忘れても好きだよ おばあちゃん!/作:ダグマー・H・ミュラー 絵:フェレーナ・バルハウス 訳:ささき たづこ/あかね書房/2006年初版
いつ誰がなってもおかしくないアルツハイマー病。
先生だったおばあちゃんがアルツハイマー病になって、いろんなことを忘れていきますが、女の子はいつもおばあちゃんによりそっています。
ママが「おばあちゃんの今までって、大きい木のようなものかしらね」といったのをうけて、わたしはおばあちゃんの生まれてから今までを絵にしてみます。
大学に入ったとき、山登りしたとき、先生になったとき、結婚式、ママがうまれたときの絵も。
ママがいいます。「おばあちゃんの人生の木なのね」。
「病気のせいなの。おばあちゃんの頭には、秋がきたのね。この木についている絵は、風にふかれたこの葉みたいに、一枚一枚ちってしまうのよ」「根っこのほうの葉は、上の葉よりも、しっかりついているのよ」
おばあちゃんには時間がたくさんあるので、ちっともいそぎません。おばあちゃんと絵本をみるときは、どの絵もゆっくりながめます。
ママもわたしも、いまいるのはおばあちゃんがいたから。
現実はもっと大変でしょうが、あたたかくおばあちゃんを見守る家族の優しさがあります。