日本のゆくえ

日本の経済と、日本人の精神はどこへ行くのか? 新自由主義社会に反乱を起こし、生き残るためのブログ

「相棒」と、イラク邦人人質事件

2008-05-19 03:28:08 | Weblog
土日をかけて、通信教育の課題を書き上げた昨日の4時頃、従姉妹から、「映画に行こう」という誘いがありました。

見に行ったのは、いわゆる大ヒット上映中(笑)の「相棒」ですが、ちょっと古くさいタイプの刑事ドラマの映画化といった、印象でした。

24(twenty-four)フリークの僕としては、もっとインテリジェンスをくすぐるような刺激の欲しいところでありましたが、あのストーリーの題材は4年前のイラク邦人人質事件から、インスパイアされたものなのでしょう。

当時、イラクにおける高遠菜穂子さんら3人の邦人人質事件から始まり、安田純平さんら2人の人質事件、そして香田証生さんが、小泉首相から「テロに屈することはできない。自衛隊は撤退しない」と即座に見放されて、殺害された事件を思い出します。

あの当時は、僕が運営していた掲示板でも議論が分かれたのですが、僕は、あえて中立的な立場を取りました。だって情報不足で、分からないものは、分からないですからね。

2ちゃんねるなどの巨大掲示板では、高遠菜穂子さんの名前が共産党系のサイトで見つかったというだけで、酷いバッシングやら、嫌がらせの電話が彼らの実家に殺到しました。その後、彼女が左翼グループとは関係ないことが分かったのですが、政府関係者が「ネットで調べてみろ」と被害者の身元を、わざわざイメージダウンさせるような言及をマスコミに対してしてみたり、マスコミ全体が、自己責任論で彼らを見放そうとしたりで、今振り返ると、ここ10年でもっとも日本人が残してしまった、大きな汚点であったと言えるでしょう。

幸田さんの人質事件の時は、当時自民党に所属していた亀井静香さんがが小泉首相に直談判して、「イラク政府が救出できないなら、サマワに駐留する自衛隊が捜索、救助活動をするべきだ」と提案したものの、小泉首相がいち早く「テロには屈しない」と言ってしまったこともあり、手遅れとなってしまいました。

当時は日本全体に、自己責任論で済ませてしまう空気があり、亀井さんの提言は、どちらかといえば馬鹿にされていたのですが、今日のようにイラク戦争の正当性がまったく立証できなくなってしまったことを考えると、あの頃の大方の日本人の方が、まったく異常な空気に包まれていたということが分かります。

特に2ちゃんねらーは、インターネットの検索エンジンでヒットした情報をそのまま飲み込んでしまうのですから、たちが悪かったです。インターネットの情報量が長大とは言え、掲載されていない情報の方がその何百倍もあることが、彼らには想像できなかったのでしょう。それはインターネットにキーワードを打ち込んで、容易く情報を得ようとする、内閣情報調査室の連中も同じ傾向があると、野中広務さんが言っていました。

映画「相棒」では、人質邦人を見放してしまった日本人全員が犯人の標的になりましたが、覚悟無しにイラク戦争の参戦を許し、小泉首相を持ち上げてしまった日本人全員が、まるで何事もなかったかのように、反省一つ無く、今日まで生きてきたことを、映画のテーマとして取り入れたことは評価できると思われます。

そういえば、映画に出てきた御厨元首相の髪型は、小泉純一郎のライオンヘアそのものでしたね。

世界の成長率

2008-05-17 21:14:19 | Weblog
「3の倍数と3の付く数字だけアホになります」というネタでブレイクしたのは、ジャリズムというコンビの一人でもある「世界のナベアツ」という芸人ですが、彼の名の由来は、ジャズミュージシャンである「世界のナベサダ」こと渡辺貞夫さんから、ヒントを得たのだそうです。

