昨夜は冷えた。そのせいもあってか、期待通り清く澄んだ星空が出現した。「雨男」の異名もある星の狩人のかんとさんも面目を施し、久しぶりに入笠の晴れわったった夜空に望遠鏡を向けた。
それにしてもいつも感ずることながらその準備、大変である。三脚、赤道儀、望遠鏡を組み立て、電源を入れるだけでもかなり面倒な思いをするが、氏のから見ればそんなことは自転車に乗る程度のことだろう。それに比べ、かんとさんがやることは大型の複雑な重機を点検準備したり、操作するようなものだ。昨日も、その準備だけで3時間以上をかけていた。
全ての準備が終わり、懸念していたPCも順調なことが確認されてから狩人の銃・望遠鏡を向けた先はアンドロメダ銀河。250万光年先の距離にある、われわれの銀河とは別の銀河だ。それを初めて明確にしたのは、現在も宇宙に浮かぶハッブル望遠鏡の名前の由来や、火の玉宇宙論を唱えたことで知られるエドウイン・ハッブルである。
PCに写し出されたその銀河とは、実に250万年前に発した光が今ようやくにして地球に届き、それを見ていることになる。われわれの銀河と最も近いとされ、遥か遠い未来にはわれわれの銀河と衝突する(すり抜ける)と言われているアンドロメダ銀河でもこれほどの距離、宇宙はまさしく「無窮の遠(おち)」である。
これまでも宇宙に関して何事かを呟く際は決まって「無窮の遠」という言葉を借用してきた。果てしない宇宙の広大さを表現する意味で、これほど適切な言葉はないと思う。これからも使わせてもらうつもりでいる。
人類が出現してきてからずっと魅せられ、同時に謎でもあった夜空、羊飼いの少年も、大海原を行く大航海時代の船乗りも、頭上に散りばめられた無数の光を同じような思いで眺めたに違いない。
厳寒の夜に耐えて、狩人はさらに昴、オリオン星雲にも銃の筒先を向けたようだ。その成果を、画像処理が済めばここでも紹介することができると思う。楽しみだ。
なお、今回使用した望遠鏡は、ここで半ば宝の持ち腐れになっていたタカハシ製の100ミリ屈折望遠鏡で、その他はカメラ、赤道儀、三脚、PCなどすべてかんとさん所有の機器に頼った。
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本日はこの辺で