さんぽみちプロジェクト

さんぽみちプロジェクトの記録。
和歌山新報で日曜日一面に連載中の「WAKAYAMA NEWS HARBOR」と連携。

歩いて楽しむまちづくり 美観促進の取り組み「中央通り」

2020-08-30 16:58:12 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
前号では、市街地を流れる一級河川「和歌川」と岸辺に設けられた河川公園の魅力を取り上げた。
更に広域で市街地を見ると南北を貫く道路が見えてくる。県庁前交差点を終点とする国道24号、26号、42号だ。
今週は市街地を通るこれらの国道を指す、通称「中央通り」を紹介したい。


【写真】「中央通り」(写真上部が宇治交差点、下部が高松交差点)

中央通りは宇治交差点から紀三井寺交差点を結ぶ約7kmの区間。
市はこの区間をはじめとする市内の道路、駅前広場、観光地に対し「和歌山市美化推進及び美観の保護等に関する条例」を制定している。
地域の環境美化の促進や美観の保護を図り、快適な生活環境の確保を目指すことが目的で、平成4年、全国に先駆けて制定。

市民の責務として空き缶などのゴミを持ち帰ることや路上喫煙、飼い犬の散歩に対する配慮を、自動販売機等で飲料等を販売する事業者には一定量以上の空き缶を回収する容器の設置を求めるなど、美観保護に対する強い思いがうかがえる。

同時に市内の主要箇所を「特定美観地域」に指定。宇治交差点から県庁前交差点は平成4年11月、県庁前交差点から紀三井寺交差点は平成6年6月に指定され、市や地域住民が一体となった清掃や啓発活動が積極的に行われている。

更に、電線共同溝の設置による無電柱化も進み、宇治交差点から高松交差点にかけては既に整備済み。
紀三井寺交差点にかけての秋葉町、和歌浦、和歌浦東、津屋の地域も既に事業中となっており、中央通りの美観促進が進められている。
車での走行に限らず、歩いて楽しめるまちづくりも進む中央通りを散策してみては。

(次田尚弘/和歌山市上空)


地上からの撮影、片側3車線で道幅も広く、電線共同溝の設置による無電柱化ですっきりした景観となっています。


【写真】「中央通り」北向き・真砂町から県庁前方向


【写真】和歌山城西側「中央通り」南向き・汀町から県庁前方向


【写真】和歌山城砂の丸から「中央通り」お堀沿いの桜


【写真】「中央通り」北向き・汀町から城北橋方向
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市街地を流れる一級河川 「和歌川」と河川公園の魅力

2020-08-23 13:32:34 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
前号では、こんもりとした緑の虎伏山に建つ「和歌山城」の歴史と魅力を取り上げた。
和歌山城を中心に更に広域で市街地を見てみたい。すると、和歌山城の東側を大きく蛇行して流れる「和歌川」が目に飛び込んでくる。
今週は和歌川と河川公園の魅力を紹介したい。


【写真】市街地を蛇行して流れる「和歌川」(写真右側)

和歌川は市街地を南北に流れる一級河川。今から600年程前までは紀の川の下流域として和歌浦へと注いでいたという。
当時発生した巨大地震と津波をきっかけに地形が変わり、紀の川は現在の流れになったとされる。
それ故に和歌川は一級河川「紀の川」の派川となっている。

この和歌川、市堀川、大門川、真田堀川、有本川を合わせ「内川(うちかわ)」としても知られる。
真田堀川の上流に位置する「宇治ポンプ場」と、有本川の上流に位置する「有本ポンプ場」から紀の川の水を取り入れると同時に、和歌川終末処理場近くの「和歌川ポンプ場からも水が送られている。
送られた水は市堀川を経由し紀の川と合流する。

和歌川大橋付近から小雑賀橋を経て新堀橋にかけての岸辺には「和歌川河川公園」が広がり、テニスコート10面、児童野球場2面、サッカー場1面、ゲートボール場1面を誇るスポーツ施設のほか、美しい桜並木が特徴の遊歩道もある。

