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仁左衛門日記

The Diary of Nizaemon

ズーランダーNO,2

2018年04月10日 | ムービー
『ズーランダーNO,2(原題ZOOLANDER 2)』(2016年/ベン・スティラー監督/アメリカ)
物語は、「ローマ。ジャスティン・ビーバー(本人)が何者かに射殺された。死の直前、彼はインスタグラムにキメ顔を残したが、ポップスターの同様の死はこれで6人目。インターポールの捜査官ヴァレンティーナ・ヴァレンシア(ペネロペ・クルス)は、彼らの死の間際の表情を"ブルースティール"と分析し、その意味が分かるだろうたった一人の男、デレク・ズーランダー(ベン・スティラー)とコンタクトを取ろうとするのだが・・・」という内容。
これは前作の15年後を描いている作品で、しっかりと過去の物語とのつじつまが合っているのは、2作続けての監督兼主役であるベン・スティラーのこだわりなのだろう。
続編になると、都合よく前作の解釈を変えたりされる作品もよくあるので、これは真面目な作り手だ。
(^_^)
昔も今も随分と開放的な生活を続けるハンセル(オーウェン・ウィルソン)は、「私は誰?」と自問するが、ニール・ドグラース・タイソン(本人)は「宇宙は膨張し続けやがて分解し無に帰す。私は誰?の問いに意味があるのか」と言う。
この一連の作品には、(アメリカ国内で)よく知られているらしい人物が本人役で出演しているらしいので、「誰だ?これは」と思って検索してみると、彼はアメリカの天体物理学者で、2001年には小惑星に"タイソン"と名付けられたほどの著名な人物らしいことが分かった。
スティングも本人役で登場していたし、様々な分野で実績を上げた著名人が、おバカな物語に出演して、真面目に役を演じることを、みんな楽しんでいるのだろうと思った。
その面白さについては、まぁ・・・、そこそこというところか・・・。
(^_^;)

寝ずの番

2018年04月09日 | ムービー
『寝ずの番』(2006年/マキノ雅彦監督)を見た。
物語は、「上方落語界の重鎮・笑満亭橋鶴(長門裕之)の病室。傍らにおかみさんの志津子(富司純子)が静かに座り、何人もの弟子達が見舞っている。総領弟子の橋次(笹野高史)、実の息子でもある橋弥(岸部一徳)、橋太(中井貴一)らは、直前に行われた手術の結果が芳しくなかったことを知り、師匠に思い残すことはないかと尋ねると、"そそが見たい"と言う。急いで橋太の嫁・茂子(木村佳乃)を呼びに行くものの、それはなんと橋次の聞き違いで・・・」という内容。
舞台は大阪で、登場人物達もコテコテの関西人の人達ばかりのはずなのだが、配役のせいなのか、言葉のせいなのか、どうにも上方っぽさが伝わってこなくて残念だった。
(-_-;)
面白かったのは、落語の演目『らくだ』のかんかん踊りをやってしまうエピソード。
もうこれはどうしようもなく無茶苦茶だ。
(^。^)
妙に下ネタ満載の作品だが、「芸術文化振興基金助成事業」なのだそうである。
原作は、中島らも(1952年~2004年)の短編小説とのことで、六代目笑福亭松鶴(1918年~1986年)師匠をモデルにしているらしいのだが、劇中、おかみさんのことを"あーちゃん"と呼んでいる場面が何回かあったので、まぁそうなんだろうなぁと思いながら見ていたのだった。

ワイルド・ギャンブル

2018年04月08日 | ムービー
『ワイルド・ギャンブル(原題MISSISSIPPI GRIND)』(2015年/アンナ・ボーデン監督/アメリカ)を見た。
物語は、「アイオワ州ダビューク。収入のすべてをギャンブル資金に回してしまい、借金まみれの生活を送っている不動産会社勤務の男、ジェリー(ベン・メンデルソーン)は、綺麗な虹を見た翌日に、ギャンブラーの青年カーティス・ボーン(ライアン・レイノルズ)と出会い、意気投合する。しかも、カーティスが近くにいるとツキが味方してくれることに気づいたジェリーは、各地のカジノを巡りながら南部のニューオリンズへ向かうというカーティスに同行することにしたのだが・・・」という内容。
地元を離れるにあたって、職場から200ドルを持ち出してしまうジェリー。
これはどうにも困った人間だ。
(-_-;)
カーティスが見つけたドッグレースに出走するダイナミックレインボーという犬に賭けて見事的中させた2人だが、カーティスは単勝49倍に50ドル賭けたものの、ジェリーが200ドルを賭けたのは複勝だった。
これでやめて祝杯をあげに行こうと言うカーティスの意見を聞かず、ジェリーは賭け続けてしまう。
そして、結果はモチロン負けだ。
ギャンブルで負け続ける人間はこうなのだろう。
止めるべきタイミングを知らないのだ。
クルマの運転中はいつも"ポーカーの法則200"というCDを聞いているジェリーだが、こういう熱心さは他のことに使ったほうがいいのではないだろうか。
(^_^;)

