、ばらばらに なってからでは もう おそい」
  さわってみたいとおもっても もしかして 先には、恐ろしいことになるかも。

 ぼんやりまぬけ、つよがりまぬけ、やけどまぬけなど「○○まぬけ」が、ぞろぞろいて、なにかのときに、おもいだしてくれると役に立つかな?

 アメリカでの初版はだいぶ古そうで、一見落書き風で親しみやすい絵ですが、「スピード違反の おとなと いっしょに くるまにのる ドライブまぬけ」など首をひねりたくなる ”まぬけ”もあります。

 ダメと言っても、やってみたくなる子どもの性格をあらかじめ予測して対応するのも大人の責任です。

 そして、「ほかのまぬけ しっていたら ほんを つくってごらん」と結ばれていますから、大人の「しらないまぬけ」「へいこらまぬけ」「ほこりをうしなったまぬけ」など、この続きは大人版の出番もあるようです。
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こすずめのぼうけん、しおちゃんとこしょうちゃん

2019年01月23日 | 絵本(外国)


          こすずめのぼうけん/ルース・エインズワース・作 石井桃子・訳 堀内 誠一・ 絵/福音館書店/1977年
          しおちゃんとこしょうちゃん/ルース・エインワース・作 こうもと さちこ:訳・絵/福音館書店/2016年


 同じルース・エインズワースの作。「しおちゃんとこしょうちゃん」の発行は2016年ですが、初出は1993年「子どものとも年中向き」です。

 両方とも「おはなしのろうそく」(東京子ども図書館編)にはいっていて、おはなし会や読み聞かせでふれられた方もおおいのではにでしょうか。

 「こすずめのぼうけん」では、初めて飛んだこすずめが、羽を痛めてあちこちでやすめせてもらおうとしますが、仲間でないとことわられてしまい途方に暮れます。

 「しおちゃんとこしょうちゃん」では、双子のこねこが、どっちが高いところまでのぼれるか競争して、もみの木のてっぺんまでのぼりますが、いざ降りる段になって、にっちもさっちもいかなくなります。

 どちらも、冒険がつづきハラハラしますが、最後には必ずお母さんが助けに来てくれるという安心感があるお話です。


・こすずめのぼうけん

 はじめて飛んだこすずめが、途中で羽をいため、鳥の巣をみつけては休ませてください,とお願いします。
 からすからは「かあ、かあ、かあって、いえるのかね?」
 やまばとからは「くう、くう、くうって いえますか?」
 ふくろうからは「ほうほう、ほうほうって いえるかね?」
 かもからは「くわっ、くわっ、くわって いえる?」

 どれにもこたえられないこすずめ。

 繰り返しと鳥にも興味が持てそうです。


・しおちゃんとこしょうちゃん

 双子のこねこの名前がしおちゃんとこしょうちゃん。
 双子ですから、なにをやるにも いっしょ。
 目をあけるのも、ミルクをなめるのも、自分のしっぽを追いかけるのも一緒。

 真っ白なねこは”しおちゃん”、灰色の毛がまじっているのが”こしょうちゃん”
 ということは 塩と胡椒?
 作者の遊び心でしょうか。

 高いもみの木にのぼった双子が、小鳥や 飛行機、風に助けをもとめますが、だれも助けてくれません。夜になって、みどりいろの ひかりが ふたつならんで木をのぼりはじめます。正体は?

 どちらの絵も、お話のイメージにピッタリです。
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うしとトッケビ

2019年01月22日 | 絵本(外国)

          うしとトッケビ/文・イ・サンクォン 絵・ハン ビョンホ 訳・おおたけ きよみ/アートン/2004年


 まず表紙のおなかが大きくなった牛をだいた困惑顔のトルセが、なんともいい味です。
 韓国の昔話でおなじみのトッケビがでてきますが、ネコっぽく描かれています。

 ある冬の日、トルセが牛を連れて帰る途中、術を使うのに必要なしっぽをかまれたトッケビが現れます。そして傷が治るまで二か月のあいだ牛のおなかに入れてくれるよう頼まれます。そのかわり牛の力を十倍にしてくれるというのです。
 開いた口がふさがらないトルセでしたが、ことわればトッケビの子は、こごえて死んでしまうか、おなかをすかして死んでしまうだろうと思い、いまより十倍の力持ちにしてくれるのも悪くないと「どうしたらいいかい?」と、牛に聞く、牛はこっくりこっくりうなずきます。

 なまけもののトルセは、薪売りをして暮らしていましたが、トッケビが牛のおなかにはいってからは、これまで十倍も薪を運ぶことができて、お金もたくさんたまります。

 ところが約束の日がちかづいてくると、牛のおなかがどんどんふくれはじめます。トッケビが毎日横になっておいしいものを食べていたら、太ってしまい、牛からでられないというのです。

