入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

    ’17年「初夏」 (21)

2017年06月25日 | 入笠牧場からの星空

M8、M20、及び土星(右端)             Photo by かんと氏

 広大無辺の宇宙。われわれはその一隅にたまたま生まれ、存在しているだけに過ぎないと説かれれば、そうだろうと頷くしかない。主役が宇宙の誕生から138億年も、太陽系の誕生からなら46億年も経たなければ、舞台に登場できないはずがないと思うし、また、われわれが主役だとしたら、活動するにはこの宇宙はあまりにも広すぎる。銀河系でさえ手に余る。それに、われわれ人類が活躍できる時間はおそらく短か過ぎて、長時間の演目の端役にもなれないだろう。
 そこで、ではこの舞台の演目は何で、主役は誰だということになるが、そもそもこの舞台に、演目があったり、主役などいるのだろうか。たまたま訳もなくボコッと、生まれただけかもしれない、泡のように。
 この長すぎる時間と、無窮とも言える広がりの中で、われわれも宇宙の舞台にいることはいる。ただ、それも一瞬の今だけだろうに、出演要請は、あったのか?

 グラッと来ました。朝、風呂に入ろうとしていたときでした。引き続き注意をしろと言うので、みっともない様して圧死するわけにもいかん話だと、風呂は諦めました。お見舞いや問い合わせをいただきました。ありがとうございました。お蔭様で、陋屋、住人1名、犬1匹無事でした。先ほどまた揺れたけれど、朝よりは弱かったようです。

 キャンプ場及び山小屋の営業内容につきましては、「H29年度の営業案内」「続H29年度の営業案内」を参考にしてください。



 
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    ’17年「初夏」 (20)

2017年06月24日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など

Photo by Ume氏

 きょうのUme氏の写真、タイトルは「帰り道」がいいと思う。老いたる(クク)牛守が一日の仕事を終え、この道を家路へと向かう、そのときに味わう疲労感の中の満足感と安堵感。Ume氏もそんなことを想像しながら撮ったと言っていた。

 「たった12頭ばかりの牛のために」と思いながら、「いやいやこれは牛のためではなく、鹿対策だから」と思い直す。第1牧区にある電気牧柵下の草刈りがきょうで3日続くがまだ終わらない。
 この電気柵は前にも触れたが、数年前に県が鹿対策のため施設し、3年間にわたりその効果を調査し、その後に置いていったものだ。その間は管理や保守も一義的には県が行ったから、当時は20名以上の県や市の職員が集められ、草刈りだけでなく、立ち上げや、冬対策も行ったものだ。それが今は、効果のほどを疑いつつも、それらの事を一人でやっている。
 さてその鹿だが、下界では昨年の捕獲頭数が減ったことをもって、鹿の生息頭数が減っていると思っているらしい。とんでもない話である。一体誰がこういうことを言い出すのか知らないが、実態を知らないのにも程がある。それが地元の新聞の記事にもなるから、鹿対策は上手くいっているものと皆に誤解されてしまう。
 この頃は日中にまで鹿の姿を目にする。Ume氏のドローンによる動画では、管理棟の裏の第2牧区の草地に、早朝には今だに30頭以上の群れが出没していた。芝平の第1砂防ダムの付近では今年になって、朝夕必ず鹿の群れを目撃している。
 実験が目的化しているようでは、鹿対策は進まない。少しは現場の声も聞いて、以前にここに書いた鹿対策案を、行政が実行してみてはどうか。

キャンプ場及び山小屋の営業内容につきましては、「H29年度の営業案内」「続H29年度の営業案内」を参考にしてください。

 
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    ’17年「初夏」 (19)

2017年06月23日 | 入笠牧場からの星空

 
 星空を眺めていると、洞穴の住人や、羊飼いが同じ夜空を仰ぎながらとりとめのない空想や、神話に思いを馳せつつ長い夜を過ごした胸中が偲ばれる。闇の中に煌く夥しい光の粒を、地上に存在する自然界の諸々とは別の次元の存在と、もしかすれば彼らは考えていていたのだろうか。だから、神々が必要だったのかも知れない。
 それから長い時が流れても、今なお変わらぬ星空を、古い時代の道標を頼りにしながら宇宙への空想の旅を続けている。あれが白鳥座だ、あれが射手座だ、あれはさそり座だ、などなどと・・・。
 それにしてもこの膨大な星の数と、気の遠くなるような宇宙の広さにどんな意味が、理由が隠されているのだろうか。極小の一点から、138億年をかけてこの壮大な空間・宇宙が誕生したのだと言われても、普通の感覚では、とても信じることができない。それに、目にしている大宇宙の大方は、科学的な好奇心を別にすれば、われわれとは殆ど無縁の世界だと言ってもいい。仮に、高度な知性がこの宇宙のどこかに存在したとしても、おいそれと交流できるような距離ではないはずだ。
 宇宙に対する理解は、洞穴の住人よりかはるかに進んだかも知れない。しかし、どれほど科学が進歩したとしても、あの星もあの星座も、相変わらず手の届かぬところに存在し、これからもずうっとそうであり続けるだろう。見慣れた、美しい星の海のままで。


