仁左衛門日記

The Diary of Nizaemon

Dearダニー 君へのうた

2018年03月20日 | ムービー
『Dearダニー 君へのうた(原題Danny Collins)』(2015年/ダン・フォーゲルマン監督/アメリカ)を見た。
物語は、「ロックスターのダニー・コリンズ(アル・パチーノ)は、かつてのヒット曲を歌う全国ツアーを続けていた。マネージャーであり親友でもあるフランク・グラブマン(クリストファー・プラマー)は、"とても素晴らしいステージだった"と誉めるが、本人は"素人芸としては悪くなかった"と不満げだ。翌日、婚約者ソフィー(カタリーナ・キャス)が企画したダニーの誕生日を祝うサプライズパーティーの後、フランクはダニーにあるプレゼントをした。それは1971年に当時10代だったダニー宛に書かれたジョン・レノンからの手紙だった。その手紙を読んだダニーは・・・」という内容。
ジョン・レノンからの手紙とは、1971年に"チャイム"という音楽雑誌に掲載されたダニーのインタビュー記事を読んだジョン・レノンが、本人に渡してくれとインタビュアーのガイ・デローチ(ニック・オファーマン)という男に手紙を託したものの、金になると踏んだデローチがコレクターに売ってしまったために、ダニーはその存在すら知らなかったという代物だった。
サプライズパーティーの際に、「中高年を驚かすと心臓が止まっちまうぞ」とジョークを言っていたダニーだが、この手紙を読んだ時は本当に心臓が止まってしまうほどに驚いたのではないだろうか。
当時のインタビューにもあったが、ジョン・レノンはダニーにとって最も崇拝する人だったのだ。
そんなジョン・レノンからの自筆の手紙には「金持ちで有名になることで君の音楽は堕落しない。堕落させるのは君自身。音楽と自分自身に忠実であれ。君はどう思う?直接話をしよう。力になるよ」とあり、自身の電話番号も書かれていた。
これは感動というより、悔しさが先にたつのではなかいか。
1971年にこのジョン・レノンからの手紙を読んでいれば、その後のダニーは曲作りを続け、今とは違う人生を歩んでいた可能性もあったからだ。
そして、これをきっかけに人生を変えようと思い立つのは当然の成り行きで、自家用飛行機でニュージャージー州へと向かい、気に入ったからとヒルトンホテルに無期限で滞在する。
(^_^;)
ホテル従業員は皆ダニーと気づいて大喜びだったが、支配人のメアリー・シンクレア(アネット・ベニング)は、それほどでもなかったのが面白い。
さて、この物語は、スティーヴ・ティルストンというフォークソング歌手に実際に起きたエピソードが基になっているとのこと。
世の中って色々なことがあるものだ。
(^_^)

トレヴィの泉で二度目の恋を

2017年07月09日 | ムービー
『トレヴィの泉で二度目の恋を(原題Elsa & Fred』(2014年/マイケル・ラドフォード監督)を見た。
物語は、「80歳の"偏屈な老人"、フレッド・バークウェル(クリストファー・プラマー)は、長年連れ添った妻を亡くして7ヶ月になる。娘リディア(マーシャ・ゲイ・ハーデン)の勧めで一軒家からアパートへ転居することにしたのだが、その引っ越し中、隣の部屋の住人エルサ・ヘイズ(シャーリー・マクレーン)運転のクルマが、リディアのクルマに追突してしまう。一時は知らないふりをするものの、リディアの子供が現場を見ていたことから、居合わせたエルザの長男スコット(レイモンド・ヘイズ)が後日に損害賠償をすることとなった。ところが、エルサは"未亡人である自分の年金で5人の孫たちを養っている"という作り話でフレッドを騙し、彼は同情心から小切手を返却したのだった。一見ぶっきらぼうな彼の優しさにエルサの心は・・・」という内容。
本作冒頭でのエルサの事故シーンは、「あ、これはやるな」と思いながら見ていたら、本当にそうなった。
あれはありえそうで怖い。
(^_^)
ここ数年の日本では、高齢者が運転するクルマの高速道路の逆行や通行人などを巻き込んだ重大な事故が、よく報道で取り上げられるのだが、このエルサには「注意力、集中力って必要だよなぁ」と再認識させられる。
(^。^)
無茶苦茶に嘘つきで、何事にもいい加減な感じのばあちゃんだが、若い頃に見た映画(『甘い生活』1960年/フェデリコ・フェリーニ監督/イタリア)のワンシーンを再現したいという夢を未だにあきらめていないことや、奔放で前向きなその人間性を見ていると、何だか憎めない感じがしてくる。
しかし、それは映画作品だからであって、実際にああいう人が近くにいたらきっと大変だろう。
(^_^;)
ラヴァーン「買い物に行きます。何か欲しいものは?」
フレッド「30歳若返って健康な前立腺が欲しいね」
ラヴァーン「分かりました。あるかどうか見てきます」
それほど登場場面は多くなかったものの、フレッドの世話係、ラヴァーン(エリカ・アレクサンダー)の脱力感も面白かった。

