靴下にはそっとオレンジを忍ばせて

南米出身の夫とアラスカで二男三女を育てる日々、書き留めておきたいこと。

歯車の回りだす時

2012-03-09 00:42:16 | 子育てノート
二歳児次男、手強い。

キャンドルの炎を吹き消しゆったりと眠りに着こうという瞬間、「ブランケット」、かけてやる、「ブランケット」、かけ方を変えてみる、「ブランケット」、違うものをかけてやる、「ブランケット」、もどかしそうに蹴り始める、「ブランケット!」 どうしたいかちゃんと言葉で説明しなさいと言っても、夜も更けヘトヘト状態の2歳児には無理のよう。ますます火がつく。横から三女、「あっ、多分さっきままごとで遊んでたブランケットかな。星がついたの。さっき一緒に寝た真似してたの包まって」下の階へ走って取りに。星のブランケットに包まり「ありがと」(と言わせ)わーわーが一気にひっくひっく、やがてすーすー。

翌朝、トーストが破れてしまったと泣く。「大丈夫形がどうなろうと美味しいのよ」そう言いながら押さえつけヒビをなくしてみる。ひしゃけてしまったともっと泣きわめく・・・。

しばらく泣きようやくおさまった頃、キッチンカウンターの上の炊飯器の蓋を閉めたとたん地団太踏んで泣き叫ぶ。どうやら開いているのを見つけカウンターの反対側によじ登り閉めてくれようとしていたらしい。自分が閉めてあげられなかったと悔しそうに泣きわめく。

こっちいこうか、あっち、こうしようね、ああしたい、こうだ、ああだ。「NO」と示すことで自我を形成している時期と発達的には説明できるのだろうけれど、あちらこちらで衝突を繰り返し本人も周りもヘトヘト。


眠い疲れたお腹すいた、そんな時には衝突の激しさも増すわけだけれど、まずはそういった生物的な欲求を満たした上で、癇癪が一気に落ち着いていくと感じるのが、二人でゆったりと過ごした後。やることリストをひとまず横に、開き直り腹を据えしばらくゆったりと2人で過ごしてみる。本を読んだり積み木したり石並べしたりただ一緒にソファに座ってキラキラと光るツララを眺めてみたり、ふざけ合って笑い合って。そんな時間を過ごした後は、驚くほどスムーズに時が流れる。「はは、パン破れちゃったあ、見て見てこうやって穴から覗けちゃったりするの」もぐもぐ。「あ、炊飯器の蓋閉められちゃったあ、今度は僕が閉めるからね」。あなたは一体同じ人?そう聞きたくなるぐらい。(笑)

その子とその場にいる、「全身でその場にいる(present)」、そんな時間をとる。するとギクシャクになった歯車がするすると回り始めたりする。二歳児だけでなく上の子達にも感じること。そしてそんな時間を過ごした後は、母親としての自分自身も随分と軽くなっているのに気がついたりする。今日もpresentな時間を。




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6 コメント

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Unknown (mirumiru)
2012-03-10 13:57:17
一緒に過ごす、何もしなくてもいい。ただ傍にいるだけでお互いの心が見える感覚。時間空間の共有こそが、自身へのご褒美でもあります。
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mirumiruさんへ、コメントありがとうございます! (マチカ)
2012-03-12 02:12:03
「お互いの心が見える感覚」、そんな感覚のする瞬間を積み重ねていきたいです。本当ですね、そんな瞬間こそが自分にとってのかけがえのないギフトなのかもしれません。今日も春の陽だまりの中でそんな瞬間を紡いでいけたら。ありがとうございます。
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Unknown (テッサー)
2012-03-13 23:40:45
そうなのー。同じ目線でいろんな感覚を共有すると子供って落ち着く。以前読んだ育児書にも一日に10分でもいいから一緒に寄り添ってゆったり過ごすといいって書いてあった。
でもねー、夜はすぐ寝るけどクルマの中では寝ぐずりすごいんだ、うちの2歳児。
自分が体調よくないときとかは余裕なくて、やっぱりイラっとしちゃうんだ。マチカちゃんも何度もかいてるけど、「共感」を示すってこと、やってもらったらうれしいのに、わが子にできないのはなぜだろうって思う。私の中にも、子供に自分の気持ちをわかってもらいたいっていう欲があるような気がして。それをうまく「わたし」メッセージで伝えられるようにって意識してるこのごろよ。ああ、育児って本当に鍛えられるねぇ。

