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高血圧薬を使っている糖尿病患者は血糖値が低い

2016-02-16 06:06:21 | 代謝
Diabetics who use verapamil have lower glucose levels, data show

February 12, 2016

https://www.sciencedaily.com/releases/2016/02/160212093652.htm

Diabetes Research and Clinical Practice誌で発表されたアラバマ大学バーミングハム校(UAB)の新たな研究により、ヒト糖尿病患者のベラパミルverapamilの使用と空腹時グルコースレベルの低さとの間の関連が初めて示された
これは現在UAB総合糖尿病センターがJDRFの資金提供によるベラパミルを使ったこれまでに類を見ない臨床試験を実施している中で得られた有望な結果である
ベラパミルはUAB医学部がマウスモデルで糖尿病を完全に一変reverseさせることを示した薬剤である

UABの予防医学部ではresearch associateかつpostdoctoral scholarであり総合糖尿病センターではjunior memberでもあるYulia Khodneva M.D., Ph.D.は、
REGARDS研究に参加した約5000人の成人糖尿病患者で、カルシウムチャネル遮断薬、ベラパミルの使用、空腹時血清グルコースの関連を検討した
REGARDS(Reasons for Geographic and Racial Differences in Stroke)という研究プロジェクトはNIHをスポンサーとするアメリカ国内の研究であり、心血管疾患のリスクを増大する要因について研究することに焦点を合わせている
参加者の中には成人糖尿病のサンプルとしてカルシウムチャネル遮断薬を服用する1484人が含まれ、その中の174人がベラパミルを服用していた
分析の結果、カルシウムチャネル遮断薬を服用する糖尿病患者は、そうでない患者と比較して血清グルコースが5mg/dL低いことが示された
ベラパミルを服用する患者は、カルシウムチャネル遮断薬を使わない患者と比較して平均10mg/dL低かった

さらに、インスリンを使っていてベラパミルも服用している患者の間で非常に大幅な数の違いが示された
ベラパミルの服用者で、インスリンを使っていて経口薬も組み合わせて使っている患者は血清グルコースが24mg/dL低く、
ベラパミルの服用者で、糖尿病の管理にインスリンのみを使っている患者は37mg/dLという低い血清グルコース値を示した


「これは横断的な観察研究であり、現在UABが実施している前向きprospectiveでランダム化されたベラパミルの臨床試験とは異なる
よって我々はベラパミルの服用とグルコースレベルの低さとの間の因果関係を推論することはできないが、
しかしグルコースレベルの低さと関連があると言うことはできる
それは非常に励みになるabsolutely encouraging」
Khodnevaは言う

そしてKhodnevaは、ほとんどの1型糖尿病患者と重症の2型糖尿病患者が含まれる『インスリンだけを使う最後のサブグループ』での研究結果が非常に印象的quite strikingであると言う

「ベラパミルを服用しないグループと比較した際の、そのグループでのグルコースの変化は37mg/dLという大きなものであり、
この違いは成人の糖尿病サンプル全体を見た時よりもほぼ4倍も高い
そこから我々は、ベラパミルはβ細胞が本当にダメージを受けている1型糖尿病や2型糖尿病の患者で主に有効であると考えるようになった
構造レベルで作用する何かsomethingが存在し、それは特にβ細胞のダメージが強い人ほど顕著であるようだ」


「Khodneva博士はこれらの大規模なデータセットを分析し、ベラパミルの服用が糖尿病患者のグルコースレベルの低さと関連することを初めて発見したという非常に素晴らしい仕事を成し遂げた」
UABの総合糖尿病センターのディレクターでありベラパミル臨床試験の主任研究員/治験責任者principal investigatorでもあるAnath Shalev, M.D.は言う

「印象的なことに、今回観察されたグルコースレベルの違いはHbA1cでいえば約1%の低下に匹敵し、承認糖尿病薬を追加することから期待される変化と同等である
さらに、特にインスリンを使っているグループで見られたグルコースレベルの大きな差は、機能するβ細胞の量functional beta-cell massをベラパミルが促進するという我々の根本的な仮説と一致する」


UABはベラパミルの臨床試験を2014年の11月に告知announceし、2015年1月に患者の登録を開始した
1型糖尿病に対するベラパミルの有効性を評価する最初の結果はまだ約18ヶ月先である

この試験は現在のどんな治療とも異なるアプローチをテストするもので、血糖を制御するために必要なインスリンを作る膵臓β細胞の機能を促進することに焦点を合わせている
UABの科学者たちは長年の研究を通じて、高血糖によりTXNIP(チオレドキシン相互作用タンパク質)というタンパク質が過剰に作られることを証明してきた
TXNIPは糖尿病に応じてβ細胞の内部で増加するが、それがβ細胞にとって生物学的に重要であることはこれまで知られていなかった
β細胞内の過剰なTXNIPは細胞死につながり、体がインスリンを作る努力を妨害して糖尿病の進行の一因となる

しかしUABの科学者は、高血圧や不整脈irregular heartbeat、偏頭痛migraine headacheを治療するために広く使われているベラパミルが、β細胞内のカルシウム濃度を低下させることによりTXNIPレベルを低下させることも発見している
糖尿病を確立したマウスモデルで血糖が300mg/dLを越えたものをベラパミルで治療すると、糖尿病は根絶された


http://dx.doi.org/10.1016/j.diabres.2016.01.021
Calcium channel blocker use is associated with lower fasting serum glucose among adults with diabetes from the REGARDS study.



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http://blog.goo.ne.jp/news-t/e/6bbad84c33e591dce00ed134dc7f8c87
高血糖はTXNIPというタンパク質の過剰生産を引き起こす。膵臓β細胞内の過剰なTXNIPは細胞死につながり、インスリンの分泌を妨害して糖尿病の進行に関与する。ベラパミルはβ細胞内のTXNIPレベルを低下させる。
臨床試験では1型糖尿病の診断を受けて3ヵ月以内の19歳から45歳の間の52人を登録する予定である。登録された患者はインスリン・ポンプ療法は継続し、ベラパミルまたはプラセボのどちらかの1年間の投与にランダムに割り振られる。



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https://www.sciencedaily.com/releases/2016/02/160208112603.htm
2型糖尿病の特に血糖コントロールが悪い人は、TXNIP遺伝子のメチル化が低下する

http://dx.doi.org/10.1093/hmg/ddv493
Epigenome-wide association study identifies TXNIP gene associated with type 2 diabetes mellitus and sustained hyperglycemia.