どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

まっくろ

2024年08月24日 | 絵本(日本)

    まっくろ/作・高崎拓馬/絵・黒井健/講談社/2021年

 

 まったく最後が想像できませんでした。これだけ びっくりする最後も珍しい。

 

 先生が「こころに うかんだことを かいてみましょう」と言うと、ひとりだけ画用紙を真っ黒に塗りつぶしている男の子がいました。先生がこまった 顔をして、「ちゃんとした えを かきなさい」と言いますが、男の子はやめません。
みんなが描き終わってもまだひとり、画用紙に 黒を塗りつぶしていく男の子。

 家に帰っても、朝になっても、休みになっても、男の子は、画用紙を真っ黒に塗りつづけ、大人はみんな心配顔。保健室でも 書き続ける男の子。ともだちもみんな心配顔。それでも 手を止めなかった男の子。

 やがて、男の子は 黒い画用紙を 体育館に ならべはじめます。

 よくよくみると、画用紙は すべてが黒だけではなく、白い部分も ありました。ならべはじめると 白いリンクなようなものが。

 先生も、ともだちも みんな 集まってくるなかで、男の子が、次々に ならべていくと できあがったのは?

 

 黒といっても、色合いはさまざま。

 「心に浮かぶもの」は、百人いれば百人それぞれ。その子を 戸惑いながらも じっと見守る周囲も、素敵です。


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