靴下にはそっとオレンジを忍ばせて

南米出身の夫とアラスカで二男三女を育てる日々、書き留めておきたいこと。

すっとできる子できない子

2013-12-15 08:05:51 | 子育てノート
屋内プレイ施設でお友達と次男を遊ばせながら、友人が絵を描いてくれた。

次女と私。


友人は、子供時代からこうしたイラスト画をスラスラと描けたらしい。周りの子達って、なんで描けないだろうと不思議だったと。

いました! クラスに絵のうまい子。

そして身近なところで、実兄もそうでした。小学生の時から結構本格的な漫画を描いていた。

私自身は描けない方。写生大会などで兄と共に入賞したことはちょこちょこあったけれど、こうしたイラスト画は全然。兄の傍で、さっさと引かれる線から浮かび上がってくる人や動物や物を見ながら、どうしてこんなことができるのだろうと不思議でしょうがなかった。

絵が描ける人を見ていると、周りの人や物を見ながら、描いてみようと色々試し、どうしたらもっと良くなるだろうかとあれやこれや工夫している。同じ人や物を見ても、私はそもそも「描いてみよう」という発想が生まれない。前者と後者とでは、「描く」ということにかける現実的物理的エネルギーから時間から大きな隔たりができる。

「もっと良くするためにあれやこれや工夫する」ことは、「努力」と呼ばれるものだけれど、絵が描ける本人達を見ていると、「努力している」なんていう感覚はなく、ただもう好きでどうしてものめり込んでしまうといった様子。

これが、「努力のこつ」なのだろうなと思う。「自分は努力している!」といった「固さや凝り」が溶け没頭した状態。この状態を継続することで、徐々に形が現れてくる。



絵はまだ描けなくても困ることはないのだけれど、子供達が一日の大半を過ごす学校で重視される「勉強」が「できないこと」であると、子供達にとってきついだろう。絵を描くことに興味がないのに、あれやこれや示されうまく描きなさいと言われ、その上「努力が足りないからよ!」と言われても辛い。「努力しなきゃ、努力するべき」と「固さや凝り」だらけになってしまう。

皆が皆、初めから絵を描くことができるわけでもない。鼻はこうして描くといい、目を描くにはこうしたらいい、そう一から手取り足取り習うことで、伸びていく子もいる。また、それまでには聞いたこともなかった方法に触れることで、楽しさを知る子もいる。

小学生の時、母親とその友人達が、地元の芸大の学生達に先生になってもらい、私の通っていた学童保育や近所の子を集めて「アート教室」を開いていたことがある。消しては描いてと、恐る恐る線を引く私に、「上から描けばいいだよ」と教えてくれた顎鬚の学生さん。様々な線が交わる中に浮かび上がる「描きたかったもの」を前に、こんな方法があるのか!と呆然としたのを覚えている。炭の線をパンでぼかしたり、石や小枝やプラスティックの容器や、身の回りの見慣れたものが、アートに変身する様が楽しかった。

「できなくて苦労する」子には、既成の方法では楽しさが見出せない場合もある。そんな時、楽しさを引き出すような機会に触れる場がもっとあればと思う。そして家庭も、そんな場であることができたら。学校に上がる前の家庭での準備とは、その子が自ずとはまりこんでしまえるよう、この「学ぶ楽しさ」を体験させ習慣にしてしまうことだとつくづく思う。



すっとできる子

工夫し続けることで、もっとよくなるという楽しさを教える

周りと比べて傲慢になったり胡坐をかいてしまわないよう、昨日の自分自身と比べるようにする。

感覚的にできることを、様々な角度から論理的意識的にもできるようトレーニング


できなくて苦労する子

「努力が足りない!」と言われても、途方にくれるだけ

その子に合ったペースとレベルで、忍耐強く教える

周りと比べ焦らず、その子自身の「できた!」を大切にする

違う方法に触れさす



我が家も五人様々。同じ子でも向かう対象によって、できたりできなかったり。その子のその時に合った対応をしていきたいです。

イラストは相変わらずさっぱりですが、今でも時々絵を描いたりと、私もアート、楽しんでます!


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ヨーキ)
2013-12-15 21:09:26
我を 忘れ!没頭・無我夢中になっている時。好きなこと とか やりたい事など~考えるのではなく~何かしら内から生まれてくるようですね。
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Unknown (よっちゃん)
2013-12-16 16:22:58
私も昔から漫画書いてました!写生大会もワクワクしてた。
企業のデザイン課や広告代理店で働いてました!
妹もデザイン事務所を経営しています。

絵が好きな人って観察力だと思う。
バランス、形を間違わなければそこそこの絵はかけるのです。
ちなみに12歳の長男は恐ろしく絵が下手です。
未だに丸書いて1本線ひいて胴体書いてます!
腕があり得ん場所から生えてきてたり、妖怪みたいに長かったり(笑)
絵が苦手な人って観察するのを諦めているだけだと思うよ。
ピカソやゴッホになれなくても、模写は誰でも出来るし、絵が上手く見えるコツだと思う。
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ヨーキさんへ、コメントありがとうございます! (マチカ)
2013-12-17 13:00:39
「我を 忘れ!没頭・無我夢中になっている時」

まさしく!ですね。子供達、そんな没頭できる体験をたくさん積み重ねて欲しいな、そう思ってます。

ありがとうございます!
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よっちゃんへ、コメントありがとうございます! (マチカ)
2013-12-21 04:52:43
そうだった! よっちゃんもこんなイラスト絵スラスラ描いてた!写生大会もわくわくしてたのね、私は連れられていくから行くけれど、自分から行きたい!という程でもなかったなあ。

そういった仕事もしてたんだね! それで妹さんもそちら方面に。よっちゃん家は姉妹で達者なんだね。

「観察力」かあ。なるほどと思ったよ。

絵が描ける人って、見え方も違うのかもしれないね。きちんとあるがままを視覚で捉えられる。

今思ったのだけれど、今私の目の前に箱があってね、私はこうして目の前の箱を見ても、そのままの形より、その箱が何であるかその中に何があるかとかそういう方にどんどん向かっているの。

で絵を描いてみようと、形を捉えようと思い直すと、はっと、自分がこの「箱自体」を見ていないことに気がつかされて。

「絵が苦手な人って観察するのを諦めている」これ確かに当たってる。というか、形を捉えるという方向じゃない方へどんどん引っ張られてしまうというか。

その人なりの傾向があるね。

それでね、弱い傾向を鍛えることで、得意な傾向にも広がりが出ることがあって、だからこうして絵が描けるよっちゃんなどの見方を教えてもらうと、ホント面白くてためになる。

息子君も、絵が描ける方じゃないんだね。家もね、全然駄目な子と、まあまあな子と分かれる。こ、この「人」の絵・・・、と今週も中学のプロジェクトに描かれた絵を見て、目が点になってました。(笑)

「模写は誰でもできる」
よっちゃんに家族揃って手取り足取り教えて欲し~~~~い!

今日からこちら冬休みよ。もう朝から作って食べて片付けて作って食べて片付けてです。これからそり行って、走り回って、皆で疲れて少し落ち着きます。(笑)

そちらも冬休みかな。日本の年末年始の雰囲気を想いつつ。クリスマス前の週末、楽しんでね!ありがと~!
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