インターセクション

2018年04月07日 | ムービー
『インターセクション(原題INTER SECTIONS)』(2013年/デヴィッド・マルコーニ監督/フランス)を見た。
物語は、「アメリカ人のスコット・ドーラン(フランク・グリロ)とテイラー(ジェイミー・アレクサンダー)は、モロッコの砂漠のど真ん中に建つリゾートホテル、トンブクトゥホテルに新婚旅行でやって来たが、妻テイラーは呼び寄せていた愛人トラヴィス・トリンブル(チャーリー・ビューリー)によるスコットの殺害を計画していた。実行の日。クルマを運転していたスコットは目的地への一本道を外れ、舗装もされていない脇道に入る。やがて1台のクルマに追跡されていることに気づき、あおられながら砂漠の中を猛スピードで走行するのだったが、トラブルで停車中だった2台のクルマが突然視界に入ったものの回避する間もなく突っ込んでしまったのだった。そして数秒後にはもう1台が・・・」という内容。
向こう側が見えない、坂になっている道路の真ん中に、クルマを止めたままにしてるだなんて、あれは死亡事故が起きて当然に思える状況だった。
生存者は、刑事達によって護送されていた男イサム・ベナム(ムーサ・マースクリ)、赤ん坊を抱いている女(マリ=ジョゼ・クローズ)を含む5人だったが、物語が進むにしたがって、ここに居合わせた5人がどうしようもない悪い奴らだということが分かってくる。
もうホントにどうしようもなく悪い奴らだ。
(^_^;)
そこへ歩いて現れた1人の謎の男(ロシュディ・ゼム)は、遠くから双眼鏡で様子を伺ってからの合流だから、この男も怪しい雰囲気がありありだ。
砂漠のど真ん中で偶然に交差したそれぞれの人生が、絡んで、解れて、何とも複雑な様相になるのだが、発端はテイラーによる夫殺害経計画。
マネーに心を支配されてしまった人達のとても虚しい物語だった。

リトル・マエストラ

2018年04月06日 | ムービー
『リトル・マエストラ』(2013年/雑賀俊郎監督)を見た。
物語は、「石川県の寂れた港町。アマチュアオーケストラ・"福浦漁火オーケストラ"の老指揮者・吉川(沼田爆)が急逝したのと同時期に、町役場の課長・谷口博(小倉久寛)から、町補助金の打ち切りを通告された。突然の解散の危機に直面したコンサートミストレスの三村みどり(釈由美子)は、吉川の生前に孫娘の美咲(有村架純)が自分譲りの天才指揮者だと聞かされていたことを思い出し、"天才少女指揮者"を呼び寄せることでこの難局を乗り切ろうとするのだが・・・」という内容。
トロンボーンの荒沢源次(蟹江敬三)、トランペットの大野岩雄(篠井英介)、ティンパニーの湊川辰次(タツ爺/前田吟)など、結構な年配の奏者から高校生の大野正也(上遠野太洸)まで、オーケストラのメンバーは年齢層が広い。
寒そうな漁業協同組合の漁具倉庫に集まって練習している様子はなかなかのやる気を感じさせるのだが、午後10時を過ぎてからの練習は厳禁とのこと。
周囲には民家など無さそうだが、それでもやはり役場から注意が来るようだし、何より、アマチュアオーケストラコンクールを翌月に控えて、突然の補助金打ち切りは残酷だ。
(-_-;)
さらに、せっかく"リトル・マエストラ"を迎えて再出発を図ったものの、その美咲の経歴が嘘っぱちだったというのだから、これはもう八方ふさがりで、「これで終わりなのかなぁ」と嘆く正也の気持ちも分からないでもない。
一番近い鉄道の駅まで数十キロ、町から出るにはトンネルが続き、頻繁にがけ崩れが起きる一本道、という日本海沿岸にありがちな過疎の町が舞台で、定食屋を切り盛りするフルートの井坂洋子(筒井真理子)の娘・沙希(藤井美菜)は、寂れた町に未来の姿を描くことができず、町を出て行くという。
広い定食屋の店内にある大きな温風ヒーターは使われず、小さくて古めかしい石油ファンヒーターが置かれていたり、マッタク観光客がいない大きな施設では、沢山の職員が掃除だけしているというどこかで見たことがあるような様子も描かれていて、どうにも切ない展開なのだった。
「嘘は嘘を呼ぶぞ」と言う荒沢勝(松本利夫)の台詞が暗示的だ。

