雑文の旅

猫爺の長編小説、短編小説、掌編小説、随筆、日記の投稿用ブログ

猫爺の日記「家事えもんのファン」

2016-04-15 | 日記
   ◇春爛漫 あとに控えし 花水木

 梅が散ったら、辛夷(こぶし)があるさ。辛夷が散ったら、桜が咲くさ、桜が散ったら‥

   「さて、お次に控えしは、拙者花水木の出番でござる」

 白と桃色の花水木の花が競って咲き誇っている。霞か雲かと咲き乱れても、染井吉野には実がならないが‥

   「拙者には、小さいながら真っ赤な実が成るでござるよ、えへん」


 染井吉野(お馴染みの桜)は何故実を付けないのだろうか。花びらが散ったあと、確かに萼(がく)が残っている。ならば、実をつけてもよさそうであるが、やがて萼も地上に落ちて実を結ばない。

 染井吉野の実などというもの、数えきれないほど年をとった爺でも、ついぞ見たことがない。だが、染井吉野は「山吹」のごとき不稔性ではないのである。

 不稔性ではないのに実がならないのには理由がある。この理由には人間が関わっている。染井吉野は、お江戸は染井というところの植木職人が、ピンクの江戸彼岸桜(おっ母さん)と白い大島桜(お父っつあん)を掛け合わせて出来た交配種を吉野桜と命名した。この名は、奈良吉野の桜と紛らわしいので、後に生み出されたところの「染井」を付けて染井吉野と名付けられたものである。

   「それが、実が成らないことと関係があるの?」
   「それが、あるのです」

 近くに他人の桜が植わっていれば、その花粉を受粉して実を結ぶのだが、自分の花粉では実がなりにくいのだ。ことに染井吉野の場合は、自分の花粉ではダメなのである。

   「桜の木なんて、其処ら中にあるではないか!」
   「有りますよね」

 もう一度、江戸時代の染井に住んでいた植木職人のおっちゃんのところへ戻ってみよう。おっちゃんが苦労して交配させて作り上げた染井吉野を育て上げ、おっちゃんの弟子などが、その枝を接木してドンドン増やしていき、現在に至ったのである。この染井吉野の先祖を辿れば、みんな同じ江戸彼岸桜のおっ母さんと、大島桜のお父っつあんの子供のクローンなのである。いわゆる、現在に残る染井吉野は、同じ枝から分かれたクローンなのだ。

 この染井吉野君たち、それぞれ木は違っても、みんな「自分」だと認識している。ポトマック川河畔に咲く染井吉野も、猫爺の家の近くの公園の染井吉野も、兄弟とか親戚ではなくてクローン(本人‥、本木?)なのである。


   「何でこんな話になったのかな?」

 そうだ、花水木侍が「えへん」なんて威張ったのがいかんのだ。


   染井吉野の話はこっちへ置いといて(/・ω・)/


 猫爺、お笑い芸人「松橋周太呂」くんの大のファンである。実は、「お笑い芸」は、一度も視たことはないのだが、「家事えもん」としての彼は凄いと思う。洗濯機の掃除や、ヘルシーだがパサパサして旨くない「鶏むね肉」を砂糖一つまみ入れた水に浸してジューシーにする方法など、参考にさせて貰い、その都度感心されられている。お蔭で、100g48円のモツよりも安いヘルミー(ヘルシーでエコノミーの略)鶏肉を、よく食卓にあげるようになった。

   ヘルミーな話はこっちへおいといて(/・ω・)/

 夕食の支度をしなければならんので、ここまでにしておこう。あっ、プロ野球も始まっているし‥。