スウェーデン音楽留学サバイバル日記 ~ニッケルハルパ(nyckelharpa)を学ぶ

スウェーデンの民族楽器ニッケルハルパを学ぶため留学。日々の生活を様々な視点からレポートします。

空港で悪夢再び…

2006-12-23 08:40:59 | 未分類
前回もロンドンでひどい目にあいましたが、今回はもっと大変。
全て悪運を使い果たしてきました。来年はいいことがあるでしょう。
帰りの飛行機の話。音楽ネタとは関係ありません。
どんな目にあったの?という方はどうぞ。

さてさて、今思うと悪夢の前兆はToboを出発する電車からすでにあった。
電車が森と牧草しかないところで突然ストップ。余裕を持って出たとは言え、ちょっとドキドキ。だって、こんなとこでもし降ろされても困る!でも、30分ほどして徐行運転を開始し、次の駅で乗り換えるように言われた。ふー!時間に余裕があってよかった!

と思ったのに。
今回はロンドンまでSAS、ロンドンからJALと、提携関係にもない別会社でロンドン経由の旅。
するとロンドンが霧のためロンドンへの出発のめどがたっていないと言われる!
提携や同会社での乗り換えの場合と違い、関係ないエアラインなので私がロンドンに遅れてつくことなんてJALは知りようもない。
不安をかきたてるのが、SAS職員の態度。ゲートに担当者は一人もおらず、一度だけ軍の女性指揮官風の態度のスタッフが「霧のため出発は未定です。天候による理由なので私達に責任はありません」と言う。お客さんが「乗り継ぎ便があるんだけど、どうしたらいい?」と尋ねたけれど一切無視。その他のお客さんも出発時間の質問をしていたけど、全て無視。一方的なお知らせの後、早足でいなくなってしまった。

そんなこんなで4時間遅れで出発できた。ロンドンについたのは21:30くらい。
当然JALはサヨナラしていた。
どうしたらいいのか分からなかったので、とりあえずJALの乗り継ぎカウンターに行くと営業終了。だーれもいない。明日の15時までカウンターは開かないらしい…。どうしよう。目の前を歩いていたキャセイパシフィックの職員を捕まえ、「こういう場合どうしたらいい?」と強引に尋ねると「それはSASに言わないと。SASが遅れたせいでJALに乗れなかったんでしょ。JALに責任ないから言っても仕方ないでしょ」ふむふむ、ごもっとも。そうよねー。
と思いすでに行列のSAS乗り継ぎカウンターへ。みんな乗り遅れた人たちみたいで列は30分たっても一向にすすむ気配はない。

すると、スウェーデンで登場したような、怒れる女性コマンダーが登場。(なんであっちでもこっちでもスタッフは怒ってるのやら。クレーム処理でなめられるから?)腰に手をあて歩兵どもに命令するかのような口調で
「Okay, everyone. Listen. 私がマネージャーです。天候による遅延なので私達に責任はありません。よって、このカウンターに並んでも私たちにできることは何もありません。」ここで外国人客は怒りからか悲鳴のような声をあげる。
「よって、今夜泊まるところも食事も提供できません。乗り継ぎ便についても、明日空席待ちカウンターに並ぶなり全てご自身による対応となります。このカウンターはまもなく営業時間が終了です。ここから出てください。」
はあ?!出てくださいって、どこに行ったらいいの?明日どうしたらいいの?と不安でいっぱいに。「何もしてくれない上に、出て行けと言われても。どこに行けというんだ!」と外人客。そうだ!そうだ!と思っていると、その女性コマンダーはpleaseもつけずに言った。「Everyone. Follow me. 」(私についてきなさい)
行くあてもない。とりあえず素直にしたがった。
するとつれて来られた場所は入国審査場。
「空港は夜中なので閉まります。ここには誰も居れません。(イギリスに)入国して下さい。」はいー??と目をまるくして入国審査場にふと目をやったスキに、卑怯にも女性コマンダーは姿を消してしまっていた!!なんとも鮮やかな逃げっぷり、というか私、どうしたらいいだろう。SASは放棄、JALが対応してくれるか分からないけど15時まで誰も尋ねる人もいない。イギリスに入国しても行く所もない。でも夜間は閉鎖と言われれば入国するしかない。
この時点で私のストレス・レベルはキンコンカンコーン♪と頂点に達していた。
ともかく入国の列に並び私の番に。
すると、入国審査官が私に触れてはならない質問をしてくるではないか!
「Why do you want to come to England?」(なぜイギリスに来たのか?←変な聞き方だと思ったけど、なまりの強いインド系の担当者だった)
ともかく。私の触れちゃならぬボタンを押してしまった、この審査官。
「"why"!? I don't want to be here!! Never!!!」(はいー?なんでって言われても来たくなんかなかった!)
「飛行機に乗れなくて、出てけって言われたから!」
と答える私。
全く無視した審査官
「Then, where are you going to stay?(どこに滞在するのか?)」
私、イライラして
「I don't know. I have no idea.(さっぱりわかんない)」
審査官、さらに質問
「How long will you stay here?(滞在期間は?)」。この質問はダメでしょ。ハラがたつもの頂点になり
「I DON'T KNOW。(知らん!)」と怒りをこめてゆっくり言った。
入国不許可でも入国許可でも、どうせ行くとこないからいいもん、とヤケッパチ。
すると審査官、「行け」とジェスチャー。
え?こんなんで入国させてくれるんだ。へぇぇー。と急に冷静に戻ってしまった。(今思うと、ごめんなさい。大人気なく八つ当たりして…)