トロピック・サンダー / 史上最低の作戦

2018年04月05日 | ムービー
『トロピック・サンダー/史上最低の作戦(原題Tropic Thunder)』(2008年/ベン・スティラー監督/アメリカ・イギリス・ドイツ)を見た。
物語は、「シリーズ作品"スコーチャー"に主演して人気だったものの第6作が不評だったタグ・スピードマン(ベン・スティラー)、1人6役を演じたコメディ作品"ファッティーズ"で人気を博したジェフ・ポートノイ(ジャック・ブラック)、5度のオスカーに輝くカーク・ラザラス(ロバート・ダウニー・Jr)らが出演する新作映画は、ジョン・テイバック(フォーリーフ/ニック・ノルティ)原作の、ベトナム戦争における人質救出作戦を描いた作品だったが、400万ドルをかけたシーンでカメラを回すことができず、撮影開始後5日目にして制作は早くも1か月遅れ。イギリスの新人監督デミアン・コックバーン(スティーヴ・クーガン)は、個性が豊かすぎる俳優達に指示することができず、プロデューサーのレス・グロスマン(トム・クルーズ)に指示された大道具係の男に殴られる始末で・・・」という内容。
追い詰められた監督はフォーリーフの提案通り、俳優達をヘリコプターでジャングルに運び、あらゆる場所に設置したビデオカメラで隠し撮りしようとするのだが、これが大誤算で、かつてフランス軍が設置したらしい地雷を踏んで爆死してしまう。
ところがタグは、これを特殊撮影による演出だと信じて疑わないのだから困ったものだ。
目の前で人間が木っ端みじんに吹っ飛んだのだから分かりそうなものなのに。
(^_^;)
顔を変えてまで役柄になり切ろうとするカークのほうが、まともな感覚の持ち主だったようで、タグはどんどんと深みにはまっていく。
人間というのは、焦ると正確な判断ができなくなってしまうものなのだろう。
ただ、レスに限っては、焦ってるわけでもなく、極めて打算的な思考をしてしまうので、ビジネスマンとしてではなく、人間として正確な判断ができない人のようだった。
「テロリストと取引はしない」というのには大賛成だが、かなり残念な人間のようだ。
もし、現実社会にレスのような人がいたりすると大変だ。

