さんぽみちプロジェクト

さんぽみちプロジェクトの記録。
和歌山新報で日曜日一面に連載中の「WAKAYAMA NEWS HARBOR」と連携。

香りと果皮の凸凹が特徴 県内での生産が盛んに「柚子」

2021-12-26 14:55:18 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
前号では、上田市の菓子店、飯島商店が販売する、三宝柑を丸ごと使った冬限定の高級ゼリー「三宝柑福居袋」を取り上げた。
今年も残すところ僅かとなり、22日には冬至を迎えた。無病息災を願い、冬至に柚子風呂を楽しんだ方もおられるだろう。今週は「柚子」を紹介したい。


【写真】輪切りにした柚子(他の柑橘と比べ種が多い)

柚子はミカン属の常緑小高木で柑橘の一種。
世界で日本が最も消費量・生産量が多い国となっている。原産地は中国で、平安時代初期には日本に伝わったとされ、全国各地で栽培が盛んに行われている。
木の高さは4m程と大きく初夏の頃に花を咲かせ、秋には果実ができる。

香りが非常によく、果皮の表面が凸凹しているのが特徴。
酸味が強く、種が多い。ミカン属の中で最も耐寒性が強いとされ、年間の平均気温が12℃から15℃の気候を適地とし、かいよう病などへの耐性が強いため、無農薬栽培が容易にできる。
一般的な柑橘類と比べ手が掛からないが、種子から育てると実を結ぶまで十数年かかるとされ、収穫可能な木にするまでは時間を要するという。

2017年の農水省統計によると収穫量第1位は高知県(1万60t)、第2位は徳島県(2千3百t)、第三位は愛媛県(2千2百t)で、和歌山県は第7位の約4百tとなっている。

県内の主な産地は、紀美野町、有田川町、田辺市、古座川町。
古座川町では街おこしの一環として柚子の栽培に力を入れるなど、県内でも栽培が盛んな柑橘となっている。

(次田尚弘/和歌山市)
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冬限定の高級ゼリー 三宝柑を丸ごと使った「福居袋」

2021-12-19 13:57:33 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
前号では、真田氏発祥の地で、街ぐるみで彼らの歴史や功績を発信する上田市の事例を取り上げた。
和歌山県産の柑橘の数々を紹介してきた本コーナー。今週から話しを元に戻したい。

年の瀬となった昨今、温州みかんの最盛期を迎えている。この時期になると、上田市に本社を置く飯島商店から、特別な商品が販売される。
今週は和歌山県産の柑橘を使った期間限定商品「三宝柑福居袋(さんぽうかん・ふくいぶくろ)」を紹介したい。


【写真】三宝柑福居袋

三宝柑福居袋は、三宝柑の旬を迎えるこの時期限定の高級ゼリー。三宝柑を上部でカットし中身を取り出したところに、搾りたての果汁を流し込み作られた商品。

この商品の特徴は何といっても、みずみずしい柑橘の香り。三宝柑を器にしてスプーンで中身をくり抜くように食べてもよいが、2等分や4等分に切るのがおすすめ。
切断することで器となっている外皮から香りが溢れ、季節の到来を感じさせてくれる。
ゼリーの味も甘さ控えめで口の中に三宝柑ならではの酸っぱさと風味が広がる絶品。

この商品の特徴は、購入時期によって商品の色に違いがあること。
この時期、三宝柑はまだ青く、季節が進むにつれ黄色、オレンジへと変化していく。
柑橘の熟成度によりシーズン中に何度も楽しめることも、この商品ならではといえる面白さだ。

購入は飯島商店のオンラインショップから可能。1個入り648円(税込)で、送料が別途かかる。要冷蔵品で消費期限は4日。
この時期ならではの味。ぜひご賞味いただきたい逸品だ。

(次田尚弘/上田市)
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真田氏発祥の地で学ぶ 街ぐるみで発信、歴史・遺構の数々

2021-12-12 16:09:38 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
前号では、中世からの上田市を知ることができ、歴代藩主の品などを展示する、上田市立博物館を取り上げた。
上田城跡公園内に位置するこの博物館の他にも、真田氏の歴史に触れられる施設がある。
今週は真田氏発祥の地とされる「真田の郷」を紹介したい。

真田の郷は上田城跡公園がある市内中心部から車で約30分のところに位置する。ここには真田氏が居城を上田に移すまでの間、真田氏の居城として使われた山城「真田氏本城跡」がある。標高890mから上田市を一望でき、数々の戦いの指令を出す環境として優れた地であったという。

本城跡近くにある「御屋敷公園」と呼ばれる公園には、真田氏の居館の跡が残されている。
当時の建物がほぼ完全な形で残された貴重なものとして、昭和42年に長野県の史跡に指定。園内には600本に及ぶヤマツツジが植えられ多くの観光客が訪れる。

さらに「真田氏歴史館」では、真田氏にまつわる様々な資料が展示された博物館がある。
ここでは、古文書や武具などが並べられ、真田の郷ならではの品々に触れることができる。

市内中心部から離れた場所にあるため、路線バスかタクシー、レンタカーなどを使って訪れるのがおすすめ。
この地を走る路線バスには真田氏ゆかりの六文銭がラッピングされたものがあり、上田市が真田の郷であることを街ぐるみで発信されている。


【写真】市内を走る六文銭が描かれた路線バス

和歌山とも関係が深い真田氏の歴史。ぜひ、発祥の地である上田市でその歴史や魅力に触れてみては。

(次田尚弘/上田市)
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中世からの上田市を知る 歴代藩主の品など展示「市立博物館」

2021-12-05 17:31:59 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
前号では、信州そばに乗せられた、真田にちなんだユニークな「六文銭かき揚げ」をはじめ、上田市を代表するご当地グルメの数々を取り上げた。
今週は、上田市の歴史を知ることができる「上田市立博物館」を紹介したい。


【写真】養蚕建築をモデルにした「上田市立博物館」

上田市立博物館は、上田城跡公園内にある。
昭和4年、地元の有志らにより維持されていた旧西櫓を活用し、藩主らの遺物を展示したのが始まり。現在の建物は昭和40年に開館し、平屋の屋根から高さの低い2階部分が顔を出す、この地域の伝統である養蚕建築をモデルとした作りとなっているのが特徴。
館内には中世以降の歴史資料や民俗資料、自然資料などが収められ、上田城や上田藩に縁のある資料は1万8千点を超えるという。
上田城の歴代藩主である真田氏、仙石氏、松平氏の鎧や兜をはじめ、養蚕事業に関する資料や古文書、染屋焼と呼ばれるご当地の焼き物などが多数展示されている。

なかでも、織田信長の遺品として松平氏に伝わったとされる鹿の革で作られた胴服は重要文化財に指定。染屋焼で作られた水瓶や壺、鉢などは重要有形民俗文化財に指定されるなど、この地ならではの歴史や文化に触れることができる。

また、近世の上田市の偉人を紹介する展示として、大正4年に世界で初めて人工的な癌の発生実験に成功し、現在に癌研究の礎を築いたとされる、同市出身の病理学者「山極勝三郎(やまぎわ・かつさぶろう)」の記念室があり、癌研究に関する資料展示がされている。

地域の歴史に深く触れることができる施設。ぜひ訪れてみてほしい。

(次田尚弘/上田市)
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