人は、行く宛も先の見通しもつかないと不安になる。
まして、話しあいてもなく一人ぼっちだと、「私、ロンドンから出れなくなるのかな」などと根拠のない恐怖感までおそってくる。トム・ハンクスの入国不許可で空港から出れずそこで生活をはじめてしまった映画を思い出し、「いやだ、いやだ。マクドナルドを食べる毎日なんていやだ」と、これまた意味もなく悲しくなってきた。
(妙な不安にかられ携帯メールでグチを送りつけた皆さま、スミマセン!)

預けたスーツケースをどうしようと、バゲージ担当のSAS職員をつかまえると、そのまま預けといていいと。しかもホテルに泊まって明日SASに請求すれば?と言われてしまった。「天候で免責と言われたけど」と言うと「だけど、何事もトライでしょー!」と無責任な返事。だいたい、空港職員というのは自分の担当部署以外のことは素人並に知らないから注意が必要。

ともかく、到着ロビーには既に人がゴロゴロ転がって寝ていた。ロンドンの日常なのかみんなSASで遅れた人なのか。日本人どころかアジア人すら一人もいないのが妙にさみしい。ともかく背もたれのない椅子(それしかなかった)に座って寝る事にした。明日眠くて活動できなかったら大変と思って寝る努力をした。すると、一般客はいなくなりごろ寝客しかいなくなった頃、移民風の掃除をしていた人が私達にブランケット代わりに新聞はいらないかと売りはじめた。
なんやねん!寝ようと努力してるのに静かにしてくれ!と思った私が間違いだった。
掃除の人がさった後、急に寒くなったのだ。そうか、暖房をきったんだ。
めちゃめちゃ寒い。夕方のロンドンは0度だった。夜中は外は何度なんだろう。
新聞にくるまりたいよー!と思いながらも苦しい姿勢でうたた寝。

朝は、5時には早朝の便で人でにぎわっていた。
JALは急用の場合は11時から電話応対というので、それでも時間がある。
ムダと分かっていても寝てるくらいならSASともう一度喧嘩してこよう!と、ふと思いつき、SASのカウンターへ。すると既にすごい行列。1時間は並んだかな?やっと私の番!でもこのカウンターの人はコマンダー風じゃない。昨日乗れなかったと私が言うと、謝りこそしないが(←徹底してる)穏やかな応対で10ポンドの食事券をくれた。「どこでつかえるの?」「空港中ならどこでも。」
ふぅーん。と受け取ってその場を離れた。なんか、早起きして頑張って食事配給の列にならんだ気分。もしくは、1時間並んだ労働にたいして賃金をもらったような気分。ちょっとだけすがすがしい。
ともかく、昨日寒かったせいか、おなかを壊していて食事する気にならない。それに、自分の行く末も宙ぶらりんじゃ食欲がわかない。

