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富貴草

2013年05月05日 | その他植物









4月下旬写真。

 フッキソウ(富貴草)。
別名・キチジョウソウ(吉祥草)、キチジソウ(吉字草)


山地の林内などに自生する、ツゲ科の常緑多年草もしくは半低木。
耐陰性が高く強健なことから庭園の下草として用いられ、ビル街の緑化に利用されることも。園芸品種には斑入りもある。

丈は20~30センチほど、肉厚の葉が互生する。
3~5月ごろ、茎先に花弁のない花を穂状に咲かせる。
上部に多数つく、4本の雄しべを突き出しているのが雄花、下部で柱頭を2股に反り返らせているのが雌花。
花後にできる白い実には、この柱頭がツノのように残る。

「富貴草」の名は、常緑でよく育ち、また美しい白い実をつけることから。


 ツゲ科 フッキソウ属
学名・Pachysandra terminalis

属名のPachysandraは、ギリシア語のpachys(太い)とandros(雄しべ)が由来で、雄しべの花糸が太いことから。
種小名terminalisは「頂生の」。




犬薺

2013年04月21日 | その他植物









4月中旬写真。

 イヌナズナ(犬薺)。

北海道から本州・四国・九州の、道端や畑地などでときたま見かけるアブラナ科の越年草。

春の七草のナズナに似て食べられないことからの命名だが、白花のナズナに対してイヌナズナは黄花で、違いは一目瞭然。
茎葉に毛が目立つことから、イヌガラシなど黄花を咲かせる他のアブラナ科野草との区別も容易。

草丈は5~30センチほど、根出葉には粗い鋸歯があり、全体に白毛が目立つ。株の様相は生育地の栄養状態で大きく異なり、写真は痩せた土地のもの。
3~6月ごろ、茎を立ち上げ黄色い十字状花を総状に咲かせる。
実は扁平な楕円形。




 アブラナ科 イヌナズナ属
学名・Draba nemorosa

属名のDrabaは、ギリシア語で「辛い」の意で、もとは別のアブラナ科植物につけられた名。
種小名nemorosaは、「森林性の」。



阿蘭陀風露

2013年04月20日 | その他植物









4月上旬写真。

 オランダフウロ(阿蘭陀風露)。
英名・Alfilaria

ヨーロッパから西アジア、北アメリカなどを原産とするフウロソウ科の一年草~越年草。
日本へは江戸末期に観賞用に持ち込まれたとのことで、園芸品種も存在する模様。
飼料用植物の種に混入するのか、牧草地でよく見られる帰化植物。

根出葉は小葉が細かく裂ける羽状複葉で、全体に毛が生える。
春から初夏ごろ、茎を伸ばしてピンクの小花を咲かせる。

ヒメフウロに似るが、はるかに小さく目立たない花で、葉の様子も異なる。
近縁にジャコウオランダフウロがあるが、オランダフウロは萼片の先に長い刺毛があり、また葉をちぎると悪臭がすることで区別できる。


 フウロソウ科 オランダフウロ属
学名・Erodium cicutarium

属名のErodiumは、ギリシア語のerodios(アオサギ)が由来で、実が長いくちばし状になることから。
種小名cicutariumは、「Cicuta(ドクゼリ属)の」。




イシミカワ

2013年04月03日 | その他植物



(これのみ2009年8月。実の中央に小さく花が見える)








2012年10月中旬写真。

 イシミカワ。
英名・Mile-a-Minute Weed、Devil's-Tail Tearthumb

日本中の日当たりのいい湿地に自生する、タデ科の一年草。
名前は由来不明で、「石見川」「石実皮」「石見皮」「石膠」など諸説あるがはっきりしない。

蔓植物で、茎や葉柄に生えた逆刺を周囲に引っかけながら数メートルに伸びる。
葉は三角形で互生、完全につながった皿状の托葉が特徴的。

夏から秋にかけて咲く淡緑色の花は小さく目立たないが、実は青い萼に包まれて美しい。




 タデ科 イヌタデ属
学名・Persicaria perfoliata

属名のPersicariaは、ラテン語のpersica(モモ)が由来で、この仲間の葉がモモのそれに似ていることから。
種小名perfoliataは、「抱茎の」。




金雀枝

2013年03月20日 | その他植物



2009年5月。










2012年6月。

 エニシダ(金雀枝、金雀児)。
英名・Broom


ヨーロッパおよび地中海沿岸地方原産のマメ科の低木。常緑もしくは落葉で70種ほどが分布する。
日本には17世紀、オランダ船によってもたらされた。
「エニシダ」という名前は、近縁のGenista(ヒトツバエニシダ属)のオランダ読み「エニスタ」が訛ったものといわれる。

ヨーロッパでは一般的な庭木で、白花や赤系、複色など園芸品種も多い。
日本でも、枝が帯状化した「石化エニシダ」が生け花で利用される。

中世イギリスを支配したプランタジネット王朝の紋章のモチーフとされ、「Plantagenet」という名前自体、planta genistaからという。
ヨーロッパではエニシダの枝で箒を作ったことから英名は「Broom」で、魔女がまたがる箒もこのエニシダ製。

樹高は50センチから3メートルほど、枝には稜がありよく分枝し、3出複葉(単葉となることも)が互生する。
5~6月ごろ、葉腋から黄色い蝶形花を咲かせる。


 マメ科 エニシダ属
学名・Cytisus spp.

