さんぽみちプロジェクト

さんぽみちプロジェクトの記録。
和歌山新報で日曜日一面に連載中の「WAKAYAMA NEWS HARBOR」と連携。

桃の概念を覆す 濃厚で芳醇な味わい「黄金桃」

2024-08-11 19:47:15 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
前号では、鰻と梅干しの食べ合わせについて取り上げた。食欲が落ちる猛暑の夏でも、美味しく水分と栄養分を摂取できるのが桃。
この時期に出回る、一風変わった桃が「黄金桃(おうごんとう)」だ。外皮が一般的な桃の色とは異なり、美しい黄色をした品種。今週は黄金桃を紹介したい。


【写真】まるでマンゴーのような「黄金桃」

黄金桃は「川中島白桃」の偶発実生として誕生したもの。果実のサイズは300g程度とやや大きめ。見た目が可愛らしく香りも良好である。袋を被せて栽培したものは美しい黄色に仕上がるが、無袋で栽培したものは果皮が赤くなる特徴がある。

食してみる甘味が強く、程よい酸味もあり、極めて濃厚な味わい。緻密な果肉と豊富な果汁から、熟したものはまるでマンゴーのような舌触りになり、見た目も味も、桃の概念を覆してくれる。

一般的な桃と同様に、そのまま食するのがシンプルでその味わいを堪能できるが、酸味を活かして、ケーキやタルトに使うことも。
また、マンゴーのようにミキサーにかけ、スムージーにしても美味しくいただける。

農水省統計(2020年)によると、主な生産地は、長野県(35ha)、山梨県(31ha)、山形県(28ha)、福島県(20ha)、新潟県(3ha)と、甲信越と東北。
和歌山県は第10位で2ha程度と栽培面積は僅かであるが、とくに今年は産直市場などで目にする機会が多い。

黄金桃は晩生種とされ、全国的には9月中旬頃まで出回るが、和歌山県内では7月下旬には市場に並ぶ。今が食べ時の黄金桃。桃の概念を覆す、極めて美味しい筆者おすすめの品種。ぜひ、食べてみて欲しい。

(次田尚弘/和歌山市)
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猛暑の夏に効果あり? 「鰻と梅干し」の食べ合わせ

2024-08-04 19:02:30 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
前号では、冷凍した実山椒を使った「粉山椒」の作り方を取り上げた。
今年は2回ある土用の丑の日。先月24日に続き、今月5日にも食べようと検討されている方もいるだろう。猛暑が続き、塩分補給のために梅干しを食べる方も多いと思う。
祖母が健在な頃、鰻と梅干しの食べ合わせは良くないと聞いた記憶がある。暑い季節に欠かせない存在の両者。本当に同時に食べることに問題があるのか、調べてみた。


【写真】食べ合わせが心配される「鰻と梅干し」

結論からいうと、この食べ合わせに問題があるという医学的根拠は無く、あくまで迷信であるという。医学的には、鰻の油分の消化を助けるために、胃酸を濃くする作用がある梅干しは、むしろ良い組み合わせ。筆者も試してみたが、体調に変化は無かった。
ただし、個人ごとに持病の有無などで何等かの不都合が起きる可能性は無いとは言えないため、不安な方は医師に相談されたい。

迷信ができた理由を探ると、民俗学に関係する。一説に過ぎないが、梅干しは胃酸を分泌させることで食欲が増し、高価な鰻を過食してしまうため、健康的にも、贅沢という観点からも、それらを戒めようというもの。

他には、暑さで鰻が腐敗していると酸味が出るが、梅干しを同時に食べると、どちらの酸味であるか区別が付かないというもの。昔の方々の生きるための知恵から、鰻と梅干しの迷信が生まれたことに合点がいく。

だが、迷信であると聞き流してはいけない食べ合わせは存在する。例えば、鰻とスイカ。水分の多い食物と油分の多い食物を食べると胃液が薄まり、消化不良を起こすことがあるという。胃腸に自信が無い方は、避けた方がよさそう。

暑さが厳しいこの季節。健康第一で乗り切りたい。

(次田尚弘/和歌山市)
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