さんぽみちプロジェクト

さんぽみちプロジェクトの記録。
和歌山新報で日曜日一面に連載中の「WAKAYAMA NEWS HARBOR」と連携。

和歌浦エリアの象徴 雑賀山に鎮座「紀州東照宮」

2020-09-27 16:34:48 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
前号では、里山広がる豊かなエリアと題し、新旧様々な観光名所が点在する和歌山市東部の魅力を取り上げた。
今週は南西方向に進路を変え、和歌浦周辺へと進みたい。


【写真】紀州東照宮(左)と和歌浦エリア

風光明媚な和歌浦エリア。空から眺めると「紀州東照宮」と「御手洗池公園」が目に飛び込んでくる。
青々とした雑賀山の中腹に本殿が建ち、地上の参道から続く石段によるアプローチが特徴的。
参道と繋がる扇形の「御手洗公園」は、御手洗池の中央に浮かぶ島と、それに架かる赤い橋の存在が目立つ。
紀州東照宮は元和7年(1621年)、紀州藩初代藩主の徳川頼宜により創建。本殿から見る和歌浦湾の景色は美しい。

紀州東照宮を広域で見てみると、南東方向に玉津島神社、南北に長く伸びる片男波がある。
紀州東照宮から玉津島神社へと延びる「あしべ通り」は空から見ても存在感のある幹線道路。

その先にある「不老橋」は、かつて、紀州東照宮の祭礼である「和歌祭」の際に、徳川家や東照宮の関係者が「東照宮御旅所」に向かう「お成り道」として架けられたもの。
嘉永3年(1850年)に着工し、翌4年に完成したアーチ型の石橋で、紀州藩10代藩主・徳川治宝の命により作られた。
橋台のアーチ部分は熊本の石工集団の施工で、江戸時代におけるアーチ型の石橋は九州以外では非常に珍しいとされる。

平成20年に県指定文化財(名勝・史跡)、平成22年には国指定文化財(名勝)「和歌の浦」の構成要素の一つとなり、和歌山の文化を色濃く残す存在となっている。

秋の行楽シーズン。身近な観光名所である和歌浦エリアの魅力に触れてみては。

(次田尚弘/和歌山市上空)



和歌の浦を代表する紀州東照宮と不老橋、片男波の写真です。






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里山広がる豊かなエリア 新旧様々な観光名所、鉄道旅も

2020-09-20 16:51:27 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
前号では、観光・産業振興、災害対策への期待が大きい「和歌山南スマートIC」とアクセス道路を取り上げた。
今週は県道13号(和歌山橋本線)を更に東へ進みたい。


【写真】四季の郷公園(左)、大池遊園(中央)、平池緑地公園(右)

和歌山南スマートICから県道13号を東へ進むと緑豊かな農村風景が広がってくる。平地に田畑が広がり、農業用の池と里山が共存していることが空からもうかがえる。

7月にオープンした伊太祁曽駅近くの「道の駅 四季の郷公園」の話題は記憶に新しい。
近隣の農家が栽培した野菜の販売や、地元の食材を使った料理を提供するなど「食」をメインに地元の魅力を発信する施設となっている。

四季の郷公園は平成3年に自然と農業をテーマに開園。
道の駅の整備により、農産物を販売する「水の市場」、レストラン「火の食堂」、バーベキュー広場「炎の囲炉裏」、シンボルツリーが植えられた「木の庭」、体験農園がある「土の農園」など、新たに5つのエリアが設けられた。

四季の郷公園から東へ進むと、和歌山市と紀の川市の境を迎える。
緑の深い里山の中に現れる「大池遊園」は古くから親しまれてきた公園。
カフェのオープンや、園内に架かる鉄橋を渡る和歌山電鐵のユニークな車輛が見られるスポットとしても知られ、桜の時期には多くの観光客が訪れる。

さらに東へ目を向けると、珍しい鳥の生息で知られる「平池緑地公園」が見える。
冬になるとイルミネーションのスポットとしても有名。

新旧様々な観光スポットが点在するエリア。和歌山電鐵の沿線であるため、鉄道での旅をおすすめしたい。

(次田尚弘/紀の川市上空)


春の四季の里公園と大池遊園の桜です。





平池緑地公園の初夏の蓮と冬のイルミネーションです。



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観光・産業振興、防災に期待 「和歌山南スマートI.C」とアクセス道路