SHINOBI / HEART UNDER BLADE

2018年04月04日 | ムービー
『SHINOBI / HEART UNDER BLADE』(2005年/下山天監督)を見た。
物語は、「徳川家康(北村和夫)が国を統一し、長い戦乱の世が終わった慶長19(1614)年。先代服部半蔵との約定で戦うことを禁じられ、ただただ憎しみを増幅しあってきた忍者の二大勢力・伊賀と甲賀。豊臣の残党がこれらを利用するのではないかと懸念した南光坊天海(石橋蓮司)は、家康に"伊賀鍔隠れ"と"甲賀卍谷"の根絶やしを具申。当代服部半蔵正就(松重豊)と柳生十兵衛(仁科克基)を使い・・・」という内容。
まず、代表者一人ずつを戦わせて実力を確認した後に、五人対五人の団体戦を仕組むだなんて手が込んでいる。
伊賀鍔隠れは党首・お幻(りりィ)の孫である朧(仲間由紀恵)を新党首とし、蛍火(沢尻エリカ)、夜叉丸(坂口拓)、蓑念鬼(伊藤俊)、薬師寺天膳(椎名桔平)を選抜した計五人。
甲賀卍谷は党首弾正(寺田稔)の跡継ぎ・弦之介(オダギリジョー)を新党首とし、陽炎(黒谷友香)、室賀豹馬(升毅)、筑摩小四郎(虎牙光揮)、如月左衛門(木下ほうか/三好健児)を選抜した計五人。
それぞれが忍術を駆使して殺し合うのだが、出てくる技は忍術というというより、まるで魔法だ。
(^。^)
厄介なのは、長い間戦うことを禁じられていた伊賀と甲賀は意外と近くで生活していて、こんな厄介な事態になる少し前に、朧と弦之介が出会ってしまっていたことだ。
「おじいが帰ってきたら我々のことを話そうと思っている」という結婚を意識した間柄から、殺し合う相手になってしまうのだから、これは切ない。
自分達が定めを作るのだと考える弦之介だが、忍びは武器にすぎないと言うおじいのほうが、全体像がきちんと見えていた。
ここで描かれている限りにおいて、封建社会というのはやはり実に厳しい社会だったようだ。

モンスター上司 2

2018年04月03日 | ムービー
『モンスター上司2(原題Horrible Bosses 2)』(2014年/ショーン・アンダース監督/アメリカ)を見た。
物語は、「前作で何かと苦しめられた上司から解放されたニック・ヘンドリックス(ジェイソン・ベイトマン)、カート・バックマン(ジェイソン・サダイキス)、デール・アーバス(チャーリー・デイ)の3人は、新開発したシャワーヘッド、"シャワーバディ"を商品化して企業し、地元のテレビ番組で取り上げられた。それを見た北米の大手カタログ通販会社ボールダー物流の社長の息子レックス・ハンソン(クリス・パイン)から電話が入り、取引を持ちかけられるが、特許を手放したくないことから、この提案を受けなかったものの、父親のバート・ハンソン(クリストフ・ヴァルツ)の策略に掛かり、全財産を失ってしまうのだった。何とかならないかと相談したディーン・ジョーンズ(ジェイミー・フォックス)は・・・」という内容。
困ってしまって最初に相談をしたのが、収監中の元上司デビッド・ハーケン(ケヴィン・スペイシー)だというのだから、情けない。
ハーケンは自分達を陥れようとした男なのに。
(-_-;)
ドクター・ジュリア・ハリス(ジェニファー・アニストン)のヘニングス歯科医院に忍び込もうとした時も、レックスの家に忍び込もうとした時も3人は、やはりヘマをする。
鍵を開けて忍び込もうとしたものの、ドアの中にニールのクレジットカードを落としてしまうのだ。
それなのに、そのまま帰ろうとするのだから、カートとデールの2人と組んでしまったニールには同情するばかり。
(^。^)
ただ、何度喧嘩をしようともとても仲が良く、3人の会社"ニガデール・ドットコム"という社名も、それぞれの頭文字を取って考えられたようなのだが、実はこの社名にした時すでに仕事の先行きは怪しかったようだ。
(^_^;)
残念。
見ていてイライラしてくるほどにどうしようもない3人組なのだけれど、やはり応援したくなってくる登場人物達だ。

007 スカイフォール

2018年04月01日 | ムービー
シリーズ第23作『007 スカイフォール(原題Skyfall)』(2012年/サム・メンデス監督/イギリス・アメリカ)を見た。
物語は、「М(ジュディ・デンチ)指揮下の作戦中、潜入捜査中の諜報部員名が記録されたリストが盗まれた。奪還のため犯人を追跡していたジェームズ・ボンド(007/ダニエル・クレイグ)は、Мに指示された仲間のイヴ(ナオミ・ハリス)に狙撃され、滝つぼに転落。007は殉職として取り扱われて、身寄りがないことから、身の回りの品はすべて倉庫に保管された。3か月後。Мはイギリス政府の情報国防委員会委員長ギャレス・マロリー(レイフ・ファインズ)から引退勧告を受けるが、これを拒否。直後に彼女のPCがハッキングされて、諜報部員たちの正体が次々とばらされ殺されていくのだった。さらにMI6本部が爆破され、本部は丸ごと移動を余儀なくされる。3か月ぶりに姿を現した007は、テストを受けて何とか現場に復帰したものの、リストの奪回作戦は進まなかった。しかし、因縁ができたパトリス(オーラ・ラパス)との決着をつけ、遂に目指す相手へと辿り着き・・・」という内容。
"007を殺した女"は、現場から外されて本部での内勤となっており、復帰したボンドといきなり顔を合わせたのだが、ボンドは彼女に対して恨み言を言わない。
大人だ。
(^_^;)
しかし、Мに対してはまったく逆で、心理テストの際に「くそばばあ」と答えているのだが、そこはラウル・シルヴァ(ハビエル・バルデム)も「ママ」などと呼びながらも同様だし、何より本作品を見ている観客も同意できるところかもしれない。
(^。^)
途中、ボンド個人の愛車としてアストンマーティンが登場するのだが、クルマのナンバーがかつての作品で使われたものだったのが面白い。
随分と複雑な展開だったりしたが、やはりこのシリーズは面白いし、007は格好良い。
(^_^)