世界のナベアツや、エドはるみ、柳原加奈子、小島よしおなど、不景気にはピン芸人が流行ると言われているそうです。

次々とブレイクしているピン芸人のテレビの一回の出演料は1~2万円程度といいますが、こんなに安い値段で視聴率が取れるのですから、彼らが引っ張りだこなのは当たり前の話で、その背景には、まだまだ長期低迷から抜け出せない、日本経済の状況があるわけです。

一方、昔からの有名なタレントは飯を食えなくなっているようです。

さて、世界のナベアツならぬ、世界の成長率は上記のグラフの通りで(笑)、日本の1~2%程度の成長率が、いかに異常であるかが分かると思われます。

日本が先進国と並ぶ4~5%の成長率となるには、今の財政に10兆円程度の真水の財政出動を加えるだけの話しです。10兆円といえば、500兆円あるGDPの2%程度ですから、そこに加算される乗数係数を考えなくても、今の成長率にプラスするだけで、コンピューターなどなくても計算できるものでしょう。

ここ10年で先進国の平均所得は70%増えているといいますが、みなさんの年収は何%くらい増えたでしょうか?

このままの低成長に甘んじていると、ガソリンにしろ、小麦にしろ、一次産品の買い負けが進んで、大変なことになりますよ。

読書にいくら使うか?

2008-05-16 08:59:59 | Weblog
先週ドラッカーの『プロフェッショナルの条件』をセブン&ワイで注文して感銘を受けたばかりですが、僕の趣味であるビジネス本、政治経済、自己啓発、精神世界などで良い本があると、ついついお金を使ってしまいます。

もう3千冊を超えてから数を数えていませんが、我が家の3つある本棚は本が入りきらなくて、床に積んであります。

しかし、日本史に詳しい知人の蔵書は7千冊、シュタイナー思想を教えてくれた知人の蔵書は2万冊と、まだまだ読書が足りないものと思っていました。

さて、皆さんが月々に使う本代は、いったい幾らくらいでしょうか?

先日のTBS「情熱大陸」に登場していた経済評論家の勝間和代さんによれば、日本人が(新聞・雑誌を除いた)読書に使う金額は、平均で700円だそうです。

たったの、700円? えっ、と思いましたが。

ハードカバーの新刊本は千円以上はしますし、その700円の中には、マンガ本も入っているというのですから、これでは、大多数の日本人は月に一冊の本も買っていないということになります。

そういえば、前の会社で西部邁先生の名前を知らない人がいて、たまたまその人だけだと思っていたのですが、日本経済復活の会が、ノーベル経済学賞受賞者のクライン教授を招いたシンポジウムで、主催であるケンコーポレーションの女性社員が、そこに来ていたリチャード・クーさえ知らなかったので、経済コラムマガジンの荒井さんが、大笑いしていたエピソードを思い出します。

昨日のTBSラジオで、司会の小西克哉が「世論には二種類あって、普通の大勢の人たちの世論と、評論家などのマスコミがつくる世論がる」と言っていましたが、そもそも本を読んでいないのですから、一般大衆に世論なんてないわけです。

だからこそ飲み会の席などで、僕が政治の話しをすると「政治なんて誰がやったって同じだ」なんて、アホな意見を言ってしまう人もいるわけです。本当はまったく逆で、本来、政治というものは何でもできるものなのです。通貨の発行もできますし、戦争もできますし、福祉の充実もできますし、公共事業の充実も、雇用の安定化も、平和社会の実現もできるわけです。

本を読まない人々は、現在行われている新古典派やサプライサイド的な経済政策の他に、ケインズ的な対立軸があるも知らなければ、インフレターゲットや、リフレーション、シニョリッジ政策といった景気浮揚政策も知らないようです。最近になってようやく、米国型の資本主義の他に、北欧型や、広域な欧州型の資本主義があることを知らされたくらいです。

日本の場合、借金がたくさんあるから緊縮財政しかできないというのが世論に定着されてきましたが、これは先進国では日本しかやっていないローカル政策でしょう。だから先進国で唯一長年のデフレから脱却できずにいますし、世界でいち早く自動車の保有台数がピークを迎えてしまったわけです。