うちもね、「ダーリンは外国人」っていうマンガを描いた人の育児編を息子と一緒に読んだら、育児って大変って思ったみたいで妹の世話をしてくれるようになったよ。時々私がみてないところでちょっかい出したりもしてるけど・・。一緒に育児書を読むっていうの、いいよね。
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Unknown (ウラン)
2012-03-15 10:26:46
マチカさんのブログ、私には育児書よりためになってるよ。
その子とその場にいる、「全身でその場にいる(present)」、そんな時間をとる。
ドキッとしたよ。家は一人っ子だからたくさん時間を取ってあげられるはずなのに、「その子とその場にいながらにしていない」ってことが多々ある。一緒にいながら心ここにあらずって感じかな。子供はそういうの敏感に察知するよね。それで一日10分、15分でも本気で一緒に遊ぼうって決めてね、それができるとその後の流れもスムーズだよね、確かに。でも、その10分を実行するのが結構難しいんだなあ・・・。
改めて、子供と過ごすクオリティの高い時間について考えさせられました。ありがとう!
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テッサーさんへ、コメントありがとうございます! (マチカ)
2012-03-15 18:32:11
「一日に10分でもいいから一緒に寄り添ってゆったり過ごすといい」、うん、そんな時間を過ごした後は子どもだけじゃなく親もすっと落ち着いてたりしてね。

「車の中での寝ぐずり」、ああ分かる、疲れてたり余裕無かったりする時にイラっとなるなる。

何度もドカンとなってきたのだけれど、最悪ケースをシュミレーションしてその時自分はどう対応するのかを決めておくというのが私にとっては効果的よ。

むちゃくちゃ疲れてる運転中に、まずは上の子が理不尽な駄々をこね始め、その上横の車からちんたら走るなと通り越しざまどなられ、とどめに2歳児がぐじゅぐじゅ言い始める。そこで、深呼吸して自分はドカンとならない、と決めておく。ドカンとなりたくない、じゃなくて、ドカンとならないと決心しておく。

そうすると実際寝ぐずりとか初めても、ほらきた~きたよ~と結構余裕もって対応できたりね。

こうして自分でも分かってるパターン以外の時にドカンとなったときは、また新たなシュミレーションパターンとしてリストに加えていく。今やシュミレーションパターンかなり豊富よお。(笑)

「共感」本当だねしてもらうと嬉しいね。まずは子どもの言うことをエンパシックに聞くと、子どもの内に親の分かってもらいたいことが入り込むスペースができていくように感じてるよ。まずは子どもの言うことを聞くのが、親を分かってもらうための最終的な近道でもあるのだと。

「わたし」メッセージ、「あなたがどう」なのでなく、「わたしがそう思う」「私が好きじゃない」という風に伝えていくのことの大切さ私も感じてます。「私はこう思う」、が子どもの心に届くよう、私も子ども達の言うことをエンパシックに聞くようにしていきたいよ。

私も「ああ、育児って本当に鍛えられる」と思わない日ないかもしれない。(笑)

一年生で「育児って大変」なんて思うなんて偉い。漫画をよくそんな風に理解できて、しかも妹ちゃんに実際の対応を見せてるんだね。頼もしい。うん私もこれからもちょこちょこと一緒に読んでいこうと思ってる。将来の役にもたつだろうしね。

ありがとう!
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ウランさんへ、コメントありがとうございます! (マチカ)
2012-03-15 19:03:29
そんな風に言っていただいてありがとう。生々しい描写がたくさんありますよね、生々しい毎日だけあって。(笑)

ウランさんには何度も子ども達と遊んでもらって。いつもウランさん全身その場で子ども達と遊んでました、子ども達吸いつけられるように皆くっついていって。

でも日常生活で「その子とその場にいながらにしていない」ことが多々あるというの、本当によく分かります。きちんとその場でその子の目を見つめるということさえしていないことに気づくこともあります。

一日に10分でもと決めたんですね。家に来て子ども達と遊んでくれたように毎日遊んでもらえる娘ちゃんなんて幸せ。確かにその後はすっと落ち着きますね。10分とることの難しさ、私も噛み締めつつ。

「子供と過ごすクオリティの高い時間」、私も心に留めていきます。今日もホント降りましたね。ありがとう!
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