男はつらいよ 寅次郎物語

2018年03月30日 | ムービー
シリーズ第39作『男はつらいよ 寅次郎物語』(1987年/山田洋次監督)を見た。
物語は、「柴又駅前の自動販売機でジュースを買った満男(吉岡秀隆)は、野球帽をかぶった少年に、"にいちゃん、寅さんを知ってる?"と声を掛けられて驚いた。見ると、寅さんからの年賀状を持っている。とらやに連れて行き、母のさくら(倍賞千恵子)、おばちゃん(つね/三崎千恵子)、あけみ(美保純)が話を聞くと、父親が生前に"俺が死んだら寅さんの所へ行け"と言っていたので群馬から一人で来たのだと言うが、はっきりしたことは分からないのだった。そして翌日に帰ってきた車寅次郎(寅さん/渥美清)によると、その少年は秀吉といい、自分が名付け親なのだという。秀吉の父親・佐藤政吉は"般若の政"と呼ばれ、女房の髪を掴んで引きずり回すような酷い男。秀吉の母親・ふで(五月みどり)の蒸発したと聞かされてもさほど驚いてない様子だった。可哀想に一人きりになってしまった秀吉のため、ふでを探し出そうとする寅さんは・・・」という内容。
仲間のポン州(関敬六)等を訪ね、ふでの居所に見当がついた寅は、秀吉と2人で和歌山市へと行くのだが、ふでは既にそこにいなかったことから、奈良市の旅館・翠山荘に向かうものの、そこにももういない。
これには寅さんもガッカリで、秀吉も高熱を出して寝込んでしまうのだが、うんうんと唸る秀吉を前にして、なんと東京のさくらに"どうしたらいい?"と電話をかけるほどに(もうどうしていいか分からず)パニックだったのだろう。
フロントに声を掛けても医者を呼んでもらえず、タクシーで迎えに行って往診をしてもらったが、診た菊田医師(松村達雄)は「どうしてこんなになるまで放っておいたんだ!!」と怒り出す。
この時に助けてくれたのが隣の部屋の客・高井貴子(秋吉久美子)だったが、これは本当に助かった。
このエピソードの際の、
貴子「おとうさん、帳場に寄ってタオルをあと何枚か届けるように言うて」
寅「うん。かあさん、あと頼んだぜ」
とか、
医者「おかあさん、お尻出しなさい」
貴子「えっ。お尻・・・」
医者「あんたのお尻じゃない。子供のお尻じゃ」
といったやり取りは笑いのセンスが感じられて面白いし、今回のシリーズ第39作は極端な物語だったけれども、博(前田吟)や、あけみ、満男の設定や台詞もこれまで以上に練られているような気がして、ドタバタ劇にとどまらない、いつにもまして良い作品だったように思う。
特に、「おじさん、人間てさ・・・。人間は何のために生きているのかな?」という満男の台詞は、見ているこっち側も考えさせられる。
『男はつらいよ』に3回登場したリリー(浅丘ルリ子)はシリーズを代表するキャラクターの一人だが、貴子はこの1回しか登場しないとはいえ、とても印象深いキャラクターになった。
これはナカナカに素晴らしい作品だった。
(^_^)