その他に、死刑制度が先進国では一般的ではないことや、農業の補助金や輸入規制は先進国で普通に行われていること、保険の自由化によってどのような未来が待ち受けているかとか、オウム真理教の検証をまったくされずにここまで来た宗教的背景とか、世の中知らないことだらけで、これだけ文盲なのに、どうしてこんなにGDPの高い国でいられたのか、不思議なくらいです。

まずは庶民が、騙されないように一冊でも多く本を読むことが大切であると思われます。本なんて図書館でタダで借りられるものですし、携帯代はしっかり払っているくせに、お金がないなんて言い訳は通りませんよ。

もう一つの世論の大もとである、評論家やエコノミストの責任は、たいへん重いと思われますね。

派遣のひと

2008-05-15 07:29:38 | Weblog
同じグループの派遣のひとが、昨日も会社を休みました。

これで半年で二週間くらい休んだことになります。

「派遣の仕事しかできないから派遣なんで、一所懸命教えるだけ無駄」といっていた上司の考えの方が的中してしまうと、僕は期待していただけに脱力感で一杯です。

西部邁著『国民の道徳』より

 もちろん、労働をあたかもモノのように扱うという可能性も人間にはある。具体例でいうと、コンビニエンスストアで一日八時間の深夜労働をするとき、それは自分を流通システムの単なる部品と化すことなのであろう。そういうフリーターたちは、自分がかかわる集団の場にたいして積極的な関心はほとんど何も持たないに違いない。だがこれは、人間の欲望充実という点からいえば、かなり問題のある生きかたである。八時間といえば、睡眠時間などを除けば、一日の半分である。その半分もの時間を過ごす場について、何の安全も帰属心も自己実現感も持てないというのは、いかにも歪んだ生活である。
 我が国で、今、一五〇万人を超えるフリーターがいるといわれている。万やむをえず時間契約で勤労しているものもいるのであろうが、半分以上は、人生設計上のいわゆるモラトリアム期間として、フリーター生活をしているようである。モラトリアムとして歪んだ生活を選ぶというのはいかにも奇妙である。それは、たぶん、フリーターにおける就職・離職の「自由」が物神のように崇められているせいなのであろう。また、採用するがわに、こうした歪んだモラトリアム人間を利用しようという態度があるが、それは、長期的には、当該の産業の在り方を不安定なものにせざるにはいないであろう。なぜなら、それは産業の組織をひよわなものにするに決まっているからである。(P-555~556)

(引用終わり)

今から8年前に書かれた本です。現在はフリーターよりも、間接雇用の派遣で働く人が多くなりましたが、正社員から派遣に落とされた人も数知れずです。

「何の帰属心も自己実現も持てないというのは、いかにも歪んだ生活である」というのは、かなり当たっていたと思われます。

色々な派遣の人と出会って聞いてきた生活の特徴は、パチンコなどギャンブルに金を使う人が多いこと。金も無いのに友人と飲み歩くこと。サラ金から金を借りている人が多いこと。年金の掛け金を払っていない人が多いこと。支持待ち人間が多く、向上心が無いこと。職場の人間とよくトラブルになること。頻繁に会社を休むこと。

などですが、人生設計上やってはいけないことを全てやってしまっています。はやり帰属心も自己実現も充足されないということは、人の心を歪めてしまう傾向があると思われます。

こういう歪んだモラトリアム人間を、企業が積極的に採用し、国もそれをサポートする形で、労働法の規制緩和を次々行ってきました。

もう彼らに教えるのも疲れましたし、なるようになれです(笑)

昨日の報道2001

2008-05-12 16:29:32 | Weblog
竹村健一が引退して間もない報道2001ですが、西部邁さんがゲストコメントをしていて、非常に良い味を出しています。

