スウェーデン音楽留学サバイバル日記 ~ニッケルハルパ(nyckelharpa)を学ぶ

スウェーデンの民族楽器ニッケルハルパを学ぶため留学。日々の生活を様々な視点からレポートします。

ヨーロッパで共通のメロディ

2007-05-08 23:57:08 | 授業 その他
そういえば、こないだスウェーデンの掛け算のことで驚いた。
日本では九九算と呼ぶ。つまり「×9」までしか覚えない。
スウェーデンでは「×12」まで覚えるのだ。
当然ながら「12×1, 2, 3,…」もある。
一体、ど、どうやって?!と尋ねると「今日は3の掛け算」というように
音読するだけだという。
語呂がどうなのか知らないけど、普通に日本の九九算の教え方と同じだ。
苦労なく子供の頃に仕込まれていたら、暗算のとき便利だろうな。

さて、今日はスモーランドのarkivetから特別講師を迎えて授業。
以前「ポルスカの歴史」の授業をしてくれたマグヌス・グスタフソンが再びやってきたのだ。
なんと朝の飛行機がとれなかったという信じられない都合により昼からのレクチャー。

午前は急遽コンサートのリハをすることになった。
20分きざみの細かいスケジュールに沿って練習。
一曲、友人のアレンジした曲で弾きにくい箇所があったので、ごまかしていいか?とアレンジした本人に聞くとOKがでた。
なので同じパートを弾く別の友人に教えてあげた。
すると、怒鳴られた。
び、びっくり!
落ち着いた雰囲気の彼女はいつも私を助けてくれて優しい。
ところが「自分だけ違う弾き方して、私に教えもせず、どういうつもり!?」と。
「いや、だから今、話してるでしょ。第一、今、提案したとこなんだけど」と言っても
顔中、真っ赤にして「私の何が悪いのか言ってごらんなさいよ!」
と、さらに激怒し意味不明。
私も内心腹が立ったけど、とりあえず「ごめん」と言った。
でも、口と気持ちは正反対なので、とっても怒った「ごめん」になった。
ともかく、黙ってくれたので「ここをこう弾いたら簡単になるけど?」と提案。
練習が始まると、隣で鼻をすする音がやまない。
みんなのぴりぴり度、相当、来てるみたい。

次の次の週末にはコンサートがスタート。
トボ、翌日ストックホルム、週末明けにウプサラ、それから最後に再びトボ、という予定。
フラメンコ・クルニングやタンゴ・ポルスカなど、今回も伝統をベースに創作、オリジナル色の強いショーをやる。

さて、そんな中、午後からマグヌスがやってきた。
今日は「vocal music」つまり歌について。

インドヨーロッパ・メロディと呼ばれる、世界中の広範囲で見られる共通のメロディを聞いた。
インド・ヨーロッパ諸国を初め、アジアではモンゴルでも見つかっているそう。
どこかの中心から各地に広まったのか。興味深い。

他にもフェロー諸島に伝わる歌(島で隔離された状況のため、北欧の伝統的な歌の特徴がはっきりしと
伝統として残っているらしい。

それから中世バラード(Ballad)についてなど。
今日は、お昼から来たせいかものすごいスピードで飛ばした授業だった。
マグヌスは資料として自分で編集したCDを4枚も持ってきていたのに、1枚分しか使わなかった。
資料もコピーする暇なく終わったので、帰ってからメールで送ると言って去っていった。
なんともあわただしい。

そうだ、もう一つ、面白い話を聞いた。
dryckvisor、ドリンキング・ソング、つまりお酒を飲むときの歌。
これはノルウェイやデンマークにもなく、スウェーデンにしかないらしい!
ビール・ソングやワイン・ソングが、ごくまれに他のヨーロッパ諸国でもあるけど、
すごく短いらしい。
スウェーデンのドリンキング・ソングは曲としての長さがあり、また外国から来たメロディではなく
スウェーデンで発生し、スウェーデンで発達した独自の歌なのだと言っていた。
そんな酒飲みな国じゃないのにね。
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