nishimino

にしみの鉄道情報局付属ブログ

しらさぎ・681系683系時代

2024-04-07 | 鉄道

しらさぎは2003年に485系から683系2000番台に車両が置き換えられました。683系は681系の改良版として2001年に登場した車両で、車体がアルミ製になり、主回路などのシステムが見直されています。編成の自由度を上げるため、非貫通型の先頭車は全てグリーン車のみで、それ以外の先頭車は全て貫通型として製造されています。また非貫通型の先頭車の連結器カバーが廃止されています。

初期製造車の0番台は京都支所(京都総合運転所→吹田総合車両所京都支所)へ配置されたサンダーバード用で、北越急行に乗り入れる予定が無く、最高速度130km/hでの運転だったので、M車は車輪側面ディスクブレーキを省略して、踏面ブレーキのみとなっています。

金沢所(金沢運転所→金沢総合車両所運用研修センター)へ配属のしらさぎ用の2000番台はサンダーバード編成と塗装が異なり、485系のあおさぎ編成同様、オレンジの細い帯が入っています。これは現在まで681系683系のしらさぎ色として踏襲されています。

683系2000番台時代のしらさぎ 撮影 2007年11月4日 新疋田

撮影 南今庄今庄間 2008年7月12日

編成は基本が5両で増結3両という構成で、多くは5+3の8両編成で運行され、列車によっては米原駅で3両の増結が行われ11両編成で運転されるケースもありました。米原発着のしらさぎ(旧加越)は、5両単独で運転される場合も多く、需要に合わせて、柔軟な編成を組んでいました。また米原駅での付属編成の増解結のため、サンダーバードとは編成の向きが逆で、富山名古屋側にグリーン車が来ます。もっとも、サンダーバード編成も北陸新幹線金沢開業した2015年3月の改正で、方向転換が行われ、しらさぎ編成とグリーン車の向きを揃えています。

 

撮影 米原 2024年3月9日

681系638系の基本編成付属編成との増解結は、金沢での七尾線直通列車などで、かっては頻繁に見られましたが、いまでは米原駅でのしらさぎのみとなっています。米原駅での増解結は、北陸本線敦賀開業後も実施されています。

 

683系時代のしらさぎは、車体側面にエンブレムが入っていました。しらさぎに2003年3月に683系が投入された当初は、米原金沢間を運行する加越も同時に683系に置き換えられ、しらさぎと共通運用になりました。同年9月に485系から全て683系に変わり、同年10月に加越はしらさぎに統合されることになりました。そのため当初の半年だけ、車体側面のしらさぎのエンブレムには加越も入っていました。しらさぎと加越ですが、同じ金沢所の485系を使っていたのですが、国鉄時代からJR初期は、加越の方が編成が短い、同じ区間をは運行するきらめき(1988~1997年運行)との共通運用などがあり、しらさぎと運用も分離されていましたが、485系時代の末期は完全に共通運用となっていました。

 

上 半年だけみられた加越としらさぎのダブルネームのエンブレム

下 しらさぎ単独のエンブレム

 

683系はその後2005年に北越急行向けに8000番台が9両(6+3編成)製造されました。北越急行線内で最高速度160km/h運転を行うため、681系と同じく、M車は車輪側面ディスクブレーキが装備されています。また2009年から2011年にかけて雷鳥に最後まで残った485系を置き換えるため、4000番台が製造され金沢所へ配置されています。

 

2015年の北陸新幹線金沢開業では、しらさぎは車両の総入れ替えを行う事になりました。越後湯沢金沢間のはくたか用のJR西日本所属の681系0番台と北越急行所属の681系2000番台、683系8000番台が、しらさぎ運用に転用されました。金沢所のはくたか編成は6両編成と増結3両で、方向転換の上、そのまましらさぎに踏襲されました。北越急行所属車は、全てJR西日本に移籍しています。681系と683系は、改正前にしらさぎ色に変更されはくたか運用に入っていましたが、一部はそのままの塗装でしらさぎに使われています。

 

