スウェーデン音楽留学サバイバル日記 ~ニッケルハルパ(nyckelharpa)を学ぶ

スウェーデンの民族楽器ニッケルハルパを学ぶため留学。日々の生活を様々な視点からレポートします。

楽器の審査結果

2008-06-14 23:26:46 | 2008年夏
目が覚めると、ここはどこ?あれ?スウェーデン?Tobo??
と、朝からかなりボケていた。
昨日も書いたけど、やっぱり行く前の多忙でバタバタとやってきたせいか、到着以来すごく変な感じがしている。

今日はせっかくイベントの日なのに一日中雨がふったりやんだり。
イベントとは、ステンマのこと。このすぐ近く、オステルビブルック(Österbybruk)のHerrgårdenで
毎年ニッケルハルパのステンマ(stämma)が開催される。

ステンマは、fiddler’s gatheringと英訳されるのをよくみる。演奏する人が集まって弾くお祭りのようなもの。

オステルビブルックは小さな村だけど、数百年前からつい最近まで鉄の採掘と製鉄で有名だった。
鉄にはどの地でされたかシンボルが入るが、オステルビブルックの「O」の上の「・・」にちなんで
○が二つ並んで刻印される。
Esbjörnが作るニッケルハルパにも、これからとって○が二つ掘ってある。
(私の楽器は特別に桜が二つ)
Esbjörnの楽器を使っているラーナリムのNiklasが6月来日コンサートするので間近で見る機会があれば探してみてください。
といってもデザインは時々変えているのでひょっとしたら無いかも。

話を戻して、このステンマ、今年は1日目がこのToboの学校。二日目がオステルビブルックで開催される。
プログラムでは一応10時スタートだったので、とりあえず何があるのだろうと学校の中へ。

まずは入口で校長のミッケに再会!やあ!やあ!
そして奥のサロンへ行くと・・・
???
日本人らしきグループ。
一人、Iさんはメールをもらっていたので(楽器購入とサマーコースを計画中でスウェーデン出張中に立ち寄るとのこと)
すぐにぴんときた。
まだよく回らない頭で話を聞いていると、Iさんがニッケルハルパをきっかけに知り合った友人・知人とのこと。

いやー!驚いた。こんなスウェーデンの片田舎に日本人が数人いるなんて!
ニッケルハルパが人を惹きつけ、人を結ぶ、って感じでしょうか。日本でも徐々に浸透していっているということね。すばらしい。
さらに話を聞いていると、なんとこのブログを読んでいて知っているとのこと。
そ、それは…うれしい反面、恥かしーではないですか!
なにせ、読みましたと目の前で言われたのは初めてのこと。あんなことや、こんなことも書いたのに。

すると突然誰かに肩をつかまれた。Esbjörnだ!
全然変わってない!
挨拶でぎゅっと抱きしめる、アレ。私はとってもジャパニーズなので本当は好きじゃない。
でもお別れや、こうして再会すると、自然に体が動く。やっぱりこれが一番気持ちが伝わるのだ。
大事な人に再会したという熱いものがこみ上げてきた。
私にとって、もう一人のお父さんかのような存在だ。
濃いToboの1年間がフラッシュバックしてよみがえってくる。
でも積もる話もそこそこ、Esbjörnは開催中のセミナーやこのイベントなど主催をしていて忙しいので、また後でと言ってその場を去った。

コーヒーを片手に日本の方たちとお話していると・・・、めちゃめちゃ上手い音色が聞こえてきた。
あ、Danielだ。Danielはこのブログにも何度か登場した非常に上手い若手のプレーヤだ。
緻密というくらい繊細、かつ正確に弾くので、Esbjörnのお気に入りプレーヤでもある。やあ、やあ!久しぶり。

昼すぎには楽器を持った人が少しずつやってきた。
ソニアにも再会!
今日はご飯とグッズのセール係で来たのだそう。
ご飯は、レンズ豆と野菜のスープ。スティーナ(今日はいなかったけど)が作ったんだって。やっぱりウマイ。
トマトスープに見えるけど、何かもっと複雑な味がする。
グッズは、エリック・サルストレムの作曲した有名なワルツの譜面が印刷している布バッグ。日本で持ってたらマニアっぽいかな。

