入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     ’22年「秋」(36)

2022年09月19日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 午後3時、雨がこの時を待っていたかのように猛然と降ってきた。朝から、その予兆はあったとはいえ、早い時間には伊那谷の上空に虹がかかっていたり、青空が見えていた時もあって、はっきりとしない不安定な空模様だった。
 気象庁の予報官によれば「過去に例のないような台風」が、刻々と九州に接近しているということで、そうなるとやはり21日に下牧する牛たちのことが気になってくる。降水確率はかなり高く、ならば雨脚が強まる前に牛の様子を見ておこうと、完全な雨支度をして小屋を出た。午前7時だった。

 こういう天気では牛たちの群れはいつもよりかばらける。電気牧柵を点検しながら、いつものように小入笠の頭を目指した。一箇所不良個所を修理し、牛の群れを見付けられないまま頭に到着した。
 普通は大体この段階で、乳牛であれ、和牛(肉牛)であれ、幾頭かの牛の姿を確認できるものだが、やはり天気のせいに違いない、きょうはそういかなかった。

 牧守でなく、牛守としての最低限の仕事は、放牧中の牛の無事を確認することである。他所の牧場ではどうやっているか分からないが、自分のやり方はまず群れの頭数を数える。その上で、牛の耳に付けてある牧場の管理番号を記した札、もしくは牛のIDとなる耳標を1頭いっとう読んで、それを紙片に記入していく。そして、小屋に戻ってから確認簿に消込をしながら、未確認の牛がいなかったかを調べる。未確認の牛が出れば、その牛を探すため再び放牧地へ行く。
 この方法は誰かに教えて貰ったというわけではなく、自己流である。頭数が200頭近くいた時は、このやり方が一番間違いがないし、全頭とはいかずも注意が必要な牛が次第に分かってくるため、頭数の減った現在も続けている。

 結局、牛を探して小入笠の頭まで二度登った。ホルスも和牛も一度では全頭を確認することができなかったからで、今は慎重になるべき時、ここで何か問題があれば9回の裏で逆転されたようなもの。雨はそれほどのことはなく、いつの間に入ったのか囲いの中の和牛も含めて全頭の無事が確認できた。(9月18日記)

 キャンプ場を含む「入笠牧場の宿泊施設のご案内」は下線部をクリックしてご覧ください。
 本日はこの辺で。

 
 
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