日本のゆくえ

日本の経済と、日本人の精神はどこへ行くのか? 新自由主義社会に反乱を起こし、生き残るためのブログ

昔の商店、今の商店

2008-05-10 19:53:52 | Weblog
母親に百円玉数枚を渡され、「お豆腐買ってきて」と言われて、往復30分くらいのお使いを頼まれる。そんなことを思い出す、子どもの頃の情景があります。

僕の子どもの頃の街なみを思い出すと、北海道の小さな田舎でも路線電車の駅ごとに、郵便局、魚屋、酒屋、駄菓子屋、豆腐屋、布団屋、床屋、パーマ屋、タバコ屋、ガソリンスタンド、農協があって、供給性が充実していて、お店もそれなりに経営が成り立っていたのです。

路線電車が廃止になり、民営のバスが通るようになると、運賃はどんどん上昇して、ダイヤも減らされて、交通が不便になっていくのと比例して、自動車がなくては生活できない暮らしになってしまいました。

殆どの家庭で自動車が利用されるようになると、地域の人たちの消費は、より市街に近く、より大きな駐車場が設置可能な商地へと移動することになりました。それによって地域の商店は次々に、店じまいを余儀なくされてしまいました。

現在の日本の街なみといえば、イオンやイトーヨーカドーといったマンモススーパーがあり、薬屋はマツモトキヨシ、紳士服はコナカ、レンタルビデオはツタヤ、古本中古ゲームはブックオフ、映画はマイカルシネマ、自動車はオートバックス、コンビニはセブンイレブンやローソン、パチンコはマルハン、電気屋はヤマダ電機といった具合にだいたいロケーションが決まってしまったように思います。

それで人々の生活がどうなったかと言えば、一国一城の主であった個人事業者が店じまいをしてパートの仕事に付くようになり、高いコストの自動車を持たなければ買い物もできなくなり、子どもがどんどん都会に流出していって家族はバラバラになり、バスは一日に一本しか通らない路線も現れ、大手資本と貧乏人の関係性だけの、閑散とした情景へと変わってしまいました。

その点、東京はといえば、電車や地下鉄、都営バスが充実していて自動車がなくても生活できる便利さがあり、本社が東京に集中しているので、税収に余裕があって公共サービスもよく、小さな商店街は昔のままの繁盛です。

皆さん、国鉄民営化で良くなったことってありますか? 

次々の大店法改正で、何か良くなったことってありますか?

今こそ、そう問わなければならないのに、時代を追うごとに、地域を衰退させてしまう日本の行政って、いったいどうなんですかね?

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4 コメント

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その通り! (小澤英治郎@mac samurai)
2008-05-11 14:30:11
四国じゃ汽車は一時間に一本しか通らんわ、バスは少なすぎるわ(無いところもある)、それで段取り狂うわ・・・

大型商店に行くには車が要るわ、自転車では目的地は遠いわ、なんか福田が言うガソリン税の大義名分、『京都議定書に反する』だとか『時代に逆行』と言うのと矛盾してますな。

農業法人のボラバイトで『MT運転免許』がある野もそれが遠因です。

農業法人以外でも知り合いである地方のIT関係業勤務者が『汽車の特急券定期を持っても一時間に一本しか出ていないし、各停も遅いから車を利用しなければならん』と愚痴っていました。


保守論壇でも戦後教育の反省や少年犯罪が起きるたびに『自分探しよりもささやかだけど、人との繋がりがある気楽な暮らし』とまでに言うが、それを破壊したのはどいつだ?

それが国鉄民営化や大店法改悪であり、こうと言うのも「日本古来の伝統を捨てて近代合理主義を受け入れた」産物であります。

今や地域や家族の絆も無く、私利私欲のためなら家族の絆や共同体を破壊し、それで彷徨う魂が『自分探し』や『特別な存在』を求めるのもこういったことが原因の一つだと思います。
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農業は大変だ (ジョリー)
2008-05-12 21:11:17
>小澤英治郎さん

地方では電車どころか、バス路線まで廃止された地域もあり、18歳に自動車学校に行ったときに、70歳の老人がやむなく運転免許を取りに来て一緒に勉強していたのを思いまします。

最近、中曽根康弘がテレビに偉そうに出演していますが、風見鶏と馬鹿にされた人間が、年をとっただけであれだけ威張れるのですから、困ったものです。国鉄民営化から何十年経っても、あれが良かったのか悪かったのか、何の検証もされずに、功労だけを求めていますからね。

農村へのUターン現象というのもありますが、多くの人間の憧れの農村生活が失敗に終わってしまうところをみると、農業を甘くみているのでしょう。

野菜一つ育てるということは、都会で勤まらなかった馬鹿者と、怠け者にはできない大変な作業です。

都会から、退職金と年金をわんさか持って帰ってくるというなら話しが分かりますが、都会で夢やぶれた金の無い人間まで、農村の好意で甘やかしている面も少なくないと思われます。
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生まれ故郷すれるにそれなりの覚悟を (小澤英治郎@macsamurai)
2008-05-12 22:55:40
ご正解!!

>農村へのUターン現象というのもありますが、多くの人間の憧れの農村生活が失敗に終わってしまうところを見ると、農業を甘く見ているのでしょう。

>野菜ひとつを育てるということは、都会で勤まらなかった馬鹿者と怠け者にはできない大変な作業です。

ボラバイトでも平均で一ヶ月~三ヶ月、長くて一年です。新規就農するのはよほどの物好きで続かないのが現状です。

基本的に長く続かないのは理想と現実がかけ離れていた事とカルチャーショックといった自分の弱さや人間関係のこじれなどもあります。

経営者側としてはやはり新規就農してもらいたいのが本音ですが、新規就農する資質がないことに気づいて辞めて行く者や百姓でやることが出来ない事でただのバイトとしてやめていく人もいるのが現状です。

と言う事で

>都会から、退職金と年金をわんさか持って帰ってくるというなら話しが分かりますが、都会で夢破れた金のない人間まで、農村の好意で甘やかしている面も少なくない。

のが濃厚です。



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生まれ故郷捨てるにそれなりの覚悟を (小澤英治郎@macsamurai)
2008-05-12 23:27:26
基本的に都市から離れて農業やるにしても生活面の問題などで断るのが多いです。

[基本給]
農業法人正社員就農者  13万~15万
農業法人研修生(バイト) 10万~13万 
ボラバイト        7万~ 8万

地方支社勤務者(IT関連) 17万~19万 
都市部勤務者
(大手外食企業)      24万
(プログラマー)      17万~21万

[年収]
農業法人正社員就農者   200~300万
都市勤務者        500~600万

収入面の差からして都市部から農村に行くことは難しいです。

都市部では当たり前の残業が日の暮れるとことがあるからそれが救いですが、それでも朝早く起きねばならないし、娯楽施設が少ない。 所によっては仕事場が多く移動が激しいのと、休日があまりないことが精神的も肉体的にもきつい。それで辞めて行く人も多くいます。

と言う事で「苦肉の策」としてインドネシア、フィリピンなどの東南アジアの人を農家が受け入れざるを得ないのが現実です。

これもいたし方ありません、働く気も農業での生計を考えていないニート・フリーターを集めるよりは彼らのほうが仕事が出来るし、本国よりは高い給料を出せばそれでいいのが経営者の本音です。

基本的には生まれ故郷を捨ててまで自分探しをするという自体、暴挙であるのにも気づかなければなりませんね。
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