12/24

2008年12月24日 | イラスト
さて、今年もついにやってきてしまいました。
年に1度、サタンクロースが血の惨劇を求めて徘徊する夜が。
よい子のいる家に忍び込み、その子どもの手首や顔のパーツを切断して靴下に突っ込んで去っていくという、陰獣も青ざめて卒倒しそうな悪鬼です。
北欧ではこの日、窓や戸を板で打ち付けて引き籠もり、家中の靴下をタンスの奥にしまいこんで、煙突からの侵入を防ぐべく暖炉の火を盛大に燃やし、恐怖に震えながら寝ずの番をするといいます。

皆さまも今晩は戸締まりを厳重にされるようおすすめします。
靴下を脱ぎ捨てて投げ出しておくなんてもってのほかです。

……あの湿ったものをひきずるような音はなんだ?
今、窓の外を赤いものがよぎらなかったか?
窓に筋を描く、ぬらぬらした粘液のような跡は?

後ろを振り返るとそこには……

12/23虫

2008年12月23日 | 虫写真
去年9月中旬写真。

今年も残り少なくなってまいりましたが、皆さまやり残したことはございませんでしょうか。
まずはアゲハ、最低限これは押さえておかねば新しい年は迎えられないという、イモムシの中のイモムシです。


こちらも忘れてはいけません、アオムシです。
イモムシでありながら全身に柔毛を生やしたその姿は、峻別より和を重んじる日本人の魂そのものです。


その名に悠久の歴史を背負う、ヤマトシジミ?
とにかく「大和」とつくんだから日本人の心です。
吹けば飛びそうな軽さも大和です。


これも忘れてはいけない、クサギカメムシ?
死んだように冬眠して春になるとまた動き出す彼らは、古来より死と再生の象徴とされ、北国では無病息災を祈ってお雑煮の具とされます。
皆さまもクサギカメムシを食べて、いいお年をお迎えください。

コンプトコレクタ

2008年12月23日 | 多肉植物



多肉植物記事。

コンプトコレクタ。

ハオルチアの園芸品種で、コンプトニアーナとコレクタの交配種。
なのでコンプトコレクタというのは種名というより品名かも。
コンプトニアーナ、コレクタともに寿と同じような三角形の葉を持つタイプだが、寿より大型で直径10センチ以上になる。

コンプトニアーナとコレクタの違いはというと、写真を見た限りではよく分からず。
とにかくどちらも葉頂面窓の模様などの変異が大きく、様々な品種が作出され、高いものは数千円~万単位になるというカオスな世界。
ちなみに写真のものは500円以下。


 ユリ科 ハオルチア属
例によって南アフリカ原産。

栽培は一般的なハオルチアと同様で、軟らかい日差しを好む。
ハオルチアとしては日差しに対する耐性は強めで、生長も早めの印象。


12/22虫

2008年12月22日 | 虫写真
6月下旬写真。

クロジョウカイ?
ジョウカイボンが黒くなっただけ。
青白き虫屋は別種だとか戯けた妄言を恥ずかしげもなく吐くのでしょうが、グレて羽を茶色く染めたクロジョウカイがジョウカイボンに決まっています。


ニセシラホシカミキリ?
なんの根拠もなく「偽」の汚名を着せられた悲劇のカミキリ。
命名者は、シラホシカミキリのほうがニセシラホシカミキリのデザインを盗んだのかもしれないとは考えなかったのでしょうか。




チュウレンジバチ系の幼虫。
ひとつ目です。
ゾーマです。
どうしても倒せないという婦女子の皆さんもご安心ください。
「ひかりのたま」を使えば史上最弱のボスと化すので、割り箸でつまんでポイしてしまいましょう。

12/21虫

2008年12月21日 | 虫写真
穴なんか見えてもおもしろくないけどなあ……とスパムメールの件名に突っ込みつつ、6月上旬写真。

笹カマボコシリーズの中でもこれは逸品です。
中に腹子を納めるだけでも斬新ですが、それが薄紅色に透けて緑の葉と絶妙なコントラストを醸し出しています。
職人の技が光ります。


こちらは半端に白毛を生やしてフンになりきる、オジロアシナガゾウムシ。
これもある意味職人技です。


こんなに一生懸命鳥糞になりきっているというのに、「尾白足長象虫」なる、正鵠を射ているのかあさっての方向に飛んでるのかよく分からない名前をつけられたのは、なんの因果か。
虫に対する興味と詩的センスの欠如には、なんらかの相関があるのかもしれません。