フローズン・アース

2018年03月28日 | ムービー
『フローズン・アース(原題AGE OF ICE)』(2014年/エミール・エドウィン・スミス監督/アメリカ)を見た。
物語は、「突然の激しい地殻変動によって異常気象が発生した。海に熱水が湧き、砂漠に雪が降った。エジプト旅行を楽しんでいたジャック(バートン・バンド)の家族は、大地震の後、極寒の地と化したカイロで・・・」という内容。
アラビア半島が移動するほどの地殻変動というのだから、相当広い地域が影響を受けたのだろう。
アメリカ大使館などすでに跡形もないのに、「アメリカ大使館に避難してください」とアナウンスをしながら走るクルマはなんとも適当だ。
(^_^;)
マグマの噴出、急激に氷点下までの気温をもたらす低気圧、移動中のプレート。
何とか市内から逃げ出さなければと考えるのは皆いっしょで、これはパニックを避けられない状況だ。
ただ、数十キロ移動したところで・・・という気がしないでもないのだが。
彼等家族がラッキーだったのは、ピラミッドの観光中に知り合った青年がヨルダンの閣僚の子息だったこと。
軍用機が迎えに来てくれたり、一般人は知るすべがないだろう気象情報の提供を受けたりできた。
おそらく、こういった運の良さがなければ、未曽有の大災害を生き残ることはできないのだろう。
かなりショボイ特撮(!?)場面もあったのだが、近年の世界が抱える漠然とした不安感を映像化した作品に思え、(この発想自体は珍しいものではないのだけれど)なかなかに興味深い展開なのだった。

普通じゃない

2018年03月26日 | ムービー
『普通じゃない(原題A Life Less Ordinary)』(1997年/ダニー・ボイル監督/イギリス・アメリカ)を見た。
物語は、「天使のオライリー(ホリー・ハンター)とジャクソン(デルロイ・リンド)は、上司のガブリエル(ダン・ヘダヤ)から、"ロバート・ルイス(ユアン・マクレガー)とセリーン・ナヴィル(キャメロン・ディアス)を永遠の愛で結びつける"という任務を課せられた。失敗した時は天界に戻ることができず、永遠に下界で過ごさなくてはならないという厳しさだ。手段を選ぶ余地のない天使たちは、セリーンの父(イアン・ホルム)の会社で清掃員として働いていたロバートがクビになるよう仕組み、ガールフレンドのリリー(K・K・ドッズ)も、家もクルマも彼から奪ってしまった。元の仕事に戻れるよう社長にかけあうつもりのロバートだったが、成り行きで警備員から奪った拳銃を使って社長の足を撃ち、セリーンを誘拐してしまうのだった」という内容。
執事のメイヒュー(イアン・マクニース)は頭の上にリンゴを乗せて、直立不動。
それをプールの反対側から拳銃で撃つのだから、確かに"普通じゃない"。
珍しく、そのものズバリの邦題だ。
(^_^)
引金を引く直前に怖くなって動いてしまったエリオット・ズウェイケル(スタンリー・トゥッチ)のほうがまともだろう。
とはいえ、頭を打たれて歯医者として再起不能だと思われながらも治療行為を続けているらしいので、やはり彼も普通じゃないようなのだった。
(^。^)
天使たちがいるのは何故か天界の警察署なのだが、制服も建物の内装も備品も何から何まで真っ白に統一されている。
それほど重要なことでもないと思えたのだが、そこが監督のこだわりなのだろう。
ロバートが仕事を失うことになったのは、彼の代わりにルンバのような掃除ロボットが導入されたからなのだが、そこはなかなかに時代を先取りしていたエピソードで、少しばかり感心してしまった。

