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入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     「秋」 (48)

2015年10月19日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


  佳人が自身の容貌の衰えを気にするように、このため息の出るような美しい秋の日が、いつまで続くのかと気になる。それほど今年の秋は晴天が続き、色付いた木々の葉が日の光を浴びて眩し過ぎるほどだ。一雨あれば、きっと終わってしまいそうな脆弱で、儚い美しさを連日眺めているとつい、冒頭のような余計なことを書いてしまう。いつまで健康を保つことができるかと、おのが身を案じる老人に譬えた方がよかったろうか・・・。
 
 今朝登ってくる途中の山室川沿いの道からは、日が当たり森が輝いて見える山頂辺りと、渓流に近い日の射さない暗い森との印象の違いを、いつもより一層強く感じながら来た。日を浴びた森は開放感で歌っているようだし、白濁した川の流れる日の遮られた森は沈思し、黙考しているようだった。
 毎朝のことだが悪路に手を焼きながら大ダオ(芝平峠)まで来る間、今朝は周囲の木々がしきりと葉を散らせていた。短命な秋の終章がすでに始まったかも知れない。フォーレの曲だというハープの奏でる優雅な調べも、そう囁いているかのようにも聞こえた。
 牛のいなくなった放牧地では、雲一つない青空の下、中央アルプスは越百の先まで、北アルプスは三国境まで見通すことができた。



 「歴女」と言う言葉があることを初めて知った。教えてくれたのは昨日テイ沢を通り、高座岩経由で来て、キャンプ場で昼食を使っていたSさん夫婦だ。いま歴史が女性に人気があるのだそうだ。しかしまだ一度も、女性から「法華道」、「石堂越え」、「御所平」、「御所ガ池」、「北条時行」などなどについて尋ねられたことはない。このブログの読者の中にそういう女性がもしいたら、面白い。案内するから訪ねていただきたい。

 管理棟の公衆電話(0266-62-4122)が復活しました。昼の時間でしたら対応できると思います。
 入笠牧場の宿泊施設及びキャンプ場の営業に関しましてはカテゴリー別の「H27の営業」を、また天体観測に関心のある方は「入笠牧場からの星空」をご覧ください。
 
 
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     「秋」 (47)

2015年10月18日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など

     奥のパラボラアンテナの見える山が「権兵衛山」

  「季節は一夜にして進み」などと書いたら、今日はまた素晴らしい秋日和が戻ってきた。ただ、落葉(らくよう)は止まることなく、ダケカンバや白樺はかなりの葉を落とし、白い樹幹が日ごとに目立つようになってきた。紅葉と言うより周囲全体が黄色く色付き、今日は明るく輝いているように見える。
 

 
 手前の何故か傾いて見える建物が管理棟、一番奥に見えるのが時代遅れの山小屋「農協ハウス」。幾つか問い合わせもきているので、たまには現在の小屋の周囲を紹介しておくのも一興かと。



 時代遅れの山小屋とはいえ、こうして見るとそれなり、決して悪くない。今冬も、この小屋が大活躍するとなると、迎える側もかなりの覚悟と準備が要る。すでに冬季の予約が入り始めた。
 巣鴨氏は無事に青柳駅まで行けたかな。
 
 それでは冬のさわりも少々。







 嗚呼こんなことをしてしまって、プレッシャーが高まる。風邪もひけない。もう、かなりの老人と思われているのに・・・、ホントだけど。
 冬季の営業につきましては、また詳細を近々にここに載せます。

 FC/Nさん、いろいろお気遣いありがとうございます。もう少しあそことあそこの支援が得られると、ここはもっともっと良くなります。
 入笠牧場の宿泊施設及びキャンプ場の営業に関しましてはカテゴリー別の「H27の営業」を、また天体観測に関心のある方は「入笠牧場からの星空」をご覧ください。



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     「秋」 (46)

2015年10月17日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


  雪が降るにはまだ1カ月ほど早いが、昨日までのあの穏やかで、暖かな秋の日差しはもうない。まるで牛の下牧に合わせたかのように季節は一夜にして進み、今日は朝から風が雨戸を打ち鳴らし、灰色の空からは乳白色の霧がすぐそこまで降りてきている。華やかだった紅葉の森は舞台が一転したかのように渋い、暗鬱な色調に変わってしまった。

