どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

忘れても好きだよ おばあちゃん!

2016年05月13日 | 絵本(外国)
忘れても好きだよ おばあちゃん!  

    忘れても好きだよ おばあちゃん!/作:ダグマー・H・ミュラー 絵:フェレーナ・バルハウス 訳:ささき たづこ/あかね書房/2006年初版

 

 いつ誰がなってもおかしくないアルツハイマー病。

 先生だったおばあちゃんがアルツハイマー病になって、いろんなことを忘れていきますが、女の子はいつもおばあちゃんによりそっています。

 ママが「おばあちゃんの今までって、大きい木のようなものかしらね」といったのをうけて、わたしはおばあちゃんの生まれてから今までを絵にしてみます。

 大学に入ったとき、山登りしたとき、先生になったとき、結婚式、ママがうまれたときの絵も。
 ママがいいます。「おばあちゃんの人生の木なのね」。

 「病気のせいなの。おばあちゃんの頭には、秋がきたのね。この木についている絵は、風にふかれたこの葉みたいに、一枚一枚ちってしまうのよ」「根っこのほうの葉は、上の葉よりも、しっかりついているのよ」

 おばあちゃんには時間がたくさんあるので、ちっともいそぎません。おばあちゃんと絵本をみるときは、どの絵もゆっくりながめます。

 ママもわたしも、いまいるのはおばあちゃんがいたから。

 現実はもっと大変でしょうが、あたたかくおばあちゃんを見守る家族の優しさがあります。