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癌細胞は本当にグルコースで増殖するのか?

2016-04-02 06:06:51 | 
Living off the fat of the land

Do cancer cells synthesize parts for new cells or scavenge them from the environment?

March 31, 2016

https://www.sciencedaily.com/releases/2016/03/160331082845.htm


(代謝は複雑だが、ワシントン大学セントルイス校Pattiラボの大学院生Cong-Hui Yaoは癌細胞の代謝に関する驚くべき発見を説明する

Credit: Patti Lab)

※live off: ~を食べて生きる、~に頼って生活する
※live off the land: その土地のものを食べてやっていく
※live off the fat of the land: ぜいたくな暮らしをする(創世記45:18)
The fat of the land


癌細胞はその制御不能の増殖をする能力によって定義され、一つの細胞が二つ、三つ、たくさんと急速に増えていく

「これは興味深いプロセスだ」
ワシントン大学セントルイス校、化学部で準教授associate professorのGary Patti, PhDは言う

「ほんの数日ごとにあなたのコピーを作り出すことを想像してみるといい
ただ単に一つのものを維持するのと比べてどれだけ大変だろうか?
過去20年間、人々は細胞がどうやってそうするのかについて本当に興味深く思ってきた」


80年以上もの間ずっと支配的だった考え方は癌細胞が血液中のグルコースを『がぶ飲み/soaking up』してその爆発的な増殖を促進するというものだった
癌細胞はグルコースからエネルギーと炭素原子を得て細胞の成分を複製して量産crank outするとされていた
それほど多くのグルコースを要求take upする理由の一つは脂質lipid/脂肪fatを作るためであり、脂質は細胞膜を組み立てるために使われる

1970年代から80年代にかけて、科学者たちは放射能で目印をつけたグルコースを使った研究により腫瘍細胞中の事実上全ての脂質は細胞が外側の環境から取り込んだグルコースから作られることを示した
この発見は、表面的seeminglyには、『グルコース仮説glucose hypothesis』を裏付けるcorroborateものとされた

この仮説は『道理にかなっている』
しかし、他の多くの『道理にかなっている』ことと同様、それは正しくないのかもしれない

Pattiのラボは別の研究を遂行する内に、増殖する線維芽細胞がその脂質のほとんどをグルコースから作るのは標準的な細胞培地culture mediumで育てられた場合のみであることを発見した
この培地は栄養は豊富だが、脂質には乏しい

研究者が培地に脂質を加えて典型的な血液中の濃度まで上昇させたところ、細胞は脂質を合成するよりもむしろ、培地から脂質を取り込むことを好むようになった
そしてこの状態で急速に増殖する細胞は、分裂していない細胞よりもグルコースを取り込まなかった

この効果は線維芽細胞の培養中に発見されたものだ
線維芽細胞は別の線維芽細胞に触れるまで分裂してから増殖を止めるため、増殖する細胞と静止した細胞の代謝を比較することが可能である
この『脂質効果lipid effect』に興味をかき立てられた彼らがそれを二つの癌細胞系統、あの有名なHeLa細胞と肺癌の細胞系統H460で調査したところ、それらは脂質の濃度に対して強くはなかったものの同様に反応したのである

Cell Chemical Biology誌のオンライン版で2016年3月31日に発表された今回のびっくりさせるstartlingような結果は、グルコース仮説に基づいた癌の研究と治療に対して異議を唱えるものである

「組織レベルsystems levelでグルコースの代謝について考察することが可能になったのは、ほんのつい最近のことである」
Pattiはメタボロミクスという新たな分野について言及してそのように述べる

「これまで、あらゆる可能性としての代謝経路を通じてグルコースを追跡する技術はまったく存在しなかった」


グルコースの取り込み画像技術は正確なのか?
Are glucose-uptake images accurate?

Pattiは言う
「グルコース取り込みの増大が癌細胞の代謝的な特徴であるという考えは我々の思考に深く根付いてembeddedおり、臨床的にどのようにして癌を診断して治療を管理するのかに関しての基礎となっている」

FDG-PETスキャンによる診断では患者は少量のグルコース・アナログを投与される
これは放射性の原子を含んでいるためにスキャンすることで様々な臓器がグルコースを取り込む様子を表す画像を生成することが可能であり、画像上の明るい点が潜在的な癌を示すとされる

しかしPattiらの研究はこれらのスキャン画像の感度sensitivityに問題を提起する

「おそらく癌細胞はグルコースから全てを作るよりもむしろ、血液中の脂肪に頼って生きることが可能である
そして肥満の症例や糖尿病患者のように血液中の脂質濃度が通常よりも高い場合は特に」

これにより癌細胞はレーダーの下をかいくぐり、偽陰性false negativeにつながる可能性はあるだろうか?



抗癌剤はグルコース代謝を標的にすべきか?
Should cancer drugs target glucose metabolism?

グルコース仮説を元に、科学者たちはグルコース代謝または脂質合成のどちらかを阻害するという癌の治療法の開発に打ち込んできたdevote
しかしもしその憶測assumptionが間違っていたら、グルコースの代謝を阻害することは細胞の増殖を遅くするだろうか?
その細胞は周りから脂質を取り込むscavengeことは全くないのだろうか?

