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GABAA受容体は乳癌の転移を促進し、抑制する

2016-02-17 06:06:28 | 
Gene previously observed only in brain is important driver of metastatic breast cancer

February 12, 2016

https://www.sciencedaily.com/releases/2016/02/160212093658.htm

乳癌が進行して他の臓器へ転移すると、患者の生存率は劇的に低下する
このことは腫瘍細胞の転移の原因となる遺伝子を探求する必要性を刺激してきた

今回ウィスター研究所の科学者によって、脳でしか見られないと考えられていた遺伝子の一つが乳癌でも発現し、癌細胞の増殖と転移を促進することが明らかにされた
加えて彼らは、その遺伝子がRNAが編集されるとどのようにして転移を予防するのかについても示した
この研究結果はNature Communications誌でオンラインにて発表された


国立癌研究所によると、乳癌が早いステージで見つかれば治療を受けた患者全てが治療の5年後も生きている
しかしながら、乳癌が転移して他の臓器に拡散すると、5年以上生き残るのは5人中わずか1人である
この著しい生存のギャップは、何が乳癌を転移させるのかについて明らかにする必要性を強める

乳癌が転移する分子レベルでの原因は十分に理解されてはいない
そのため、この転移という振る舞いを刺激する調節性の遺伝子を明らかにすることは、早期検出から最良の治療戦略デザインに至るまで、患者の生存に途方もなく強い影響を与えうる

「転移する乳癌は最終的に患者を殺す」
ウィスター研究所で腫瘍微小環境・転移プログラムの準教授associate professorであり、筆頭著者のQihong Huang, M.D., Ph.D.は言う

「早期の検出が重要であるものの、それは転移してしまった患者の助けにはならない
そのため我々は何がこの転移を引き起こすのかを決定したいと考えている」


研究者はがんゲノムアトラス/The Cancer Genome Atlas (TCGA) を分析し、41の遺伝子が乳癌の生存と逆相関することを明らかにした
Huangたちはこの中から特に一つの遺伝子、GABAA受容体α3/GABAA receptor alpha3 (Gabra3) に焦点を合わせた
この遺伝子は特別に興味深い存在だった
なぜなら、これまでGabra3は脳組織でしか発現しないと考えられていたからである

これが研究する価値があると彼らが決定するに至った理由は、主に3つ存在した
まず一つに、Gabra3は癌組織で強く発現しているが、健康な胸部では発現しない
二つ目は、Gabra3が細胞表面の分子であり、したがって潜在的に薬剤によって標的となりうる
最後に、Gabra3を標的とする薬剤は不眠症insomniaのような他の疾患の治療用として既に利用可能である

彼らは研究でGabra3を発現する細胞が対応するコントロール群よりも移動して浸潤するのが上手いことを示した
Gabra3はin vivoで転移を促進する作用を示し、活性化したGabra3遺伝子を注入された動物モデルは全て肺に転移病巣を形成した
これはAKT経路の活性化によるものであり、乳癌を含む多くのタイプの癌においてAKTは細胞の増殖と生存に必須の経路である

 Gabra3→AKT→転移

しかし場合によってはin some instances、特定のタイプのGabra3は実際には乳癌の転移を抑制可能である
これは遺伝子のRNAと密接に関連する

RNAは遺伝子をコードするDNAと似たような分子であり、
最近の研究から遺伝子がどのようにしてオン/オフされるのかを調節する際にRNAは複雑な役割を持つことが示されている
『RNA編集』として知られる現象では、それが転写された後でさえRNAヌクレオチド配列に小さな変化が形成される

HuangたちはRNA編集を受けたGabra3が浸潤しない乳癌でのみ見られることを発見した
RNAが編集されると、転移に必要なAKT経路の活性化を抑制する
つまりこの特定のタイプのGabra3を持つ乳癌は他の臓器に転移できないことを意味する

これは大いに有望particularly encouragingである
なぜならシグナル伝達タンパク質の一つであるインターフェロンがRNA編集の活性を増大させることが可能であり、
したがってGabra3によるAKT経路の活性化を妨害できるかもしれないからである

「我々はこれが初めて乳癌でRNA編集の重要性を実証したものであると考えている」
Huangは言う

「Gabra3を標的にしながらRNA編集する分子の発現を上方調節することを含めた組み合わせ戦略は、転移する乳癌を管理するために有効な戦略となりうる」


乳癌転移におけるGabra3の役割をさらに研究することに加え、
ウィスターはGabra3を過剰発現する腫瘍において既存のGABA-A受容体アンタゴニストを使う標的治療を改善するための協力開発パートナーを積極的に探している
ウィスターはさらに、次世代の腫瘍学的治療法として血液脳関門を透過しないGABA-A受容体アンタゴニストを協力して開発することにも興味を持っている


OPEN
http://dx.doi.org/10.1038/ncomms10715
The mRNA-edited form of GABRA3 suppresses GABRA3-mediated Akt activation and breast cancer metastasis.
mRNA編集された形態のGABRA3は、GABRA3を介するAkt活性化ならびに乳癌転移を抑制する

我々はここに通常は脳でしか発現しないGABAA受容体α3 (Gabra3) が乳癌でも発現することを示す
Gabra3の高い発現は乳癌患者の生存と逆相関する
我々はGabra3がAKT経路を活性化して移動・浸潤・転移を促進することを実証する

重要なことに、アデニン/Aからイノシン/IへRNA編集されたGabra3は非浸潤乳癌においてのみ見られ
編集されたGabra3は乳癌細胞の浸潤と転移を抑制した

AからIへ編集されたGabra3は細胞表面の発現が低下し、AKTの活性化も抑制した



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