入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     「秋」 (16)

2015年09月08日 | 牧場その日その時

       塩をくれー

  雨ばかり降り続くので、牛たちに塩をやるのを控えていた。しかし彼女ら、プラス雄1頭には、そんなこちらの事情など分からない。だからここ3,4日は毎日のように塩くれ場に来ては塩をねだり、たむろし、そして諦めてねぐらへと帰っていく。
 今日も雨の中数頭、そういった牛が来て水場や近くの塩場でうろついていた。もう幾日も給塩をしてなかったので仕方なく、雨が小止みになったのを見計らって、塩が濡れて溶けてしまうことを織り込みで持って行った。牧区の上の方にも別な群れがいるのが分かっていたから笛を吹いて呼んでみても、しばらく反応がない。帰ろうとしたら、あとからあとから走って下りてきた。



 牛はカランやそれを支える支柱が何故か気に入って、しまいにはゴムホースまで引き抜いてしまう。これだけ有刺鉄線で防御したら、そういういたずらは止んだ。

 TPPの行方はいまだよく分からない。しかし昨今のバター不足からも知れたように、酪農は大切に守っていかなければならない重要な業種だ。特に生乳にまで供給に影響が出るようだと、長い歴史を持つ貴重な栄養源が不足してしまうことになる。安易に考えているようだと、いまに取り返しのつかないことになってしまうかも知れない。
 農協や生産者団体だけでなく、乳製品を扱う企業がもう少し真剣に、自社の製品の宣伝ばかりでなく、酪農についてのPR(基本的な知識を広める)にも本格的に取り組んでもらえないだろうか。そうすれば牛乳は、どこかの名水などに負けることは決してありえない。

 昨日今日と、また鹿が罠に掛かっていた。それでも牧場周辺は、鹿の生息頭数のピークはすでに過ぎたと思う。

 今週末の天気、期待が持てそう。それまでに雨が降るなら気が済むまでいくらでも降ればよい。本格的な紅葉シーズンが来るのも、今年はかなり早い気がする。このブログでもその辺りの情報をできるだけ出すようにしていきたい。

 入笠牧場の宿泊施設及びキャンプ場の営業に関しましてはカテゴリー別の「H27年の営業」を、また天体観測に関心のある方は「入笠牧場からの星空」をご覧ください。
        
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