星空を眺めていると、洞穴の住人や、羊飼いが同じ夜空を仰ぎながらとりとめのない空想や、神話に思いを馳せつつ長い夜を過ごした胸中が偲ばれる。闇の中に煌く夥しい光の粒を、地上に存在する自然界の諸々とは別の次元の存在と、もしかすれば彼らは考えていていたのだろうか。だから、神々が必要だったのかも知れない。
それから長い時が流れても、今なお変わらぬ星空を、古い時代の道標を頼りにしながら宇宙への空想の旅を続けている。あれが白鳥座だ、あれが射手座だ、あれはさそり座だ、などなどと・・・。
それにしてもこの膨大な星の数と、気の遠くなるような宇宙の広さにどんな意味が、理由が隠されているのだろうか。極小の一点から、138億年をかけてこの壮大な空間・宇宙が誕生したのだと言われても、普通の感覚では、とても信じることができない。それに、目にしている大宇宙の大方は、科学的な好奇心を別にすれば、われわれとは殆ど無縁の世界だと言ってもいい。仮に、高度な知性がこの宇宙のどこかに存在したとしても、おいそれと交流できるような距離ではないはずだ。
宇宙に対する理解は、洞穴の住人よりかはるかに進んだかも知れない。しかし、どれほど科学が進歩したとしても、あの星もあの星座も、相変わらず手の届かぬところに存在し、これからもずうっとそうであり続けるだろう。見慣れた、美しい星の海のままで。
上:天の川銀河、下:おとめ座銀河群、撮影かんと氏
ありがとう、かんとさん。かんとさんの実力、TOK氏の実力、そして牧場の実力、負けません。
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