入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     ’19年「春」 (10)

2019年03月11日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 蕗の薹の写真は2,3日先になると言っておきながら、翌日こうして登場。先が読めないと嘲われるかも知れない。 きょうは河川の一斉清掃というのがあり、作業中にもしや蕗の薹も、と期待していたら案の定、見付けることができた。

 きょうの作業もそうだが、田舎暮らしには祭りや盆踊りばかりではなく、こういう集落の住民が共同でやらなければならないことが結構ある。今はいいが牧場の仕事が始まると、この手の共同作業は大抵が土曜日か日曜日だから、いつでも参加できるわけではない。そういうことが何度か重なると、非情に肩身の狭い思いをしなければならなくなる。一部の作業には出不足金の制度もあるが、それで済まないのが田舎の人付き合いというもので、本当は出なくてもいいのに、90歳近い老人も来ていた。(3月10日記)

 最近、和牛の精子が中国に持ち出されそうになったという報道があった。すでに秘かに持ち込まれているという話も聞く。「WAGYU」は今や世界的に知られ、高級牛肉を代表するまでになったが、それは畜産農家の努力の結晶、賜物である。仮に持ち出されたとしても、日本人の和牛への長年の努力で培った繁殖の技術、育成の技までもが、かの国の人たちにおいそれと真似ができたり、習得できるなどとは思わない。しかし、乳牛であるホルスタインやジャージーも海外から渡ってきて、酪農はこの国に根付いた。そのことを思えば、和牛が逆の運命をたどることも考えざるを得ないだろう。
 ところで「農畜産業振興機構」という独法が公にしている、直近1週間の黒毛和牛種の仔牛の平均取引価格は、1頭81万2000円とあった。前にも呟いたが、牛肉の出発の値段が高いのである。で、なぜ高いかと言えば、需要と供給が上手く釣り合っていないからで、とにかく、仔牛の数が少ないのが原因だと関係者は口を揃えて言う。ということは、元を正せば親牛が少ないということだろうが、この頃では和牛の受精卵を使ってホルスタインで代理出産させることもできるようになった。肉牛の供給は、改善されているのではないのだろうか。もっともそのせいで、今度は乳牛の頭数が減り、昨年あたりはホルスタインの値段が高騰してしまったと笑えない話も聞いた。畜産農家の減少もお定まりのように言われるが、そこら辺のことが牧場管理人には、もう一つよく分からない。
 今は違うがひと頃は、とにかく焼き肉、そして次がすき焼き、ステーキは肉質と味付けで違いが大きかった。洋食の料理人だったSが、今はアメリカで寿司を握っているが、ボロアパートで焼いてくれたサーロインステーキの味が今だに、記憶の中で一番の位置にいる。






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