農文館2

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稲刈り、精進すれど

2016-09-27 14:48:30 | 日記
 ここのところ、美術館の仕事に追われてブログの入力ができずにいました。美術館の仕事というのは、今週末の10月1日、午後2時から美術館でミニコンサートを開くこと、もう一つは松本の井上百貨店で10月19日から25日まで、「須藤康花展」を株式会社井上と市民タイムスの共催で開くことです。最近、美術館への来館者が減ってきているだけに、特に井上百貨店での康花展は、康花という作家を知ってもらうには良い機会を与えていただいたと感謝しています。ちなみに展覧会のタイトルは、「康花という画家を知っていますか」です。そんなこともあって、展示作品選びや、解説書きなどの準備で忙しくしていたため、お彼岸の墓参りには東京に行くことができませんでした。こんなことは麻績村に移住してきて始めてのことです。それも今回、何よりも仕事がはかどらず思うに任せないことを身に沁みて感じたからでしたが、はっきりいえば、疲れやすく持続性に欠けて来たこと、体力の劣化を強く感じたからでした。

 でも田んぼの稲の方も待っていてはくれません。美術館の休館日の26日(月)、27日(火)、田んぼに出ざるを得ませんでした。知ってのとおり、台風の影響と、秋雨前線の停滞のため、9月に入ってからは雨続きです。昨年より田んぼの水抜き1週間ほど早くしましたが、案の定、田んぼは水浸し、稲刈り機の入る余地はありません。したがって、稲刈りは手刈りです。出ざるを得ませんとは言いましたが、自分で育てたお米が実り、それを刈り入れる喜びは格別です。小雨降る昨日は別として、今日のように突き抜けた青空の向こうに聳える北アルプスを目にしながらの稲刈りに、不満や文句の付けようはありません。
 でも、その喜びも感動も気持ちの上でのことであって、身体の方が着いて行ってくれないのが残念です。実は今このブログを入力しているのは、昨日今日(午前中)の稲刈りでダウンしてしまった結果なのです。かつて教え子の一人から「先生も精進して下さい」という便りをもらったことがありました。稲刈りをしながら、その教え子が、田んぼにいた山かがしにびっくりして飛び出したのを想い起こしながら、僕もそろそろ身体の方は「精進」できなくなったな、と思っていたのです。この素晴らしい仕事いつまでできるやら。

 セネカ曰く「生きることの最大の障害は期待を持つことであるが,それは明日に依存して今日を失うことである。」

 10月19日から開かれる「須藤康花展」は、そんな問いかけをしています。