青色革命

2018年03月24日 | ムービー
『青色革命』(1953年/市川崑監督)を見た。
物語は、「久松教授(中村伸郎)と学問上の論争がキッカケで反目し合い、職を辞した小泉達吉(千田是也)。後輩の鴨井助教授(伊藤雄之助)が何度も正岡総長(青山杉作)に掛け合ってくれたが日新大学への復職は叶わなかった。大学生の長男・順平(太刀川洋一)は希望した新聞社に採用されず、高校生の弟・篤志(江原達怡)と共に、前借りした2人の小遣い1年分を原資に高利貸しの仕事を始め、母親・恒子(沢村貞子)の心配ごとは尽きないのだった。また、家の下宿人・福沢君(三國連太郎)は、日曜のお昼ご飯時になると狙いすましてやってくる達吉の姪・並木美代子(久慈あさみ)に夢中だが、恒子は美代子と鴨井助教授との見合い話をすすめようと・・・」という内容。
美代子がお昼時に限って遊びに来るのは食費を浮かすためだとみんなの前でばらして笑っている篤志は、母親が作ってくれている弁当を学校で売っていることをばらされる。
兄にはコーヒー代やパチンコの玉を貸して利息分を取ったり、喫茶店でお酒を出させたり、とんでもない高校生なのだが、そんな弟を相手に青臭い革命論をぶつける順平。
2人のやり取りが耳に入った達吉が「あいつはいつの間に共産党になったんだ?」と心配するものの、恒子は「そんなものなりゃぁしませんよ。大丈夫ですよ。子供が共産党になるのはみんな親が悪いのよ。親が本当に子供を愛してやらないから寂しさのあまりああいうものに走るんでしょ。うちは大丈夫よ。私がついてますもの。あの年頃の子供にとっちゃ共産党もパチンコも同じですよ。麻疹みたいなものだから」と、マッタク意に介さない様子。
いろいろありそうな家だが、何だかんだうまくいっている人間関係が面白い。
(^_^)
初島という小料理屋のおかみ・須磨(木暮実千代)と、"日本国民民主化連盟主事"、"関東青年同志会事務局次長"、"日本國学新聞論説委員"を名乗る犬飼武五郎(加東大介)の怪しい2人もそうだが、オネェ言葉の福沢君も、男勝りの美代子もナカナカに飛び抜けた登場人物だ。
女性物のような普段着で、雑誌に出ているバレリーナの写真を見ながらいろいろとポーズをとり、組んだ両手の平が基本的に胸の位置にある福沢君と、見合いの席で、"おつむが禿げてる人は嫌い"と言ってしまう美代子は意外とお似合いだ。
(^。^)
美代子を演じている久慈あさみ(1922年~1996年)という女優さんを調べてみると、宝塚劇団で男役をしていた人のようで、淡島千景、南悠子と共に"東京の三羽烏"と呼ばれていたというそれなりに有名な人だったようだが、さすがに時代が違いすぎるのでマッタク知らなかった。
(^_^;)
「2人は恋愛関係なのかい」
「ばかね先生。そうじゃないからプレゼントなんかするんじゃないの。はっきりしちまえば何にもくれるものですか、男なんて」
「男にもいろいろあるだろう」
「あるもんですか。プレゼントなんて餌よ。おさかな釣るみたいなもんよ」
「じゃあ、そういうことにしておこう」
こういうざっくばらんな台詞のやり取りが多くて、市川崑監督の作品は面白い。

