入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     ’19年「春」 (20)

2019年03月24日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 また、この花が今年も咲いた。年によっては春の雪の中、わずかなその隙間から咲くこともある。昨年の今ごろまではこの花の名前を「春(咲く)雪の下」だと信じ込んでいて、この独り言にもそう書いた。そうしたら、先週の「同級会の練習」にも登場したKM子さんが、いつだったかこの花についての独り言を読んだらしく、危うく嘲い殺されそうになった。それで図鑑で調べたら、本物とは似ても似つかぬ花だと分かった。
 信州で暮らし始めたころ、もう15年ばかりも前になるが、ちょっとしたきっかけで山野草に夢中になり、最盛期には40種以上の種類を育てていたことがあった。この花もそのころSさんから頂戴し、名前もその時に教えてもらったのだと思うが、恐らく聞き違えたのだろう。今ではそれらの大半は手をかけてやれず駄目にしたが、それでもまだこの花のように、春になると花を咲かせる山野草も残っている。 
 山野草の名前と植えた場所を記した当時の記録が残っているので念のために調べてみたら、やはり「春雪の下」になっている。名前は不明のまま、それでもこの山野草は放っておいても、この時季には決まって春の先駆けとなってくれる実に律義、殊勝な花だ。こんな陋屋の荒れはてた庭ではと案じもするが、主(ぬし)あるうちは咲き続けてほしいと願っている。手前の3枚の緑の葉が花と同種だから、落ち葉をどければもう一株くらいは仲間の花が顔を見せてくれるかも分からない。試してみよう。



 ウーン、まだ期待できそうな蕾らしきを付けた小さな芽があった。さて、どうなるか。
 で、この花の正しい名前だが、分厚い図鑑を調べるまでもなく、野草に関しては著書もあるDさんに尋ねればすぐ分かるだろう。しかし、そうしない。独り言を聞いてくれてる人の中にも、この写真を見てすぐに花の名前を言い当てることのできる人がいるかも知れない。珍しくも何でもない野花かも分からない。多分そうだろう。それでも、ここに咲いている限り、この白い小さな花には誰かが付けた名前など不要だ。ありふれた花で構わない。
 ある男が持て余し捨てた女でも、また別の男が夢中になって、そしてその新しい関係が双方にとって掛け替えのない間柄になることだってある。というようなことを、この花に対して感じている。




コメント
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