で、またロビーに戻ってうたた寝をした。

我ながら立派と思う。5分おき位にアナウンスが流れているのに、特定のアナウンスで目がパチッとさめた。
「緊急事態。ここは危険です。ただちに非常口から退避してください」
最初の「緊急」だけで起き上がった。「非常口から」の時にはすでに移動していた。こんなとこでお腹こわした状態で死にたくない。髪も洗ってないし、歯もみがいてない。
と思いながら0度の外へ出ると、policeと書いてある車が5台ほど目の前に。私が外にでるのと同時に、鮮やかな色のつなぎに黄色いヘルメットをかぶった4,5人が空港内へ突入していった。
ちなみに、私のジャケットはチェックイン時にあずけたスーツケースの中。
さすがにこれは寒い。
でも寒さより、不安のほうが強かった。申し訳ないけど、中東風の猫背で下を向いている人を見ると、その場を離れたくなる。中東風だからと勝手な偏見と分かっていても、つい、ここで自爆されてはと、妄想がふくらむのだ。
しばらくして、防弾チョッキをきた警察官が5人ほど目の前を通っていった。なんで防弾チョッキきてるんだろう。私もチョッキがほしい。
などと思っているうちに解除され、寒い寒いと私も中へ突入。
(いまだに何があったのか知りません)

もうすぐ11時だ!JALカウンターの電話の前に立って時計とにらめっこ。
11時!電話したけど誰もです。そうね、ここは外国。営業開始は微妙にずれてるのかも。気をとりなおして11時10分!電話突撃!
今度は通じた。スタッフがすぐに来てくれて今日の便を予約してくれた。
よかったー!帰れる!やっと重苦しいストレスから開放!

急にお腹もすいてきて、SASにもらった食事券をつかうことに。
いい感じのカフェがあったので早速入り、生ビールとイングリッシュ・ブレックファスト9.65ポンドを注文。券は10ポンドだったからギリギリまでいけるメニューを選んだ。ははは!(写真)
私はイングリッシュ・ブレックファストが実は大好き。イギリスではいつも、朝食がこれなのを確認してから泊まる。(コンチネンタルはキライ)何がちがうって、
・卵はいくつでどうやって料理するか聞いてくれるでしょ。
・ベーコン、ソーセージなど熱々ででてくるでしょ。
・トマト煮込みの豆がでてくる(←好物。おいしい!)
・これにジュース、コーヒー、シリアルなどなど他にも盛りだくさん。
ここはホテルじゃないので、シリアルやジュースはなかったけど、それでも十分。
ウェイターが「どうぞ、召し上がれ!」とウインクして持ってきた。すっかりご機嫌!

この後、霧でJALも出発が遅れたけれど、こちらは日本人。何度も何度も誤っていた。あのコマンダー達とは違うよな、やっぱり。しかも、ビールのんで真っ赤な顔してチェックインに行ったせいか「昨日の便にのれなかったんですよね。体調は大丈夫ですか」と心配までしてくれる。
席もほぼ満席だったのに、私のとこ1列空けてくれていた。そのまま横になり、12時間のフライトのうち食事を除く9時間はぐっすり眠ってしまい、気づいた日本って感じ。

それにしても。悪運を使いはたした。と、思いたい。
だって私、他にも悲惨な経験してるから。例えば…

・カナダ留学時代。休みでワシントンDCの空港で友人と待ち合わせ。ホテルは友人がヒルトンが安いというのでお任せ。するとトロント空港が雪で閉鎖。再開されたときには私の予約便は振り替え客で満席だと言われる。どうにかこうにか夜中にワシントンにたどりついたけど、もちろん友人の姿はなく。インフォメーションでヒルトンはどこですか?と尋ねると「どのヒルトン?」広げた地図をみて愕然。「○○ヒルトン」は一帯に6つあった!

・以前、乗り換え地のパリ空港で旅の"連れ"が体調不良。そのまま救急車で運ばれる。精密検査の結果盲腸だったら緊急手術をすると医者につげられる。乗り換え地はずなのが!と泣きたかった。飲まず食わずの病院のベンチで看護婦さんにもらった残りもののヨーグルト、クッキー、紅茶。食べながら本当にしくしく泣いてしまいった。でも看護婦さんは英語が全く通じず、自分がどこにいるのか解らず、保険会社に電話した時「今どちらですか?」と聞かれても「すみません、わかりりません。空港から救急車で30分いったとこです」としか言えず大変だった。3日後退院時、入院と精密検査費は30万円を越していた!(救急車代は現金で即払い)保険がおりたとはいえ、退院時の会計室ではもめにもめ…。

次回は穏やかな旅がしたい。
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