ズーランダー

2018年03月22日 | ムービー
『ズーランダー(原題ZOOLANDER)』(2001年/ベン・スティラー監督/アメリカ・オーストラリア・ドイツ)を見た。
物語は、「ニューヨークで活動しているデレク・ズーランダー(ベン・スティラー)は、過去10年間にわたってモデル業界のトップの座に君臨し、3年連続で"VH1ファッション授賞式"のベストモデル賞にも輝いている。自分自身も、モデル事務所のモーリー・ボールスタイン社長(ジェリー・スティラー)も、4連覇に自信満々だったものの、今年は、最大のライバルとなった新人男性モデルのハンセル(オーウェン・ウィルソン)に賞を奪われてしまったのだった。失意のズーランダーは引退を決意するのだが、そこに付け込んだのは、最低賃金引き上げと児童就労の禁止を国民に約束したマレーシアのハッサン新首相(ウッドロー・W・アサイ)を暗殺しようとしているグループ、すなわち、アジア各国の労働者から搾取を続けているアメリカ企業の経営者たちだった。彼らは、頭がカラッポで人形のように操れる男としてズーランダーを殺し屋に仕立て上げようとするのだが・・・」という内容。
ズーランダーは「カレンダーはいろいろな表情を出せる」と言うが、背景と服が違うだけで12枚の写真の表情はすべて一緒。
一世を風靡したというキメ顔の"ブルー・スティール"も、"ル・ティグル"も同じ顔にしか見えない。
誰か早く彼の勘違いを教えてあげていれば、受賞式における前代未聞の赤っ恥も防げたはずなのに。
(^。^)
自分を見つめ直そうと帰った故郷、ニュージャージー州の南部にある炭鉱地帯では、家族からも歓迎されないズーランダーが少し可哀想だ。
「石炭で肺をやられた。換気が悪い」と言うズーランダーに、父ラリー・ズーランダー(ジョン・ヴォイト)は、「まだたったの1日だぞ。30年後に聞いてやる」と辛らつだし、弟のスクラッピー(ジュダ・フリードランダー)もルーク(ヴィンス・ヴォーン)も、死んだような目つきで仕事に向かい、仕事のあとは寂れたバーでビールを飲みながらテレビのアメリカンフットボールを見る生活。
これはニューヨークのモデル業界とは世界が違い過ぎて、彼等と一緒の生活にはもう戻ることができないだろうことが決定的に思えた。
(^_^;)
「昔の子供は紡績工場から鉄の工場まで5歳から自由に働けた。でも今はその権利が脅かされている」と、ズーランダーを洗脳しようとするファッション・デザイナーのジャコビ・ムガトゥ(ウィル・フェレル)は、とてつもなく酷い奴だ。
まるで"2001年宇宙の旅"の猿のようにパソコンを扱うズーランダーは、そんな彼にとって都合のよい人間だったわけで、公開当時のキャッチコピー「3%の体脂肪率。1%の知能」というのは本当にぴったりだ。
本作品公開の15年後に大統領選で勝利することになるドナルド・ジョン・トランプ氏や、メラニア夫人、デヴィッド・ボウイなどがチョイ役で出演しているなど、何だか笑える物語だった。
(^_^)

Dearダニー 君へのうた

2018年03月20日 | ムービー
『Dearダニー 君へのうた(原題Danny Collins)』(2015年/ダン・フォーゲルマン監督/アメリカ)を見た。
物語は、「ロックスターのダニー・コリンズ(アル・パチーノ)は、かつてのヒット曲を歌う全国ツアーを続けていた。マネージャーであり親友でもあるフランク・グラブマン(クリストファー・プラマー)は、"とても素晴らしいステージだった"と誉めるが、本人は"素人芸としては悪くなかった"と不満げだ。翌日、婚約者ソフィー(カタリーナ・キャス)が企画したダニーの誕生日を祝うサプライズパーティーの後、フランクはダニーにあるプレゼントをした。それは1971年に当時10代だったダニー宛に書かれたジョン・レノンからの手紙だった。その手紙を読んだダニーは・・・」という内容。
ジョン・レノンからの手紙とは、1971年に"チャイム"という音楽雑誌に掲載されたダニーのインタビュー記事を読んだジョン・レノンが、本人に渡してくれとインタビュアーのガイ・デローチ(ニック・オファーマン)という男に手紙を託したものの、金になると踏んだデローチがコレクターに売ってしまったために、ダニーはその存在すら知らなかったという代物だった。
サプライズパーティーの際に、「中高年を驚かすと心臓が止まっちまうぞ」とジョークを言っていたダニーだが、この手紙を読んだ時は本当に心臓が止まってしまうほどに驚いたのではないだろうか。
当時のインタビューにもあったが、ジョン・レノンはダニーにとって最も崇拝する人だったのだ。
そんなジョン・レノンからの自筆の手紙には「金持ちで有名になることで君の音楽は堕落しない。堕落させるのは君自身。音楽と自分自身に忠実であれ。君はどう思う?直接話をしよう。力になるよ」とあり、自身の電話番号も書かれていた。
これは感動というより、悔しさが先にたつのではなかいか。
1971年にこのジョン・レノンからの手紙を読んでいれば、その後のダニーは曲作りを続け、今とは違う人生を歩んでいた可能性もあったからだ。
そして、これをきっかけに人生を変えようと思い立つのは当然の成り行きで、自家用飛行機でニュージャージー州へと向かい、気に入ったからとヒルトンホテルに無期限で滞在する。
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ホテル従業員は皆ダニーと気づいて大喜びだったが、支配人のメアリー・シンクレア(アネット・ベニング)は、それほどでもなかったのが面白い。
さて、この物語は、スティーヴ・ティルストンというフォークソング歌手に実際に起きたエピソードが基になっているとのこと。
世の中って色々なことがあるものだ。
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