バス停からも程近く駐車場も完備された公園。近年、水質が改善され綺麗になった和歌川。ぜひ、川と親しむ機会を作ってみては。

(次田尚弘/和歌山市上空)



2020年4月に撮影した「和歌川河川公園」小雑賀橋-新堀橋間の桜。






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こんもりとした緑の「虎伏山」 広域で見る和歌山城の歴史と魅力

2020-08-09 17:05:37 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
前号では、学びと住まいのニュータウンと題し「和歌山大学」と「ふじと台」を取り上げた。
取材機は更に南下し和歌山市中心部へ。街中にこんもりとした緑の丘が見えてくる。
和歌山市のシンボルともいえる「和歌山城」だ。


【写真】南から和歌山城を望む(写真の中央下付近が堀止)

和歌山城は標高48.9メートルの「虎伏山(とらふすやま)」を用いた平山城。ビルに換算すると、およそ地上15階の高さに天守が築かれている。
天守は大天守と小天守が連結して建てられた連立式と呼ばれる構造で、姫路城、松山城と共に三大連立式平山城のひとつとされる。
昭和10年に天守など11棟が国宝保存法に基づく国宝に指定されるも、昭和20年の和歌山大空襲で焼失したことは悔やまれる。

和歌山城を中心に広域を見ると、北側を流れる紀ノ川を天然の堀と見立てたことが明らかにわかる。
元和7年(1621年)、南側にも外堀を設け更に大規模な城構えにしようと掘削を開始するも、幕府から謀反の疑いをかけられ堀の掘削を中止したことから、外堀は存在せず「堀止」の地名だけが残る。

城の南、かつての三の丸とされたエリアには県立近代美術館・博物館がある。
ここは前号で紹介の和歌山大学教育学部の跡地。1994年に竣工した両館は黒川紀章による設計。優れた公共の建築物に授与される「公共建築百選に選ばれ、これは、和歌山県唯一である。

県立博物館では紀州徳川家の旧蔵品をはじめ、和歌山県の歴史や文化を学べる場所。
訪れて、我が街の魅力を発掘してはどうだろう。

(次田尚弘/和歌山市上空)
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学びと住まいのニュータウン 高台にそびえる「和大」と「ふじと台」

2020-08-02 13:33:09 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
前号では、大阪府南部と和歌山県北部を結ぶ総延長20.6kmの「第二阪和国道」の歴史と開通による効果を紹介した。

取材機はさらに南下し県境へと差し掛かる。岬町上空から南の方向を望む。眼下に見える蛇行した道路は第二阪和国道で、奥には和歌山市街が見える。

第二阪和国道の右側、高台の広大な土地は通称「ふじと台」。和歌山市の貴志地区に位置し、和歌山大学、イオンモール和歌山、造成された宅地が広がる。


【写真】右手前に「和歌山大学」と「ふじと台」を望む

この地の造成は、和歌山大学教育学部と経済学部の移転統合に始まる。
昭和52年に移転を決定し、吹上にあった教育学部を昭和60年、西高松にあった経済学部を昭和62年に、栄谷キャンパスへ移転統合。その後、平成7年にシステム工学部、平成20年に観光学部が設置され、現在は約4000人の学生の学びの地となっている。

平成24年4月には和歌山大学駅が開業。時期を同じくしてイオンモール和歌山がオープンしたことは記憶に新しい。
平成27年9月には第二阪和国道の大谷ランプ-平井ランプの開通と同時に、市道中平井線が全線開通し、第二阪和国道から直接この地区へアクセスできるようになり利便性が向上した。

宅地造成されたニュータウンエリアは現在も開発が進む。計画人口は約6500世帯、3万人以上という。高台にそびえる学びと住まいの街。
ふじと台のテーマとされる学園城郭都市の名にふさわしい街の構えが上空からも見て取れる。地域の更なる発展を期待したい。

(次田尚弘/岬町上空)
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