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さんぽみちプロジェクト

さんぽみちプロジェクトの記録。
和歌山新報で日曜日一面に連載中の「WAKAYAMA NEWS HARBOR」と連携。

収穫時期の違いで2つの呼び名 酸味・香りが強い「グリーンレモン」

2024-12-15 15:45:15 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
前号では、ポルトガルが原産の「リスボン」と、柚子の変異種とされる「日向夏」を交配した新鋭の国産レモン「璃の香」を取り上げた。
この時期に販売されるレモンは、緑色と黄色のものがあり、緑色のレモンには「グリーンレモン」の名が付けられている。


【写真】和歌山県産の「グリーンレモン」

しかし、グリーンレモンという名称の品種は無く、あくまで呼び名。一方、一般的な黄色のレモンは「イエローレモン」と呼ばれる。
いずれも同じ品種である両者の違いと、それぞれの魅力を紹介したい。

そもそも、呼び名が異なる理由は果皮の色に関係する。果実が若く果皮が緑色のうちに収穫されるため、グリーンレモンと呼ばれる。収穫時点では緑色をしているが1ヶ月程経過すると果皮の色が黄色くなり、一般的な黄色に変化していく。
外国産のレモンが黄色であるのはそれが理由で、グリーンレモンとして収穫されたものが日本に到着する頃には黄色になっているというもの。バナナと同じ原理である。

国産のイエローレモンは収穫後に貯蔵した後に販売されるわけではなく、あくまでも樹上で完熟したものを収穫し出荷。それ故に、10月から12月頃に収穫した早熟のグリーンレモンと、1月から4月頃に収穫した完熟のイエローレモンは同じ木に成ったものである。

グリーンレモンの特徴は、酸味と香りの強さ。料理や飲料において独特の風味を出してくれる。
一方、イエローレモンは酸味が和らぎ甘味が増し、風味も穏やかになり、果汁も多くなる。

今はグリーンレモンとイエローレモンの両方が出回る時期。食材によって異なる色のレモンを使い分け、最盛期ならではのフレッシュな味わいを楽しんでほしい。

(次田尚弘/和歌山市)
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リスボンと日向夏を交配 新鋭の国産レモン「璃の香」

2024-12-08 13:31:31 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
前号では、果汁がたっぷりで酸味よりも甘味が先行する「マイヤーレモン」を取り上げた。
全国3位のレモンの生産地である和歌山県。レモン栽培は他の品種でも。今週は2015年から栽培は始まった「瑠の香(りのか)」を紹介したい。


【写真】サイズが大きく果汁も多い「璃の香」

瑠の香は、ポルトガルが原産の「リスボン」に、柚子の変異種とされる「日向夏」を交配して生まれた品種。登録上はカンキツ属の交雑種であるが、外観や利用用途がレモンに近いため、レモンの新品種として普及が進んでいる。

果実のサイズは200g程度と大きめ。親品種のリスボンの約1.3倍とされる。外皮が薄く、種が少ない。果肉の割合が約8割と実がしっかりと詰まっており果汁が豊富。

食してみるとマイヤーレモンほどの甘味は無く、レモンらしい適度な苦味を感じる程度でまろやかな味わい。香りは日向夏との交配種とあって、レモンの香りは控えめで、春柑橘のような香りがする。皮ごと調理でき、マーマレードなどの加工品として利用されることも多い。

璃の香の強みは、レモンに多い病気である「かいよう病」の発病割合が一般的なレモンよりも低いこと。一般的に約半数といわれる発病割合が、璃の香の場合は2割以下と耐性に優れた品種である。

黄色に熟した果実の収穫期は11月下旬頃から始まる。農水省統計(2021年)によると、主な生産地は静岡県で収穫量は6t程度。昨今は各地に栽培が広がっており、筆者は有田川町で栽培されたものを購入した。

香川県では、ブランド化を目的に県内で栽培されるレモンに「さぬき讃レモン」の愛称を付ける取り組みを開始。璃の香もそのひとつとされ、今後の栽培拡大を期待されている。

旬を迎えているレモン。ぜひ、県内産のフレッシュな味わいを楽しんでほしい。

(次田尚弘/和歌山市)
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酸味よりも甘味が先行 県内でも栽培「マイヤーレモン」

2024-12-01 15:33:34 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
前号では、瀬戸内の魅力を凝縮し、サッパリとした味わいの「レモン鍋つゆ」を取り上げた。国内におけるレモンの三大産地は、広島県(約4400t)、愛媛県(約1700t)、和歌山県(約800t)と、瀬戸内海に面した地域での栽培が盛ん。レモンにも様々な種類がある。
今週は和歌山県内でも栽培される希少品種「マイヤーレモン」を紹介したい。


【写真】和歌山県産の「マイヤーレモン」

マイヤーレモンはレモンとオレンジが自然交配した品種とされる。中国が原産で、日本の実業家がアメリカから国内に持ち帰り、兵庫県川西市の専修学校で栽培。昭和35年(1960年)頃、伊丹市の農家に譲渡され栽培が広がった。現在も伊丹市内での栽培が盛んで、市のマスコットキャラクターに起用されるほど。地域の特産品として定着している。