鼻の下どころか鼻そのものを伸ばしてせっせと励んでいる、ゴボウゾウムシとかそっち系。
こんなお馬鹿さんたちの名前はゴボウゾウムシで十分です。

御衣黄

2008年12月21日 | その他植物

5月初め写真。

ギョイコウ(御衣黄)。……と思われる。

桜の園芸品種で、緑がかった花を咲かせるという珍しい種類。
八重咲きで、花弁は厚く反り気味になる。
開花が進むにつれて、中心部から赤く染まってくる。
この花弁には葉っぱ同様、気孔まであるらしい。
やはり緑っぽい花を咲かせる桜に「ウコン(鬱金)」という品種もあるが、そちらは緑が薄く黄色がかり、花弁も反り返らず気孔もない。

「御衣黄」は、貴人の衣服(御衣)の萌黄色を思わせることから。


 バラ科 プルヌス(サクラ)属
属名のPrunusは、ラテン語のplum(スモモ)より。

12/20虫

2008年12月20日 | 虫写真
7月下旬。

モヒカンが自慢のアカイラガ。
一見いきがってるだけのお馬鹿さんだが、すごいのはモヒカン頭だけじゃありません。


このムキムキな足を見よ!
これはアレです、この足でむっくと立ち上がってダダダダッと走り回ってるに違いありません。
走り屋にとって羽なんて飾りです。


平べったいだけのマエキカギバ。
地味なら地味なりに、創意工夫というか、気概を見せてほしいものです。


シャクガっぽいの。
ここまでいくと存在を認識・識別されること自体、積極的に拒んでるとしか思えません。
ここはその意を酌んで、同定などせずそっと立ち去るのがオトナというものです。

12/19虫

2008年12月19日 | 虫写真
8月末~9月初め写真。

名もなき、というか分からないちまちま系ハナアブ。


蜜を吸うというより、蕊をじっと観察しているように見えます。
人間界にも、いきなり道端にしゃがみこんだかと思うと必死に虫を撮影し始める特殊な人種がいるように、どこの世界にも変わり者というのはいるものです。
生暖かい目で見守ってあげましょう。


これまた名前不明のハナアブ。
卑屈に手をこすり合わせて薄ら笑い。
こういう仕草をする輩にろくなやつはいません。


おそらく同種の別個体。
悪党面は変わらないが、普通にとまっているだけで好感度アップ。
やはり中身はどうあれ、うわべは真面目が一番です。

小松菜

2008年12月19日 | その他植物

5月上旬写真。

コマツナ(小松菜)。
別名・フユナ(冬菜)、ウグイスナ(鶯菜)。

冬の葉物野菜としておなじみの、アブラナ科の1~2年草。
一年中栽培されるが秋から冬が旬で、ビタミン類やミネラルの含有量ではホウレンソウに勝るとも劣らない、栄養豊富な緑黄色野菜。
蒔いてから短期間で収穫する野菜なので普通は目にする機会がないが、春になるととう立ちして黄色い花を咲かせる。
つまりコマツナも菜の花のひとつ。


こちらは11月中旬の写真で、おなじみの葉っぱの状態。
なんとなく中国野菜っぽい雰囲気だが、在来種のカブから現れて品種改良された野菜らしい。
江戸時代に、東京都江戸川区小松川で栽培されはじめ、五代将軍綱吉に献上されたときに地名にちなんで「小松菜」と名付けられたという。
「鶯菜」は、晩生種は春、鶯が鳴く頃に収穫して出荷されることから。
「冬菜」は文字通り。


 アブラナ科 ブラシカ(アブラナ)属
属名のBrassicaは、古いラテン語でキャベツの意味。

12/18虫

2008年12月18日 | 虫写真
去年8月下旬写真。

読者諸兄にあられましては、イモケムのいない毎日を身も心も凍えながらお過ごしのことと愚察いたします。
というわけでとっておきのイモムシ写真をご用意しました。
純白のスズメガ系幼虫です。


青磁にでも例えるべき、まさに玉のお肌です。
人間世界でしばしば目にする、漆喰や赤のペンキで顔を塗ったくった妖怪とはえらい違いです。


それでいて偉ぶったところはなく、気さくに手をふって応えてくださるお姉さま。


逆光に透けるかのようなその横顔は、処女(おとめ)にのみ気を許すという伝説の一角獣のよう。