 あくびをしてくれれば、そのとき ぱっと外にでられるというので、わきばらをつついてみたり、鼻の穴に、ながいぼうをつっこんっでみたり、くすぐったりしてみますが、あくびはでません。

 トッケビは外にだしてくれたら、今度は牛の力を百倍にしてくれるはずでした。

 トッケビがどんどん大きくなって、牛のおなかが破裂しては大変です。しかし、何でも知っているという老人までがいい知恵を教えてくれません。

 思い悩むトルセでしたが・・・・。

 結末はあっというまの出来事です。

 百倍の力持ちになった牛をつれたトルセは 鼻歌をうたいます。「トッケビこぞうじゃなくっても たとえ こわい おばけでも かわいそうなら たすけなきゃ」。
 人に親切にすれば、その相手のためになるだけでなく、やがてはよい報いとなって自分にもどってくるということ。

 巻末に、近代韓国の代表的作家 イ・サン(1910-1937)の唯一の絵本という紹介がありました。
 牛を馬に、トッケビを悪魔におきかえると、日本の豊島与志雄さんの「天下一の馬」に類似しているということです。
 しかし、世界各地に同じような話があり、さらにさまざまな形で再話もされていますから、翻案というのは意識しなくてもよさそうです。
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数ってどこまでかぞえられる?

2019年01月21日 | 絵本(外国)

               数ってどこまでかぞえられる?/作:ロバート・E・ウェルズ・作 せな あいこ・訳/評論社/2016年


 数えていったらどこまでも続く数字。行きつく先は無限。

 宇宙にあるすべての原子!をあつめたより、まだ大きい数字。それがグーゴル。

 れっきとした数学用語で、1グーゴルは10の100乗。

 巻末にこの名称が生まれたエピソードがのっています。1930年代後半、アメリカの数学者エドワード・カスナーがゼロが100個つく数字をかき出し、当時9歳の甥ミルトン・シロッタにたずねると、ミルトン君は「グーゴル」とこたえ、それがグーゴルという言葉のはじまりになったといいます。

 絵本のタイトルには「グーグルの もとに なった ことば」とつづいていますが、なんとグーゴルの綴り間違いからつけられたという。日頃お世話になっているグーグルですが、綴り間違いとは!

 100の数字のところで、100羽のワシが気球を運んだり、100羽のペンギンがそれぞれ10個のアイスをもっている楽しい絵もあります。
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いじわるな ないしょオバケ

2019年01月19日 | 絵本(外国)

               いじわるなないしょオバケ/作:ティエリー・ロブレヒト 絵:フィリップ・ホーセンス 訳:野坂 悦子/文溪堂/2009年


 このところサラちゃん少し変。パパのひざにすわりたいのですが遠慮。だっこしてもらいたいのに離れてソファにすわります。

 学校にいくとすごくいらいらしているといわれたり。

 というのも、さわっちゃいけないと言われているママの真珠の首飾りを首に巻いたら、あらあら、真珠が部屋中のころがって、ころころ ぱらんぱらん。真珠は全部探して引き出しのうしろにかくしたのですが、ママには内緒。

 ママから「どうしたの?」ってきかれて「ううん、べつにって」答えると、口からオバケ。

 オバケといっても、とってもかわいい白いおばけ。でも内緒ごとをしたり、うそをつくと、どんどん増えていきます。

 大人でも嘘をつくと、いつかばれるのではないかとドキドキします。嘘をつくのは自分を正当化するためだったり、しられてほしくないなど、結構身勝手からです。
 
 子どもだけでなく、大人も反省させられることが多い絵本でしょうか。

 サラちゃん、部屋中がないしょオバケだらけになって、すみっこからうごけなくなって、本当のことをママにいうと、オバケたちが さっーと きえて・・・。

 嘘も方便といいますが、まあ、やっぱり嘘はつかないほうがいいでしょうね。
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100まんびきのねこ

2019年01月16日 | 絵本(外国)

           100まんびきのねこ/ワンダ・ガアグ:文・絵 石井 桃子・訳/福音館書店/1961年


 むかし、あるところにすんでいたおじいさんとおばあさんは、きれいな家に、花に囲まれていましたが、ふたりは幸せではありませんでした。ふたりはとてもさびしかったのです。
 「かわいい ちいさい ねこ」がほしいというおばあさん。

 そこで、おじいさんは、ねこを探しにでかけますが、たどりついたのは、どこも ここも、ねこでいっぱいになっている丘。
 いちばんきれいなねこをえらんでかえればいいんだと思ったおじいさん。ところが次々にかわいいねこが目について、あれもこれもひろいはじめます。