生産量が多くないため統計データは無いが、国内で栽培されるマイヤーレモンの約9割が三重県産とされる。栽培に欠かせないのが豊富な水分であるという。豊富な雨量と水はけの良さが栽培の条件で、国内の平均的な降水量の2倍近くの降雨がある三重県御浜町や紀宝町が主な栽培地。以前、紀宝町を取り上げた当コーナーで紹介のとおり。同様の条件が揃う和歌山県内でも栽培が進んでいる。

見た目は一般的なレモンと比べると丸みを帯びた形状。輪切りにしてみると外皮の薄さに驚くと同時に、香りの高さと果汁の多さに気付かされる。皮まで食べられるレモンと言われ、お菓子やジャム作りに重宝されるほか、一般的なレモンより果汁が2~3割多いことからジュースに使用されることも。酸味よりも甘味が先行する不思議なレモンである。

収穫は10月上旬頃から。収穫の開始時期は果実が緑色で、12月に入ると黄色のものが出回り始める。果汁たっぷりで魅力的な味わいのマイヤーレモン。ぜひ、食してみてほしい。

(次田尚弘/和歌山市)
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瀬戸内の魅力を凝縮 サッパリ旨い「レモン鍋つゆ」

2024-11-17 20:16:30 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
前号では、地域の特産品を組み合わせ、冬の食卓を彩る「柑橘鍋つゆ」を取り上げた。
様々な鍋つゆが親しまれるなか、元祖の柑橘鍋ともいえる存在が「レモン鍋」である。
かつて、筆者が住んでいた広島県では、冬の風物詩として飲食店で提供されるほど。
昨今は複数のメーカーからレモンを使った鍋つゆが売り出されるなど、ファンが増えている模様。今週は「レモン鍋つゆ」を紹介したい。


【写真】白菜との相性抜群の「レモン鍋つゆ」

筆者が購入した鍋つゆは、塩気を感じる鳥ガラスープをベースにしたもの。つゆの色は少し白みを帯びた透明で、爽やかなレモンの香りが漂う。チキンがベースであるため、鍋には鶏肉を入れることにした。

一般的な鍋の具材である白菜やエノキ、椎茸などを入れ温める。食してみると白菜との相性が良く風味が際立つ。鶏肉もあっさりと食することができ、素材の味を引き立て、箸が進む。一方で椎茸は互いの香りが邪魔をするのか、筆者にとってはあまり魅力的な味わいではなかった。

鍋のトッピングにオススメしたいのが中華麺。レモンの鍋つゆは、豆乳鍋のように、つゆを多く飲むことはないため、つけ麺のような食べ方になるが、レモンの風味と小麦を使った麺の食感が合う。つゆの楽しみ方としては、チーズを入れリゾット風にして食する方法がある。

2021年の農水省統計によると、レモンの収穫量第1位の都道府県が広島県(約4400t)、第2位が愛媛県(約1700t)、第3位が和歌山県(約800t)と、和歌山県は全国シェアの約1割を占める。

瀬戸内レモンの名で、広島県や愛媛県が産地として知られるが、実は和歌山県もレモンの産地。柑橘の一大産地として、レモンを使ったご当地ならではの商品が生まれることを期待したい。

(次田尚弘/神戸市)
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地域の特産品を組み合わせ 冬の食卓を彩る「柑橘鍋つゆ」

2024-11-10 19:30:01 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
11月7日、大阪管区気象台は近畿地方で「木枯らし1号」が吹いたと発表。昨年より4日早く、朝晩は冷え込むようになった。秋の深まりを感じるこの時期は、お鍋の季節の到来でもある。

昨今、豆乳鍋を筆頭に、豚骨醤油鍋やキムチ鍋まで、様々な「鍋つゆ」が販売され、冬の食卓のレパートリーが増えた方も多いのではないか。
先日、とある食料品店で「柑橘鍋つゆ」なるものを見つけた。柑橘を使った鍋つゆとはどのようなものか、実際に食してみた。


写真】柑橘の果汁と鶏ガラスープで作られた「柑橘鍋つゆ」

購入した鍋つゆには3種の柑橘が使われている。「柚子(ゆず)」「酢橘(すだち)」「柚香(ゆこう)」の果汁が配合され、塩味の鶏ガラスープをベースにしている。
使用されている食材は全て徳島県産。柚香という柑橘は徳島県の山間部でのみ栽培されている希少品種。柚子とダイダイの自然交配による品種とされる。

徳島県では「香り柚子、酸味酢橘、味柚香」といわれるほど親しみ深い柑橘のひとつ。筆者が購入した鍋つゆには、3種全てが配合されており、徳島県が誇る柑橘を凝縮した逸品である。スープに使用されている鶏ガラも徳島県産の「阿波地鶏」。大手航空会社におる地域振興のプロジェクトの一環で開発されたもので、地域の特産品の消費拡大を目指している。

鶏ガラスープであるため、鶏肉をベースに野菜を入れ、鍋つゆを注ぐ。食してみると柑橘のほのかな風味に薄い塩味を感じる。鶏ガラスープであるが強調し過ぎることなく、柑橘の旨味を引き立てる程度の薄味で、あっさりとした鍋を楽しみたいときにオススメしたい。

地域の特産品を組み合わせ、人気を博す鍋つゆの領域への挑戦。あっさり味の新たなジャンルとして、食卓に浸透することを期待したい。

(次田尚弘/神戸市)
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