今朝、芝平の谷を来たら、山道に大分栗のイガが落ちていた。栗の実は秋を感じさせる味覚の一つだと思いつつも、実際には茹でるか、栗おこわくらいしかそれを役に立てる方法を知らない。それでも、艶のある茶色の皮にくるまれた黄色い実には、妙に懐かしさを覚える。小さいころ落ち栗を拾って、渋皮を爪で剝いて食べた記憶が残っているせいだろうか、あのコリコリとした食感を、味を思い出す。
今年はこの時季としては気温が高く、ツタウルシの紅葉はまだ見頃とは言えない。そうかと思えば、落葉松の葉の色は褪色が進み、すっかり茶色に変色してしまった木もある。ミヤマザクラは葉が出揃うのが一番遅いと思っていたら、もう大方の葉を早々と散らしてしてしまっている。
モミの木がそうした中で緑の鮮やかさを失わず、一段と目立つようになってきた。これからしばらく山は様々な衣装を纏い、変化(へんげ)の様をたっぷりと見せてくれるだろう。
そういえば、もう米の取入れが済み、新米を取りに来いという有難い連絡を貰った。それにしても早い。今年も値段が高いというサンマを買って、サンマ飯を作らなければ。1匹や2匹のこと、高かろうが構わない。
昨日里へ下りる途中、荊口の田圃ではすでに刈り取られた稲田を目にした。あの田は大型機械を使わず、夫婦で昔ながらの稲刈りをしていた。その時はそれを当然のように見てきたが、考えてみれば今ではあのような光景は珍しい。
長谷に至る山室の細く長い谷は耕地整理のお蔭で1枚いちまいの田が広く大きく、大型機械でなければ手に負えない。しかしその光景は、かつて目にし、感じた秋の風物詩とは程遠く、ガランとした田圃には1台のコンバインが手伝う人もいないまま、黄金の波の中をゆっくりと掻き分けるようにして動いていた。
きょうの写真は、法華道の諏訪神社口に建てられた碑。遠目にも丁度コスモスの花が咲いていたのが分かり、つい誘われて近くまで行って写した。思い出すことが多い。
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本日はこの辺で。