2020-09-13 17:19:21 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
前号では、歴史が詰まった市民の丘と題し「秋葉山公園」を取り上げた。
秋葉山公園の中央を貫く県道13号(和歌山橋本線)は、近年の拡張工事により国道42号と塩屋街道の往来が便利に。県道13号に沿って今週は和歌山市東部へと進みたい。

秋葉山近くの水軒口交差点から県道13号線に沿って東へ約5km。
取材機は「和歌山南スマートインターチェンジ(I.C)」を捉えた。田畑が広がる地域に太い道路が東西に走りその先に渦を巻いたI.Cが見える。


【写真】和歌山南スマートI.C(写真右下)

和歌山南スマートI.Cは平成31年3月10日に共用を開始。24時間の利用が可能で全方向へ利用できるがETC車載器を搭載している必要がある。
共用開始から1年半。読者の方で実際に利用された方も多いだろう。

同日に、主要地方道である県道13号(和歌山橋本線)が和歌山市和田~吉礼(2.5km)で、一般県道の三田海南線が和歌山市和田~冬野(1.3km)で、それぞれI.Cへのアクセス道路として開通。
I.Cを利用しない場合でも、和歌山市東部と市街中心部へのアクセスが向上した。空から見てもその存在感は大きい。

I.Cの整備により、産業振興の分野では、伊太祈曽・貴志方面、海南・紀三井寺方面への新たな観光周遊ルートの形成、臨海部の工業団地やフェリーとのアクセス向上などの効果が期待されている。

また、防災の観点から津波発生時の救援ルートとして期待され、広域的な高度医療体制充実の観点からは、和歌山市北部から県立医大病院へのアクセス時間が大幅に短縮されるなどその効果は大きい。
秋の行楽シーズンの到来。友人・知人にI.Cの存在と便利さを伝えたい。


(次田尚弘/和歌山市上空)


秋葉山付近の道路の変化です。
まずは2008年9月に東向き塩屋方向を撮影、拡幅される前の道路では道幅が狭く車が対向する時は注意を要しました。



2018年11月に撮影した拡幅され開通する直前の西側水軒口方向を撮影、片側2車線で歩道付きの道路が開通する前の状態です。



東の塩屋方向を撮影。


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歴史が詰まった市民の丘 健康づくりにも最適「秋葉山公園」

2020-09-06 13:31:14 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
前号では、歩いて楽しむまちづくりと題し、美観促進の取り組みが進む「中央通り」を取り上げた。
更に南下していくと見えてくるのが「秋葉山公園」。和歌山城がある虎伏山と比べ緑の深さと面積の広さが特徴。今週は秋葉山公園を紹介したい。


【写真】深い緑が特徴的な「秋葉山公園」

秋葉山公園は昭和13年2月に開設された公園。面積は23.1haを誇り、標高は73m。昭和44年に市制80周年を記念し「市民の丘」として整備された。

歴史を紐解くと天文19年(1550年)に遡る。天明8年(1476年)に海南市清水に開設された本願寺派の御坊がこの地に移されたという。
それ故に元は本願寺が所有する山で「御坊山」の名がついていたが、昭和13年に市が山の南側2.7haを譲り受け、公園を開設。昭和25年に北側の6.6haを譲り受けた経緯がある。
秋葉山の名は寛永5年(1793年)羅漢寺の僧が静岡県から秋葉権現を勧請し山麓に堂を建てたことに由来するという。

更に歴史を紐解くと、秋葉山の北西、国道42号沿いに位置する「猊口石(げいこうせき)」に行き着く。
昭和63年3月に市の指定文化財となった史跡で、緑色片岩の岩山。その名は獅子(猊)が口を張った姿を思わせることに由来する。
内部からは縄文時代に作られたとされる土器の破片やハマグリなどの貝殻が出土していることから、かつてこの付近が海岸線でありそれを示す遺跡といえる。

空から見ると山の南側に位置する建造物「秋葉山公園県民水泳場」が存在感を感じさせる。
市民の丘の愛称が付けられた秋葉山。健康づくりのためにも、訪れてその魅力と歴史に触れてほしい。

(次田尚弘/和歌山市上空)


地上からの秋葉山と周辺の写真です。


山頂展望台から北側の和歌山城方向を望む


秋葉山頂上広場


弥勒寺山城跡と顕如上人の碑


猊口石(げいこうせき)


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