どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

海のはじまり・・ヴァヌア・ラヴァ島

2016年05月23日 | 昔話(オセアニア)

        大人と子どものための世界のむかし話5 ポリネシア・メラネシアのむかし話/ダイクストラ好子・編訳/偕成社/1989年初版


 すごくシンプルに海のはじまりを教えてくれる昔話です。

 二人の孫と暮らすおばあさん。
 おばあさんが畑に行く前に、孫に囲いに入ってはいけないと言い残してでかけます。
 みるなといわれて、何があるだろうと囲いをのぞいた二人。

 なかにはサトイモの葉があるだけです。

 二人はトカゲがサトイモの葉にとまっているのをみると、矢をはなちます。

 矢はサトイモの葉に穴をあけてしまいます。すると葉の中から水がこぼれだし、ゴウゴウと天地をゆりがすほどの音で、囲いの中に水がたまっていきます。

 おばあさんが、この音を聞いて「あまねく、そそげ、世界中に」と叫ぶと、囲いの水がおばあさんの家といわず、畑といわずのみこんでしまいます。

 それでも水はとまらず、あふれつづけ全世界にひろがっていったというのですが・・・。

 サトイモを育てるときは、水やりが大切といわれていますが、逆に水をつくるというのも、どこからきているのでしょうか。
 このおばあさんも不思議な存在です。