この可能性を検証すべく、彼らは細胞系統に2-デオキシ-D-グルコース(2DG)というグルコース分子を与えたdose
2DGはD-グルコースの2位のヒドロキシル基(OH-)が水素原子で置き換えられたもので、グルコースを分解する解糖系という経路の途中で停止する
しかし彼らが培地に脂質も加えたspikeところ、2DGの癌細胞の増殖を遅くする効果は抑制されることが明らかとなった

この発見はグルコースを標的にして癌細胞を殺すという戦略の背後にある推論reasoningに疑問を投げかけるものだとPattiは言う
2DGは現在臨床試験中である


脂質の取り込みを標的にするのはどうか?
What about targeting lipid uptake?

もしPattiラボでの研究がグルコース取り込みを阻害する薬剤に対して望んだようには癌細胞が反応しない可能性を示唆するとすれば、それはまた脂質取り込みの阻害が有効である可能性も示唆する

この考えを検証するために彼らは培地にSSOという薬剤を加えたdose
SSOは細胞膜内の脂質トランスポーターに対して不可逆的に結合して脂質取り込みを阻害する
そしてSSOは実際、三つの細胞系統全てで成長と分裂を遅くした

我々はおそらく脂質取り込みの阻害についてもっと考えるべきだとPattiは言う


培養された細胞は人工物である
Cells in culture are artifacts

「最後の論点として、」Pattiは言う「そしてこれはほとんどの人が受け入れると私は考えるが、細胞培養は高度に人工的な系highly artificial systemsであり、それはしばしば紛らわしく、誤解させるmisleading結果をもたらすということだ
細胞培養による研究結果が動物モデルや患者にトランスレートされるかどうかは本当に不確かであり、多くの信頼を置くのは難しいものだ」

「今回の場合、誰もが使う標準的な細胞培地の脂質濃度が、実際には培養中の細胞がすることを歪めている
たとえ我々全てが同じ細胞培養を同じように使っても、
その結果を臨床に応用できると決めてかかるassumeのは危険である」


http://dx.doi.org/10.1016/j.chembiol.2016.03.007
Exogenous Fatty Acids Are the Preferred Source of Membrane Lipids in Proliferating Fibroblasts



Highlights
・外からのパルミチン酸は、3つの細胞系統において新規合成よりも優先されるpreferred
・増殖する線維芽細胞はβ酸化を減少させ、複雑な脂質の合成を支える
・増殖する線維芽細胞においてグルタミンは脂質の炭素源として寄与しない
・脂肪の取り込みを阻害すると、3つの細胞系統において細胞の増殖は抑制される

Summary
脂肪酸の取り込みを阻害すると、線維芽細胞、Hela、H460という3つの細胞系統の増殖が低下した一方、
培地に外からパルミチン酸を添加するとグルコース取り込みは減少し、それらの細胞は解糖系の阻害に対して感受性が低下した



関連サイト
https://ja.wikipedia.org/wiki/2-%E3%83%87%E3%82%AA%E3%82%AD%E3%82%B7-D-%E3%82%B0%E3%83%AB%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%82%B9
2-DGは細胞成長を妨げるため、腫瘍治療薬としても使用が提唱されており、実際に臨床試験が行なわれている[5]。
最近の臨床試験は、2-DGは63 mg/kg/dayの用量まで許容されるが、この用量で観察された(略)患者のがんの大半(66%)が進行した事実は、この試薬のさらなる臨床での使用の実現可能性について疑問を投げ掛けている[6]。



関連記事
http://blog.goo.ne.jp/news-t/e/d109981cdca4635fe2245c2022c6b9b0
増殖する細胞で質量の大部分を占めるのはグルコースよりもアミノ酸である




関連記事
http://blog.goo.ne.jp/news-t/e/17ab1b4e5f2eff6ecb28d44514cb3e35
培養細胞はグルコースから乳酸への変換は増大したが、
肺腫瘍ではグルコース炭素のクエン酸回路への寄与は腫瘍形成に必須である



関連記事
https://www.sciencedaily.com/releases/2013/12/131220121046.htm
https://www.sciencedaily.com/releases/2014/02/140227191211.htm
アンドロゲンは代謝のマスター調節因子であるAMPK-PGC-1αシグナル伝達カスケードを制御して前立腺癌細胞の増殖を増大させる
前立腺癌細胞は解糖系というブドウ糖分解プロセスの増大だけでなく、脂肪代謝の上昇によってもアンドロゲンに応答する

これまで多くの研究が癌の解糖系に焦点を合わせてきたが、研究者は『すべての癌がブドウ糖だけに依存するわけではないことが明らかになってきている』という
我々のデータはアンドロゲンがミトコンドリア機能を全体的に増大させることを示す



参考サイト
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-3545.html
>実は、がん細胞はブドウ糖しかエネルギー源として使えないことがわかっているのです。

は?