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さんぽみちプロジェクト

さんぽみちプロジェクトの記録。
和歌山新報で日曜日一面に連載中の「WAKAYAMA NEWS HARBOR」と連携。

ロゲイニングやeスポーツ 「温泉」と「サイクリング」の融合

2024-11-03 13:30:00 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
前号では、和歌山市内の温泉が、有馬温泉の「金泉」と同様の「鉄泉」と、「銀泉」と同様の遊離二酸化炭素量が豊富な「炭酸泉」の両方を含む、ハイブリッドな存在であることを取り上げた。
有馬温泉では、地域が持つ魅力を活かした、新たな旅行者の獲得に向けた取り組みが始まっている。


【写真】多様な切り口で誘客を図る「有馬温泉」

過去に神戸市などが企画し開催された「サイクルロゲイニング」のイベントでは、有馬温泉を中心に六甲エリアなど、サイクリストのレベルに分けた6つのコースを用意。完走後に有馬温泉の好きな温浴施設で日帰り入浴を楽しめるというもの。

サイクルロゲイニングとは、自転車で特定の地域を巡るイベント。ロゲイニングとはナビゲーションスポーツの一種とされ、地図をもとに制限時間内にチェックポイントを巡り得点を集めるスポーツ。
有馬温泉では、周辺地域の美しい景観や起伏の激しい地形を組み入れたコースを設けるなど、神戸の自然資源を活かしたサイクルツーリズムが推進されている。

また、世界各国からサイクリストがバーチャルで参加し、有馬温泉から六甲山を目指すオンライン上のレースが行われ、後日、実際に現地でレースを行うオフライン型のイベントを開催し、世界からの誘客を図るなど、eスポーツとの連携も進む。

和歌山県内では鉄道沿線の活性化を目的としたサイクルロゲイニングが開催されている。
チェックポイントとされる観光地を巡り完走した参加者に、土産品を提供。人気を博し、和歌山県がサイクリング王国と称される所以ともいえるイベントである。

観光資源とサイクリングを組み合わせた取り組みが進む昨今、サイクリング初心者でも気軽に楽しめるものとして、市内の魅力的な温泉が活用されることを期待したい。

(次田尚弘/神戸市)
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金泉と銀泉のハイブリッド 高濃度の炭酸ガス、市内の「療養泉」

2024-10-27 16:37:21 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
前号では、茶褐色をした和歌山市内の温泉が、有馬温泉の金泉と同様の「鉄泉」であり、全国的にも珍しい存在であることを取り上げた。温泉分析表を見るなかで、更なる魅力が見えてきた。
今週は泉質欄で「含二酸化炭素」と記され、溶存ガス成分中の「遊離二酸化炭素」の含有量が多い温泉の効能を紹介したい。

和歌山市内の温泉の特徴を調べるなかで目に留まったのが「遊離二酸化炭素」の量である。有馬温泉には、金泉と銀泉の2種類があることを皆さんもご存知だろう。銀泉は金泉と打って変わって無色透明。泉質は炭酸泉に分類される。有馬温泉で炭酸煎餅が製造され温泉客に人気であるのはそれが理由である。


【写真】有馬の温泉やぐら(神戸市北区)

環境省によると、昭和23年に制定された「温泉法」により、地中から湧出する温水のうち、摂氏25度以上、遊離二酸化炭素が1㎏中1000㎎以上のものを、治療の目的に供しうる「療養泉」と定義している。有馬温泉の銀泉は1㎏中1000㎎以上の二酸化炭素を含み療養泉とされる。

和歌山市内の温泉もこの数値を上回るもので療養泉に分類される。更にいえば、金泉と同じ鉄泉であるため、いわば、金泉と銀泉のハイブリッドといって過言ではない。

炭酸泉の効能は、温泉に溶け込んだ高濃度の炭酸ガスが皮膚から吸収されることで血管を拡張し血行を促進する。欧州では炭酸泉が多く、医療にも取り入れられており「心臓の湯」として名高い存在。日本では全国の温泉の約0.5%程度と希少性がある。

有馬温泉の金泉と銀泉に類似する全国的にも珍しい湯が身近なところに。深まる秋を感じながら、自然の恵みを受けてほしい。

(次田尚弘/神戸市)
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理由は鉄分にあり 有馬の「金泉」と市内の温泉の共通項

2024-10-20 15:37:00 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
早いもので10月も下旬に。ようやく酷暑の夏が過ぎ、少しずつ秋を感じる今日この頃である。この季節になると温泉に入るのが気持ちよくなってくる。
和歌山県内では、日本三古泉として名高い「白浜温泉」や日本三大美人の湯として知られる「龍神温泉」をはじめ、同じ県内に居ながらにして様々な泉質を楽しめる魅力がある。
和歌山市内では中心市街地で温泉を楽しめる温浴施設をはじめ、複数の宿泊施設がある。なかでも、茶褐色をした特徴のある温泉は、まるで有馬温泉の「金泉」のよう。神戸市在住の筆者にとって、有馬は身近な存在。
今週は、金泉と和歌山市内の温泉の共通項を紹介したい。