681系0番台しらさぎ 撮影 田村 2018年5月18日

683系8000番台のしらさぎ 後ろ3両は681系 撮影 木ノ本余呉間 2020年8月14日

 

 

しらさぎに転用された681系0番台の大半は、雷鳥サンダーバード用として1995年に金沢所に新製配置された車両で、JR西日本持ちのはくたか運用の485系を置き換えのため、2001年から2011年にかけて、683系0番台と4000番台の増備で順次はくたか運用に転用されています。ただし1997年製の基本編成のW01・W02編成、付属編成のW11・W12編成の18両は、当初からはくたか用として新製されています。681系0番台付属編成4本はサンダーバード運用のまま残りました。2本が京都支所、2本が金沢所の配置でしたが、金沢所の2本も683系4000番台の転属に合わせて京都支所へ転属しています。そのため、サンダーバードの基本編成は全て683系ですが、付属編成には681系が見られます。

 

増結車が681系のサンダーバード 撮影 大津京 2023年3月5日

 

なお従来のしらさぎ用の683系2000番台は、一部の付属編成を除き、交流機器を撤去し289系に形式変更して、紀勢本線のくろしお、北近畿地区のはしだてなどに転用され、381系を置き換えました。

 

撮影 名古屋 2021年12月7日

北陸新幹線金沢開業後のしらさぎ編成は全て定期運用で北越急行に乗り入れ、160km/h運転を行っていた車両なので、M車は車輪側面ディスクブレーキを装備しています。

 

2024年3月に北陸新幹線は敦賀まで開業し、在来線特急は敦賀止まりとなりました。北陸新幹線敦賀開業に伴うダイヤ改正にあわせて、681系683系のしらさぎ編成は金沢所から全て京都所に転属しています。なお、金沢所のサンダーバード編成は昨年3月に一足早く京都支所に転属しています。能登かがり火運用分を除いて、681系683系の車両配置が京都支所へ集約されたダイヤ改正後も、しらさぎとサンダーバードの運用は明確に分離されていて、敦賀でのサンダーバードからしらさぎへの折り返しは行われず、しらさぎの入出庫は、らくラクびわこ(休日ダイヤでは回送)で行われているようです。今回の改正で、びわこエクスプレスから名称が変更されたらくラクびわこは、サンダーバード用編成からしらさぎ編成で運行されるようになりました。

従来のしらさぎが基本の6両編成が11本配置の8運用(ダイナスターやホームライナー大垣を含む)、付属3両編成が8本配置で7運用(能登かがり火おはようEXP・おやすみEXPを含む)ですが、6両単独で走るしらさぎも多く、通常は5~6運用程度のようでした。そのためここ最近はしらさぎの付属編成が、サンダーバードの運用の入ることは比較的多かったようです。

ダイヤ改正前のしらさぎは、基本編成が5運用(入出庫のらくラクびわこを含む)、付属編成が3運用と推定され、所要編成数が大幅に減少します。すでに能登地震で被災した681系のW08編成が廃車回送され、W05編成(京都支所W91編成)も廃車前提で、金沢所から京都支所へ転属しています。この2編成以外にしらさぎ用の681系の廃車の動きは今のところ見られません。

サンダーバード運用は従来9両編成が12本で12運用、6両編成が6本で5運用、3両編成が16本配置で15運用でしたが、ダイヤ改正後は9両編成が9運用、3両編成が9運用と推定され、こちらも運用数が大幅に減少します。一部ではサンダーバード用の6両編成の683系0番台がしらさぎ運用に転用されると言われていますが、今のところしらさぎ色に塗り替えられた、683系0番台は見られません。

681系の検査期限に余裕のある状態の良い編成を当分の間継続使用し、その間に683系の交流機器の撤去や283系等の置き換えのための改造を行う計画があるのかもしれません

参考 鉄道ファン2023年4月号 特集 681・683系全形式全番台

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« しらさぎ・485系時代 | トップ | 変な家 »

コメントを投稿

鉄道」カテゴリの最新記事