日本のゆくえ

日本の経済と、日本人の精神はどこへ行くのか? 新自由主義社会に反乱を起こし、生き残るためのブログ

「沸騰都市」は、面白い!

2008-05-22 23:04:10 | Weblog
NHKスペシャル「沸騰都市」、観た方いらっしゃるでしょうか?
http://www.nhk.or.jp/special/onair/080518.html

セレブの住居が建ち並ぶ人口島や、地上800メートルの建造物など、世界中の資本が集中している第一回目の放送ドバイ、第二回目の放送は、ニューヨークから世界の首都を奪還したロンドンを放送していましたが、「世界はこんなに景気がいいのか?」というのが、皆さんの率直な感想ではないでしょうか。

全8回の放送で、次回なんて、バングラディシュのダッカですよ(笑)

まあ、どれだけ世界の好景気が、意図的にかどうかは知りませんが、日本人に伝えられてこなかったかが分かります。

日本の場合、1535兆円もの金融資産を持ちながら、デフレ経済に甘んじてきて、しかも昨年末からスタグフレーションですよ。あげくの果てに、その資金を国内で循環させずに、ゼロ金利とかで外国の資本に貸して外国ばかりが好景気になるのですから、アホもいいところでしょう。

資源の乏しいドバイの発展は、少しだけ今後の日本の参考になると思われますが、不動産と金融部門中心の好景気と、外国資本に頼る経済というのは、世界トップクラスの供給能力のある、我が国には相応しくないでしょう。

金融中心の資本主義など、右から左へ金を動かすことが、もてはやされているわけですから、投資家が一斉に資金を引き揚げてしまう未来が、必ずや、その国には待ち受けているわけです。

森永卓郎さんの言うように、ゴールドマンサックスの高給取りが、そんな優れた仕事をしているわけではないと思える哲学が、今の日本には必要です。

日本の場合、1535兆円の国内資本を、製造業や建設業やサービス業を発展させながら分厚い中間層を再構築し、国内でマネー循環させるのが、もっとも優れた経済政策なわけでしょう。

その長大な金融資産を、国税に吸収させるか、国債として借りるかして、それを財源とし、優れた需要を公共で創出すること。

これは、新自由主義ではなく、ケインズ主義でしかできません。

番組では、オイルマネー長者や、鉱山王が、幸せフェロモンをテレビ画面上からビュンビュン出しまくっていましたが、一方、高い一次産品を買わされて貧乏になっているのは、この日本であるということをお忘れなく。

それと、ドバイやロンドンのように、減税政策が、減税された富裕層と企業と、国を豊かにするということも、そろそろ理解してもらわないと困ります。健全な減税をするなら、貧困層を対象にするべきですね。

気がかりなのは、富裕層の背景に、搾取されている長大な貧困層を、しっかりと放送されなかったことでしょうか。

やれやれ、という気持ちになります。

日本が、沸騰都市となるのはいつのことやら。