「アメリカ型の資本主義ではなく、北欧型なのか、それともヨーロッパ型なのか、まったく何も考えないで来た」

「若者の世話にはならないという、年寄りが一人もいない」

平沼赳夫氏に対し、
「中国の批判はするが、アメリカに対してはしない」など。

わはは。本当の事を言う人間は、テレビでは狂気に見えてしまいますな。

平沼赳夫氏は脳梗塞で倒れてから、声が出しにくくなったようですが、「国民新党とは考え方が同じ」と言っていたところをみると、考えが柔軟になったような気がします。

新党構想など止めて、最初から国民新党を立ち上げる仲間に加われば良かったものを、病み上がりの体で、どこまでできるというのでしょう。

お坊ちゃんを暴露されてしまった安倍晋三など、仲間に引き連れたところで、しょうがないでしょう。

まあ、国民新党傘下に入るなら、納得しないこともないですけどね。

昔の商店、今の商店

2008-05-10 19:53:52 | Weblog
母親に百円玉数枚を渡され、「お豆腐買ってきて」と言われて、往復30分くらいのお使いを頼まれる。そんなことを思い出す、子どもの頃の情景があります。

僕の子どもの頃の街なみを思い出すと、北海道の小さな田舎でも路線電車の駅ごとに、郵便局、魚屋、酒屋、駄菓子屋、豆腐屋、布団屋、床屋、パーマ屋、タバコ屋、ガソリンスタンド、農協があって、供給性が充実していて、お店もそれなりに経営が成り立っていたのです。

路線電車が廃止になり、民営のバスが通るようになると、運賃はどんどん上昇して、ダイヤも減らされて、交通が不便になっていくのと比例して、自動車がなくては生活できない暮らしになってしまいました。

殆どの家庭で自動車が利用されるようになると、地域の人たちの消費は、より市街に近く、より大きな駐車場が設置可能な商地へと移動することになりました。それによって地域の商店は次々に、店じまいを余儀なくされてしまいました。

現在の日本の街なみといえば、イオンやイトーヨーカドーといったマンモススーパーがあり、薬屋はマツモトキヨシ、紳士服はコナカ、レンタルビデオはツタヤ、古本中古ゲームはブックオフ、映画はマイカルシネマ、自動車はオートバックス、コンビニはセブンイレブンやローソン、パチンコはマルハン、電気屋はヤマダ電機といった具合にだいたいロケーションが決まってしまったように思います。

それで人々の生活がどうなったかと言えば、一国一城の主であった個人事業者が店じまいをしてパートの仕事に付くようになり、高いコストの自動車を持たなければ買い物もできなくなり、子どもがどんどん都会に流出していって家族はバラバラになり、バスは一日に一本しか通らない路線も現れ、大手資本と貧乏人の関係性だけの、閑散とした情景へと変わってしまいました。

その点、東京はといえば、電車や地下鉄、都営バスが充実していて自動車がなくても生活できる便利さがあり、本社が東京に集中しているので、税収に余裕があって公共サービスもよく、小さな商店街は昔のままの繁盛です。

皆さん、国鉄民営化で良くなったことってありますか? 

次々の大店法改正で、何か良くなったことってありますか?

今こそ、そう問わなければならないのに、時代を追うごとに、地域を衰退させてしまう日本の行政って、いったいどうなんですかね?

貧乏人は、コメを食え!

2008-05-09 17:12:10 | Weblog
森永卓郎「構造改革をどう生きるか」より
http://www.nikkeibp.co.jp/sj/2/column/o/131/

 輸入小麦が高騰して、パンの値段は上がる一方だ。だが、それに対して米の値段は相対的に非常に安くなっている。

 朝食でパンを食べている人は、ご飯に変えるべきである。ご飯を炊くのが面倒ならば、パック入りのレトルトごはんにすればいい。わたしは「サトウのごはん」を愛用しているのだが、安いときには1パック80円で売っている。保存がきくので、これを買いだめしておけばいい。

 一家3人の朝食で240円。あとは味噌汁とありあわせの漬物とがあれば十分。カップラーメンが1個で百数十円もして、下手をすると200円を越えるかもしれないというご時世にあって、これは非常にお得である。