 昨夜はマウンテンバイカーの行方不明者が出たということで、警察に協力して小黒川林道を東谷の先まで下り、引き返してからは釜無山の登山口まで行ってみた。茅野と伊那の両警察が夜遅くまで捜索したが、消息をつかむことはできなかった。今日もう一度見パノラマから2名が、小黒川を自転車で下ってみると言って管理棟を訪ねてきたところで、行方不明者が自力でゴンドラの始発駅に帰ってきたと、下から連絡が入った。何があったかは分からないが、不安な山中で一夜を明かしたことは間違いないだろう。
 初夏に、普段は通行止めの釜無林道を周回して小黒川林道へ出て、そこから入笠山麓を通り、富士見に下るという自転車の催しが開かれた。どうもこの行方不明者はそのコースを、逆行しようとしたのではないだろうか。
 いつのころからかここら辺りも、林道がそこら中に張り巡らされるようになり、不心得者がオートバイや自転車で侵入するようになった。管理する側は、侵入を許さないのなら、もっとそれなりの方策を練るべきではないだろうか。

 驚いたことに、昼飯をマナスル山荘の本館で食べていたら、昨夜の行方不明者が登場。香港在住の英国人という話だったが、彼は悪びれたふうも見せず、何でそんなに大騒ぎをするのか分からないといった態度を見せたのには呆れた。恐らく下で相当絞られただろうが、「昨夜は11時までお前を探したんだぞ」ということは言っておいた。
 
 その後ヒルデエラ(大阿原)へ足を伸ばす都合があって行ってみると、道路沿いの落葉松の、黄金色に色付いたその息を呑まんばかりの光景に驚き、思わず独り言(ご)ちた、「まだ、秋は逃げていない」。巣鴨氏は、鹿嶺高原を目指し「行けるところまで行く」ということで朝方出発したが、さてさて今はどこにいるのやら。
 

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     「秋」 (45)

2015年10月16日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 予定通り、牛は全頭が里へと下りていった。ほとんどの牛が体重をしっかりと増やしたことは、特筆しておきたい。これで、入笠牧場の評価が上がり、放牧頭数の増加につながればいいのだが。
 
 牛のいなくなった夕暮れの放牧場を見ていると、寂寥感と虚脱感がないまぜになって襲ってくる。どうやら秋もまたその最良の時を過ぎつつあるようで、さっきキャンパーの巣鴨さんを誘って夕日を見に出かけたら、折しも西山に沈みかけた太陽の残光が、森を狂ったような彩りに染めていた。



 昨夜は常念岳の麓に泊まり、今夜は入笠に泊まる。時が忙しく過ぎていく。

 ようやく、管理棟の公衆電話が復活した(0266-62-4122)。昼ごろと5時ごろなら電話対応が可能です。また、もしも越年営業を希望される方が多いようなら、12月31日から1月3日ころまで、小屋を開けようか思案中です。
 名古屋のTさん、コメントいつもありがとうございます。励みになります、今後もよろしくお願いします。年齢につきましては、こちらにお越しの際、直接聞いてやってください(笑)。

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     「秋」 (44)

2015年10月15日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


  不順だった今年の天候を挽回するかのように、ここ数日好天が続く。季節の移ろいもその歩調を少し緩め、豪勢な秋を連日見せてくれている。雪はまだだが、西山、中央アルプスのことを地元の人々はこう呼ぶ、の山肌も大分赤味を帯びてきた。それにしても朝の日を浴びた紅葉の絢爛たる賑わい、そしてその背後の動きを止め、無言を決めた深い晴天、いつまで続いてくれるだろう。

   何故、人間の生命は
   アフリカの秋のように
   ぬくもりのある秋と共に
   衰退も予感もなしに
   終わらないのか

     ― コージュ・フロマンタン ―

 
 今日は夕方から安曇野での集まりに呼ばれていて、牛を集め終えたら即座に山を下らなければならない。今夜は現地泊。明朝早起きして普段通りに上がってきて、牛を送る予定。
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