 その数、ひゃっぴき、せんびき、ひゃくまんびき、一おく、一ちょうひき。

 途中、池の水を飲み干し、野原じゅうの草は一本もなくなります。

 びっくりしたのはおばあさん。ご飯はやれないと、誰が、いちばんきれいなねこか、ねこたちにきめさせようとしますが、どのねこも自分が一番きれいだとおもっていましたから、喧嘩がはじまります。

 おじいさんおばあさんが家に逃げ込み、すこしたつと、外の騒ぎが聞こえなくなります。

 窓からのぞいてみると、ねこは一匹もいなくなっていました。

 ところがよくみると、草の間に骨と皮ばかりのやせこけたねこをみつけます。
 「わたしはただのみっともないねこでございます。だから誰が一番きれいかきかれたとき、わたしは何もいいませんでした。だから、だれもわたしには かまいませんでした」。

 おじいさんおばあさんは、このねこをかうことになりますが・・・・。

 題名に100まんびきとありますが、じつはもっと数がおおくて一ちょう。それが一匹を残してみんないなくなるのは共食いで、じつは恐ろしい話。

 この数にびっくりするのは、大人だけでしょう。保育園、幼稚園の子どもにとって数の概念はここまでいかないはず。大人の感覚で接すると、とんでもない錯覚におちいりそうです。

 本文の絵はモノクロで、カラーは表紙のみ。出版年の関係だけではなさそうです。


・紙芝居 ひゃくまんびきのねこ/脚色・高橋五山 画・川本哲夫/出版社:童心社/2000年

 絵本は1961年、紙芝居は2000年の発行です。

 紙芝居は、カラーで絵本よりはみやすいかもしれません。

 猫の数はやや抑えめで百万匹。

 猫は、喧嘩をしますが、一匹を残して、竜巻にまかれて舞い上がっていきます。このほうが個人的には納得です。
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かあさんねずみがおかゆをつくった―チェコのわらべうた

2019年01月15日 | 絵本(外国)

          かあさんねずみがおかゆをつくった―チェコのわらべうた/ヘレナ・ズマトリーコバー・絵 いでひろこ・訳/福音館書店/1984年


 チェコのわらべうたの絵本です。

 文章をおっていくと、あれというところがでてきます。

 かあさん ベルトを かいました ねずみの しっぽで かいました
 おじちゃん けがわを かいました どんぐり いっこで かいました

 もともとわらべうたですから、声に出して楽しむ絵本のようです。

 わらべうたが四つ。

 4番目は”う”からはじまります。こんなふうです。

 うちが いっけん あったとさ
 うちの なかには テーブル ひとつ(なにもおかれていないテーブル)
 テーブルの うえには はち ひとつ(はちがのっています)
 はちの なかには みず いっぱい みずの なかには さかなが いっぴき(ねこがのぞいています)
 おやおや さかなは どこいった ねこが すっかり たべたとさ(骨だけのさかな)
 さて そのねこは どこいった もりの おくまで にげてった(もりのなかに ねこ いっぴき)
 そのもり いまは どうなった ほうぼう もえて はいばかり(森が燃えています)
 そのはい いったい どこいった あめが ながれて かわのなか
 そのかわのみず どこいった にひきの うしが のみほした(二ひきの牛が川の水をのみます)
 さて そのうしは どこいった とのさま おくがた たいらげた
 とのさま おくがた どこいった
 おはかの なかに うめられた(墓地です)

 歌に合わせた かわいらしい絵が素敵です。
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メガネくんとハダシくん

2019年01月14日 | 絵本(外国)

               メガネくんとハダシくん/二見正直・作/偕成社/2018年


 一年のくらしをとおして ときに ケンカをしながらも きずなを ふかめていく 二ひきのクマの話。

・パジャマでいちにち 春のあさ
 メガネくんは、パジャマで ごはん中。きがえたくないときは きがえないというメガネくん。
 花に水をやるときもパジャマ。本を読むときもパジャマ。

 ハダシくんもメガネくんをみて、パジャマ姿ですごしてみますが、朝ご飯のジャムをこぼし、散歩しているとつまづいてころびパジャマをよごし、本棚に ひっかけて ちぎれてしまいます。

 メガネくんの言い分「だれにでも むいていることと むいてないことってのが、あるんだよ。きみは だれかの まねなんて しないで、きみのやりかたで やったほうが いいと おもうな」

・〈きみのあじ〉ってどんなあじ? 夏の朝
 メガネくんが、ハダシくんのところへもっていったのは、おさけのはいっているチョコレート。
 ハダシくんは「にがいよ」。<おとなのあじ>がわかる わからないで、きまずい雰囲気。