インサイド・マン

2010年11月08日 | ムービー
『インサイド・マン(原題Inside Man)』(2006年/スパイク・リー監督/アメリカ)を見た。
物語は、「マンハッタン信託銀行32番支店に銀行強盗が押し入った。早速、ニューヨーク市警のキース・フレイジャー(デンゼル・ワシントン)が交渉人として現場で指揮を執ったが、犯人達の準備は周到で事件解決の糸口はつかめなかった。そんな時、ニューヨーク市長と共にマデリーン・ホワイト弁護士(ジョディ・フォスター)が事件現場に現れた。この銀行の会長であるアーサー・ケイス(クリストファー・プラマー)からある依頼を受けた彼女は・・・」という内容。
映画の冒頭に流れるインド風の何とも怪しい曲が、それから起きるであろう事件の不可解さを予言しているようで、見ている側に漠然とした不安感を抱かせる。
以前だとイスラムを彷彿させる曲が使われていた筈だが、現在ではそれだと「強盗」より「テロ」をイメージさせてしまうことから、今後はこういった曲調が使われていくことになるのか。
やはりアメリカ人にとって、アジアはまだまだ訳の分らぬ不思議な地域なのだろう。
(^o^)
まったく事前情報を持たないまま見たので、フレイジャー刑事を演じているのがデンゼル・ワシントンだとはしばらく気が付かなかった。
何か感じが変わったような気がするのだが、歳をとったというだけか!?
そのフレイジャーは優秀な刑事のようだが、結婚を考えている彼女(婦警)の弟には3回の逮捕歴があるという。
「ろくな犯罪者にもなれないチンピラだ」と最低の評価をしながらも、そんなことは関係無く彼女にはメロメロ。
事件の進行中、所々で解決後の様子が挟み込まれるのだが、時系列を無視して物語を展開させる手法は、ここ数年流行しているようだ。

理想の恋人.com

2008年05月20日 | ムービー
『理想の恋人.com(原題Must Love Dogs)』(2005年/ゲイリー・デイヴィッド・ゴールドバーグ監督/アメリカ)を見た。
物語は、「8ヶ月が過ぎても離婚のショックから立ち直れないでいるサラ・ノーラン(ダイアン・レイン)は、新しい恋人を作らせようとする兄弟姉妹達の度重なるおせっかいに辟易していたのだが、姉キャロル(エリザベス・パーキンス)は、内緒でサラをインターネットの恋人募集サイトに登録してしまう。一方、手作りボートを製作販売しているジェイク(ジョン・キューザック)も離婚が成立し、友人チャーリーがやはり本人に内緒でサイトで見つけたサラのメッセージに返事を出し、勝手にデートの約束をしてしまう・・・」という内容。
インターネットが爆発的に普及した現代ならではの展開だが、意外と出演者達の年齢が高い。
(^。^)
それは、サラもジェイクも離婚経験者であることと、「本当の恋がしたい」と願っているという設定なだけに、余り若い配役にすることができなかったのだろうか。
また、ラブコメの場合、「哀しい結末にはならない」という大前提があるだけに、安心しきって見てしまう観客を飽きさせることなく、どう話を展開させていくのかが難しいと思うのだが、この物語ではサラの父親ビル(クリストファー・プラマー)が大活躍して、見る側を飽きさせなかった。
しかも、終盤には良い台詞も用意されていたし、無くてはならない存在として描かれていたのは良かった。
『理想の恋人.com』は、とても解りやすく内容を推測できる邦題ではあるのだが、何ともひねりが無いし、サラとジェイクが犬を追い払ってしまう最後のシーンの面白さも伝わって来ない残念なタイトルであるような気がする。
配給会社の成績などは判らないものの、おそらくスポンサーは見つけやすく、製作費に困ることは無かった作品に違いないと推測。
(^_^)