 かつて池田勇人総理大臣は、「貧乏人は麦を食え」と言って物議を醸した(もっとも、実際にそんな言い方をしたわけではないらしい)が、それにならって、わたしはこう言いたい。「貧乏人は米を食おう!」

 ちなみに、わたしはカップヌードルが大好物なのだが、最近は同じ日清食品から発売されているスープヌードルというものをもっぱら食している。

 これは、100円ショップでよく売られており、カップの外観は同じだが麺の量が少ない。手元にある製品をくらべてみると、カップヌードルが77グラム、スープヌードルは64グラムと表記されている。重量比にして約8割といったところだ。スープ感覚で食べられるという売り文句だが、小麦粉の使用量が少ないので安くできるのだろう。

 最初はだまされたような気分だったが、実際に食べてみると、幸か不幸か、一食はやはり一食として満腹感を得るのだ。これはお得である。

 腹が減っているときは、スープヌードルとサトウのごはんで、ラーメンライスにするというのが、わたしの昼食の献立である。これで一食180円也。実に経済的ではないか。

(引用終わり)


基本生活費をキッチリ15万円と決めている、森永卓郎さんらしい記事です(笑)

僕も、レンジでチンのご飯は常時10パック以上ストックしていますが、白米だけではなく、五目ご飯、赤飯、冷凍食品の焼おにぎりと、飽きないように色々取りそろえているので、自炊の時間のない時などは、これらはとても重宝しています。

アルバイトで生活している僕の友人は、それでも高いと感じているらしく、米をまとめて炊いて、サランラップに小分けして自分で冷凍食品を作っているようです。

みなさん日々の仕事で疲れているのでお分かりでしょうが、この時代に仕事をして、家に帰ってそれからご飯を炊いておかずを用意しようなんて、大変な労力でしょう。インスタント食品と、レンジでチンの冷凍食品は、安価な食費に合わせて貴重な休養時間を、我々は買っているワケです。

思い起こせば、これからの時代はエタノール燃料だなんて、畑に人間が食えないサトウキビやトウモロコシなんかを植えて、自動車の方におまんまを食べさせてしまえば、人間が食べる小麦の生産高が減って、高くなるのは当たり前ではないですか。

世界中で小麦価格が高騰しているので、自給率の弱いフィリピンなんてパニックになっているそうですyo。

現在は、日本の商社が頑張って調達してくれているので、どうにか小麦を手に入れることもできるのですが、商社も「金さえあれば売ってくれる時代ではなくなった」と言ってるくらいで、これからどうなるか分かりません。現に輸出規制している国もあるわけですから。

しかし、日本がもっとも供給力を弱いとされている農業自給率の問題や、エネルギー問題だけは、しっかりやらなくてはならないのに、福田ちゃんを頭にする政府はな~んにもやっていません。

唯一コメだけは高い自給率を維持してこれたのですが、皆さん、貧しさに負けずに田んぼを守ってくれた、日本のお百姓さんに感謝ですよ。

さて、森永さんじゃないけど、我が家の冷凍庫には、半額セールの時に買った冷凍食品がパンパンに詰まっています。安い時に購入したインスタントラーメンも、乾物のパスタやソバやソーメン、コメや小麦粉など、たぶん一ヶ月分はスーパーに行かなくても、何かしら食料があると思われます(笑)

これからの家計防衛術は、貯金ではなく、食料の家庭内備蓄かも知れませんね。

佐藤優と、雨宮処凛

2008-05-08 11:51:16 | Weblog
中央公論の4月号で、「いま隣にある貧困」という特集が組まれており、田原総一朗が「あの佐藤優が、もっぱら雨宮処凛さんの聞き役になっている」と驚くべき対談があるというので、面白そうなのでセブンアンドワイからバックナンバーを取り寄せて読んでみました。

