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さんぽみちプロジェクト

さんぽみちプロジェクトの記録。
和歌山新報で日曜日一面に連載中の「WAKAYAMA NEWS HARBOR」と連携。

漢方薬にも活用「八朔」に含まれる苦味成分

2025-01-19 13:34:00 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
前号では、酸味・甘味・苦味がマッチし、続々と商品開発が進む「八朔のお酒」を取り上げた。数多くある柑橘のなかで、八朔が注目されている理由のひとつはその苦味。
今週は果実に含まれる成分から、八朔の魅力に迫りたい。


【写真】苦味成分が有効でプチプチした食感の「八朔」

八朔特有の苦みは、和歌山の方言で「ちら苦い」と言い表される。標準語で言えば「ほろ苦い」に相当すると思うが、適度な酸味と甘みが相まって、絶妙な味を醸し出している。

この苦味の成分は「ナリンギン」というポリフェノールの一種。じょうのう(中袋)に多く含まれ、抗酸化作用があり、肥満の防止や高血圧の予防に効果があるとされる。これはグレープフルーツにも含まれる成分。

果皮に多く含まれる「オーラプテン」という香りの成分は、抗炎症作用や記憶力の維持が期待できるという。そのため、じょうのうを剥いて果皮のみを食べるよりも、果皮やじょうのうも食べられるマーマレードやピールに加工し摂取する方が、より効果的である。

これらの成分を利用した漢方薬がある。「枳実(きじつ)」と呼ばれ、はっさくの生育過程で摘み取られる未熟な果実を乾燥させ、生薬の原料として活用。消化不良や胸やけ、胃もたれ、便秘など胃腸の諸症状を緩和する効果があるとされる。加えて、自律神経を整えることで咳や痰を鎮める効果や心機能を高める効果もあるとされ、様々な漢方薬で活用。

近年は、摘果し破棄されていた果実を漢方薬の原料に活用することで、生産者の収益向上を図る取り組みが始まるなど、ここでも八朔の活用が広がっている。

余すところなく利用ができ、健康への効果が期待される八朔。シーズンを迎えるこの季節。健康増進に役立ててほしい。

(次田尚弘/和歌山市)
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酸味・甘味・苦味がマッチ 続々と販売開始「八朔のお酒」

2025-01-12 14:30:00 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
前号では、ミカンに代わる作物として、近年増加傾向にある「国産レモン」の現況とその背景を取り上げた。
1月に入り、県内では早生の八朔が顔を出し始めた。収穫量が減少傾向にあるのは八朔も他のミカンと同じ。今週は八朔の魅力を伝え、収穫量の維持や生産者の収益改善を目指した各地の取り組みについて紹介したい。


【写真】八朔を使用したサワー

2021年の農水省統計によると、八朔における全国の収穫量は約24000t。そのうち和歌山県内では約17000tが収穫され、全国の約7割を占める。
日照時間が長く、温暖な気候を好む八朔は、和歌山県、広島県、徳島県、愛媛県、大分県が主な生産地。酸味と甘みに加え、程よい苦みもあり、古くから愛される日本古来の柑橘である。
2011年の統計値を見ると、全国の収穫量は約36000tで、和歌山県内では約24000t。10年間で収穫量が3割程度減少している。

昨今、主な生産地では、生産者の所得向上を目的に、流通に適さない果実を加工品として使用する取り組みが進む。そこで着目されているのがお酒とのコラボレーション。JAなどが和歌山県産の八朔と温州みかんを使用したサワーを開発し、全国のコンビニやスーパーで販売。
他にも、有田市の八朔のみを使用したサワー、紀の川市の八朔を使ったクラフトビールなどが。
県外では、大分県産の八朔と清見オレンジを使用したサワーや、広島県産の八朔とレモンを使用したサワーなど、八朔を使用したお酒の開発と販売が加速化している。

有田市で生産された八朔が使われたサワーを飲んでみた。果汁は7%であるが、八朔特有の酸味と甘み、そして程よい苦みを感じ、口当たりが抜群。
使用されているウオッカとの相性もよく、八朔の新たな価値を強く感じた。

(次田尚弘/和歌山市)
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ミカンに代わる作物として 増加傾向にある「国産レモン」

2025-01-05 14:49:06 | WAKAYAMA NEWS HARBOR

前号では、国産レモンを使用した「レモン酒」の作り方を取り上げた。防腐剤の散布がなく外皮まで安心して食すことができる国産レモン。加工品として活用される機会が増える昨今、国内の生産量は増加傾向にある。今週はレモン栽培の動向を紹介したい。

【写真】国産レモンの作付面積と収穫量の推移

農水省の統計によると、国内の消費量は約5万トン。内訳は輸入が4.2万トン、国産が0.8万トンとされている。約84%を輸入に頼っており、その多くはアメリカやチリなど、中南米からとなっている。
その背景は価格の安さに加え、年間を通して安定的な供給体制が確立されているから。国産レモンは夏季の出荷が難しい。 レモンの栽培適地は、年平均気温が17度以上で、最低気温がマイナス3度以上。三大生産地である、広島、愛媛、和歌山が、瀬戸内海に面する比較的温暖な地域であることはそれ故である。

