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Aβオリゴマーが特にシナプスに有害な理由

2016-04-05 06:06:24 | 
Possibility of curbing synapse loss in Alzheimer's

Targetable immune pathway plays an early role in Alzheimer's disease models, before plaque accumulation

March 31, 2016

https://www.sciencedaily.com/releases/2016/03/160331154005.htm


(この図は、βアミロイド(Aβ)オリゴマー・補体古典経路・ミクログリアが、どのようにしてAβプラーク蓄積『前』のアルツハイマー病の脳においてシナプス喪失を誘発するのかを示す
Aβオリゴマーは補体分子C1qとC3を活性化し、C3はミクログリア(緑色)の受容体CR3を通じてシグナルを伝達して、ミクログリアが脆弱なシナプスを飲み込むengulfように刺激する
Aβプラークと神経炎症neuroinflammation(ミクログリアの流入と補体の強い活性化を伴う)は、アルツハイマー病の後期においてのみ識別できるようになる
Hong et al., Current Opinion in Neurobiology 2016から改作adapted
Credit: Lasse Dissing-Olesen, Boston Children's Hospital)


ボストン子ども病院の研究者はアルツハイマー病の早期に脳内の接続(シナプス)がどのようにして失われるかを示し、そしてそのプロセスが脳のプラーク蓄積が明らかになる前に始まることを実証した
このプロセスは潜在的に止めることが可能でありうる
Science誌のオンライン版で3月31日に発表された彼らの研究は、アルツハイマー病の早期に認知機能を保つための新たな治療標的を示唆する

ボストン子ども病院 F.M. Kirby神経生物学センターのBeth Stevens, PhDとSoyon Hong, PhDを中心とするチームは、正常に発達中の脳で余分なシナプスを『刈り込むprune』ために使われるのと似たメカニズムが多くのアルツハイマー病マウスモデルで加齢により誤って活性化することを示した
このメカニズムを阻害することでシナプスの喪失を抑制できる可能性がある


現在アルツハイマー病の治療用としてFDAが認可した薬剤は5つ存在するが、それらは一時的に認知機能を加速するだけでアルツハイマー病における認知障害の根本的な原因に取り組んでいない
開発中in the pipelineの新しい薬の多くはアミロイドプラークの堆積depositsを除去するか脳内の炎症を抑制することを目指すものだが、
ボストン子ども病院の新たな研究によるとアルツハイマー病はそのような病的な変化が生じる前のもっと早い段階を標的にできる可能性がある

「シナプスの喪失は認知の低下と強い相関がある」
ボストン子ども病院、神経学部の助教授assistant professorであるStevensは言う

「我々は非常に早い段階にまで戻って、シナプスの喪失がどのようにして始まるのかを調べようとしている」


若い脳を調べることで老いた脳を知る
The young brain informing the old

StevensとHongたちは加齢に伴う病気であるハルツハイマー病を、通常とは異なる見方でthrough an unusual lens調べた
つまり、幼児と子供の正常な脳の発達を分析したのである

Stevensのラボは何年にも及ぶ研究を通じて、
正常に発達する脳が回路を形成する際に不必要なシナプスを『刈り込みprune』というプロセスで排除することを示してきた

「正常な発達プロセスを深く理解することは我々にまったく新しい洞察をもたらしている
それはアルツハイマー病、そして潜在的には他の疾患においても、どのようにしてシナプスを保護するのかについての洞察である」
そのようにStevensは言い、シナプスの喪失がFTDやハンチントン病、統合失調症、緑内障glaucomaなどの病態でも生じることに言及する

研究チームはアルツハイマー病のマウスモデルにおけるシナプスの喪失にはC1qというタンパク質の活性化が必要であることを示した
C1qは消去のための『目印tags』をシナプスにつけ、脳内の免疫細胞であるミクログリアがそのシナプスを『食べる』
それはちょうど正常な脳の発達中に起きることと似ているという

マウスではアミロイドプラークの堆積が観察できるようになる前に、脆弱なシナプスの周囲でC1qが増加した


治療的な潜在性
Therapeutic potential

StevensたちがC1qや下流のタンパク質C3、またはミクログリア上のC3受容体であるCR3を阻害すると、シナプスの喪失は起きなかった

「ミクログリアと補体はアルツハイマー病に関与することが既に知られているが、それらは進行したアルツハイマーの目立った特徴であるプラークと関連する神経炎症に次ぐ二番目のイベントであると広く認識されてきた」
筆頭著者のHongは言う

「我々の研究はこのような見方に異議を唱えるものであり、
疾患プロセスのもっと早くに補体とミクログリアが関わるというエビデンスを提供する
シナプスが既に脆弱な場合はもちろん健康的なシナプスを保つためにも、それらは潜在的に標的となりうる」

StevensとHongがC1qを阻害するために使ったヒトの抗体ANX-005はサンフランシスコのAnnexon Biosciencesで開発が始まったところであり、これから臨床へと進むadvanced予定である
研究者たちはこれがいつの日か様々な神経変性疾患におけるシナプス喪失から保護するために使われる潜在性があると考えている

「今回の研究が強調することの一つは、シナプスの喪失と機能不全を早くから示すバイオマーカーを探す必要性である」
Hongは言う

「癌と同様に、アルツハイマー病が進行した状態になると、治療するにはもう遅すぎるのかもしれない」


補体、ミクログリア、βアミロイド
Complement, microglia and beta-amyloid

研究者たちは、βアミロイドタンパク質とC1q、そしてミクログリアが協力して、アルツハイマー病の早期にシナプスを失わせることも明らかにした
βアミロイドのオリゴマー形態(多数のβアミロイドユニットが一緒に繋がっている状態)がシナプスに有害であり、しかもプラークが堆積する前でさえそうであることは既に知られているが、
今回の研究はこの影響にC1qが必要であることを示した

その逆も真だった
つまり、ミクログリアがシナプスを飲み込むengulfのはオリゴマーのβアミロイドが存在するときだけだった


http://dx.doi.org/10.1126/science.aad8373
Complement and microglia mediate early synapse loss in Alzheimer mouse models.
補体とミクログリアはアルツハイマー病マウスモデルにおける初期のシナプス喪失を仲介する

可溶性βアミロイド(Aβ)オリゴマーはシナプスならびに海馬の長期増強/long-term potentiation(LTP)にとって有害な影響があるが、その影響にはC1qが必須である



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