対談を抜粋すると-

・「現実を直視してください。一年間、一生懸命働いて年収100万円しかない若者の夢は、300万円の年収を得て結婚したいということなんです」

・「私の周りではティッシュにしょうゆをかけて食べるという人も普通にいます」

・「昨今、若者が右傾化していると言われましたが、これは「外国人労働者に仕事を奪われてたまるか」という、排他的な歪んだ同胞意識からくるものだと思います」

・「ここ一、二年で都市部は目に見えてスラム化してきました。後、五年もすれば、都内ははっきり「上」「下」にゾーニングされていくと思います」

・「プレカリアートの人たちは、今、企業の一挙手一投足をものすごく見ていますよ。直接雇用しているのはどの企業か、偽装請負しているのはどこか。ものすごく細かく、厳しくウォッチしている。生きてゆくためだから、新聞も一生懸命読んで勉強しています」


(引用終わり)

といった内容ですが、雨宮さんたちが用いる「プレカリアート」という言葉は不安定を意味するPrecario と、Proletariatの造語で、新自由主義に対する新貧困層のことを示すそうです。

こういう話しは、政治家や官僚や大企業社員には理解不能なのでしょうが、反対の立場で、貧乏な人間の立場からも、上流階級の人の感覚というのはよく分からないのでしょう。

「果たして日本に格差は存在するのか、しないのか」そういったレベルの話しではないようです。格差社会などという生やさしいものではなく、「新しい貧困」として実在する社会現象をしっかり見据えなければ…。まあ僕の場合、安月給のサラリーマンを続けている中途半端な貧困層ですから、まだまだ知らないことが多かったようです。

佐藤優が雨宮さんにメロメロになってしまう意味が、よく分かりましたが、僕もメロメロかも知れませんよ(笑)

雨宮さんのように、日本の貧困層の中に身を投じて、それを教養豊かな言葉で表現し、反体制の立場を顕わにする女性は希有ですから、日本版マザー・テレサのような存在に感じてしまうのでしょう。

僕はと言えば、さっそくmixiの色々なコミュに入会して、情報収集している最中ですよ。

労働法は、昭和の遺産

2008-05-07 07:24:39 | Weblog
昨日、テレビ東京の「ガイアの夜明け」を観て、ようやくテレビ局もこういった放送ができるようになったのかと、感心しました。

http://www.tv-tokyo.co.jp/gaia/backnumber/preview080506.html
神奈川県内のあるスタンドで1年半、勝間田翔さん(26)はアルバイトとして働いてきた。時給1200円。しかし今年2月、突然、スタンド閉鎖とアルバイトの全員解雇を言い渡された。会社から来た解雇通知には、「原油高とサブプライム問題の影響で経営環境が不透明・・・」。実は勝間田さんたちアルバイトには、未払いの残業代があり、深夜手当も未払いだ。さらに正社員による内部告発では、会社側から、アルバイトの時間外勤務の記録を「改ざん」するよう、指示されていたというのだ。この会社には「雇用契約書」も存在せず、バイトの給料未払いは半ば公然化していた。
勝間田さんたち、アルバイトは怒り心頭だ。「アルバイトでも、正社員と同じように現場で一生懸命働いて、スタンド運営に携わってきた。ポイ捨てのように扱われて・・・。バイトだって正社員と同じ労働者じゃないかっ!」
勝間田君は立ち上がることにした。「アルバイト」の有志2人を募り、計3人で労働組合を作ったのである。彼らには、フリーター全般労組という、様々な職場で働くフリーターたちによる組合がバックアップ。会社との交渉に乗り出した。要求は未払い賃金の支払いと、解雇の撤回だ。

(引用終わり)

東大大学院卒の女性が、手取り18万円にしかならない派遣労働をしているというのには驚きました。国内で想定できる最高学歴の人でさえそうなのですから、一度社会の底辺に落ちついてしまった人々が、そこから抜け出すのは容易ではないということがよくよくわかりました。

ガソリンスタンドで働くバイト君は、時間外勤務記録の改ざんを指図されたり、雇用契約書も渡されていなかったりと、いったいいつから日本は発展途上国並の労働環境に逆戻りしてしまったのかと、あきれて観ていました。

