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血液脳関門を突破する方法が報告される

2016-04-10 06:06:59 | 
Blood-brain barrier breakthrough reported by researchers

April 8, 2016

https://www.sciencedaily.com/releases/2016/04/160408132649.htm


(FDA承認薬のLexiscanはアデノシン受容体を活性化させることが明らかになった
アデノシン受容体はBBB細胞上に発現している

Credit: Dr. Margaret Bynoe, College of Veterinary Medicine at Cornell University)

コーネル大学の研究者は、血液脳関門/blood brain barrier(BBB)を突破penetrateする方法を発見した
これは近いうちにアルツハイマー病や化学療法抵抗性の癌のような疾患を治療する薬剤を脳内へ直接送り届けることを可能にするかもしれない


BBBは内皮細胞endothelial cellの層であり、脳の機能に必要な分子、例えばアミノ酸や酸素、グルコース、水などが進入することを選択的に許可し、それ以外は中に入れないようにするための関門barrierである
コーネルの研究者の報告によると、FDAに承認されたLexiscanという薬はBBB細胞上に発現するアデノシン受容体を活性化させるという

※Lexiscan: レガデノソン/Regadenoson

「これにより我々は短い時間の間だけBBBを開くことが可能である
それは治療を脳に届けるには十分長く、しかし脳を害するほどには長くない
我々はこれが将来様々な神経疾患の治療に使われることを期待している」
コーネルの獣医学大学で微生物学・免疫学部の準教授associate professorであるMargaret Bynoeは言う
BynoeはJCIで発表される今回の論文の首席著者senior authorである

論文によると、Bynoeのチームは化学療法薬をマウスの脳内に送るだけでなく、アルツハイマー病のプラークに結合する抗体のような巨大な分子すら送達可能だったという

Bynoeのラボはヒトの脳の初代内皮細胞を使ってBBBのモデルを工学的に作り上げ、Lexiscanがマウスにおける作用と同様のやり方でヒト細胞モデル上のBBBを開くことを観察した

Lexiscanは既にFDA承認薬であり、「アルツハイマー病やパーキンソン病、自閉症、脳腫瘍、化学療法抵抗性の癌のような疾患に対して薬剤を送るシステムにおける飛躍的な前進への可能性potentialは、遠い未来の話ではないnot far off」とBynoeは言う


http://dx.doi.org/10.1172/JCI76207
A2A adenosine receptor modulates drug efflux transporter P-glycoprotein at the blood-brain barrier.
アデノシンA2A受容体は血液脳関門の薬剤排出トランスポーターP糖蛋白質を調整する

Abstract
BBBは脳を末梢循環内の有害な物質から保護している
BBBは脳の恒常性を維持すると同時に、アルツハイマー病や脳腫瘍などの神経変性疾患の治療薬を中枢神経系(CNS)へ送達する際のハードルでもある
薬剤排出トランスポーターのP糖蛋白質(P-gp)は脳の内皮細胞に強く発現し、脳に送達される薬剤のほとんどの進入を妨害する

今回我々はFDA承認薬のA2Aアデノシン受容体アゴニストであるレガデノソン(Lexiscan)による受容体の活性化が、急速rapidlyかつ強力potentlyにP-gp発現と機能を低下させることを示す
これは時間依存的time-dependentで、そして可逆的なやり方reversible mannerである

我々はP-gp発現と機能の下方調整downmodulationが化学療法薬の脳内での蓄積と同時に起きることを、野生型マウス、マウスとヒトの脳の初代内皮細胞で実証する
これらの細胞はin vitroのBBBモデルとして働く

また、LexiscanはBCRP1(ABCG2)の発現を下方調節downregulateする
BCRP1はCNSの血管系vasculatureならびに他の組織で強く発現する排出トランスポーターである

最後に我々は、P-gpの下方調整を仲介するのがMMP9による切断やユビキチン化を含む複数の経路であることを特定した

これらのデータを基に、我々はBBB内皮細胞上のA2Aアデノシン受容体の活性化が治療薬を送り届ける時間帯を生じることを提案する
それは脳内への薬剤送達にとって微調整fine-tunedされたものであり、CNSへの薬剤送達技術としての潜在性を持つ


https://www.jci.org/articles/view/76207/figure/9
Figure 9
A2Aアデノシン受容体のシグナル伝達が細胞透過性を調節するメカニズム


(a) 基底状態では、脳内皮細胞の単一の層がP-gpを含む輸送体を強く発現している
(b) アデノシン受容体が、アデノシンまたはLexiscanによって活性化されると、
(c) それは脳内皮細胞上のP-gpを下方調節し、
(d) 細胞透過性を増大させてP-gpの基質を脳内へ送達する
その後P-gpの基質substrateが脳内皮細胞を越える時、最終的にどの輸送体が分子を脳内の側へ送り届けるのかは不明である



関連サイト
http://astamuse.com/ja/published/JP/No/2013540748
出願人 コーネルユニバーシティー
血液脳関門の透過性を調節するためのアデノシン受容体シグナル伝達の使用法



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https://blog.goo.ne.jp/news-t/e/cce233b5cfcfa9bc5ab09af62ccdcff6
低酸素ならびにアデノシンが多い微小環境で、T細胞はA2Aアデノシン受容体を介して阻害される


<コメント>
カフェイン/Caffeinはアデノシン受容体(A1、A2A、A2B、A3)のアンタゴニスト