さて、職人みんなが今日はEsbjörnたちが出す結果を待っている。
写真は、出展された楽器が並べている様子。

審査に結構時間をかけているが結果は夕方頃に出た。
3つのカテゴリーで5点満点で採点がされる。
優勝とでもいうのか、ベストとされたものは3つあった。
見ると・・・昨日のHasseだ!コンパクトボディーと音色がやはり決めてだったのかな。
Zetterbergは一家で実は出展していた。みんな優秀点をもらっていた。きっと器用な血筋なのでしょう。

さてIさん、この出展中の楽器からHasseの楽器に目をつけたようです。
購入が決まれば、日本にあの音色がやってくるってことです!聞きたい!

夜になって片づけ中のEsbjörnが私の楽器を持って来いという。
持ってくると、Hasseの楽器と私の楽器の弾き比べをDanielにさせた。
Danielの演奏にうっとり・・・じゃなくて、いやいや、しっかり音を聴くと、ふむふむ、違いを感じる。
スウィートだと思ったHasseの楽器は聞き比べると、Esbjörnの楽器(私の楽器)のほうが表面ではなく音色の奥の芯に温かみを感じる。
Danielが弾くからかな。私が弾いてもこんな音したっけ??
Esbjörnはうなずきながら「I am very satisfied with my work」(自分の作った作品に満足している)。
そんな楽器を持つことができて光栄です!

実は、このとき私はEsbjörnの楽器を一つ、理解していなかったことが分かったのだ。
私に弾いてみろと言うので弾いてみると、弾く場所が違うと言うのだ。
ブリッジとキーボックスの中間を弾くように学校では習ったけど?というと「ノー!違う!」って。
Esbjörnの楽器はキーボックス側で弾くんだって。
作った本人がそこで弾くというのだから、この楽器はそこで弾かないと本当の音色がでない。
なんで言われるまで気づかなかったんだろ?そう習ったからって、弾くうちにベストポジションを無意識に探りあてるものだろうに。
良い楽器を最大限に活かしていなかった自分にちょっと腹がたつ。

そして私の楽器の問題を一つどうしたらいいか聞いてみた。ニッケルハルパは共鳴する楽器だけど、
共鳴しすぎると弦や鍵盤の振動から雑音がでるのだ。
私の場合は鍵盤がガタガタと小刻みに音をたてる。

すると早速Danielが、「鉛を鍵盤に貼るといいよ」と見せてくれた。
雑音は、高音部の軽い鍵盤から出る、よく起きる問題らしい。そこでDanielは高音の鍵盤の裏側に鉛を張ったのだって。

そうこうするうちにEsbjörnがもう帰らないとと言う。
あ、そう。じゃあ私はもうちょっと弾こうかな?と階下へおりると…あれれ?電気が消えてる!人がいない!
なんとあっけなく23時頃にはお開きになっていたのだ。
うーん、確かに実は今日のイベントちょっと盛り上がりにかけていた。
明日はどうなんだろう?ちょっぴり不安です。
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3 コメント

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Unknown (Heidi)
2008-06-18 16:06:35
あららいつの間に。。
またいってたのね。

誕生日おめでとうメールをしたんだけど、そういえばいくっていってたものね。
夏っていってたから8月くらいを想像してたので勝手に。

頑張ってね~
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Unknown (Heidi)
2008-06-18 16:08:44
なんか日本語変なコメントになってしまってごめんなさい。(まだ日本かと思ってたって言いたかったの)

きれいな写真だねぇ本当に。羨ましいです。

アップ楽しみにしてます。

返信する
Unknown (管理人)
2008-06-19 02:50:08
Heidi~!お久しぶりです!
グリーティングカードをありがとう!
実はネット環境がかんり劣悪で、ブログの更新がせいっぱい。まだメールをちゃんとチェックしきれてないのです。ごめんなさい。
今回は誕生日なんていつだっけ?って感じで終わってしまいました。
こっちにいるのはほんのちょっと。
きっとあっという間に日本だろうな。
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