【写真】鉄分を含む有馬の「金泉」

金泉は湧き出した時点では一般的な温泉と同様に無色透明。湯の中に多量の鉄分を含むため、空気に触れることで水酸化鉄となり茶褐色に変色する。温泉の元は約600万年前の太平洋の海水。地殻変動によりプレートと共に地中深くに潜り込み、長い歳月をかけて鉄分を携えていく。同時に塩分濃度が海水の1.5倍程度となる。全国に約3万箇所ある温泉のうち、有馬のように「鉄泉」に分類されるのは約1%で珍しい存在となっている。

公表されている温泉分析表によれば、金泉は「含鉄、ナトリウム、塩化物強塩温泉」とされる。一方、和歌山市内の温泉の泉質は「含鉄・ナトリウム、塩化物・炭酸水素塩強温泉」あるいは「含二酸化炭素、鉄、カルシウム、マグネシウム、塩化物温泉」などとされ、いずれも、鉄が含有することがわかる。それ故に金泉と同様に茶褐色となる。

各成分の含有量に違いはあれ、鉄分が豊富に含まれることで色を変える珍しい温泉。深まる秋を身近な温泉で楽しんでみては。

(次田尚弘/神戸市)
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山椒との融合で味わい引き立つ 「源五兵衛クリームチーズ」の作り方

2024-10-13 13:30:00 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
前号では、酒の肴に相性が抜群の「奈良漬クリームチーズ」を取り上げた。
和歌山県の伝統野菜である「源五兵衛(げんごべい)」でも、この味を再現できるのか。家庭で楽しめる「源五兵衛クリームチーズ」の作り方とその味わいを紹介したい。


【写真】クリームチーズを介し山椒と融合する「源五兵衛

作り方は至ってシンプル。一人分としての目安は、クリームチーズ50gに源五兵衛25g。まずはクリームチーズを常温に戻し柔らかくする。次に源五兵衛を粗めに刻む。続いてボウルにクリームチーズを入れて練り上げた後、源五兵衛を加えて、よくあえれば出来上がり。所要時間は5分程度。あっという間に、源五兵衛クリームチーズの出来上がりだ。

クラッカーに乗せ、オリーブオイルや黒胡椒を振りかけると風味が増す。日本版の胡椒として名高い、和歌山県産の山椒を振りかけてみた。濃い酒粕の香りと塩気がある源五兵衛がクリームチーズに包み込まれ、柔らかな食感とまろやかな味わい。そこに山椒の香りとピリ辛さが相まって、絶妙なテイストとなる。

源五兵衛と山椒という和歌山県が誇る伝統の食材が絡み合い、クリームチーズが介することで、一見相反する組み合わせがまさかの価値を出す。単一では出し切れない価値を現代人の嗜好に合わせアレンジし、新しい食べ方を生み出すと共に高い価値を出していくこと。
加工メーカーや飲食店の創意工夫によるものが多いが、その食材の根幹にある魅力や秘められた価値を知るのは農作物の生産者であり、また、地域に住まう者だからこそ。

伝統野菜を後世に受け継いていく、サステナブルな農業の実現には、縦割りではなく、多様なスペシャリストが混ざり合い創意工夫することが大切。
俯瞰して物事を観察し、一歩踏み出し挑戦してみる地域の力が必要だ。

(次田尚弘/和歌山市)
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酒の肴に相性抜群 「奈良漬クリームチーズ」

2024-10-06 13:30:00 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
前号では、伝統野菜を次世代につなぐために、「源五兵衛(げんごべい)」の素材を活かした創意工夫により、経済的持続性を成立させている鳥取の「とまり漬け」の事例を取り上げた。
粕漬(奈良漬)を若者や海外の人々に親しみやすくしようと、粕漬を他の食材とアレンジする試みが広がっている。
今週は人気が高まる「奈良漬クリームチーズ」を紹介したい。


【写真】「奈良漬クリームチーズ」

先日、筆者は梅田駅近くの飲食店に居た。帰宅途中、同僚と立ち寄ったお店のメニューに、人気商品としてマーキングされていたのがこれだ。渋いメニューを選ぶねと笑われながら、迷わず注文してみることにした。

小さな鉢の中に、すりきり一杯に入れられたクリームチーズの中から、角切りにされた奈良漬が顔を出し、可愛らしい緑の飾り葉が乗せられ、その傍らにはクラッカーが添えられている。

スプーンで、奈良漬が練り込まれたクリームチーズをすくい取り、クラッカーに乗せて食す。「うまい!」。奈良漬特有の酒粕の香りが、クリームチーズのまろやかさと融合し、香り高い高級食材と化している。ビール、ワイン、日本酒、どのお酒にも合う味わいで、酒の肴にぴったりな存在である。

人気を博し始めたのはここ数年。大手の漬物メーカーなどが商品化し販売を開始。奈良漬として使用されている原材料は「クリームチーズ」「瓜」「酒粕」と表記されており、使用されている瓜の品種はわからないが、酒粕たっぷりで濃い味が特徴の源五兵衛は、美味しくいただけるであろうと感じた。

クリームチーズには様々な種類があり奥が深い。奈良漬にも原材料や地域によって違いが多い。
一見、相反するような存在の異色な組み合わせが、日本ならではの食材の、新しい価値を見出している。

(次田尚弘/大阪市)
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