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靴下にはそっとオレンジを忍ばせて

南米出身の夫とアラスカで二男三女を育てる日々、書き留めておきたいこと。

キャンプ、アクシデント

2011-06-21 21:00:50 | 出来事や雑感や (その他)
今回のキャンプは、「マウント・マラソン・レース」の練習というのが目的だった。

1915年に始まったこのマラソンレース、アンカレッジから車で3時間程走ったところにあるスワードという町で、毎年建国記念日の7月4日に行われる。ダウンタウンからその名もマラソン山(Mount Marathon)!と呼ばれる山の頂上まで往復5キロ(子どもはその半分)ほどのコース、斜面はかなり急で毎年けが人が続出する。参加人数は限られていて(大人700人、子ども200人程)年初めの抽選とレース前日のオークション(子どもは抽選)で決められる。一度参加権を獲得すると翌年から自動的に参加可能。

長男が「このレースに出たい!」と。年初めの抽選に落ち、前日の抽選を試してみることに。レースに出られなくても出られても、まずはマラソン山に一度登ってみよう、と今回出かけたのだった。


麓から容赦のない急な坂。岩をよじ登っていく。長男が足を少し動かすたびに石がひっきりなしに落ちてくる。レースに参加経験のある友人が「落下石で怪我をした」と言っていたのを思い出す。

下3人にはとても無理だと、夫と上二人だけが登ることに。1時間後に登山口で落ち合おうと。

海岸で貝拾いなどして遊び、一時間後に戻る。車の中で次男にご飯を食べさせていると叫び声。ただ事でないことが気配で分かった。しばらくして右手をジャケットの胸元に入れ真っ青な顔をした長男が、夫に手を引かれ降りてくる。顔を引きつらせながらも歩いている長男に、ひとまずほっとする。このマラソン山、登山口から歩いてもいける距離に救急病院がある! すぐに駆け込む。

右手首複雑骨折。

応急処置をし、そのままアンカレッジに夜中過ぎに戻った。


夫と本人によると、高さ30メートルほどの崖から落下した後、そのまま急な斜面を100メートルほど転がり、最後に2本の木にぶつかって止まったそうだ。砂や泥土の斜面だったのが幸い。ぶつかった木から下は、切り立った岩の急斜面が続いていたと。

本人曰く「スカイダイビングってあんな感じなのかも・・・。」


手首の骨の折れ方から「かなりの衝撃だったのだろう」と医者。

ぶつかったのがもし身体の他の箇所だったら・・・、もうとにかく「ありがたい」の一言。落ちた状況を思うと、最悪の事態も何ら不思議ではなかった、手首骨折だけですんだのがまさしく奇跡といえるかもしれない。

昨日アンカレッジの整形外科で手術し、6週間程で完治するだろうとのこと、後遺症が残ることもなく。


道行く人々皆の手をとり、とにかく「ありがとう」と言ってまわりたい(かなり怪しまれるだろうけれど)、大地にひれ伏し感謝したい、そんな気持ちでいっぱいです。

心の底から、本当にありがとうございます。

皆様の夏の健やかなることを心から願っています。

処理に調理に

2011-06-08 00:00:43 | 出来事や雑感や (その他)
漁の行きから帰りまでずっと寝ていた病み上がり次男。

目を覚ますと大漁の魚が。本調子でないのも忘れ大喜びの大興奮。


洗って小分けにし、

ガレージの冷凍庫へ。これで冬のタンパク・カルシウム源確保。(笑) アラスカでは漁や猟で獲れた食料を保存するため、二つ以上冷凍庫を持っている家庭が多い。

シーズンの終わりだったので、子持ちシシャモのように卵をたくさん持ったメスは一匹もいなかった。

100匹は頭と内臓を取って、


砂糖塩醤油に一晩つける。

長男いそいそと何してるのかと思ったら、顕微鏡で観察。(笑)


10匹ほど塩焼きに。小さな頃一度だけ川辺で焼いて食べその美味しさに仰天した鮎の味を思い出す。

食欲の完全に戻っていない次男もぺろりと2匹たいらげ、ますます元気に。ああ行ってよかった、ほっ。


翌日。

一晩マリネされたフーリガンを、

半分こんな台に並べ、木片(次男がつついているもの)を用意して、


スモーク。

一晩もすればスモーク魚できあがり。

半分こんな網に並べ、


ブランコの隣のりんごの木に干す。

3日もすれば干物できあがり。

りんごの花ももうすぐ!



そして今、出来上がったスモーク・フーリガンむしゃむしゃといただきながら書いてます。
ああ、これがまたいけるんです。

恵みに感謝!