    上:天の川銀河、下:おとめ座銀河群、撮影かんと氏

 ありがとう、かんとさん。かんとさんの実力、TOK氏の実力、そして牧場の実力、負けません。

 キャンプ場及び山小屋の営業内容につきましては、「H29年度の営業案内」「続H29年度の営業案内」を参考にしてください。
     








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      ’17年「初夏」 (18)

2017年06月22日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など

Photo by Ume氏

 太陽の光は薄い雲に遮られて直接届いていないが、穏やかな牧場(まきば)の午後、セミの声だけが聞こえてくる。
 
 午前中は、第1牧区にある電気牧柵下の草刈りをした。そうしないと、電流が漏電して電圧が落ちてしまい、鹿対策にならないからだ。とても半日くらいで終わる仕事ではないから、午後も続く。さらに電気牧柵は第1牧区だけでなく第3にも第4にもある。全部合わせたら3,4キロ、いや、もっとあるかも知れない。昨日の雨で草の伸び方にも勢いがついただろうし、これからしばらくは、草刈りが日々の仕事の大半を占めるようになる。それでいい。
 そうそう、今まで一つの群れにまとまっていなかった第1牧区の牛たちが、きょうは御所平に集結していた。それともう一つ、侵入の際感電したのだろう、まだ袋角をした雄鹿が1頭、牧区の外に出られずに森の中を逃げまどっているのをきょうも目にした。

 Ume氏のきょうの空撮写真、草原に幾条かの朝日が差し込み、何とも言えない美しさをとらえている。白く見えるのはコナシの花だ。一目見たとき、外国の風景かと錯覚した。右上に第2検査場のパドックが見えるから、それでようやく位置が分かった。今、森の中で鳴き出したカッコーも、時にはこんな景色を目にすることがあるだろうか。あったとしても人のように、それに感動することはないだろう。
 人は、何かに感動することができる。ここにいれば、それには事欠かない。朝日も、花咲く草原も、広い空も、遥かな山並みも、鳥の声も、川の流れも、夕日や煌く星も、それぞれがそれなりに、あるいは調和して、一体化して、人の心を揺さぶってくれる。きょうの愛想のない白い太陽でさえも。

  キャンプ場及び山小屋の営業内容につきましては、「H29年度の営業案内」「続H29年度の営業案内」を参考にしてください。
 
 
 
 



 
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    ’17年「初夏」 (17)

2017年06月21日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など

Photo by Ume氏

 今年は、きょうのUme氏の写真のようにはいかずレンゲツツジと、コナシの花の開花がずれてしまった。この辺りのコナシの花は今日の雨で散ってしまうかも知れないが、遅れて花を咲かせたレンゲツツジにはもう少し、この雨に耐えてほしい。
 それにしても今朝の気温は低く、10度にまで届かなかった。

How gentle is the rain
That falls softly on the meadow
Birds high above in the trees
Serenade the floweres with melodies oh oh oh
                

 ここの牧場の「草地」に振る雨は、サラ ボーン(SARAH VAUGHAN)が唄うこの歌詞のように「穏やか」とは言えなかったが、久しぶりの雨に濡れながらこの歌をいい加減に口ずさみ、牛の様子を見てきた。
 霧はそれほど深くなく、雨脚も思っていたほどではなかった。上ってくる途中、小黒川の方へ下っていく1台のトラックが小さく見え、「こんな雨の中を」と思わず同情したが、向こうがこちらに気付けば同情どころかきっと、どこへ何をしに行くのかと不審視されたに違いない。


 
 濡れた草の上を歩いていると気分も落ち着いてきて、強いて降る雨を「穏やか」と思うこともできた。10頭を雷電様の丘で見付け、その群れの中に孤独を止めた58番もいるのを確認した。
 残りの2頭には少し時間がかかったが、御所平近くの林の中で発見した。昨日と変わらず1頭は和牛の57番、もう1頭はホルスの56番、同じ厩舎にいたという牛たちだった。まだ、置かれた状況に戸惑っているふうだったが無理もない、彼女らは2歳にもなっていない。
 これからしばらく、こういう天気の日が続く。牛も人も、それに負けてるわけにはいかない。
 
 営業内容につきましては、「H29年度の営業案内」「続H29年度の営業案内」を参考にしてください。
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