仁左衛門日記

The Diary of Nizaemon

普通じゃない

2018年03月26日 | ムービー
『普通じゃない(原題A Life Less Ordinary)』(1997年/ダニー・ボイル監督/イギリス・アメリカ)を見た。
物語は、「天使のオライリー(ホリー・ハンター)とジャクソン(デルロイ・リンド)は、上司のガブリエル(ダン・ヘダヤ)から、"ロバート・ルイス(ユアン・マクレガー)とセリーン・ナヴィル(キャメロン・ディアス)を永遠の愛で結びつける"という任務を課せられた。失敗した時は天界に戻ることができず、永遠に下界で過ごさなくてはならないという厳しさだ。手段を選ぶ余地のない天使たちは、セリーンの父(イアン・ホルム)の会社で清掃員として働いていたロバートがクビになるよう仕組み、ガールフレンドのリリー(K・K・ドッズ)も、家もクルマも彼から奪ってしまった。元の仕事に戻れるよう社長にかけあうつもりのロバートだったが、成り行きで警備員から奪った拳銃を使って社長の足を撃ち、セリーンを誘拐してしまうのだった」という内容。
執事のメイヒュー(イアン・マクニース)は頭の上にリンゴを乗せて、直立不動。
それをプールの反対側から拳銃で撃つのだから、確かに"普通じゃない"。
珍しく、そのものズバリの邦題だ。
(^_^)
引金を引く直前に怖くなって動いてしまったエリオット・ズウェイケル(スタンリー・トゥッチ)のほうがまともだろう。
とはいえ、頭を打たれて歯医者として再起不能だと思われながらも治療行為を続けているらしいので、やはり彼も普通じゃないようなのだった。
(^。^)
天使たちがいるのは何故か天界の警察署なのだが、制服も建物の内装も備品も何から何まで真っ白に統一されている。
それほど重要なことでもないと思えたのだが、そこが監督のこだわりなのだろう。
ロバートが仕事を失うことになったのは、彼の代わりにルンバのような掃除ロボットが導入されたからなのだが、そこはなかなかに時代を先取りしていたエピソードで、少しばかり感心してしまった。

Shall We Dance?

2017年06月03日 | ムービー
『Shall We Dance?』(2004年/ピーター・チェルソム監督/アメリカ)を見た。
物語は、「シカゴ。相続専門の弁護士ジョン・クラーク(リチャード・ギア)は、仕事にも家庭にも恵まれ、現状には何の不満もないはずだったが、何か充実感を得られないでいた。ある日、帰宅中の電車から、社交ダンス教室の窓に物憂げにたたずむ一人の女性の姿を見つけ、その美しい姿に目を奪われてしまった。衝動的に電車を降りてしまったクラークは、そこを訪ね、誰にも内緒で社交ダンス教室に通うことになったのだが・・・」という内容。
これは日本映画『Shall we ダンス?』(1996年/周防正行監督)のハリウッド・リメイク作品で、冒頭の「岸川舞(草刈民代)のレッスンを期待していた杉山正平(役所広司)だったが、グループ担当は田村たま子(たま子先生/草村礼子)だった」という場面は、「ポリーナ(ジェニファー・ロペス)のレッスンを期待したものの、グループ担当はミス・ミッツィー(アニタ・ジレット)だった」というように、ほぼ同じエピソードから始まり、ほぼ同じ展開で話が進んでいく。
(^_^;)
竹中直人(青木富夫役)はスタンリー・トゥッチ(リンク・ピーターソン)に、渡辺えり子(高橋豊子役)はリサ・アン・ウォルター(ボビー役)に代わっているように、演じている人が違うだけのような作品だったのであるが、内容を変更する必要がないほどに周防正行監督の作品が素晴らしかったということ。
(^_^)
「あなたは額縁。彼女は写真。額縁の役目は写真の美しさを際立たせること」という台詞があったが、女性より男性が目立ってしまうようじゃ、審査員の採点も厳しくなってしまうのだろう。
(^。^)

モネ・ゲーム

2016年10月21日 | ムービー
『モネ・ゲーム(原題Gambit)』(2012年/マイケル・ホフマン監督/アメリカ・イギリス)を見た。
物語は、「イギリスで絵画のキュレーターをしているハリー・ディーン(コリン・ファース)は、メディア王であり美術品の収集家でもあるライオネル・シャバンダー(アラン・リックマン)のもとで働いていたが、彼の横柄さには長年不満を持っていた。いよいよ我慢の限界に達したハリーは、友人の退役軍人ネルソン少佐(トム・コートネイ)が描いたモネの贋作"積みわら・夕暮れ"をシャバンダーに買い取らせ、その代金1,100万ポンドを手に逃亡しようと企てた。シャバンダーに疑われないような作品にまつわるストーリーを考え、ネルソン少佐と共にアメリカに渡り、PJ・プズナウスキー(キャメロン・ディアス)を探し出した。計画通りに彼女を仲間に引き入れることに成功したハリーだったが・・・」という内容。
第二次世界大戦中、ナチスにより略奪されたその名画は、ゲーリング国家元帥の別荘に飾られていたのだが、別荘がパットン将軍率いる第1師団に襲撃された際に、隊長だったPJの祖父ブライアン・プズナウスキー軍曹の手に渡ったのだという。
その大戦以降の所有者がプズナウスキー家になったというのがハリーが作り上げたストーリーだったのだが、PJはテキサス州でのトレーラーハウス暮らし。
ハリーに代わって鑑定しようとしたマーティン・ザイデンベイバー(スタンリー・トゥッチ)の「70年近くもトレーラーハウスの壁に飾ってあったの?」というような台詞があったが、確かにそれは誰もが抱く疑問だろうし、不思議と何の劣化もないその絵を本物であるとはそう簡単には信用してもらえないだろう・・・。
(^_^;)
チケット代を負担してPJをイギリスまで呼び寄せたハリーだったが、予算にはあまり余裕がないようで、彼の自宅に寝泊まりさせようとするのが何ともショボい。
結局は彼女を高級なサヴォイホテルに宿泊させることになるものの、このホテル内でのドタバタ劇は意外と面白かった。
(^_^)
また、劇中で2016年11月8日にアメリカ大統領選挙を控えるドナルド・トランプ氏の名前が出てきて驚いたのだが、その名前は尊敬の対象としては使われていないようなのが笑えたのだった。

