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コレステロール合成の阻害剤が前立腺癌に有効

2016-04-17 06:06:23 | 
Potential cholesterol-lowering drug molecule has prostate cancer fighting capabilities

April 14, 2016

https://www.sciencedaily.com/releases/2016/04/160414170034.htm


前立腺癌の標準的な治療には癌細胞上の受容体を標的とする化学療法が含まれる
しかしながら、化学療法の間に薬剤抵抗性の癌細胞が現れることがあり、その抗がん剤としての有効性を限定する

ミズーリ大学の研究者は、元々コレステロールを抑えるために開発された化合物が前立腺癌の進行を止めるだけでなく、癌細胞を殺せることを証明した

「コレステロールは動物の細胞膜の構成要素として働く分子である
腫瘍の細胞が増殖するとき、普通より多くのコレステロールが合成される」
生医科学の教授であるSalman Hyderは言う

「癌の患者はしばしば毒性の高い化学療法を受けるが、我々の研究では癌細胞のコレステロールに着目した
コレステロールの合成を減らすことで癌細胞は死ぬ可能性があり、
有害な化学療法の必要性を減らせるかもしれない」

前立腺癌の主な治療は癌細胞上のアンドロゲン受容体を標的とした化学療法薬の全身への投与などがある
通常のアンドロゲン受容体はテストステロンのようなホルモンに結合する

抗ホルモン療法、つまり化学的な去勢も前立腺癌への治療で使われる

「腫瘍の細胞がこれらの治療に反応するのは最初だけでほとんどは最終的に抵抗性を生じ、そこから前立腺癌細胞は増殖して転移するようになる」
Hyderは言う

「コレステロールも抗ホルモン療法への抵抗性の一因になりうる
なぜなら、コレステロールは腫瘍の細胞内でホルモンに変換されるからである
したがって、このようなコレステロール合成経路は前立腺癌の治療にとって魅力的な標的である」

Roche Pharmaceuticalsの開発した高コレステロール治療用の化合物であるRO 48-8071をヒトの前立腺癌の細胞に投与したところ、細胞増殖の抑制に有効であることが明らかになった
その後の研究でRO 48-8071が癌細胞を殺すことも明らかにされた

この情報を基にHyderたちはヒトの前立腺癌の細胞を持たせたマウスで研究結果をテストした
RO 48-8071を注入したところ、実際に腫瘍の増殖の抑制に有効であることが明らかになった

これらの研究結果が示唆しているのは、コレステロール低下薬は
一般的な化学療法薬と組み合わせることで前立腺癌に対する新たな治療アプローチになりうることだとHyderは言う


http://?
Cholesterol biosynthesis inhibitor RO 48-8071 suppresses growth of hormone-dependent and castration-resistant prostate cancer cells.
コレステロール生合成の阻害剤RO 48-8071はホルモン依存性・去勢抵抗性の前立腺癌細胞の増殖を抑制する



関連記事
http://blog.goo.ne.jp/news-t/e/6089be975c0cf32996447e33323a6ece
癌はLDLのコレステロールをエサにして増殖する



関連サイト
http://pdbj.org/eprots/index_ja.cgi?PDB%3A1W6J
コレステロールの生合成経路でオキシドスクアレンからラノステロールを生成する反応においてステロイド骨格の形成がされる。この反応はオキシドスクアレンシクラーゼ(OSC、別名ラノステロール合成酵素)という酵素によって触媒されている。ゆえに、OSCを阻害することで血中のコレステロール濃度を下げることができる可能性がある。
ここに示すタンパク質の結晶構造は、OSCとその阻害剤であるRo 48-8071の複合体である。



関連サイト
http://www.nature.com/articles/srep09054/figures/1
酢酸→HMGCoA─[HMGCoAレダクターゼ(スタチンで阻害)]→メバロン酸→プレニル中間体→スクアレン─[スクアレンモノオキシゲナーゼ(テルビナフィンで阻害)]→2,3-エポキシスクアレン─[オキシドスクアレンシクラーゼ(Ro 48-8071で阻害)]→ラノステロール─[C-14脱メチル化酵素(イトラコナゾールで阻害)]→コレステロール