そのガソリンスタンドの店長に「バイトなんだから仕方ない」と言われて、フリーター全般労組の人たちが怒り狂ってましたが、まあここまできて、ようやくまともな労働運動が立ち上がってきたという表れはあるのでしょう。

日本の古い労働組合というのは形骸化されていて、一所懸命にやった組合役員などは出世の道を絶たれてしまうので、活動といっても会社側へのおべっかばかりで、組合費だけ徴収して、たまの飲み食い費用のときに使う程度の組織になっていますが、もう少し労働組合の初心に戻って、活動をしてもらいたいものだと思われます。

その点は、僕が勤めていた前の会社も、組合の委員長が出世してしまう不思議な会社だったなと、感慨に耽ってみたりしますが。労使協調もいい加減にしろといいたいところです。

番組では会社の福利厚生が得られないので、社員食堂を利用しない派遣社員のイメージを役所広司が演じていましたが、そういえば僕の職場では、派遣の人でも社員食堂の半額を会社負担しているのに、250円程度の食費も高いといって弁当持参で出勤する人がけっこういます。社員の人が安いと思って払っているその食費でさえ、派遣の人には痛い出費なのだそうです。

その点は、今年4月からの「改正パート労働法」により、多少の待遇が良くなってくると思われますが、あの自民&公明のやることですから、肝心の改定内容の多くが努力目標になっています(笑)

まあ残業時間の割増賃金など最低限の労働法は、昭和の遺産なのですから、皆さんもう少し活用しましょうよ。

あとは政治を変えるべく投票に行くことでしょう。この時代に選挙の投票に行かない社会人は、この日本において生きる資格がないと、言っておきましょう。

パチンコと、アキバと、わたし

2008-05-05 23:32:02 | Weblog
今日から、たった二日間のゴールデンウィークなので(笑)、まずはパチンコ屋さんに行きました。

店内に入ると、沖海コーナーに知人を発見して、話しを聞くともう2万5千円もやられているとのこと。(うわー可哀想に負けパターンだな)と思いながら、僕は、背向かえの600回転くらいの台に座ると最初の500円でサメが三匹並んで大当たり。更に確変に発展。そのまま調子よく5連荘して喜んでいましたが、後ろを振り返るとまだやられている知人の姿が。

僕は午後から秋葉原に行く予定だったので、確変を一回残した状態で、彼に「○○さん、これ全部置いていくから2マンで買わない?」と話しを持ちかけて商談成立。

両替額でも、ちょっと得をしたので彼も喜んでいましたが、僕も秋葉原への軍資金ができて、これでwinwinシチュエーションの状態ができました。

しかし、僕よりだいぶん年上なので、パチンコに強いと思いこんでいる人に、説教するわけにはいかないところがどうしたものか。

松下幸之助が、「松下は性格の善し悪しではなく、運の良い人間を選んで昇進させる。運の良い人間とは、顔を見ればわかる」と言っていたように、運が悪いときの人の未来というのは、顔を見れば直感的にわかるような気がします。

それと、ギャンブルで負けないための秘訣は、おそらくとても簡単で、やってはいけないことをしないという、ただ、それだけのような気がします。

パチンコというギャンブルは、安定して客を呼び込めるように心理学的要素が多く取り入れられていますから、客側は完全に自分の客観性に従って、行動を取ることが大切です。従って、主観では絶対に行動を取らないことが第一点。

あとは負けパターンの時に損切りができないのは、万人の欠点なんですけど、それもやっちゃいけないですね。

さて、そんなことよりも今日秋葉原に行ったら、クロスフィールドの前に「あやや」がいましたよ(写真1)

「あややって、テレビでみるよりずっと大きく見えるでしょう!」と本人が言っていたとおり、とても大きな「あやや」でしたが、またの名を前田健というそうな。てゆうか今日はあちこちで芸人が、営業をやっていました。

あと、秋葉原駅ヨドバシ前広場で歌っていた「漆乃」というお姉さんがいましたが、なかなかの才能だと感じました。

さて、明日もアキバ行くぞ!