レモンは寒さに弱く、氷点下になる時間が数時間続くだけで、外皮の障害や枝枯れ、花の減少などが発生する、デリケートな作物である。 栽培できる地域が限られるが、昨今、ミカンに代わる高単価な作物として、国産レモンの栽培が拡大している。
統計によると1990年の作付面積は約125ヘクタールで収穫量は約2000トンであったが、2021年には作付面積が約736ヘクタール、収穫量は約8650トンと、作付面積は約5.8倍、収穫量も約4.3倍と増加傾向にある。
広島県内では収穫したレモンを長期低温貯蔵により、国産レモンの流通が難しい夏季に出荷することで、高単価で販売できる仕組みを取り入れるなど、様々な工夫が行われている。 その背景には、ミカンの消費量の減少に対し、地域の特性と柑橘栽培の技術を活かし新たな収益源を求めているという複雑な状況も見え隠れする。

(次田尚弘/和歌山市)

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新鮮で安心の国産果実で 家庭で作れる「レモン酒」

2024-12-29 13:30:30 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
前号では、麦との相性が抜群で、酸味と香りが融合した「レモンビール」の味わいと家庭での作り方を取り上げた。
レモンを使ったアルコール飲料として代表的であるのが「レモン酒」や「レモンスカッシュ」。果実酒として扱われ、梅酒と同じ方法で、家庭でも容易に作ることができる。
今週は国産の果実を使ったレモン酒の作り方を紹介したい。


【写真】レモン酒の仕込み手順

レモンを使った飲料として親しみ深いのが、レモンウォーター。飲食店などでスライスされたレモンを大きな瓶に浮かべ、ほのかなレモンの風味が味わえるもの。
レモン酒の作り方はその想像を覆すものである。

レモン酒は梅酒の作り方と同様であるが、事前の下ごしらえに工夫が必要。
まず、レモンの上下をカットしたうえで、果肉に達するまでナイフを入れ、果肉の外側に沿って外皮を落としていく。
すると、まるで皮を剥いた蜜柑のような、果肉だけのレモンが現れる。

続いてレモンの果肉2個(約100g)につき、氷砂糖100gとホワイトリカー200㎖を用意。果肉だけになったレモンを3等分したものとレモンの皮(白い部分は苦みが出るので切り取る方がよい)を、保存瓶の中に氷砂糖と交互に入れ、最後にホワイトリカーを注ぐ。

冷暗所に置き、皮を1週間程度、果肉を数ヶ月程度で引き上げる。長く置いたほうが完熟し味わいは増すが、1ヶ月を過ぎれば飲み始められる。

特筆すべきは、レモン酒は国産の果実ならでは。外国産のレモンは輸送中の腐敗を防ぐため、人体に影響が無い範囲の防腐剤が散布されていることが多い。
産地だから手に入る新鮮な果実を使ったアルコール飲料。来年のレモンのシーズンに向け、皆さんも仕込んでみては。

(次田尚弘/和歌山市)
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麦との相性が抜群 酸味と香りが融合「レモンビール」

2024-12-22 15:30:00 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
前号では、酸味と香りが強い早熟の「グリーンレモン」を取り上げた。
まもなくクリスマスを迎えるこの時期。ふと、輸入食品の専門店を覗いてみると、クリスマスにちなんだ食材のコーナーの一角で、「レモンビール」なるものを発見。
レモンとビールの相性はいかほどか。今週は、レモンビールの魅力と家庭で出来る作り方を紹介したい。


【写真】グリーンレモンを使った「レモンビール」

レモンビールはビールにレモンを加えたもの。ビールにレモン果汁を加えて製造されるため、発泡酒の分類となるものの、酒税はビールと同じ税率になるという。
レモンの果汁が加わることにより、アルコール度数はやや低くなり、概ね4%から5%程度となる。

飲んでみるとビールとレモンの相性の良さに驚かされる。ビール特有の苦みがレモン果汁により抑えられ、フルーティな味わいが広がる。
それでいて、ビールの醍醐味であるキレやのどごしもあり、飲みやすくてさっぱりした味わいを楽しめる。濃い味付けの料理とも合う。

自宅でも簡単に作ることができる。ここで活躍するのがグリーンレモン。完熟したイエローレモンと比べ果汁が少ないため、量が必要になるものの、強い酸味と香りが味わいを際立たせてくれる。

レモンの量は好みだが、インパクトを感じるのは、350㎖の缶ビールに対しレモン1個というところ。
先に果汁をコップに入れ、ビールを注ぐ。想像以上に泡立ちするので注意されたい。
ビールの苦みが苦手な方や、深いコクを味わいたい方には、メープルシロップや蜂蜜を適量混ぜることもおすすめ。

この時期ならではのレモンビール。クリスマスの食事の席で一杯いかが。

(次田尚弘/和歌山市)
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