やはり行ってしまった、フーリガン漁へ

2011-06-07 23:59:34 | 出来事や雑感や (その他)
大漁!という声があちらこちらから耳に入ってくる。

寝不足の目をしょぼしょぼとさせながら、「今年はあきらめようか、※フーリガン」とゴホゴホと咳をする夫と顔を見合わせ、「うんうん、ちょっとゆっくりしよう」と言い合う。

ところが、昼過ぎ頃から互いにそわそわ。行くとしたら今日しかない、来週末はもう遅いだろう。

「あれだね、1時間くらい行ってみてさ、獲れても獲れなくてもつるっと帰ってくるってのはどうかな」どちらからともなく言い出す。(笑) エネルギー有り余る子供上4人大喜び。

ウキウキと網やウエイダーや長靴を車にのせ、出発! アンカレッジは曇って小雨もちらついていたけれど、川に近づくにつれ晴天。

車で50分ほど。川辺に並んで網を握る人々。


夫と長男が川へ入り、


三姉妹がクーラーの前で待ち構え網から魚を取り出す。


それ!


こんなに!


ひとすくいに10~60匹ほど入る。

きゃ~いっぱ~い!


周りの人々も興奮状態。「獲れすぎてるから」と私達のクーラーに時々入れてくれたりも。

結局30分でクーラーがいっぱいに。647匹!


帰途につく。



※ニシン目のキュウリウオ。産卵期のこの時期には25センチ前後の体長の15パーセント程が脂で占められる。脂がのりにのって何とも美味しい。その脂多さから昔は干してキャンドルとして使われたため、別名キャンドル・フィッシュと言われたりもする。フーリガン(hooligan, ooligan)の語源はネイティブ・アメリカンのチヌーク語にあるそう。


すがる思いのみ

2011-06-06 00:01:44 | 出来事や雑感や (その他)
内陸への旅から戻って以来体調を崩していた次男が、ようやく治ってきた。今回の風邪はかなりたち悪かった。少し早くかかった次女・三女も2日ほどの喉の痛み、その後咳が長く続いている。次男の場合は夜になると出る熱が4日程続き、鼻水、咳、最後には初めての中耳炎に。兄姉のうち、中耳炎は長女が4歳のときに一度なっただけなのだけれど、彼は1歳にして。

ずっと抱っこ。4日間ほとんど食べなかった。普段から空腹になるとかなりぐずる彼、3日目以降には抱っこしても泣き叫んで暴れる。なら食べなさい、とあれこれ試してもどうしても受け付けない。こちらが何をしようとぶっとおして泣き叫ぶ、昼夜構わず。

今まで体調を崩しても長くて2日もすればケロリと治っていた子供たち、5人子育て史上、一番大変な看病生活だったかもしれない・・・。回復にむかっていること、本人も親も眠ることができること、ありがたいです。


何をしようがすごい形相で泣き続ける1歳児、医者は耳が少し炎症を起こしている以外はもうどこも悪くないと言っていたのだけれど、身体のどこかが尋常でない状態になっているのではないか、と心配になってくる。

確かに本人あちらこちら不快だったのだろうけれど、体調の悪いのと第一次反抗期が重なったということも難しかったように思う。「食べろといわれたらよけい食べたくないじゃないか、だからといって食べるなと言われても食べたいと思えない」というような複雑な感情。彼はとにかく食べれば機嫌がよくなる傾向にあります、普段もだけれど病気のときも。何とか少しでも食べた後はケロリとしてしばらくニコニコと遊ぶわけです。

血糖値がおかしくなっているのかと糖尿病も疑ったり。「空腹病」だったのかも・・・?


「トンネルの向こうに光が見えない」と遠い目でぼやく私に、「必ず出口があるから」と肩をたたいてくれた長男。といっても子供というのは、しばらくは泣き叫ぶ弟を心配しながらも、すぐに目の前の楽しいことに一生懸命なわけですが。(笑)


苦しみ悶える子供を目のあたりにするのはやはりきつかった。もうとにかく何がどうなってもいいからこの子をこの苦しみから助け出してやってくれ、とすがるような思いのみが残った瞬間。


日常に戻りつつあることに感謝。

クラフト(God's Eye)

2011-05-25 00:38:12 | 出来事や雑感や (その他)
こちらで子供たちのアクティビティとして時々目にするクラフト、

「神の目(God's Eye)」。

棒を十字にし、毛糸を巻きつけていく。

夏休みに入ってから上三人、せっせと作っている。色々な色を組み合わせて。


メキシコの民芸品。

現地では「Sikuli」と呼ばれ、「まだ知らない物事、知ることのできない物事を見、理解する力
“the power to see and understand things unknown and unknowable”」を意味するそう。