 ハダシくんがすきなあじは、ハチミツ。メガネくんは、チョコレトートとひきかえに、ハチミツを手に入れますが、ハダシくんには、あげないと ちょっといやがらせ。メガネくんのおかげで、ハチミツをわけてもらったハダシくんは、おとなのあじを見直します。

・くつをはくといいこと 秋 
 ハダシくんは、はだしがすき。しかし、メガネくんと将棋をしてまけると、おこって将棋盤をひっくりかえしてしまいます。カキをとりにいくと、クリをふんだハダシくんでしたが、いたいのはなんでもないとクリをむいてぼりぼり。あるいていくとカキをみつけます。ところが木の幹がほそすぎて、のぼることがでません。
 そこでメガネくんの くつを投げつけ、おちてきたカキをふたりでたべます。くつを見直したハダシくんでした。

・さいこうのすべりだい 冬の日暮時
 ハダシくんが、かぜをひいて ねこんでいるメガネくんのところへ。夜の大雪で雪がひざまでつもっていました。ハダシくんは雪をどかして雪かき。途中すべりだい台をつくります。
 メガネくんは、すべり台はいらないといいますが、大きいすべり台をみて、びっくり。ところが町の除雪車がやってきて、すべり台をこわそうとしたので、メガネくんは、一回だけ、すべり台を、すべりました。
 メガネくんは、メガネくんがすべっているときの かおが さいこうにおもしろかったと、声をかけます。

・まったくはじめて
 ハダシくんは、きょうはくつをはいて、メガネくんの誕生日パーテイに。プレゼントを だれかに わたすことも まったくはじめて。
 メガネくんのテーブルには、皿もやきものも木。料理のことでなく、お皿のことを聞かれて、メガネくんはちょっと不満。でもハダシくんのプレゼントは、木の小枝で作った鉛筆が五本でした。
 プレゼントがおわってから、ようやくメガネくんの作った料理をいただきます。

 大事件がおこるわけでもないのですが、なんだかんだといいながら相手のことを思いやる二ひきのクマです。

 絵を楽しむというより、長い物語への入門書でしょうか。ただ、二ひきの位置関係が ときに、わかりにくいのが難点でしょうか。
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いたずらトロルと音楽隊

2019年01月12日 | 絵本(外国)

         いたずらトロルと音楽隊/アニタ・ローベル・作 安藤 紀子・訳/ロクリン社/2018年


 旅回りの五人の音楽隊。毎日、日の出とともにおき、一日中、楽器をかなでながら、あちこちまわっていました。どこへいっても、だれもが五人の演奏は、国中で一番だとおもっていました。

 ある夜、五人が森で眠っていると「月夜に音楽があれば最高だ。うたって、おどって、きっとたのしいぞ」とトロルがとおりかかり、五人を起こそうとしますが、一向に目を覚ましません。怒ったトロルは楽器に魔法をかけてしまいます。

 朝になって、町で演奏がはじまると、チューバは「モオーオー」
 トロンボーンは「ヒヒーン」
 チェロは「メエーエー」
 トランペットは「ガア、ガア」
 フルートは「コッコッ」 とおかしな音しかでてこないので、人々は、かんかんに怒り出し、五人に石ころまで投げる始末。

 ところが、牛はなかまがいるのかとおもって、たしかめにきます。
 子ひつじが友だちをさがしにやってきます。
 馬がかけてきて、がちょうがトランペットの音に耳を傾け、めんどりもくわわります。
 音楽隊の演奏がすきなのは、そばにいる動物たちだけでした。

 トロルにすてきな贈り物をして、魔法をといてもらおうと、五人は、動物たちに手伝ってもらって、ケーキを作り、ひつじの毛でセータを編み、花輪も作ってトロルをさがしにでかけていきます。

 ここにでてくるトロルは、昔話のトロルとはちがって、こびとに描かれ、おかみさんと三人のこどもがいます。しっぽがあるのがトロルらしいところです。

 トロルのおかみさん「魔法? おまえさん、また私にないしょで呪文をとなえてまわっていたのかい? この恥知らずめが!」と、夫の鼻にパンチをくらわす、いさましい存在。家庭では主導権をにぎっています。

 絵も派手さはありませんが、衣装、風景が楽しめます。そして縁飾りもページごとに違う凝りようです。

 巻末の作者紹介に、アーノルド・ローベルと結婚とありました。ご夫婦で絵本作家というのも素敵ですね。しかしポーランド生まれのアニタさん、10歳で弟と強制収容所送りになり、生き延びた方です。
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