靴下にはそっとオレンジを忍ばせて

南米出身の夫とアラスカで二男三女を育てる日々、書き留めておきたいこと。

家族の温もりと、どこまでも続く闇と

2013-10-13 04:54:15 | 子育て風景
こちらの小中学校は四学期あるのですが、木曜日、その一学期目が終わる。テストやらプロジェクトやら一段落し、ほっとした様子の上の子たち。

日も沈み、居間の灯りがアスファルトの道を照らす頃。長女はソファーに次女はカーペットに横たわり本を読み続け、次男にせがまれレゴの飛行機を組み立て始めた長男も今は自分が夢中に、三女と次男はきゃっきゃっと声をあげながら縫いぐるみを並べ、夫は隣の長女に時折話しかけながらソファーでメールの整理。
ホットプレートでトルティーヤを焼きながら、温かい気持ちがこみ上げてくる。

夫は物心ついてから母親がおらず、家族の団欒というものを知らない。私自身は、皆が寝静まってから帰宅する団塊世代の父、また理想の社会を掲げ政治や市民運動に走り回りと家族以外へのプライオリティーの強い少し特殊な家庭に育ち、家族皆揃ってゆったり過ごす時間というのは年に何度かといった子供時代を過ごした。それでも、その年に何度かの温かい思い出が、心にいくつも残っているので恵まれていると思う。

成人してから父がこんなことを言っていたのを思い出す。
「今度生まれ変わったら、あの『大草原の家』みたいに、家族というもののために自らを捧げるような人生もいいかもしれないな」



テーブルを囲み、いっただきま~す! 具を包み、焼きたてのトルティーヤを頬張る笑顔。

子供達もいつか大きくなり、こうして過ごした時を懐かしく思い出す時が来るのかな。私自身の内で、子供の頃家族で過ごした一つ一つの時が、温もりと共に響き続けているように。



ふと窓の外に目をやる。凍りつく空気、どこまでも続く闇。その中に限りない人々の群れが連なっている。親の内に燃え続けていた炎が、自分の内に燻っているのを感じ、はっとする。

「不思議だけれど、あなたがあるべきあなたでないかぎり、私があるべき私になることはできない。私があるべき私でないかぎり、あなたはあるべきあなたになることはできない。これが相互に関係する現実の構造だ。
For some strange reason, I can never be what I ought to be until you are what you ought to be. You can never be what you ought to be until I am what I ought to be. This is the interrelated structure of reality.」     
                             Dr. Martin Luther King Jr.


目の前の家族を大切にしつつ、少しずつ、少しずつ、自分にできる限りのことを。


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2 コメント

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ある意味 (d-goro)
2013-10-13 22:12:51
僕はその「炎」とどう向き合ってゆくかを、解決出来ないままに今日を過ごしています。
これは意外と(当然?)根深い課題ですね。
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d-goroさんへ、コメントありがとうございます! (マチカ)
2013-10-16 20:44:17
d-goroさん、そうなんですね。こうしてシェアできて嬉しいです。

まずは身近な周りから、そう自分に言い聞かせ毎日を過ごしています。まずは一人でも元気になってくれたら、それでいいと。そうならば、d-goroさんもう十分炎と共に生きていますね。

この炎が日々立ち上がるエネルギーをくれているのだと改めて思ったり。

大変なものを受け継いでしまったなあ、という思いと、感謝と、ホント根深いですね。

ありがとうd-goroさん、楽しい週末をお過ごしくださいね! 東京の空を想いつつ、霜降りるアンカレッジより。
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