靴下にはそっとオレンジを忍ばせて

南米出身の夫とアラスカで二男三女を育てる日々、書き留めておきたいこと。

ある会話、フィクション

2011-02-28 00:59:37 | 詩・フィクション・ノンフィクション・俳句
A: 形はいずれ無くなる。

B: 形?

A: 形を越えるために形を壊す必要などない。

B: 形とは肉体のこと?

A: 肉体は形の一つ。形は感覚でとらえられるもの全てだ。

B: 雪、石、木、潮の匂い、波の音、夕焼けの温かさ、私の肉体、私の感情、私の思考・・・

A:“私の”なんてものはない。“私”が所有するものなど何もない。

B: 私の肉体でさえ? 私の感情でさえ? 私の思考でさえ?

A: そう、何も。


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2 コメント

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諸行 (畳表ドラ猫)
2011-03-01 00:05:24
自我の妄想に酔う人間には必然性がある。感情・思考・言語、思い・気持ち・心。狼に育てられた人間には狼の心しか分からない。無から来て無に帰るけれども、有は変化の相である事を知れば、それもまた喜びの元だろうと思いました。
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畳表ドラ猫 (マチカ)
2011-03-01 06:55:56
「必然性」、背筋が伸びます。目の前の子供達と私との間で断ち切るためにも、今ここで、自身に向き合い続ける必要があるのだと感じています。言うは易しなのですが。(笑) 日々精進していきたいです。

「有は変化の相」、無の視点に立ち続けるのならば、全て楽しめるのかもしれません。

感謝を込めて。
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