靴下にはそっとオレンジを忍ばせて

南米出身の夫とアラスカで二男三女を育てる日々、書き留めておきたいこと。

母性と父性のバランス、まとめ

2013-01-20 01:07:04 | 子育てノート
母性・父性というと、一般的に次のような特徴があげられます。

母性  無条件・受け入れ・緩み・境界なし・繋がり・内へ
父性  条件付け・突き放し・張り・境界あり・切断・外へ

一昔前には母親が家事育児を受け持ち、父親は家庭の外で生活の糧を得る、そんな役割がはっきりとしていました。ところが時代は移り変わり、両親共働き、シングル・ペアレントの増加など、現代の家族の形は様々です。家族のあり方の変化に伴い、母性父性というコンセプトを新しく書き換えていく必要があるのではないでしょうか。男がもっとしっかり父性を回復し、女は忘れてしまったかに見える母性という本能を思い出すべきだ、そんな「古きよき時代」に戻るべきだと議論をしても、あまり意味はありません。昔も今も、それぞれ何かしら問題があったものです。これからは女性も男性も一人一人の内に、母性と父性のバランスを自覚していく必要があるように思います。母性父性という呼び名は、古き日々の家族のあり方の名残としてのみ留め、女性が母性のみ男性が父性のみを受け持つといった、画一的な拘りを手放していく必要があるのではないでしょうか。母性や父性というのは、男性女性一人一人の内に、本来両性備わっているものです。

パートナーがいる場合は、母性父性を補い合います。互いに納得し父がもっぱら父性を、母がもっぱら母性をという選択もあれば、反対の選択もあり、時と場合に応じて変えるという選択もあり得るでしょう。どんな形であるかは問題ではなく、一人がきつく叱るのならば、もう一人は少しその子とゆったり過ごすといった、母性父性という両性のバランスが必要なのです。

母性と父性のバランスを取っていく上で、母性スイッチ父性スイッチというイメージが役に立ちます。自身でそれらのスイッチがオンになっているか、オフになっているかを見つめていきます。母性スイッチが「オフ」になっていると、まず子供達が近寄りがたそうになります。特に小さな子供たちの様子に如実に表れます。そして自身を鏡に映すと、無表情であるか眉間に皺がより険しい顔になっています。母性スイッチを「オン」にすると、眉間が緩み微笑が生まれます。そして子供たちの顔にも笑顔が広がるのです。

時に立ち止まり、自身のスイッチがどうなっているかを見直してみます。外で仕事を終え、帰宅する前に一度自身の姿を鏡に映してみるのもいいでしょう。忘れていた母性スイッチをまず「オン」にして玄関の扉を開け、または保育所の門をくぐります。育児と外での仕事とをうまく両立させるコツは、このスイッチの切り替えにあるのだと思っています。スイッチの感覚がうまく捉えられない内は、まずはとにかく温かい笑顔を浮かべ、穏やかに話してみるのも一つの手です。

 社会に出れば父性優位です。家族という単位を越え、より大規模な集団が共に暮らしていくためには、より父性が必要となります。無条件に失敗を許されもう一度チャンスを与えられといった母性に包まれることは、集団で暮らす社会の中ではそうはないでしょう。

 家庭では常に母性スイッチをオンに設定しておくのが、丁度よいバランスなのだと感じています。母性スイッチを常にオンにしたまま、父性スイッチをところどころでオンにしていくのです。家庭の中でたっぷりと母性に包まれるのならば、厳しい外の社会に再び足を踏み出す力が湧き出てくるでしょう。



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