プラダを着た悪魔

2014年04月19日 | ムービー
『プラダを着た悪魔(原題The Devil Wears Prada)』(2006年/デヴィッド・フランケル監督/アメリカ)を見た。
物語は、「イリノイ州のノースウェスタン大学を卒業したアンドレア・サックス(アン・ハサウェイ)にはロースクールに進む選択肢もあったのだが、ジャーナリストを目指すことに決め、ニューヨークにやって来た。おしゃれにはマッタク無関心なものの、一流ファンション誌"ランウェイ"のカリスマ編集長ミランダ・プリーストリー(メリル・ストリープ)のジュニア・アシスタントとして働くことになったアンディ。ここで1年勤め、次の仕事のステップにしたいと安易に考えていたのだが、早朝からシニア・アシスタントのエミリー(エミリー・ブラント)に叩き起こされたのを手始めに、ミランダから次々と無茶な命令を突きつけられていき・・・」という内容。
世界中のおしゃれな女性が憧れる職場とのことだったが、エミリーが昇格したあとの前任者達はその厳しさに耐えかねて次々と辞めていったようで、当然アンディも期待はされておらず、"次のエミリー"と呼ばれる始末だし、アンディも、同棲中のネイト(エイドリアン・グレニアー)に、ヒールをコツコツ鳴らして歩く同僚達のことを"コツコツ"と名付けて話す等、どうしても職場の雰囲気に馴染めない。
そうなると辞めるのも時間の問題となるのだろうが、"君は努力してない。甘ったれるな"と追い討ちをかけられながらもナイジェル(スタンリー・トゥッチ)に助けられたのは、"内面の美"を追求する彼が同じ職場にいたからで、これはアンディのとてもラッキーな点だったろう。
もし、ジェイムズ・ホルト(ダニエル・サンジャタ)やクリスチャン・トンプソン(サイモン・ベイカー)が同僚だったら、そうはならなかったかもしれない。
著者の経験を元に書かれた同名小説が原作とのことなので、どうやら悪魔は実在したようだ。
(^。^)
"女はバッグ持ち過ぎ"というネイトの台詞には妙に納得できる、なかなかに楽しい作品だった。

ターミナル

2009年11月09日 | ムービー
『ターミナル(原題The Terminal)』(2004年/スティーヴン・スピルバーグ監督/アメリカ)を見た。
物語は、「ジョン・F・ケネディ国際空港(ニューヨーク)に到着したビクター・ナボルスキー(トム・ハンクス)は、出国直後に祖国クラコージアでクーデターが勃発したことからビザが取り消され、アメリカ入国を拒否されてしまった。殆ど英語が理解できないビクターは一体何が起きたのか理解できないまま、数日分の食事チケットを警備局から渡され、空港内で足止めされてしまう。違法な入国者が絶えないアメリカではあるが、生真面目なビクターはそこから逃走しようとせず、空港で生活しながら入国許可を待つようになり、やがて、空港で働く人達との間に交流が生まれ・・・」という内容。
この物語に登場する"クラコージア"という国家は架空の存在で、映像にもそれらしきものは一切登場しないのであるが、これと同時期に『ボラット/栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習』(2006年/ラリー・チャールズ監督/アメリカ)を見ていたので、どうしても『ボラット』に登場するカザフスタンの映像が頭に浮かんでしまうのだった。
(^_^;)
それにしても、空港警備局主任のフランク・ディクソン(スタンリー・トゥッチ)という男は意地が悪い。
折角見つけた"25セントを稼ぐ方法"を取り上げ、「捕まるなら空港の外で捕まれ」と、ビクターが不法入国するように仕向ける。
局長への出世を目前に控えて何も問題を起こしたくないということなのだが、こういった身勝手で人間味の無い奴はどこの国、いつの時代にもいるのだろう。
それに対して、清掃員のグプタ(クマール・パラーナ)は、根っからのひねくれ親父では無かったわけだ。
(^o^)
キャビンアテンダントのアメリア・ウォーレン(キャサリン・ゼタ=ジョーンズ)に関しては、"ビクターのために努力した"というより、自分の行いを心の中で正当化するために"ビクターを利用した"と見るほうが正しいだろう。
まぁ、空港のターミナルには様々な人間が集まってくるというわけである。
(^_^)