属名のCytisusは、とあるマメ科植物の古いギリシア名kytisosが由来で、花が似ていたからという。
花言葉は「恋の苦しみ」「清楚」「博愛」




リシマキア・キリアータ

2013年03月13日 | その他植物









2011&2012年7~8月写真。

 リシマキア・キリアータ。


北アメリカ原産のサクラソウ科の耐寒性多年草。写真は銅葉タイプの園芸品種‘ファイヤークラッカー’。
地下茎でよく繁殖し、日当たりに半日陰、湿地や乾燥地など場所を問わない強健な植物。

草丈は60~100センチほど、葉は対生する。
6~9月ごろ、黄色い5弁花を下向きに咲かせる。




 サクラソウ科 リシマキア(オカトラノオ)属
学名・Lysimachia ciliata

属名のLysimachiaは、この仲間の枝を振ることで猛獣を鎮めたとされるマケドニアの王Lysimachusの名より。
種小名ciliataは「縁毛のある」。




沼虎の尾

2013年03月03日 | その他植物









2012年8月中旬写真。


 ヌマトラノオ(沼虎の尾)。
別名・ヌマハギ(沼萩)

本州・四国・九州の湿った場所に自生する、サクラソウ科の多年草。
地下茎を伸ばして繁殖し群生となる。

名前の通りオカトラノオの仲間で、湿地に生えることから「沼虎の尾」。
オカトラノオと違い花穂は直立し、花弁は丸みを帯びる。
花つきはまばらで葉も細く、全体に繊細な印象。
ヌマトラノオとオカトラノオの交雑種はイヌヌマトラノオ(犬沼虎の尾)といい、中間の性質を持つという。

草丈は30~60センチほど、葉は互生する。
7~8月ごろ、白い5弁花を総状花序に咲かせる。



 サクラソウ科 リシマキア(オカトラノオ)属
学名・Lysimachia fortunei

属名のLysimachiaは、この仲間の枝を振ることで猛獣を鎮めたとされるマケドニアの王・Lysimachusの名より。
種小名fortuneiは「(東アジアの植物収集家)R.フォーチュンの」。







ズッキーニ

2013年02月16日 | その他植物









2012年6月下旬写真。

 ズッキーニ。

英名・Summer squash、Zucchini


北アメリカ南部からメキシコ原産のウリ科の一年草。
キュウリのような実だがペポカボチャ(オモチャカボチャ)の仲間で、地中海地方で食用に改良されたものをいう。「ズッキーニ」はイタリア名から。
それ以外の地域での普及は20世紀半ばからと、比較的新しい野菜。

開花後数日の未熟な果実を食用とし、風味はないが歯ざわりよく、特に油炒めなど油と相性がよい。
本場では花も詰め物をして調理するという。

つるはなく、一般に出回る品種は茎が寸詰まりでカボチャのように場所を取らない。
開花は夏で雌雄異花。
緑果種と黄果種があり、日本では細長い実をつける品種がほとんどだが、下膨れの洋ナシ形や球形の品種もある。




 ウリ科 カボチャ属
学名・Cucurbita pepo var. melopepo

属名のCucurbitaは、ヒョウタンのラテン古名でcucumis(ウリ)とorbis(円形)が由来。
種小名pepoは「ウリの実」。
meloは「リンゴ、メロン、ウリ」。




リグラリア

2013年02月09日 | その他植物









2012年8月中旬写真。

 リグラリア。


東アジアに80種ほどが分布する、キク科メタカラコウ属の耐寒性多年草。
ツワブキの近縁で、写真はおそらく日本のマルバダケブキ系の園芸品種。
半日陰を好み、葉が美しいことからシェードガーデンに取り入れられ、銅葉など園芸品種も作出される。

フキに似た根出葉は細かい鋸歯があり、花茎の高さは1メートルほど。夏に黄色い頭花を散房花序に咲かせる。(マルバダケブキ系)
穂のような総状花序に、葉が掌状に深く裂ける系統の品種もある。


 キク科 メタカラコウ属
学名・Ligularia spp.

属名のLigulariaは、ラテン語のligula(舌)が由来で、舌状花の様子から。




ボリジ

2013年02月06日 | その他植物







2012年8月中旬写真。


 ボリジ。
別名・ルリヂシャ(瑠璃苣)、スターフラワー
英名・Borage

地中海沿岸地方原産のムラサキ科の一年草。
花が美しく観賞用に栽培されるほか、葉はサラダやハーブティー、花は砂糖漬けにしてケーキの彩りに添えたりと、ハーブとしても利用される。
コンフリーの近縁で、多食は避けたほうがよいとされる。

草丈は30~100センチほど、葉は互生で茎葉に白毛が生える。
夏ごろ、花茎の先に青い星形の花を咲かせる。白花種もあり。




 ムラサキ科 ボラゴ属
学名・Borago officinalis

属名のBoragoは、ラテン語のborra(剛毛)が由来で全体が毛で覆われることから、というのが一説。
種小名officinalisは「薬用の」。
花言葉は「安息」