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革新的な臨床試験: 糖尿病を打ち消す高血圧薬

2014-11-11 00:42:22 | 代謝

Groundbreaking clinical trial to test blood pressure drug that reverses diabetes in animal models

アラバマ大学バーミングハム校で実施される新しい研究は、広く使われている高血圧・不整脈の治療薬であるベラパミルが動物モデルで糖尿病を完全に打ち消すことを示した。

3年間で210万ドルのJDRF(Juvenile Diabetes Research Foundation; 国際若年性糖尿病研究財団)からの助成金により、UABの研究者は2015年に革新的な臨床試験を実施してそれがヒトでも同様の効果があるかを確認する。この「1型糖尿病のベータ細胞生存療法としてのベラパミルの再利用」という試験は来年早くに開始する予定で、UABの総合糖尿病センターでの10年以上の研究努力の後に実現した。

この試験ではβ(ベータ)細胞と呼ばれる膵臓の細胞を助けることに焦点を合わせるという、現在のあらゆる糖尿病治療薬とは異なるアプローチをテストすることになる。



UABの科学者は長年の研究を通して、高血糖はTXNIPというタンパク質の過剰生産を引き起こすことを明らかにしてきた。TXNIPは糖尿病に応じてβ細胞内で増加するが、それがベータ細胞にとってどれほど重要であるかはまったく知られていなかった。膵β細胞内の過剰なTXNIPは細胞死につながり、インスリンの分泌を妨害して糖尿病の進行に関与する。

しかしUABの科学者は、ベラパミルという高血圧と片頭痛の治療薬がβ細胞内のTXNIPレベルを低下させることも発見した。300mg/dLを上回る高血糖の糖尿病マウス・モデルにベラパミルを投与すると、糖尿病は根絶された。



臨床試験では1型糖尿病の診断を受けて3ヵ月以内の、19歳から45歳の間の52人を登録する予定である。登録された患者はインスリン・ポンプ療法は継続し、さらにベラパミルまたはプラセボのどちらかの1年間の投与にランダムに割り振られる。

「最良のシナリオとしては、患者のβ細胞が十分なインスリンを生み出せるほど増加して、インスリン注射を全く必要としなくなることである。しかし1年という短期間であることを考慮すれば、今回の試験ではそれは無理そうである」、UAB総合糖尿病センターの責任者であり、ベラパミル臨床試験の主任研究員でもあるAnathシャレヴ医学博士は言う。

「我々は以前の大規模な臨床研究から、患者自身の残っているβ細胞の量がわずかであっても非常に有益な結果が得られ、合併症を低下させるということを知っている」、シャレヴは言った。

「それはおそらく、ほんのわずかな数のβ細胞でも血糖のきわめて微細な変動に対して非常に適切に反応することができるからだろう。それはインスリン注射や、より精巧なインスリンポンプの反応よりもずっと適切である。」

研究グループは現在、TXNIPを阻害するための分子を積極的に探している。

記事出典:
上記の記事は、アラバマ大学バーミングハム校によって提供される素材に基づく。

http://www.sciencedaily.com/releases/2014/11/141106082041.htm

<コメント>
ベラパミルというカルシウムチャネル遮断薬(calcium channel blocker)は、チオレドキシン相互作用タンパク質(TXNIP)を抑制してβ細胞の生存を助けるという記事です。

カルシウムチャネル遮断薬には第1世代、第2世代、第3世代があり、ベラパミルはその第1世代です(動物実験で胎児毒性が報告されているため妊婦または妊娠の可能性がある人は禁忌)。

TXNIPは、高血糖、ERストレスROSなどによって誘導されるタンパク質で、チオレドキシンと結合して阻害することでROSをさらに促進したり、アポトーシスを誘導します。

高血糖の状態が続くと、過剰なグルコースの代謝産物Xu5pがPP2Aを活性化させ、炭水化物応答配列結合タンパク質ChREBP)を脱リン酸化します。脱リン酸化されたChREBPは核へ移行してTXNIPの転写を促進します。

2012年の彼らの論文によれば、ChREBPはPP2B/カルシニューリンでカルシウム依存的に脱リン酸化して核へ移行します(カルシニューリン阻害剤でも抑制できる)。


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